なぜ今「企業研究」なのか
この回のテーマは、企業研究の仕方です。吉田さんは、社労士試験の受験が終わると社労士業界で人が動くと言われていることを背景に挙げています。
そこで、これから転職を考える人の役に立つ情報を出したいという狙いで、このテーマを取り上げたと話します。
ただし、企業研究の一般的な方法をそのまま説明するのではなく、理解を深めるために、あえて違う角度から入るとしています。
小学校受験が教える「本気度の見抜き方」
切り口として登場するのが、今年ちょうど小学校受験を迎える吉田さんの息子さんの話です。小学校受験のやり方は、企業研究を考える上ですごく役に立つといいます。
学校側の視点に立つと、たくさんの志望者の中から、モンスターペアレントのような人を避け、本気で志望している家庭を見抜きたいという事情があります。
優秀すぎる子はよりグレードの高い学校へ流れてしまうため、学校側は「うちの学校が大好きな人」を選びたいと考えると説明します。
でもみんな本校が第一志望ですとかって平気で言うわけですよ。それが礼儀らしいんでしょうがないんですけど、そこの中から本気の人を集めるっていう
そこで取られている手法が、あえてオフラインでしか出さない情報だと吉田さんは言います。インターネット全盛期だからこそ、その情報を知っているかどうかで本気度を測るという考え方です。
具体例として挙げるのが、録音も録画も禁止の学校説明会です。校長先生の話をメモしておき、面接で「校長から聞いたこの話が良かった」と答えると高評価につながると話します。
さらに、イベントに来た人の名前や来場のタイミングは毎回記録されているといいます。何度も足を運ぶ人は志望度が高いと見なされ、本番でも有利になるという仕組みです。
逆に、インターネットの情報しか知らない人や、イベントに来ていない人は不利になると説明します。
公開情報とライバル比較から始める企業研究
ここから本題の企業研究に入ります。吉田さんは、この小学校受験の話は企業の採用にそのまま置き換えられると言います。
企業も、自社を理解して前向きに働いてくれる人に入ってほしいと考えます。だからこそ応募する側は企業研究をする必要がある、という流れです。
まず基本として、ホームページなどの公開情報は一通り見た方がよいとします。これは選考のためだけでなく、応募者自身のためでもあると強調します。
あまりに自分と合わない会社に入ると、後で苦労し、場合によっては精神疾患や早期退職につながることもあるためです。公開情報で、本当に行きたい会社かを吟味するよう勧めています。
さらに、会社を理解するには比較が有効だといいます。人は他と比べることで違いがわかるからです。
そこで、ライバル会社や同業他社のホームページと、作りや公開情報の違いを調べておくとよいとします。そうすることで、その会社の特殊性やオリジナリティが見えてくるという考え方です。
OB訪問と一次情報で「薄っぺらさ」を超える
ただし公開情報だけでは、小学校受験の話でいう「出てきた情報しかない」状態で、どうしても薄くなると吉田さんは言います。
そこで有効なのが、学校説明会に行くようにOB訪問をすることだとします。OBに社風を教えてもらったり、入社後の給料やポジションの見通しを聞いたりできるからです。
入社したら大体これくらいの給料がもらえて、5年経ったらこれくらいの給料になって、ポジションはこれくらいになるよとかって、すごいリアルな情報を教えてくれる
一番リアルな情報を得られるのは、OBや現役でその会社の中にいる人に聞くことだと結論づけています。
そのほかにも、代表者のインタビューや、所属している人のYouTube出演を見るのも有効だとします。吉田さん自身も、このポッドキャストを含めYouTubeなどに積極的に出ていると例に挙げます。
優秀な社労士なら日本法令などから著書を出していることもあり、登壇や過去のセミナー実績を確認するのも重要だと話します。
情報が出てこない事務所はチャンスか
一方で、地域密着の社労士事務所などでは、ホームページすらなく情報が全く出てこない場合もあると吉田さんは言います。
その場合は最後の手段として、求人票を隅々まで読んで情報を仕入れるしかないとします。
そして、情報が出てこない事務所はむしろ狙い目かもしれないと指摘します。求人に困っている可能性が高く、競争倍率が低いと考えられるためです。
中小企業の採用がうまくいかない最もよくある原因は、自社の情報を世の中に開示していないことだと説明します。情報がないから誰も応募しない、というパターンです。
ただし、こうした会社を狙うのはギャンブル的な要素もあると釘を刺します。入ってみたら実態が違った、残業代が出なかった、ということもあり得るからです。
こうして企業研究を重ね、その結果「あなたの会社に惚れ込みました」という形で応募すると、採用される確率は高くなるはずだと吉田さんはまとめます。
ワンハートの近況と求める人材
後半では、吉田さんが代表を務める社労士法人ワンハートの近況が語られます。放送時点で自社の求人も出ているとのことです。
吉田さんは、この内容を採用面接で話してもらえると、よく聞いてくれていると感じると前置きしています。
会社の基礎情報として、ワンハートは2021年に創業し、2026年8月時点でおよそ5.5年、来年で6年になると説明します。従業員は収録時点で10名で、うち1名が産育休中です。
売り上げは前年比で20%から30%ほど伸びており、成長路線に乗っている会社だといいます。9月決算で、今年は前半が伸び悩んだものの、後半にコンサルティングサービスの追加販売で取り返したと振り返ります。
吉田さんはコンサル案件の多くを自身で担当しており、手が詰まりがちだといいます。そのため、そうした仕事を渡せる人が入ってくれると嬉しいと話します。
ただし、入社していきなりコンサル案件はできないため、まずは既存メンバーに渡し、そのメンバーがやっていた入社年次の浅い人でもできる仕事が、ところてんのように押し出されてくるイメージだと説明します。その仕事を担う人を求めているとのことです。
業務の受け方については、売り上げより先にスタッフを採用しているため、万年パツパツの状態ではないとしています。半年から1年かけて徐々に仕事を覚えるイメージだといいます。
多分スタッフさんに聞くともっとバンバン仕事来るなみたいな感じだと思うんで、逆に退屈はしないと思います
採用実績は年に2人ほどで、今後も同程度だが、いい人がいればもっと採用したいと話します。
ワンハートの社風と広がる仕事
社風やミッションについて、吉田さんは「顧客の模範となる社労士法人を作って顧問先を発展させていきたい」という考え方を掲げます。
そのため、まず自社でさまざまなチャレンジに取り組み、それを顧問先に提案していくことが多いといいます。AI活用やNotionの利用、このポッドキャストなどが例です。
スタッフ自身に前向きに働いてもらい、その姿でサービスすることで「ワンハートさんいいですね」と言ってもらえる会社を作りたいと話します。
最近はコンサル案件が増えているといいます。社労士といえば入退社手続きや社保手続き、給与計算、労務相談が中心で、売り上げの一番多いところもそこですが、それ以外の案件が出てきているそうです。
具体例として、就業規則の作成のようなベーシックな業務に加え、給与計算のノウハウのマニュアル化、DXツールの導入・初期設定、人事評価の作り直し、労務デューデリジェンス、社内調査などを挙げています。
こうした案件は、頭を使って考え提案し、お客様から「ぜひお願いします」と依頼されるように増えてきているのが最近のトピックだといいます。
一方で、これらの話は「吉田が楽をしたいだけでは」と思われるかもしれないと自ら触れつつ、聞いている人のキャリア形成に役立つよう考えて仕事を渡していると強調します。やった分だけいい仕事が来て、報酬も連動して上がっていくとのことです。
求人はIndeedやヒビコレあたりに出ており、リモートやフレックスなど働きやすい体制だとして、応募を呼びかけて締めくくっています。
まとめ
吉田さんは、小学校受験で本気度を見抜く仕組みを切り口に、応募者がやるべき企業研究の手順を段階的に示しました。公開情報の確認から一次情報の収集までを押さえることが、採用される確率を高めるという内容です。
- 企業も自社を理解して前向きに働く人を求めるため、応募側の企業研究が採用の鍵になる
- まずホームページなど公開情報を確認し、同業他社と比較して会社の特殊性を把握する
- 公開情報だけでは薄く、OBや現役社員への一次情報が最もリアルな理解につながる
- 情報が出てこない事務所は倍率が低くチャンスな一方、実態が違うギャンブル的リスクもある
- ワンハートはコンサル案件の拡大に伴い、既存業務を担える人材を求めている
