詐欺師に詐欺を疑われる、という奇妙な入り口
この回のテーマは、Manaさんが「またまた詐欺に遭いかけました」という体験の共有です。以前も報酬と引き換えに情報を求めるタイプの詐欺に遭いかけたことがあり、そのときは比較的すぐ気づけたと話されています。
一方で、今回の手口はかなり巧妙だったといいます。冒頭からManaさんは、Xでこうした詐欺が定期的に起きている現状に触れています。
まさか詐欺師に詐欺と疑われる詐欺があるのとは、みたいな、そんな感じではありました。
この「あなたのほうが詐欺師では」と疑いを向けてくる入り口こそが、今回の手口の特徴でした。以下、時系列に沿って何が起きたのかを追っていきます。
すでに繋がりのあるフォロワーからのDM
発端は、すでに繋がりのあるフォロワーからいきなり届いたXのDMでした。過去にDMし合った相手ではないものの、リプライなどでよく絡みがあり、アイコンを見て「あの人だ」とすぐ分かる相手だったといいます。
フォロワーからの連絡だったため、Manaさんは特に警戒せずDMを開きました。ちょうどXを開いて作業中で、すぐ返信できる状況だった点も、話がスムーズに進んでしまった一因です。
こんにちは。今お忙しいでしょうか?とても大切なことをお伺いしたいのですが、ってきたわけなんですよ。
Manaさんは自作のボードゲームを買ってくれた人から、ゲームの質問や相談をDMで受けることがあります。そのため、今回もそうした連絡かと考え、「はい、何でしょうか」と軽い調子で返したと話されています。
送られてきた「5年分のXプレミアム」の領収書
返信すると、いきなり画像が送られてきました。そこには、あるアカウントで5年分のXプレミアムを購入したという領収書が写っていたといいます。
相手はその画像とともに、自分のVISAカードの資金を騙し取った詐欺師が、Manaさんとまったく同じユーザー名とプロフィール写真を使っていた、どういうことかと問い詰めてきました。
領収書にはたしかにManaさんのプロフィール画像とアカウント名が記載され、5万円以上のものが「贈呈」された形になっていたといいます。
じゃあ、あなたがなりすまして私のVISAカードを不正に使用しようとしているっていうことだと思いますよ、みたいに言われたわけなんですよ。
Manaさん本人には思い当たる節がなく、「どういうことですか」と確認しました。すると相手は、Manaさんが不安がっている様子を察したような返答に切り替わったといいます。
通報とフォロワー動員という揺さぶり
次に相手は、てっきり詐欺師だと思ってManaさんのアカウントを通報した、さらにフォロワーにも通報を依頼した、と告げてきました。
てっきり詐欺師だと思って、あんたのアカウントを報告しちゃったよ。さらにフォロワーの人たちにも、あんたのアカウントを報告するように依頼をたくさんしちゃいました。
Manaさんは、Xのアカウントを大事に育ててきたため、いきなり通報され、フォロワーにまで通報を呼びかけられていると知って焦ったと振り返ります。凍結されては困るという不安が、揺さぶりの入り口になっていました。
領収書をよく見ると「贈呈しました」という表現だったため、勝手にクレジットカードでプレミアムをプレゼントされた形になっているのかと考えたといいます。
Xサポートを装ったキャプチャと「今日中に凍結」
Manaさんは自分のアカウントの状況を確認しましたが、有効期限は来年までで、5年分が加算されている形跡はありませんでした。その旨を伝えると、今度はXのサポートセンターとのやり取りだというキャプチャが送られてきます。
そのキャプチャには、異議申し立てをしなければ今日中に永久凍結される可能性があり、IPも制限されるといった内容が書かれていました。Xのロゴ付きで、いかにも公式サポートらしい体裁だったといいます。
Manaさんは念のため、自分の通知欄や迷惑メールを含むメールボックスを確認しましたが、Xからの連絡は何も来ていませんでした。この「本人には連絡が来ていない」という点が、後に不審を強める手がかりになります。
「異議申し立てを手伝う」というDiscordとAIらしい応答
相手は「異議申し立てのキャンセル手続き」をした方がよいと勧め、間違って報告してしまったので何でも手伝う、というスタンスで迫ってきました。
Manaさんが、支払いはキャンセルできたのか、クレジットカードの不正利用は実際に決済されたのかと具体的に尋ねると、その問いには明確な返答がなく、代わりにサポートとのやり取りらしいキャプチャがさらに送られてきたといいます。
そして案内されたのがDiscordでした。そこにXのサポート担当がいるので、これまでのDMのやり取りをキャプチャで送ってやり取りしてほしい、という誘導です。
誤って報告をしてしまって、あなたが無実なのに凍結されるのは申し訳ないから、何でもかんでも協力しますよっていうスタンスでいるわけなんですよ、向こうは。
Manaさんが「Discordはやっています」と答えても、相手はそれをくみ取らず、Discordのダウンロード方法を案内してきました。聞きたいことに答えず、会話がかみ合っていない点から、Manaさんはこの時点でかなり怪しみ始めます。
リンクを送っても読まない、決定的な違和感
Manaさんは同じような被害に遭っている人の投稿をX上で見つけ、そのリンクを相手に送り、「これと同じ状況ですか」と尋ねました。
普通なら、そうしたものもあるとか、それとは違うといった反応が返るはずです。ところが相手は、リンク先をまったく見ていないと分かる返答をしてきたといいます。
リンク送ってるのに、明らかにそのリンク先を見てないわけなんですよ。
さらに「お送りした投稿はどう思いますか」と重ねて聞くと、会話が「読み取り専用モード」になり、そもそもやり取りができなくなりました。ただし他の相手とはDMできる状態だったため、相手側のアカウントに制限がかかっている可能性が高いと考えられます。
Manaさんは、相手が同じDMをあちこちに大量に送ったことで一時的にDM制限がかかったのではと推測し、これは詐欺で確定だと判断しました。
乗っ取りの伝播を止めるための対応
DMで連絡できなくなったため、Manaさんはまずその相手にX上でメンション付きの投稿を送りました。DMは通知が来ないことがある一方、メンションなら通知が届くと考えたためです。
ちょっと乗っ取られてるかもしれませんよ、で、返事くださいね、ちょっとDMを確認してくださいね、っていうような連絡をしました。
しばらく待っても返信がなく、完全に乗っ取られている可能性が高いと判断します。そこでManaさんは、相手の名前が特定されないよう配慮しました。
メンション付きの投稿は削除し、やり取りの中で呼びかけていた相手の名前を伏字に加工したうえで、注意喚起としてこのやり取りを公開したと話されています。乗っ取られた側を晒す必要はない、という判断です。
この先に待っていたであろう乗っ取りとクレカ詐取
Manaさんは、もしDiscordでサポート担当を名乗る相手とやり取りを続けていたら、アカウント状況の確認を口実にアカウント情報を求められ、答えてしまえば乗っ取りが完了していただろうと推測しています。
乗っ取られたアカウントは、相互フォローの相手へ無作為にDMを送る「発射台」となり、同じ詐欺が次々に広がっていく——この回では、そうした伝播の構図が語られています。
応答が自然だった点から、Manaさんはこの手口にAIが使われているとみています。今回のエピソードでの相手のやり取りは、質問にかみ合わない一方で全体としては自然で、AIを詐欺に用いた事例だと考えられると話されています。
さらにタチが悪いのは、乗っ取りだけでなく、クレジットカードの不正利用を疑われている立場に仕立てられている点です。決済をキャンセルするためと称してクレジットカード情報を求められ、教えてしまえばカードもやられる、という流れが想定されると語られています。
フォロワーを装うDM
繋がりのある相手のアイコンとユーザー名で油断させる
領収書と通報で揺さぶり
なりすまし・不正利用を疑い、凍結の不安をあおる
Discordのサポートへ誘導
公式外の場でアカウント情報を聞き出す
乗っ取り・クレカ詐取
情報を渡すと乗っ取られ、次の発射台になる
気づけたポイントと、Xユーザーが持ちたい疑い
Manaさんは、途中で「あれ?」と思える違和感がいくつもあったと振り返ります。クレジットカードのキャンセルのためにX側がカード情報を求めるのは不自然ですし、そもそもX以外のDiscordでやり取りする点、凍結の話が進んでいるのにXアカウントを聞かれる点も、いずれもおかしいと指摘します。
一方で、こうした違和感に気づかず進んでしまう人もいるだろうとも話されています。Xだけで活動している人の中には、詐欺の手口に詳しくない人も少なくないという見立てです。
Manaさんは、騙される側が悪いという話ではないと断りつつ、疑いの目を持っていない人が多い層につけ込む詐欺が増えているのではないか、と語っています。だからこそ、注意喚起としてXでこのやり取りを拡散したと話されています。
自分が乗っ取られてしまうと、次々自分のアカウントが発射台となって、さらなる詐欺を生んでしまいますので、ぜひ乗っ取られないように気をつけたらいいかなと思っております。
まとめ
今回は、フォロワーを装ったDMから始まり、なりすましの疑いと凍結の不安であおって公式外へ誘導する、X乗っ取り詐欺の一部始終が語られました。かみ合わない応答やリンクを読まない反応が、詐欺だと見抜く手がかりになっています。
- 繋がりのあるフォロワーのアイコン・名を装ったDMでも、内容次第では警戒する
- 「なりすましを通報した」「今日中に凍結される」という揺さぶりは、焦らせるための常套手段と考える
- Xの手続きをX外のDiscordでやらせる、アカウントやクレカ情報を聞き出す流れは不自然
- 質問にかみ合わない、送ったリンクを読まない応答は、AIによる詐欺を疑う手がかりになる
- 乗っ取られると自分のアカウントが次の詐欺の発射台になるため、情報を渡さないことが最大の防御







