AIエージェント時代、Notionを捨ててDriveに戻した理由
冒頭は前回に続くAIの話題から始まります。岡島さんは数ヶ月前、ポッドキャストのデータなどをNotionに集約する運用に切り替えていました。
ところがClaude Codeなどを触るうちに、判断を見直すことになったと話します。
いいんじゃないかなと思って。ミスりましたね。
理由は、Google DriveならMacのFinderに直通でき、AIエージェントに直接ファイルを触らせられる点にあります。Notionにも今後エージェントは出るだろうとしつつ、現状はDriveのほうが汎用性が高そうだという判断です。
玉置さんは、岡島さんのファイル管理が整っているので引っ越しはそれほど大変ではないと指摘します。むしろ問題は別のところにあると言います。
どっちかっていうとエージェント使いたいんだけど、その辺のなんかドキュメントがぐちゃぐちゃで困ってますみたいな人の方が多いと思いますよ。
進歩が早すぎて、少し前まで良かった運用がすぐ陳腐化してしまう。そんな時代だからこそ、玉置さんは身軽でいることを勧めます。
アーリーアダプターの宿命と、イノベーターの言葉が届かない理由
話題は、新しいものを取り入れる層の分類に移ります。岡島さんは自分をイノベーターほど早くはなく、アーリーアダプターくらいだと自己評価します。
玉置さんは、アーリーアダプターでいる以上、入れ替わりの速さや「捨てる」ことは受け入れざるを得ないと話します。安定を求めるならマジョリティまで待つ手もあるが、それでは居心地が悪いだろうとも言います。
さらに、いま発信して受け入れられているのはイノベーターではなく、少し早めのアーリーアダプターだという見立てを示します。
多分イノベーターがイノベーターのまま発信しても誰も喜ばないと思うので。
2024年時点でエージェントを語っていた人はイノベーターであり、当時は「何を言っているのか」と感じていたと2人は振り返ります。それがいまでは、人間の仕事がなくなる実感として迫ってきていると岡島さんは話します。
やる気の正体はドーパミン。始めないと出ないという矛盾
ここから本題の「やる気スイッチ」に入ります。玉置さんは、やる気の正体を神経伝達物質のドーパミンだと説明します。
ドーパミンは行動する前には出ず、作業を始めること自体がやる気を生むといいます。これは作業興奮と呼ばれる現象です。
つまり、やる気が出てから始めるのではなく、始めないとやる気は出ない。ここに矛盾があると岡島さんは整理します。
やる気がないと始められないのだけど、始めてないからやる気が出ないっていう。
玉置さんは、途中でやる気を失うと作業が滞り、着手できないまま時間だけが過ぎる「嫌なモード」に入ると言います。その無駄を避けるため、自分をやる気にさせることに強く気を使うと話します。
だからこそ、やることはドーパミンをどうハックするかだけだと玉置さんは言い切ります。この回は、そのハック術を紹介する内容です。
音声でタスクを宣言し、AIで極限まで細かく分解する
最初のハックは、音声入力サービスの使い方です。玉置さんは前回話した音声入力ツールで、今日やることをダラダラと喋る方法を勧めます。
ポイントは言葉の選び方です。「〜しなきゃ」「締め切りで」といったやらされ感のある言葉ではなく、意志を持った言葉に変えて喋ります。
何々をする、何々を終わらせるっていう意志を持ってやる単語で喋るんですね、予定を。
自分で選んだ感、つまり自己決定感があるとドーパミンが活性化するといいます。逆に、やるべきことを頭の中に溜め込むと認知的負荷がかかり、漠然とした不安からストレス物質のコルチゾールが出てしまう。だから朝、気になることを全部喋り出すのだと説明します。
喋った内容は、そのままGPTやClaudeなどのAIに貼り付け、タスク分解を依頼します。このとき、なるべく細かく分けるよう頼むのがコツです。
特に朝一番の仕事は、1分から3分で終わるレベルまで小さくします。さらに各タスクの所要時間を見積もり、それを再びAIに渡して、賢い順番に並べ直してもらいます。認知的な疲れが出るタイミングも考慮してくれるといいます。
小さな消し込みで着火し、サイコロ×ご褒美で脳を騙す
タスクを小さくすると、TODOリストの項目がすぐに増えます。そのちっちゃな進捗を重ねるとドーパミンが出て、作業興奮が最も早く着火するといいます。
早い人だと10分ぐらい小さなタスクをどんどん消し込んでいくと、自然にやる気って出てくるんですよ。
玉置さんが好むのはポモドーロです。25分集中して5分休憩する方法で、休憩時にご褒美を設けます。
ご褒美は1から6まで用意し、サイコロの目で決めます。ハズレを2つ、ちょっと当たりを2つ、大当たりを2つほどのバランスにするのがポイントです。
休憩時にはGoogleで「サイコロ」と検索すると出るサイコロを振り、出た目でご褒美が決まります。岡島さんはこの機能を知らなかったと驚きます。
自分で用意したご褒美なのに、当たり外れに騙されるのか。玉置さんは、騙されると断言します。
自分でご褒美を用意しておいて、当たり外れって、そんなものに騙されるかって思うじゃないですか。騙されるんですよ。
鍵はガチャの理屈です。当たる確率が50〜70%のものが一番ハマり、ドーパミンが出るといいます。ショート動画も、見たかった・面白い動画がだいたい50%強の割合で出るからハマるのだと説明します。
ご褒美の中身は、好きな飲み物やお菓子、ドラマを5分見るなど。一方でハズレも必要で、玉置さんはハズレには腹筋を割り当てています。ただし、ひどく嫌なハズレにはせず、ちょっと嫌な程度に留めるのがコツです。
要は私たちドーパミンさえ出ればいいので。
難易度を調整して、ダルい仕事も難しい仕事も攻略する
ここで岡島さんが一度整理します。まず小さなタスクを助走にしてドーパミンを出し、その状態で大きなものに取り組む。加えて休憩時にサイコロで無理やりドーパミンを出す、という流れです。
玉置さんは、最初に自己決定感を持てるよう「私が終わらせたい」という口調に変えることが大事だと補足します。やらされ仕事と自分でやりたい仕事では、やる気が全く違うからです。
そしてこの自己暗示は、目で見るより音声で自分に聞かせるほうが効くといいます。
難しい仕事を自力でクリアすればドーパミンは出ますが、それは運任せに近く、途中で心が折れる可能性もあります。だから結果に関わらずドーパミンを出す仕組みが必要だと玉置さんは言います。
その一つがゲーム化です。「この業務は何分以内にやる」とルールを課すタイムアタックにすると、成功すればドーパミンが出て、失敗しても大したダメージはありません。
一方で、難しすぎるタスクは見た目でやる気を削ぐため、簡単に見えるよう自分を騙します。例えば「今日は10分だけやる、それ以上やらなくていい」と決めると、量の多さや達成までの遠さが視界から消えます。
膨大というか、果てしない系のやつってもう嫌ですもんね。
ポイントは難易度のコントロールです。大変すぎても、簡単すぎてもやる気は出ません。単純作業はタイムトライアルで難易度を上げ、難しい仕事は簡単に見せて下げる。この調整でドーパミンが出やすくなります。
タイムアタックやゲーム化で難易度を上げ、達成感を作る
範囲を小さくして簡単に見せ、着手のハードルを下げる
玉置さんは、多くの人がこの難易度調整をしないまま着手し、気力で乗り越えようとしてしまうと指摘します。気力で乗り越えず、難易度調整を繊細にやるほうがいいというのが結論です。
ダレたら20分歩く。ドーパミンの感度を守る生活習慣
岡島さんは、移動前の30分など時間が区切られているときのほうが集中して終わらせられると話します。その充実感もドーパミンだと玉置さんは応じます。
急いで仕事やって終わらせると、充実感あるじゃないですか。
そして、ダレてきたときの回復法は20分の散歩かランニングだといいます。体を動かすとコルチゾールを避けつつ、ドーパミンと幸せホルモンのセロトニンが上がるためです。
だるくなったら思い切って仕事をやめ、20分歩いたほうが効率が上がる。岡島さんも、ジムに行って戻ると回復していた実感があると同意します。
さらにベースとして、普段からショート動画やSNSを見ないほうがいいと玉置さんは言います。これらはドーパミンを出すようハックされており、触れ続けると閾値が上がって出にくくなるからです。
完全に絶つのは難しいものの、集中したい前の晩だけSNSを見ない、起床後1時間はスマホを触らない、といった工夫は効くといいます。空腹のようにドーパミンが枯れた状態で小さなタスクを消し込むと、午前中の集中力が変わるためです。
岡島さんはYouTubeアプリを削除し、SNSはスクリーンタイムで閲覧時間を管理していると明かします。玉置さんは、通勤中のショート動画も禁止するより、英語の勉強など別の行動に置き換えるほうが現実的だと勧めます。
起きる時間を固定する。ADHD傾向と「暴れ馬」の乗りこなし方
ドーパミンの観点では、睡眠時間そのものより「同じ時間に起きること」が大事だと玉置さんは言います。寝不足気味でも起床時刻を維持したほうが、感度を保てるといいます。
この収録は祝日明けの火曜日でした。休み明けにやる気が出ないのは、睡眠時間や起床時間がぶれた人が多いからだと玉置さんは説明します。寝だめしたいなら、起きる時間を変えず早く寝るほうが休み明けが楽だといいます。
話は個人の特性にも及びます。玉置さんは、ADHD傾向のあるタイプはドーパミンに支配されやすいと話します。
ドーパミンをコントロールしておかないととんでもないところに行っちゃうので。
それを玉置さんは「名馬だけど暴れ馬」と表現します。コントロールすればよく働くが、放っておくとぐちゃぐちゃにされてしまう存在です。
岡島さんも同じタイプで、コントロールの精度が粗いために調子の良し悪しを繰り返すと打ち明けます。だからこそ、選択肢にせず仕組みにしてしまうべきだと玉置さんは言います。
選択肢にしちゃうと、選択するのもやる気が必要になっちゃうので。
朝起きたら決めた通りに動き、やる気がなくなったら歩きに行く。考えずに1日を回すことで、何とか終わらせられるというわけです。
行動して初めて出るやる気の物質。仕組みで出し続けるのが目標
不安やストレスで出る物質。溜め込みで増え、やる気を下げる
運動などで増える幸せホルモン。ドーパミンとともに回復を助ける
どうでもいい服が気分を下げる。ジョブズの服選びの真意
最後は、玉置さんがXで書いて反響を呼んだ記事の話に移ります。今回の内容もまとめて記事にする予定だと案内します。
岡島さんによれば、玉置さんの服選びに関する記事が大きく伸びていました。
どうでもいい洋服を着てたら気分が滅入った話を書いたら400万以上インプレッションが出てましたね。
岡島さんは、下手にスティーブ・ジョブズを真似して「とりあえずこれ」と決めたら元気がなくなったと振り返ります。玉置さんは、ジョブズの服選びの本質を次のように説明します。
代わり映えしなきゃいけないってわけじゃなくって、とにかく自分が一番いいと思ってるものを着てるから、選ばなくてもハッピーだった。
つまり、選択を減らすこと自体ではなく、一番気に入ったものだけにすることが大事だという話です。岡島さんも、上下どれを合わせても成立する好きな服を数種類置き、毎日ランダムに着ていると話し、それで気分がへこまずに済むと共感します。
番組はここで締めくくられます。音声入力サービスがまだよくわからない人は、ChatGPTなどの音声入力ボタンから始めるだけでも十分だと2人は勧めています。
まとめ
やる気の正体はドーパミンであり、意志の力ではなく仕組みで出し続けることが仕事を進める鍵だと語られた回です。タスクの細分化、サイコロご褒美、難易度調整、生活習慣まで、脳を騙す具体策が示されました。
- ドーパミンは始めてから出る。意志ではなく仕組みで自分を動かす
- 朝は意志の言葉で音声入力し、AIで1〜3分単位までタスクを細分化する
- 休憩ご褒美はサイコロで決め、当たり確率50〜70%にすると脳が乗る
- 単純作業はゲーム化して上げ、難しい仕事は範囲を絞って簡単に見せる
- 起床時刻を固定し、朝のSNS・ショート動画を避けて感度を守る






