「AIエージェント使ってないとやばい」空気にどう向き合うか
話の入り口は、二人が使っている音声入力サービスの話題でした。岡島さんはTypelessからAQUAVOICEに乗り換えたばかりで、玉置さんはSuperWhisperを経てAQUAVOICE派だといいます。
岡島さんはAIサービスの課金について、年額で払うと後悔しがちだと話します。すぐに別のサービスが伸びてきて、メインが変わってしまうからです。
AIサービスは、年額がいい、安くなってるよとかでつられて何度かやりましたが、すぐ使わなくなりますね。他のサービスが秒で伸びてくるんで。
メインが変わっちゃいますからね。
そこから話題は、玉置さんのタイムラインで広がっているという不安な空気へ移ります。
もう「AIエージェント使ってないとやばいんじゃない?」みたいな空気感に、私のタイムラインとかなっていて。
岡島さんも「自分はサボっているのでは」という気持ちにさせられていると応じます。玉置さんは、ついていけていないと感じる人が大半で、謎の焦りや不安が出てきていると指摘しました。
たった3年で「別世界」に。パソコン仕事はほとんど置き換わる
玉置さんは、漠然と「AIがすごい」で終わらせず、社会の構造そのものが変わっているという認識を持つべきだと話します。
ChatGPTが登場したのは2022年の年末で、まだ3年ほどです。それでも文章、翻訳、簡単なコーディング、画像生成といった仕事は、AIのほうが安く早く確実にこなせるようになりました。
僕の手元の仕事だと、記事書くとかはもう無理ですね。かなり。
そのうえで玉置さんは、いま「AIエージェントがやばい」と言われている理由を、パソコンに向かってやる仕事がほとんど秒で片付くようになったからだと説明します。
玉置さんは、この収録前の空き時間15分で、企画提案書2本やプレスリリース2本など、合わせて6本ほどの資料を作ったといいます。
そんなにいけますか。すごいですね。
いけるんですよ。
素材や口頭の説明もなく、蓄積したデータを読ませて目的だけを伝える。すると、下手をすれば30秒ほどで一発で終わり、スライドまで仕上がると話します。使っているのはClaude Codeだといいます。
玉置さんは、この15分を1日かけてやる人を、経営者として今から雇うかと問い直します。答えは明快でした。
単純作業だけでなく、高度な思考を伴う仕事もAIが代替していく。だからこそ、パソコンに向かってやる仕事はほとんど置き換えられる状況が来ると玉置さんは見ています。
これは「産業革命」。平和になるまで100年かかった前例
玉置さんは、この変化を産業革命になぞらえます。手作業をしていた人が機械に仕事を奪われ、やがて機械を使う仕事が生まれ、社会は豊かになった、という大きな流れです。
ただし、その「めでたしめでたし」に至るまでには時間がかかったといいます。
産業革命が起こって、平和だよね、幸せだよねってなるまでって、100年かかってるんですよ。
その前には失業率が上がり、ロンドンがスラム街のようになって平均寿命が下がった時期が100年ほどあった、と玉置さんは話します。
この前例を踏まえ、玉置さんは今回も「暗黒時代っぽいもの」が来る可能性はないとは言えないと話します。
一方で、現代の社会は当時より成熟しているため、ベーシックインカムのようなセーフティーネットを設ける動きはあり得ます。ただし、社会が直角に曲がるように急変することは難しいといいます。
特に日本の場合、「財源をどうするのか」という問題が常に付きまといます。玉置さんは、今ある制度を拡充した疑似的な仕組みを、社会的弱者から優先して導入する形になるだろうと見ています。
未来予測は諦める。どっちに転んでもいいよう備える
では、この移行期に人間はどうすればいいのか。玉置さんは、悲観的にも楽観的にも転びうる以上、どちらでもいいように備えるのが得策だと話します。
楽観的に見れば、労働から解放されて創造的な活動をする時代が来るかもしれない。悲観的に見れば、暗黒時代が来るかもしれない。わからないからこそ両方に備えるという考え方です。
そのうえで玉置さんは、具体的な備えを挙げていきます。ここからが、この回の中心となる4つのポイントです。
1つ目は、お金を貯めて投資し、労働以外からも収益を得る体制を作っておくことです。月1万円でもいいといいます。
ちゃんと貯めて投資をして、労働以外から収益を少しでも得るっていう体制になっておいた方が安心。
玉置さんは、独立を目指す人には「2年収入がなくても大丈夫なくらい」蓄えておくよう勧めているといいます。お金がないと、アホな決断をせずに済まなくなるからです。
たとえば自社サービスを開発したいのに、開発費がなくて受託だけをやり続ける会社になってしまう。これはよくある話だといいます。起業しない人でも、最低3か月から半年、何があっても食べられる状態でいれば心の余裕ができると話します。
玉置さんは、人間には「この平和な状態が続くはず」という楽観バイアスがあると指摘します。悲観論に走れという意味ではなく、備えておくほうが安心だという主張です。
AIは「時間を生む」ために使う。二分化する働き方
2つ目は、AIを使っておくことです。理由は、AIをある程度使えると自分の時間が生まれるからだといいます。
仕事の一部をAIに任せられれば、その時間で次のことをしたり、勉強したり、効率を上げたりできます。玉置さんは、Xで見たある投稿を例に挙げました。
自分に仕事を振るっていうことは、自分のAIエージェント軍団も雇えるわけだから、作業効率が何倍にもなってる。なので当然値上げをします、と。
その投稿の下には、長年やっていた仕事を切られた人の記事が出てくる。玉置さんは、AIで強化されて稼げるようになる人と、仕事がなくなる人に二分化していくと見ています。
仕事を効率化し、できる仕事が増え、稼げるようになる
作業を代替され、仕事がなくなっていく
ただし、最先端をすべて追いかける必要はないといいます。今できる範囲で、1日1時間だけAIを使うと決めるくらいでもいい、というのが玉置さんの提案です。
高望みせずに、今自分ができる範囲で、1日1時間使ってやるっていうことぐらいはコミットしてもいいかもしれない。
スキルで差がつかない時代、「この人と話したい」が価値になる
3つ目は、孤立しないことです。玉置さんは、人とのつながりが非常に大事になると話します。
スキルとか機能とか能力で差別化されない時代になった時に、結局この人と仕事したいか、困ってる時にこの人を助けてあげたいかみたいな判断基準がすごく大事になってくる。
玉置さんは、複数のコミュニティに属しているほうが、不安なく安心して生きていけると勧めます。その根拠として、自分の占いの仕事を例に挙げました。
今はChatGPTに「私を占って」とプロンプトを投げれば占い結果が出ます。占いは基本的にロジックだからです。それでも、仕事がなくなる占い師と増える占い師に極端に分かれているといいます。
AIに相談をできるんだけど、この人に相談がしたいっていう人は、逆にニーズが増えるんですよね。
正しくて適切で、いい感じに寄り添ってくれる。それでも、そこには生身の人間としての何かはない。だからこそ「この人と話したい」というニーズが以前より生まれている、と玉置さんは感じています。
最後は「自分を安定させる」。健康も立派な備え
4つ目は、自分を安定させることです。玉置さんは、つながっておくことには情報が入るという機能面だけでなく、自分を安定させる役割もあると話します。
変化の時ほど、人は不安になります。不安な足場の上では、満足のいく冷静な判断がしづらくなる。だからこそ、いかにフラットでいられるかが大事だといいます。
いかに自分がフラットでいれるかっていうのが、足場の悪い時には大事だと思うんですよね。
その延長線上に、健康や睡眠があります。玉置さんは、体は確実な資本だと話しました。
玉置さんは、AI時代だからこそもっとすごいことを言うと思った人には申し訳ないと前置きしつつ、4つの備えを改めてまとめます。
未来を予測して人より先に賢い選択を取ることは、もう諦めたほうがいい。スキルの多くはコモディティになり、AIができてしまうからです。だからこそ、自分がどういれば安定して幸せでいられるかを考えるべきだ、というのがこの回の結論でした。
まとめ
玉置さんは、AIによる変化を産業革命になぞらえ、移行期には何が起きるかわからないと話します。だからこそ、未来を読むのではなく「何があっても大丈夫な状態」を作ることを勧めました。具体的な備えは、お金・AI活用・つながり・健康の4つに集約されます。
- AIの登場からわずか3年で、パソコンに向かう仕事の多くが置き換わりつつある
- 産業革命が安定するまで約100年かかった前例から、移行期の混乱に備える必要がある
- お金を貯めて投資し、労働以外の収入と数か月分の余裕を持っておく
- AIは「時間を生む」ために1日1時間から使い、複数のコミュニティで孤立しない
- 未来予測は諦め、健康を含めて自分を安定させることが生き残る側の共通点





