なぜXでの情報発信は続かないのか
番組「ボドゲの天下取り」、略して「ボド天」では、ボードゲームで天下を取るためにビジネス的な視点を交えて考察しています。今回のテーマは、Xで情報発信を続けるコツです。
Mana(マナ)さん自身も、毎日何かしらの投稿を続けていて、1日に何回も投稿することもあると話します。周囲からは「頑張ってるね」という声もあれば、「そんなに続けられないよ」という声も聞くそうです。
ボードゲームを宣伝する一番手軽な方法として、XはユーザーのX層も多く、無料でできて情報を伝えられる点で有効だと考えられています。ただ、日常的な「何を食べました」のような投稿では、自分のボードゲームの宣伝にはなりません。
一方で、しっかりとしたボードゲームの意見やプレイログといったコンテンツを作ろうとすると、なかなかしんどくなります。「時間がない」「話すようなことがない」といった理由で、続けられないという声が多いといいます。
作品は「完成品」ではなく「過程」で発信する
Mana(マナ)さんがまず挙げるのが、作品を作っていく過程そのものをコンテンツにするという方法です。出来上がったものを綺麗なバナーで紹介するだけでは、特定の時期にポロッと投稿して終わりになりがちだといいます。
それではアカウントも成長せず、届けたい時に情報を届けることも、遊んでくれたユーザーとのコミュニケーションも難しくなります。だからこそ、出来上がったものを宣伝するのではなくて、作っていく過程さえも発信して宣伝に活用していくのがよいと話します。
実際にMana(マナ)さんは、思いついたところからいきなり投稿しているそうです。テキストベースの素案やテーマだけの段階、ギミックのアイデアから始めて、テストプレイの結果やアートワークを順次公開していきます。
もうこんなゲーム思いついたんだけどみたいな。本当素案ですね、テキストベースで。それだけでも十分コンテンツとしては成り立ちます
「価値ある情報」でつまずく人が挫折しない考え方
ただ、宣伝だけを見たい人はそう多くありません。自分の伝えたいこと、宣伝したいことだけを伝え続けても、需要がなく伸びにくいといいます。
そこで次に「みんなに価値のある情報を届けよう」と考えが至りますが、価値のあるコンテンツを作り続けるのは大変で、大抵の人はここで挫折してしまいます。
Mana(マナ)さんの提案は、特別な価値や面白い投稿を無理に作ろうとせず、世の中のものをまとめてわかりやすくして投稿するというものです。
反応がいい投稿の例として、ゲームマーケットで発売される商品の販売価格をグラフにしたものや、Amazonで先月まで何個売れたかを集計したものが挙げられます。
もう一つ反応が良かったのが、ボードゲームをまとめるサイトに登録された各作品のキャッチコピーをまとめたものです。ボドゲーマー ── ボードゲームの情報をまとめたサイト。作家それぞれが作品を登録し、タイトルやキャッチコピー、宣伝文言などを記載できる欄がある。
これらの調査系の投稿は、そもそもMana(マナ)さん自身が気になって調べたものだといいます。ゲームマーケットの販売価格を決める際に周りの金額が気になって調べ、その過程で「自分が知りたいことはみんなも知りたいのでは」と考えてまとめたそうです。
自分が気になるな、調べたいなって思ったっていうことは、みんな知りたいんじゃないのかなっていう風に思って、まとめてXで投稿したりしています
だからこそ、ボードゲームに関わる人が何かしら調べたことは、自分の中で完結させず、どんどんシェアしていっていいのだと話します。
間違ってもいい。等身大の考えをそのまま出す
情報をまとめるのも大変ですし、宣伝はタイミングによってできる時とできない時があります。では他に何を発信すればいいのか。Mana(マナ)さんが挙げるのは、普段ボードゲームを作り、考える中で生まれる考察や疑問です。
ここでのポイントは、決してカッコつけないことだといいます。noteのように情報がまとまるコンテンツならしっかりした内容にすべきですが、Xはタイムライン上をどんどん流れていきます。
そのため、たとえ間違った意見だったとしても、その時自分はこう考えていたという履歴として割り切っているそうです。過去の投稿と違うことを最近言っていることも普通にあると話します。
もう一つ「カッコつけなくていい」理由として、立派なことを言う必要がない点を挙げます。すごい考えや「これが正解だ」というものを伝えようとすると、かえって発信する内容がなくなっていくといいます。
だからこそ、等身大の自分の考えでいい。「今私はこう思っている」を手軽に発信していくことが重要だと話します。
「その時にしか作れないコンテンツ」という強み
くだらないと思うことや、みんなが知っているはずで自分が知らないことを投稿するのは、バカだと思われそうで気が引けるかもしれません。しかしMana(マナ)さんは、絶対に自分と同じ立場の人がいるはずだと考えています。
例えば、初めてゲームを出した人が感じた「ゲームマーケットってこうなんだ」という衝撃は、何度も出ている人からすれば当然のことでも、これから出そうとしている人にはとても役立ちます。
ここで強調されるのが、その時の考え、その時のコンテンツはその時にしか作れないという点です。ゲームマーケットに何十回も出た人が、初めて出た時の生々しい感想を語ることはできません。
その時の自分にしか出せないようなもの、思い、考え方っていったものが十分コンテンツになり得ます
全然わからないという疑問も投稿していいといいます。「ボードゲーム作ってるくせに」と思われるかもしれませんが、「だって知らないんだもん」くらいに割り切って発信していいという考えです。
質問を投げると「情報が集まる場」になる
Mana(マナ)さんが感じているのは、ボードゲーム界隈の人がとても優しいということです。「これがわからない、教えて」と投稿すると、ちゃんとみんながコメントで教えてくれるといいます。
すごくみんな優しくてあったかい、そしてみんな勉強も熱心で、知識も豊富。これはちょっと衝撃的でした
そのため、GoogleやAIに聞くよりも、Xで聞いた方が生々しくリアルな回答が得られると話します。しかも、自分の疑問に集まったコメントは、同じくわからなかった人のためにもなります。
この効果を実感したのが、ゲームマーケットでの会話でした。あるユーザーから「マナさんのスレッドには情報が集まってきますね」と言われたそうです。
マナさん、色々と質問を投げかけるじゃないですか。そうするといろんな人たちの意見があって、それを見ているのがとても参考になるんですよ。
(ユーザーの声) さんからの質問
Mana(マナ)さん自身は、自分がわからないから聞いて、いろんな人の意見をもらって参考にしている感覚でした。しかし、そのやり取りに参加していない人にとっても、見ているだけで参考になっていたのです。
この話を受けてから、Mana(マナ)さんはより積極的に質問を投げかけるようになりました。「みんなこれどう思ってるの?」というレベルで、自分のためにも周りのためにも代表して聞くようにしていると話します。
アイコンを統一して「見たことある人」になる
こうした普段の活動を、その時々のコンテンツとして発信していけば十分だといいます。一つ一つバズらせようと考えるのではなく、今この時の自分をそのまま発信していくことが続けるコツです。
そのうえでMana(マナ)さんが重視するのが、アイコンの統一です。黒に星のロゴを、X、ポッドキャスト、YouTube、Discord、グループLINEなど、すべての活動で同じものに揃えています。
狙いは、一つ一つのコンテンツを「すごい」と思わせることではなく、「いろんなところでこのアイコンを見たことあるな」という状態を作ることです。Mana(マナ)さんはこれをブランディング戦略の一つだと捉えています。
ただし、その前提としてボードゲームに特化させる必要があります。日常的な「何を食べました」のような投稿は、アルゴリズム上、関係ない人に見られてしまうためです。
ボードゲームの話題を必ず絡め、言葉やプロフィールにも「ボードゲーム」を入れる。それさえ維持できれば、投稿するコンテンツ自体は何でもいいと話します。
ブースにも通じる、続けるからこそできる戦略
アイコンの統一は、ゲームマーケットのブースにも活かされます。Mana(マナ)さんは全作品を同じくらいの熱量で提供したいため、新作に特化したポスターは作らない方針だと話します。
代わりに試験的に考えているのが、色紙ぐらいのサイズの星のロゴを、ブースの高い位置に一つだけ掲げるというものです。作品名より、まずアイコンで目を引く狙いです。
X、ポッドキャスト、YouTube、Discordで見たことのある星のアイコンが歩いていれば、「あの人か」と思ってもらえる。そこから興味を持って近づいてもらい、統一感のある作品と簡単な説明で旧作にも目を向けてもらう流れを想定しています。
そういったあの星のアイコンがスタスタスタって歩いている時にポッと目に入ると、あ、あの人かみたいに思ってもらえると思います
こうした戦略は、同じアカウントで同じ情報発信をずっと続けたからこそできるものだといいます。ゲーム前だけXを活発化させ、また止まる、という動きでは認知が広がりにくいと考えられています。
無理しない範囲で続けることが最大のコツ
ポイントは、ボードゲームに関することを発信し続けることです。遊んだよ、考えたよ、作ったよ。そういったものを、無理ない範囲でやっていくのが大切だと話します。
今これで遊んだよ、今こんなこと考えてるんだ、これわかんないよみたいな、その時々のものをすっごいもう気楽にやっていく、それがやっぱり続けていくコツなのかなというふうにも思います
Mana(マナ)さんも、みんなが活発な時間帯を狙って投稿しようとした時期があったそうです。しかし、それをやろうとすると手が止まってしまうといいます。
テンションが上がって何十投稿もする時に、すべて予約投稿するのは現実的ではありません。だからこそ、思った時にその場で投稿する。夜中が多くアルゴリズム的には最悪でも、翌日の通勤中に見てもらえてインプレッションが伸びることもあると話します。
まず気楽に続ける
無理しない範囲で、思った時にその場で投稿する
余裕が出てきたら
時間帯などアルゴリズムを狙ってみる
試行錯誤する
うまくいけば続け、ダメなら変えていく
最後にMana(マナ)さんは、今語っているこの考え自体も、来年同じかはわからないと率直に話します。今思っているところを精一杯信じて突き進み、ダメなら変え、良かったら続ける。そうした姿勢を、等身大の自分として続けていきたいと締めくくりました。
まとめ
Xでの情報発信を続けるコツは、価値ある特別なコンテンツを無理に作ることではなく、作品の過程や等身大の考え、素朴な疑問をその時々で気楽に発信していくことにあると語られました。同じアイコンで発信を続けることが、ブランディングやブースの戦略にもつながっていきます。
- 完成品ではなく、作っていく過程そのものを宣伝コンテンツにする
- 自分が気になって調べたことは、みんなも知りたいはず。まとめてシェアする
- 間違ってもいい。その時の等身大の考えを履歴として割り切って出す
- わからないことを聞くと、集まったコメントが他の人の役にも立つ
- アイコンを全活動で統一し、無理しない範囲で発信し続けることが最大のコツ






