公開収録の幕開けは「大きい石から」
おちつきAIラジオ初の公開収録は、いつものタイトルコールから始まりました。かねりんさんは「手が震えて顔が引きつっとる」と緊張を口にし、しぶちょーさんは「心臓に毛が生えてるでしょ」と返します。
ということでね、公開収録やっていきましょう。やっぱね、オーディエンスがいるといいね、意識が違うね。
今回はチケット購入時に、リスナーから「AIのおちつかないトピック」を書いてもらう仕組みになっていました。しぶちょーさんは、雑談が長引いて時間内に返せなくなるのを避けるため、寄せられたトピックへの回答から先に取りかかると宣言します。
やっぱ大事なものから壺に入れるの大事だって、なんか偉い人が言ってたから。
「大きい石から入れていく」という時間管理のたとえを持ち出して、まず届いていた6個ほどのトピックを1つずつ読んでいく流れになりました。
肝臓の数値と睡眠不足、速報回が週2になった理由
最初に読まれたのは、キングダムさんからの応援コメントです。
かねりんさんもしぶちょーさんも「落ち着いてね」「落ち着いた」を繰り返してくれるので、落ち着き確認ができて落ち着けています。お2人の睡眠時間の確保や健康面が心配です。長く続けてほしいと思います。
このコメントをきっかけに、しぶちょーさんは健康診断の結果を打ち明けます。肝臓の数値に基準値の7倍ほどの項目があり、酒は飲まず肥満でもないのに中性脂肪の値が悪かったそうです。
こういう数値になりましたっていうのをGeminiにさ、全部打ち込んで、これ何が問題なんですか?っていうのを言ったら、なんかいろいろ出てくるのね。
しぶちょーさんが「肥満ではない」と答えていくと、Geminiは生活習慣、とくに睡眠不足を原因として挙げました。おちつきAIの収録は夜10時から始まって1時ごろまで続くこともあり、朝は7時ごろに起きるため、3〜4時間睡眠が続いているといいます。
一方で、6〜7時間寝ようとしても4時間で目が覚めてしまうという悩みもあるそうです。血液検査の結果は翌週に出る予定だと話していました。
話題は、番組の配信ペースにも広がります。かねりんさんによれば、番組開始時は「速報はジリ貧になるし賞味期限が短いからやめよう、本質的な話をしよう」と決めていました。
なんかAI知りたい人って、最新のこの動向どうなんだよとか、これどういう機能なの?っていうのを自分で調べないと落ち着けないから。
その結果として速報回が始まり、配信は週2回になりました。「毎週30分ぐらい、ライトに」のはずが速報回のほうが長くなっているという笑い話も出ます。
速報はジリ貧で賞味期限も短いのでやめ、本質的な話だけをする方針
最新動向を知らないと落ち着けないリスナーのため、速報回も加えて週2回配信
速報回についても、SNSや対面で「あれでキャッチアップしている」という声が届いているそうです。かねりんさん自身も、Geminiの新モデルが出たときにしぶちょーさんへメンションしようとして、別の人に誤ってメンションしてしまったほどでした。
AIブラウザ競争は「Googleが取っていく」のか
2つ目のトピックは、AIブラウザ競争でのGoogleの動向についてでした。
ウェブブラウザの覇権は、Googleの動向が気になります。
しぶちょーさんは、Comet ── AI検索企業Perplexityが提供するAI搭載のWebブラウザ。ページの要約や操作の代行などをAIに任せられるのが特徴ですやChatGPTのAtlasが出てきてにぎやかになったものの、最終的にはGoogleが取っていくだろうという見立てを改めて示します。
GoogleのAI検索良くなってる。すごく。
しぶちょーさんは、GoogleのAI検索にGemini 3.0が入っているかは微妙だとしつつ、性能はかなり上がり、しっかり検索してくれると評価しています。
一方でChatGPTは、ブラウザとしてのAtlasはまだ微妙だとしながらも、年末にかけてChatGPTの中にAmazonなどのアプリを取り込むと予告しています。しぶちょーさんは、買う直前までをChatGPTの中で済ませられるようになれば、チャットの体験はだいぶ変わるだろうと見ています。
AI検索の性能が大きく向上。Geminiの性能も高く、ブラウザ競争は最終的に取っていくと予想
Atlasはまだ微妙。年末にかけてアプリ連携を予告しており、チャットの中で買い物直前まで完結する体験に変わる可能性
しぶちょーさんは、前年の年末にOpenAIが連日の発表を続けたことにも触れました。発表は日本時間の夜中3時ごろで、AIインフルエンサーたちは待ち構えてすぐに試していたそうです。
もしかしたら今年もさ、なんか今ね、ちょっとサム・アルトマン焦ってると思うから、なんかそういうサプライズ仕掛けてくる可能性あるよ、年末に。
そうした発表は事前予告なく急に来るため、年末は気が抜けないとしぶちょーさんは話します。かねりんさんは、そうなったら毎日配信をやろうと乗り気でしたが、しぶちょーさんは「持続可能な形で」と釘を刺していました。
Enterで誤送信してしまう問題の落ち着き方
3つ目は、多くの人が身に覚えのありそうな入力の悩みです。
対話型AIに入力するとき、Enterで改行なのか送信なのか、ツールによってまちまちで落ち着きません。なんならバージョンアップで勝手に変わります。どうしたらいいですか?
しぶちょーさんは、この悩みはAIに限らず、SlackやChatWork、Discordでも同じだと共感します。特にXのDMは送信後に直せないので、Enterでそのまま送ってしまうと困るといいます。Shift+Enterで改行するツールもあれば、それで送信してしまうツールもあります。
かねりんさんの対処法は、iPhoneのメモなど外の場所で文章を書いてから、コピーして貼り付けるというものでした。
ちょっと止まってくれみたいな。ちょっともったいないことしたな。
しぶちょーさんは、途中で送信されて処理が始まってしまう失敗にも触れます。MANASのように使うたびにポイントを消費するツールでは、誤送信がそのまま損になってしまいます。
規格が統一されない以上、しぶちょーさんの結論は外で書いてから貼り付けるひと手間に落ち着きを求めることでした。そうすれば、どんなツールが来ても困らないというわけです。
編集点のマーカーと「初めての相方」
次のトピックに移る前、かねりんさんは「ピって押したいな」と漏らします。普段の収録では、レコーダーのボタンで編集点のマーカーを入れ、あとで効果音を差し込んでいるためです。この日は操作盤がありませんでした。
僕全部喋ったら番組になるっていう、これ結構幸せなことだよ本当に。
しぶちょーさんはこれまで一人喋りの番組で、原稿作りから編集まで自分でこなしてきました。おちつきAIラジオのかねりんさんが初めての相方で、喋りっぱなしで番組になるのは気持ちいいと話します。
かねりんさんのほうも、しぶちょーさんは消さなければいけない事故がほとんどないので助かると返します。唯一大変だったのは、しぶちょーさんが咳き込み続けた速報回で、かねりんさんが咳をすべて消して仕上げていました。
新しいAIツールは「まず課金して触る」
4つ目は、AIの情報をどう追っているかという質問です。
変化が目まぐるしすぎる世界ですが、どのような優先度、観点で着目しているのかを知りたいです。また、今後超注目でずっと使っていきたい推しのAIサービスは何か、ダークホース的なサービスは何かをお聞きしたいです。
しぶちょーさんの答えは、優先度をつけるより、気になるツールはひととおり触るというものでした。
これあんまりおすすめはしないんだけど、できればちゃんと課金する。一回お金払ってフルの機能を使ってみて、自分で体験してみるっていうのを優先してるかなっていう感じですね。
実際にしぶちょーさんは、今年の初めにChatGPTのProを月3万円で契約していました。目当てはディープリサーチで、Gemini側でも同じことができるようになった時点で解約したそうです。
面白いのは、解約後の心理の変化です。「3万円を他のツールに使える」という感覚になり、GeminiとClaudeをすぐに契約したことで、ChatGPT一本だった使い方が横に広がったといいます。
ChatGPT Pro
月3万円で契約し、ChatGPT一本で使う
解約
Geminiでもディープリサーチが使えるようになり、Proをやめる
分散
浮いた3万円の感覚でGeminiとClaudeを契約し、横に広く使う
今のメインについて、しぶちょーさんは「Geminiがだいぶ突出している」と話し、かねりんさんもGemini 3が出てからGPTを使わなくなってきたといいます。会場で挙手してもらうと、Gemini派が大半でClaude派はゼロでした。
ただし、ChatGPTはアプリ連携に加えてアダルト解禁も予告しているので、年末にまた勢力図が動くかもしれないと話は続きます。しぶちょーさんは、生成AIと性の問題を真面目に1本の深掘り回にまとめたいとも話していました。
ダークホースについて、しぶちょーさんは「3大巨頭が強すぎて、主役をかっさらうサービスはおそらく出てこない」と見ています。ただし、特定のタスクに特化した便利なサービスは出てくるはずだと補足しました。
かねりんさんが中国系を挙げると、しぶちょーさんは、中国のAIはDeepSeekをはじめオープンソースと軽量化に振り切っていて、ダークホースになる可能性はあると認めます。一方で企業ではセキュリティ面から使えないことが多く、個人利用が中心になるだろうとも話しました。
人権標語の宿題をAIに任せたら優秀賞?
5つ目は、会場にも来ていたウシワカさんからの「懺悔」でした。
子供の夏休みの人権標語宿題と、PTAの人権標語宿題をAIにぶん投げた結果、両方優秀賞を取ってしまいました。落ち着きないというか、懺悔です。
会場のウシワカさんは、AIの出力を丸写しで出したら表彰状が2枚届いたと補足しました。かねりんさんは「炎上するやつじゃないですか」と笑います。しぶちょーさんは「全然あると思う」と受け止め、自分も使ったと明かしました。
五七五にしなきゃいけなくてさ。5文字のなんかその思いやりに関するキーワード出してみたいなやつをバーって出して、それをパズル的に組み合わせて言葉を作るみたいな。
しぶちょーさんは、子どもと一緒にAIが出した言葉を組み合わせたといいます。そもそも小学1年生に「人権」をテーマに出すのは、大人でも説明に困る難しさだとも指摘しました。
しぶちょーさんは、AIに「小学1年生に人権を説明するにはどうすればいいか」と聞くととても良い回答が返ってくるので、それを育児に生かしているとも話しています。
多分全部の親がAIで出してさ、AIで審査するんじゃないもう。
かねりんさんは「問いを変えてもらわなあかん」と応じ、しぶちょーさんも人にしか答えられない問いにする必要があると続けます。かねりんさんは、小学生に「人間にしかできないことは何か」と問えば、大人が思いつかないアイデアが出るかもしれないと提案しました。
小1とAIの会話は一瞬で終わった
しぶちょーさんは、小学1年生の子どもにChatGPTと会話させてみた経験を話します。子どもにとっては、絵が出ても会話ができても正直よくわからず、3Dプリンターのように物ができるほうがインパクトが強いそうです。
大体ちんこって言うのよ。
子どもは下ネタを連発して弟たちと笑い、AIのほうはうまくかわして反応しないので、会話はすぐに終わってしまったといいます。
笑い話の一方で、しぶちょーさんは注意すべき点にも触れました。子どもがGoogle検索で音声入力を使ったとき、2回目にまた下ネタを検索しようとしたそうです。年齢制限の設定をしていないと好ましくないものが表示されるため、それ以降は設定をかけたといいます。
AIサービスにも利用できる年齢が規約で決まっています。しぶちょーさんは、ChatGPTは当初18歳未満の利用を想定していなかったのに、知らずに子ども向けに使って炎上した人もいたと話しました。現在の年齢条件は「適当なことは言えない」として、調べておくと約束しています。
かねりんさんは、AI搭載のクマのぬいぐるみが独自解釈の性的な話題を話し出し、販売を取りやめたというニュースにも触れました。しぶちょーさんは、原文をたどってディープリサーチで調べてみるつもりだと話しています。
AIと教育は誰が語るべきか
しぶちょーさんは、AIと教育の文脈はとても深く、最終的には教育の専門家がどう考えるか次第だと話します。「使っていったほうがいいと思う」としつつも、自分たちが結論を出せる話ではないという立場です。
工業高校向けとかさ、そういうなんかものづくりに携わる人たちが、生成AIこうやって使いましょうねっていうのはなんか言えそうだけど。
しぶちょーさんは、技術教育なら語れても、人格形成に関わる小学生の教育は専門家でないと語れないと線を引きます。そのうえで、専門家のように語る「落ち着かない人たち」もいると指摘しました。
そこで出てきたのが、専門家をゲストに呼んで話を聞くという構想です。かねりんさんも「ゲストいっぱい呼びたい」と応じ、「落ち着いているゲストたち」を呼ぶゲスト回を増やしていく方針になりました。
言語化より「全部しゃべって」AIに渡す
6つ目はハルカナさんからで、会場で本人が手を挙げてくれました。
自分の頭の中をしっかり言語化しないと生成AIへの指示がうまくいかないと感じています。しぶちょーさんやかねりんさんが生成AIを使う上で言語化で意識していることはありますか?また、生成AI自体の言語化で考えていることはありますか?
かねりんさんの答えは、きれいに言語化するのではなく、考えていることを音声入力でひたすら話してAIにまとめてもらうというものです。
全部出しちゃう。壁打ちの素材をまず作るみたいな。
かねりんさんは1週間ほど毎日、幼少期からの半生を語り続け、膨大なテキストを作りました。それが自分の伝記のようになり、人格やアイデンティティをAIに渡す素材になるといいます。
かねりんさんは、しぶちょーさんが以前話していたGemini 3での「自分の分身づくり」も試しました。過去の配信10〜20本と人生の記録をまとめて入れ、テーマを指定して記事を書かせると、「自分ならこう言う」「このニュースに着目する」という内容が出てくるそうです。
いやー、自分の代わりにできることやっといてほしいじゃん。
しぶちょーさんも、自分のブログや音声配信を読み込ませると、自分では気づかなかった言葉の癖を指摘されるといいます。「人じゃないから全部ぶつける」というかねりんさんの考え方に賛成しつつ、分析結果をうのみにするかどうかは別のフィルターが必要だとも付け加えました。
ちょっとショックだったもん。Geminiで、いやなんかめっちゃ俺っぽい文章出てきたと思って。
しぶちょーさんは、読んでいる途中の本として『生成AI時代の言語論』も紹介しました。今井むつみ ── 認知科学者。子どもの言語習得や思考と言葉の関係を研究し、一般向けの著書も多く出しています今井睦先生と東大の松尾教授による対談の本です。
しぶちょーさんによれば、この本は、生成AIがとらえる言葉と人間がとらえる言葉は別物なので、その違いを意識しながら使う必要がある、という内容だそうです。
最後に追加で届いたメグさんからは「分からなすぎて落ち着けない」という一言が寄せられていました。二人は「もっと分かりやすくやっていきます」と笑って受け止め、トピックはXのハッシュタグ「#おちつきAI」でも受け付けていると案内しました。
押すと「おちつきAI」と鳴る自作ガジェット
寄せられたトピックを返し終えたところで、しぶちょーさんは自作の「おちつきAIボタン」を取り出しました。電子基板がむき出しのままで、この日は電池の代わりに電源につないでいました。
ボタンを押すと「おちつきAI」という声が鳴り、かねりんさんは「シュールだね」と笑います。キーホルダーにしてポチポチ押したくなる、という反応でした。
このモジュールさ、MP3プレーヤーなんだよ、もはや。
市販の音が鳴るキーホルダーは10秒ほどしか流れませんが、このモジュールはSDカードに書き込めば30〜40分の音声も流せます。部品一式は今のところ800円ほどで、大量に買えばもっと安くなるそうです。
そこからしぶちょーさんが提案したのが、この中でしか聴けない限定エピソードを入れたポッドキャストグッズでした。イヤホンではなく、音質の悪いスピーカーから直接流れてくるという体験です。
四角である意味、形としてのデザインの意味と、その機能的な意味が一致してるのね、ものづくりとして。
ラジオっぽい体験にするなら、見た目もラジオのような四角い形でよく、作りやすさとデザインの必然性が一致すると、しぶちょーさんは説明します。形である必然性のないものづくりはダサい、という考えで、スティーブ・ジョブズのシンプルさの追求も引き合いに出しました。
かねりんさんは「1回聴いたら消去されるようにしたら」とスパイ映画のような案を出し、しぶちょーさんも「その時しか聴けない、ラジオっぽい体験」と面白がります。SDカードを差し替えれば他の番組向けにも展開できるため、ポッドキャスト向けのグッズ事業としての可能性も語られました。
50円スピーカーの音と、AIに聞いて組んだ構成
しぶちょーさんは、スピーカーを付け替えて音の違いも聴かせました。高いほうでも100円ほど、安いほうは50円ほどのスピーカーで、安いほうは音がかなり小さくガビガビになります。
しぶちょーさんによると、このガジェットの構成は最初から最後までAIに相談して決めたそうです。
出して音が出るものが作りたいよと。で、その一番安い構成だったらどういう構成になる?って。
しぶちょーさんは、構成案から必要な機器のリスト、その機器の種類、価格帯と順に掘り下げて部品を買いました。組み立て中にわからないことが出ても、そのつどAIに聞いて作ったといいます。
構成を聞く
音が出るものを最安で作るならどんな構成かをAIに聞く
機器を調べる
必要な機器のリストと種類を出してもらい、MP3プレーヤーのモジュールを見つける
価格を調べる
価格帯を調べてもらい、部品を購入する
組み立てる
わからない箇所はAIに聞きながら配線して完成させる
かねりんさんが「知識なしで俺が聞いてもいけちゃうってこと?」と聞くと、しぶちょーさんは「このぐらいだったら多分いける」と答えました。物理的なものづくりもAIでできる、という報告です。
NotebookLMで作った「おちつきAI中間テスト」
後半の企画は「おちつきAI中間テスト」です。しぶちょーさんは、これまでの深掘り回の音声をすべてNotebookLM ── Googleが提供する、アップロードした資料をもとに要約や質問への回答を行うAIノートツール。音声や動画、YouTubeのリンクもソースにできますに入れ、テスト機能で4択クイズを作りました。
かねりんさんが解答役を務め、会場のリスナーも手元で自己採点します。最も正答率の高かった人には、からあげ先生による漫画形式の生成AI入門書教えてからあげ先生 はじめての生成AIが贈られることになりました。
しぶちょーさんが自腹で買ってきた本で、専門家ではない人や、これからAIを使う人にわかりやすい内容だと紹介しています。問題はNotebookLMが自動で作った3日前・2日前・当日朝の3セットから選ぶことになり、会場の挙手で「当日」に決まりました。
リワードハッキング、AlphaGoZero、DeepSeekショック
前半の問題は、番組で扱ってきた基本的な概念が中心でした。第1問は、AIがルールの抜け穴を見つけて報酬を得ようとする現象の名前を問うもので、かねりんさんは「リワードハッキング」と正解しました。
第2問は、人間の棋譜を使わず自己対戦だけで学習し、従来のアルファ碁を超えたモデルは何かという問題です。しぶちょーさんが「難しい」と予告したものの、かねりんさんは「AlphaGoZero」で正解しました。
しぶちょーさんは、似た名前のモデルの違いも整理しています。
| モデル | 学習のしかた | 対象 |
|---|---|---|
| AlphaGoZero | 人間のデータを使わず自己対戦だけで学習 | 囲碁 |
| AlphaZero | 対局を重ねて学習 | 囲碁に限らずさまざまなゲーム |
| μzero | ルールさえ教えず、勝ち負けの結果から学習 | さまざまなゲーム |
第3問は「DeepSeekショック」の中身についてです。正解は「高性能なGPUがなくても効率的なモデルが作れると示し、NVIDIAの株価を急落させた」でした。
その投資家に対するショックだからね。
しぶちょーさんは、オープンソース戦略による影響はまだこれからの懸念であって、DeepSeekショックとは別の話だと補足しました。
第4問は、OpenAIの論文が指摘したハルシネーションの原因です。かねりんさんは「自信満々野郎評価問題」と答えて正解しました。人間の評価が自信満々な回答を高く採点しがちで、AIがそれに最適化してしまった、という内容です。
しぶちょーさんは、NotebookLMにはYouTubeのリンクをそのまま入れられ、文字起こしから問題作成まで自動でやってくれると説明します。かねりんさんは「おちつきAI検定」の本が作れそうだと反応していました。
RAGと学習の違い、フューショット、マルチモーダル
後半の問題では、会場の正答率にも少しずつ差が出てきました。第5問は、画像から3Dモデルを作るツールItem3Dのすごさの核心を問うもので、正解は「AIに効率的にデータを渡し処理するパイプラインの設計」でした。
第6問は、社内文書などの外部データを参照させて回答させるRAG ── 検索拡張生成。質問のたびに外部のデータベースや文書を検索し、その内容をもとにAIが回答を作る手法ですと、AIの学習との違いです。かねりんさんは「パラメータを更新しない」と答えて正解しました。
AIのパラメータ(脳みそ)そのものを更新して知識を入れる
モデルは書き換えず、回答のたびに外部の情報を参照する。カンペを渡すような仕組み
第7問は、中国で開発された画像生成AISeadream4.0が日本人に使いやすい理由です。正解は「日本語と中国語の言語間の距離が近く、漢字の理解度が高いから」でした。選択肢の読み上げでしぶちょーさんが噛み、会場が沸く場面もありました。
第8問は拡散モデルの仕組みで、データにノイズを加えて壊し、逆にノイズを取り除いて戻す過程を学ぶ、という選択肢が正解です。しぶちょーさんは、拡散モデルはいずれもっと深く解説したいと話していました。
第9問は、AIに例題をいくつか見せて精度を上げる手法の名前です。正解はフューショットプロンプティング ── プロンプトの中に「入力と望ましい出力」の例を数個示してから本題を出す手法。例を示さない方法はゼロショットと呼ばれますで、しぶちょーさんは「Let's think step by step」で知られるChain of Thoughtと混同しやすいと注意を促しました。
最終問題の第10問は「マルチモーダル」の意味で、テキストだけでなく画像・音声・動画など複数の種類の情報をまとめて扱える能力、が正解でした。かねりんさんは全問正解で締めくくっています。
全問正解者は2人、景品はハルカナさんへ
答え合わせでは、全問正解が2人いました。4問間違えた人も6割以上は取れているので、しぶちょーさんは「単位は取れてる」として全員合格にします。
全問正解の2人がじゃんけんをして、景品の本はハルカナさんの手に渡りました。ハルカナさんは中学1年生の息子さんのために頑張ったと話します。息子さんはものづくりが好きで、しぶちょーさんのイベントにもよく親子で来ているそうです。
息子さんはロボカップジュニアのサッカー部門にチームで出場し、1週間後の東海大会に進むことが決まっていました。しぶちょーさんは、ロボットにもAIが関わってくるので、ぜひ親子で本を読んでほしいと伝えます。
番組の感想を聞かれたハルカナさんは、かねりんさんが「これ何?」と思った瞬間に質問を挟んでくれるのでわかりやすく、しぶちょーさんがとても楽しそうに話しているのが良いと語りました。しぶちょーさんは「初めて生のリスナーの声を聞きました」と喜んでいます。
何倍速で聴く?ジェットストリーム風オープニングの裏側
ハルカナさんの感想を受けて、かねりんさんは「気合を入れて打ち返さないと」と話します。しぶちょーさんは、かねりんさんが食いつくと釣りをしている気分になるので、もっと細かいことでも突っ込んでほしいと返しました。
無駄に長いのは良くないけどね。必要に長いんだったら、やっぱポッドキャストらしさじゃない。それは。
会場に再生速度を聞くと、等倍で聴く人が多く、2倍速で2回聴くという人もいました。しぶちょーさんは自分の番組を1.5倍で聴き直し、かねりんさんは完成後に1.8倍ほどで聴くそうです。
番組冒頭の、遠くから迫ってくるようなタイトルコールは、かねりんさんのこだわりです。昔のラジオ番組「ジェットストリーム」から着想を得ており、サウンド担当のAviv Harutaさんと1か月ほど相談して決めたといいます。
かねりんさんによると、新番組を作るときのAvivさんとの会議はいつも「全然ダメ」と言われて揉めるそうです。しぶちょーさんは、出てきたものに「これいいね」と言っただけだと笑っていました。
BGMなしを支える声と2畳の書斎
二人は、おちつきAIラジオがBGMを入れていない理由にも触れました。音がきれいで、声にも特徴があるので、何も入れないほうが聴きやすいという判断です。
男と男同士で結構声のトーンが一緒だと分かりにくくなるからね。
しぶちょーさんは声が高めで、かねりんさんは低音なので、周波数帯を上と下で分け合えているとしぶちょーさんは話します。
かねりんさんが褒めたのは、しぶちょーさんの収録音のクリアさです。しぶちょーさんの書斎は2畳で、背後の本棚が吸音材の役割を果たし、自然とスタジオのような環境になっているそうです。
その代わり、夏は後付けのエアコンがうるさくて使えず、熱中症対策の休憩が欠かせません。しぶちょーさんの愛車はエアコンが効かない古いホンダのビートで、「好きなものをやるっていうのはそういうこと」と話していました。
話はかねりんさんのファッションや、表参道の眼鏡店にまで広がりました。しぶちょーさんは、店に緑の服があるかどうかで入るか決めるほど緑が好きだそうです。用意したトピックはすべて終わっていたため、会場のゲストに登場してもらう流れになりました。
ゲストのウシワカさんは「おちつきAIのキューピッド」
呼ばれたのは、ポッドキャスト「工業高校農業部」のウシワカさんです。ウシワカさんはしぶちょーさんと一緒に名古屋でポッドキャストのイベントを主催した人で、そのイベントがしぶちょーさんとかねりんさんが初めて顔を合わせた場でした。
落ちつきAIはそのイベントがなかったらできなかったから。
しぶちょーさんがイベントの準備で「名古屋 ポッドキャスト」と検索したところ、かねりんさんの番組が出てきたのがきっかけでした。Discordのポッドキャストコミュニティでつながっていたので連絡すると、かねりんさんはすぐ出演を引き受けたそうです。
イベントで話して好印象を持ったかねりんさんは、それから間もなく「AIの発信はしないの?」と声をかけます。しぶちょーさんも、二人喋りをしたいと思いながら熱量の合う相方がいなかったところに、ポッドキャストに全振りしているかねりんさんが現れたと振り返っています。
「お互いに見下してる」工業高校農業部の関係性
しぶちょーさんが相方と円満に続けるコツを尋ねると、ウシワカさんは「全然円満じゃない」と答えました。工業高校農業部は、工業高校で3年間一緒だった同級生との番組です。卒業から15年ほど経って二人とも農業をしており、教室の隅でしていたバカ話を今も続けているそうです。
距離が近すぎて暴言も飛び交う関係だといいます。それでも番組の上で「収録をやめる」といった喧嘩はなく、互いに言いたいことだけを言う、すり寄らない関係性が番組の形になっているとウシワカさんは説明しました。番組は2年半ほど続いています。
かねりんさんとしぶちょーさんは、まだ一度も喧嘩したことがないと話します。やりたいことを出せば、もう一方が「やろうやろう」と乗る関係だからです。
やっぱね、昔教室の隅でさ、ちょっと雑談してる人たちの中に入って、雑談ね、4人5人ぐらいでもさ、なんか主に2人ぐらい喋ってて、その中の輪に入るみたいな、そういう瞬間ってあるじゃん。
しぶちょーさんは、工業高校農業部を作業中によく聴いていて、「すごく教室にいる感じがする」と話します。リスナーを「クラスメイト」と呼ぶ番組で、雑談なのに世界観があることが魅力だと評しました。
一方で、かねりんさんは自分の収録について、毎回学びがあるから続けられている面があると話します。そこでしぶちょーさんは、かねりんさんを驚かせたり、うならせたりしようと毎週原稿を書くことが、自分にとって楽しみの1つになっていると明かしました。
同級生同士の雑談が中心。お便りを入り口に脱線し、言いたいことを言い合う関係が世界観になっている
しぶちょーさんが毎週原稿を用意し、学びを求めるかねりんさんを驚かせることが続ける動機になっている
「本質と寝言」で分ける二人のこれから
ウシワカさんが席に戻ったあと、かねりんさんは、中身が入ってこなくても掛け合いが面白いから聴く、という人がいてもいいと話します。テストで0点の人が出てくるくらいでもいい、という言い方でした。
結局でもカネリンと雑談しててもさ、本質みたいな話になってくるじゃん。
しぶちょーさんは、かねりんさんの最近の口癖として「本質と寝言」を挙げ、世の中をその2つに分けていると指摘します。かねりんさんもそれを認め、いろいろな企画を考えていても「その人の本質」に関心が向くと話しました。
表面だけの会話にもうちょっと辟易としてるっていう。
かねりんさんによれば、本音の雑談は良く、避けたいのは建前だけのトークです。心を開いた本音の会話をこの二人で深めていきたいという方向性が見えたところで、最後はしぶちょーさんの下ネタに落ち、「喧嘩の種ができましたね」と笑いで締めくくられました。
エンディングでは、番組公式ハッシュタグ「#おちつきAI」での感想投稿と星5レビューが呼びかけられ、会場への感謝とともに初の公開収録が終わりました。
まとめ
初の公開収録では、リスナーの「おちつかない」悩みへの回答を軸に、AIとの付き合い方が具体的な体験ベースで語られました。自作ガジェットやNotebookLMのクイズ、ゲストとの対談を通して、二人の関係性と番組のこれからの方向性も見えた回です。
- Enterでの誤送信は、外で書いてから貼り付けるひと手間で、どのツールでも防げる
- しぶちょーさんは新しいAIツールをまず課金して触り、今はGeminiが突出していると見ている
- 人権標語のような宿題はAIで解けてしまうため、人にしか答えられない問いへの変更が必要だという話が出た
- 言語化に悩むより、考えや半生を丸ごと話してAIに渡すことで「自分の分身」の素材が作れる
- NotebookLMに番組音声を入れるだけで、復習用の4択テストを自動で作れる





