続編で紹介するのは実務に近い5つのツール
この回は、社会保険労務士法人ONE HEARTで使っているツール紹介の続編です。前回はGoogle WorkspaceとSlack、Chatwork、Notionが取り上げられました。
今回のテーマは、より社労士実務に関わってくるツールです。具体的には、アメックスのクレジットカード、MoneyForward、KingofTime、SmartHR、OfficeStationの5つが紹介されます。
今日は、社労士実務に関係してくるようなものが多いです。
なぜ法人カードとMoneyForwardをつなぐのか
1つ目はアメックスのクレジットカードです。吉田さんは、法人ではクレジットカードがあったほうがいろいろ楽だと話します。
理由は、次に紹介するMoneyForwardとつなげると、クレジットカードの決済情報がそのまま会計ソフトに連携されるからです。
また、細々とした経費を立て替えて精算するのは大変だという点も挙げられています。キャッシュレスにしていても、領収書の精算は手間がかかるためです。
できればちゃんと法人カードを作って、それで法人の経費を払っていったほうが楽だと思います。
2つ目のMoneyForwardは、そのクレジットカードやネットバンクとつなぎ、クラウド会計の中にデータをため込んでいく会計ソフトとして使われています。
ただ、吉田さんは会計以外のプロダクトも高く評価しています。特に社労士におすすめしているのがMoneyForwardクラウド請求書です。
請求書と給与計算、MoneyForwardの何が便利か
MoneyForwardクラウド請求書について、吉田さんは士業、特に社労士なら入れたほうがいいと話します。
従来のやり方では、毎月Excelで請求書を作り、発行日を打ち替え、印刷して封筒に入れ、郵送するという流れが一般的でした。
一方でMoneyForwardクラウド請求書は、設定しておけば毎月一定期日に請求書が自動でできあがります。例えばA社への5万円の顧問料を、毎月1日に自動作成するといった状態にできます。
さらに送信ボタンを押せば、あらかじめ指定したメールアドレスに請求書が自動で届きます。印刷して封筒に入れる作業がなくなるわけです。
Excelで作成し発行日を打ち替え、印刷・封入・郵送する
一定期日に自動作成され、送信ボタンで指定アドレスに自動送付される
そして社労士として何より評価されているのが、MoneyForwardクラウド給与です。給与計算ソフトの使い勝手が良いと話されています。
吉田さんは弥生給与など複数の給与計算ソフトを触ってきました。弥生は比較的使いやすい一方、使いこなすのに何時間、何ヶ月もかかるソフトもあると振り返ります。
MoneyForwardクラウド給与は、UXとかUI、使い勝手がすごく良くて、直感的に使えるのでいいです。
自分自身も苦労せず使え、スタッフからも使いやすいという声をもらっていると話されています。
勤怠はなぜKingofTime一択なのか
3つ目は勤怠システムのKingofTimeです。自社でも使っており、なぜKingofTimeなのかとよく聞かれると言います。
理由は明確で、プロが使うんだったらKingofTime一択だというのが吉田さんの考えです。社労士にはいろいろなお客さんがいることが背景にあります。
例えば、1日8時間・週40時間の通常の労働時間制のお客さんもいれば、1ヶ月単位の変形労働時間制やフレックスのお客さんもいます。それ以外のパターンも様々です。
こうした細かい制度に対応できる勤怠ソフトは実は少なく、同業者との情報交換でも一番対応できるのがKingofTimeだと感じていると話します。
一方で、事業会社などで自社の給与制度が1つしかない場合は、要件を調べてコスパに優れたものを選ぶのもありだとしています。安いと聞いているものとしてハーモニー勤怠の名前が挙げられました。
SmartHRとOfficeStationの役割分担
4つ目と5つ目は、SmartHRとOfficeStationです。役割が似ているため、セットで解説されています。実際にXでツイートした際も質問が寄せられた組み合わせです。
どちらも労務管理のソフトで、従業員情報の管理、手続き、明細の発行などができます。役割は似ていますが、ONE HEARTでは明確に役割分担をして使っています。
SmartHRは、顧問先のスタッフからの情報収集に限って使われています。一見変わった使い方に思えますが、理由があります。
SmartHRってすごく、ユーザーインターフェイス、UX、UIが洗練されてるんですよ。
顧問先のスタッフに個人情報の収集案内を出すと、洗練されていないツールでは「入力の仕方がわからない」「初期設定がわからない」といったクレームが来ることがあると言います。
一方でSmartHRは直感的に操作できるため、そうした連絡が来ないと話されています。だから情報収集にSmartHRを使っているというわけです。
SmartHR
顧問先スタッフから個人情報を収集する
OfficeStation
収集した情報を流し込み、プロが手続きを処理する
なぜSmartHRだけで完結しないのか
SmartHRで収集した情報は、OfficeStationにすべて流し込み、その中で手続きが行われています。ではなぜSmartHRだけで完結しないのかが語られます。
吉田さんは、SmartHRは洗練された良いツールとしつつ、手続きの対応件数が少ないと指摘します。マニアックな手続きがSmartHRではできないためです。
対してOfficeStationは、マニアックな手続きに幅広く対応しています。プロが使うんであればOfficeStationのほうがいいというのが吉田さんの結論です。
そのため、一般の方が触る部分はSmartHRに任せ、そこで吸い上げたデータをOfficeStationに流し、プロが扱う部分はOfficeStationで処理するというフローになっています。
ただし、本当はどちらか一方にまとめたいものの、そうもいかないのが実情だといいます。業務フローを洗練させたいと考え、プログラムなども作りながら試行錯誤中だと話されています。
UX・UIが洗練され直感的だが、手続きの対応件数が少ない。顧問先スタッフの情報収集に使う
手続きの対応件数が多くマニアックな手続きにも対応。プロが手続きを処理する部分に使う
OfficeStationの弱点と、それでも選ぶ理由
OfficeStationについては、率直な弱点も語られています。手続きの対応件数は非常に多い一方で、UX・UIの使い勝手には課題があるという評価です。
正直なんでこんなボタンの配置になってるんだろうっていうような使いづらいソフトでもあるんで、慣れるまで結構時間かかります。
また、RPAで動かそうとするとボタンの位置が変わっていることがあるなど、外部との連携をあまり意識せずに作られている印象だと話されています。
そのため、OfficeStationだけで0から100まで完結する業務フローなら良いものの、そうでない場合は連携面で苦労するとしています。
それでも、他のツール、例えばShareRomと比べればOfficeStationのほうが全然良く、比較検討した中で一番マシだからOfficeStationを使っている、というのが吉田さんの説明です。
まとめ
この回では、社会保険労務士法人ONE HEARTが実務で使う5つのツールと、その選定理由・役割分担が具体的に語られました。単に便利なものを並べるのではなく、プロの実務に必要な対応範囲や使い勝手を軸に選ばれている点が特徴です。
- 法人カードはMoneyForwardと連携し、決済情報を会計にそのまま流せる
- MoneyForwardは会計だけでなく、請求書の自動作成・自動送付や直感的な給与計算も強み
- 勤怠は多様な労働時間制に対応できるKingofTimeを、プロ向けとして一択と位置づけている
- SmartHRは情報収集、OfficeStationは手続き処理と役割分担している
- OfficeStationはUIや外部連携に課題はあるが、手続きの対応件数の広さから採用されている






