久々のオープン会は、なぜそんなに重要だったのか
番組の冒頭で、Manaさんは今回のテーマを「ボドゲの幅を広げる」だと紹介します。先日、これまで行ったことのなかったボドゲ会に参加してきたことがきっかけでした。
参加したのは、誰でも集まれるオープン会です。オープン会 ── 特定の仲間内に限らず、参加者が自由に集まってボードゲームを遊ぶ会。初対面同士でも卓を囲めるのが特徴です。Manaさんにとって、オープン会への参加は久々のことでした。
普段は娘さんと活動しているため、学校の予定などで日程が合わず、こうした会にはなかなか参加できていなかったといいます。今回は娘さんが夏休みで、Manaさん自身の都合も合ったことから、思い切って参加しました。
初対面の人ばかりでしたが、皆やさしくてとても楽しかったと振り返ります。そして久しぶりに出てみて、こうしたオープン会は改めて重要だと感じたそうです。
同じ仲間で遊ぶと、ボドゲの好みは偏っていく
オープン会が重要な理由として、Manaさんは自分のボードゲームの幅が一気に広がる点を挙げます。
自分のボードゲームの幅がいきなりドパッと広がるっていう点があるんですね。
いつも同じような仲間で遊ぶクローズドな会だと、遊ぶボードゲームは偏ってくるといいます。同じゲームでなくても、ジャンルや好みがどうしても限られてくるためです。
Manaさん自身も、作るボードゲームはいろいろなシステムを使うものの、やはり偏ってきていると感じていました。そこで今回は、自分が普段遊ばないようなゲームをたくさん遊べたらという思いで参加したそうです。
手ぶらで参加、10時間ぶっ通しのボドゲ漬け
オープン会は参加者がゲームを持ち寄る形でしたが、初参加でどこまで持ち込んでよいかわからず、Manaさんは手ぶらで参加してしまったといいます。結果として皆のボードゲームを借りるだけになり、少し申し訳なかったと話します。
それでも当日は、娘さんとともにおよそ10時間ぶっ通しでボードゲームを遊んだそうです。お昼ご飯も食べずに、次から次へと遊び続けたといいます。
なんでボードゲームってあんなに時間が過ぎるのが早いんですかね。
気づけば昼過ぎ、そして夕方、終了時間という具合で、まだやり足りないくらいだったと振り返ります。この体験がものすごく刺激になったといいます。
聖徳太子になる「沈黙の艦長」という発見
Manaさんは普段、アブストラクトやトリックテイキングといった考える系のボードゲームを作ることも遊ぶことも多いといいます。トリックテイキング ── 各プレイヤーがカードを1枚ずつ出し合い、その勝ち負けを競うカードゲームの一分野。トランプのゲームにも多く見られます。今回は普段あまり遊ばないパーティーゲーム寄りの作品をたくさん遊びました。
特に印象的だったのが「沈黙の艦長」というゲームでした。艦長役が1人いて、ほかのプレイヤーが現場の状況を報告するというものです。
報告役は、1分ほどの制限時間内に、配られたお題カードを全部読み上げます。カードは一言ではなく文章になっていて、1人あたり6枚ほど、6人で遊ぶとかなりの枚数になったといいます。
全員が一斉に報告するため、言葉がめちゃめちゃ被ります。艦長はそれを聖徳太子のように聞き分け、前方・後方・右舷・左舷のどこに逃げ、どこへ砲撃するかを判断して指示します。
ほんと(艦長役は)目をつむって、じっと聞くよみたいな。宇宙戦艦の艦長の雰囲気そのものになってしまう。
Manaさんは、役になりきって喋るのは少し恥ずかしいと感じていましたが、やってみると非常に面白かったと話します。男性が女性役になりきって報告するなど、盛り上がったそうです。
自分でボードゲームを作るうえでは、こうした感性はなかったと気づいたといいます。皆から一斉に言われることをゲームにするというアイデアに、強く感心した様子でした。
体を動かす、レース、取り手まで幅広く体験
「沈黙の艦長」以外にも、Manaさんはさまざまなジャンルを体験しました。お盆に玉を3つ乗せ、特定の色だけ落とすといった、体を使うアクションゲームも面白かったといいます。
さらにレース系のゲームや、複数の取り手のゲームも遊びました。ゴーアウトなど、いろいろな作品に触れられたそうです。
Manaさんは、自分がやったことのないもの、普段選択しないジャンル、自分が作らないジャンルを中心に、広く遊べたことを喜びます。「もう最高でしたね」と振り返っています。
他人のテストプレイで見えた「商品価値」の置き方
会には、ボードゲームを作っている人たちも参加していて、Manaさんはそのテストプレイにも参加させてもらいました。テストプレイ ── 制作中のボードゲームを実際に遊び、ルールやバランス、面白さを確認・調整する作業。制作の重要な工程です。人のテストプレイに参加する経験はあまりなく、皆アプローチがそれぞれ違うと感じたそうです。
テストプレイでは、遊び終わったあとに皆で指摘や意見を言い合います。どんな点を拾い、それをどう調整に反映するのかが、とても参考になったといいます。
特に印象的だったのが、商品としてどこに価値を出すのか、という視点でした。その価値に対して調整をかけていくアプローチがあると気づいたそうです。
たとえば、コンポーネントが少なく、お題が全ての会話系ゲームは、買わずに自分たちでお題を決めても似た遊びができてしまうものもあります。そうしたゲームの商品価値はどこにあるのか、Manaさんは以前から疑問を持っていました。
その答えとして、遊ぶ人が自由に遊んでもいいし、遊びやすいようにお題を用意しておくのだ、というアプローチがあると聞いたそうです。Manaさんは、そうしたジャンルも自分で作ってみたいと思ったと話します。
有名作を実際に遊び、遊ぶ側の生の声を聞けた
Manaさんは、有名だけれど実際には遊んでいなかった作品も遊べたことを喜びます。何が面白いのか、皆がどう考えているのかが参考になったといいます。
さらに、普段ボードゲームを作らず遊ぶだけの人たちが、作品についてどんな会話をしているのか、作者のことをどれくらい知っているのかといった生の声を聞けたことも、有意義だったと振り返ります。
別件として嬉しかったのは、Manaさんのことを知ってくれている人が何人かいたことでした。XやこのポッドキャストなどでのManaさんの発信活動が、少しずつ届いていたのです。
(あなたは)ブースカットコンテストやってますよねっていう風に言われた時はちょっと嬉しかったですね。
Manaさんは、発信が少しずつ浸透していると感じ、今後も情報発信を頑張りたいと話します。そして、オープン会でも自分の作品が選ばれ、遊ばれ、盛り上がってくれたらと強く思ったといいます。
会場で皆が持ち込んだゲームを見渡したとき、自分のゲームはありませんでした。いつか自分の作品を誰かが持ってきてくれて、「実はこれの作者、私なんです」という会話ができたらと願っています。
卓を分けて遊ぶ娘に感じた、パパとしての成長
帰り際、Manaさんは娘さんと「面白かったね」と語り合ったといいます。会の後半では娘さんとManaさんは卓を分け、それぞれで遊んでいました。
娘さんがほかの大人たちときちんとコミュニケーションを取れていることに、Manaさんは成長を感じたそうです。
普段、家ではカードのシャッフルや準備・片付けをManaさんが担うことが多いといいます。しかし外から見ると、娘さんがカードを切り、片付けも手伝っていて、その姿を見られたのも嬉しかったと話します。
ボードゲームとは直接関係ないけれど、パパとしてそういうものも嬉しかった、とManaさんは振り返ります。
家で考え込まず、自分の感性にないものと触れる
Manaさんは、制作者として得意ジャンルや好みはあっても、数多くの作品で遊ぶことはとても勉強になると話します。別ジャンルの何が面白いのかを考えながら見ると、自分の得意ジャンルに持ってこられる要素もあるといいます。
たとえばベットの仕方や、複数のフェーズにゲームシステムを分けて最終的に1つにまとめる作り方です。ドラフトとセットコレクションがフェーズごとに分かれるようなゲームもあり、そうした組み合わせもできるのではないかと感じたそうです。
コンポーネントの格好よさや作り方も刺激になりました。特にインディーズ作品では、箱をよく見ると貼り方の工夫が見えて、参考になったといいます。
Manaさんは、作品作りで詰まったときや新しいものを作りたいときこそ、様々な人やボードゲームと触れ、自分と違うものに触れ合うことが重要だと改めて思ったと締めくくります。定期的にオープン会に参加していきたいと話しています。
まとめ
久々のオープン会は、普段遊ばないジャンルとの出会いを通して、Manaさんに制作面でも大きな刺激を与えました。自分の偏りに気づき、幅を広げることの大切さを再確認する回でした。
- オープン会は、普段偏りがちなボドゲの幅を一気に広げてくれる
- 「沈黙の艦長」など、普段作らないパーティーゲームに新しいアイデアの発見があった
- 他人のテストプレイからは、商品としての価値の置き方という視点を学べた
- 発信活動が少しずつ届いていて、自作が選ばれる未来への意欲にもつながった
- 家で考え込むより、自分の感性にないものと触れ合うことが制作には重要



