無料でも使えるNano Banana 2は何が変わった?
1つ目のニュースは、Googleが画像生成AI「Nano Banana 2」を公開したというものです。Gemini 3.1 Flash ── Googleの生成AI「Gemini」シリーズのうち、応答の速さと軽さを重視したモデルの系統。Flashは上位モデルより処理が速く、コストが低いのが特徴ですをベースにしていて、無料ユーザーでも高機能な画像生成が使えるようになりました。
しぶちょーさんによると、Nano Banana 2は従来のNano Banana Proをパワーアップしたものではありません。フラッグシップはあくまでProで、その下に、より使いやすいモデルが加わった位置づけだといいます。
正直、課金してる人にとってはあまり関係ないけど、逆に課金してなかった人にとってはすごく革命的だよね。
Nano Banana Proは課金ユーザーしか使えませんでした。Nano Banana 2は、それとほぼ同じ精度の画像生成を誰でも使えるようにしたものだと、しぶちょーさんは説明します。
しぶちょーさんが驚いたのは、Nano Banana 2の使える場所の広さです。Geminiだけでなく、ブラウザで開くGoogle検索画面の「AIモード」からでも画像生成ができます。かねりんさんは「マスにアダプションする」と表現しました。
従来からあるフラッグシップ。課金ユーザー向けで、無料では使えなかった
Proより少し下の位置づけ。無料でも使え、生成が速く、指示への正確さや文字のレンダリングも上がった
しぶちょーさん自身の使用感では、Nano Banana 2は生成が速いうえに、指示どおりに画像を直してくれるようになった気がするそうです。以前のGeminiの画像生成では、修正を頼んでも同じ画像が出てくることがよくあったといいます。
空気読めるようになった。
空気読めるようになった。あと文字のレンダリングもね、だいぶ上がってるのよ、やっぱ。
現在のGeminiでは、画像生成を頼むとデフォルトでNano Banana 2が立ち上がります。しぶちょーさんは明示的にProを使う方法がよくわからないものの、2で問題ないのでそのまま使っていると話しています。
ChatGPTとGemini、画像の「らしさ」はどう違う?
しぶちょーさんに勧められたかねりんさんは、最近はGeminiではなくChatGPTで画像を作っていると明かします。イラスト調の画像やキャラクターを作りたいときは、ChatGPTのほうがいい感じに仕上がるそうです。
しぶちょーさんは、ChatGPTらしさとNano Bananaらしさは違うと受け止めました。Nano Bananaの画像はみんなが出すので見慣れてしまっていますが、ChatGPTの画像生成は最近あまり使われていないため、新鮮に見えるといいます。
見慣れてないというか、なんか新鮮な感じするよね。右下にその星マークみたいなやつもないし。
かねりんさんが困っているのは、キャラクター画像を入れて「この人物でひな祭りの感じにして」と頼むような使い方です。Geminiでは微妙な結果になり、ChatGPTだと人物もいい感じに出るそうです。しぶちょーさんは、キャラクターを保ったまま別の画像を作るのはGeminiの得意分野のはずだとしつつ、Nano Banana 2で制御性が上がった可能性を指摘しました。
しぶちょーさんのほうは、ChatGPTもGeminiも一つ物足りず、今はClaudeしか満足させてくれないと話します。それでも画像生成は、毎日配信するポッドキャストのアートワーク、1日2回のものづくり発信のSNS画像、副業のブログや企業記事の挿絵などに、Geminiを使っているそうです。
しぶちょーさんによると、Geminiで作った画像は、実写やネジのような部品ではほとんど見分けがつきません。一方、アニメ調や漫画にすると「Gemini感」が強く出るといいます。
なぜ今あえてStable Diffusionを組み直したのか
かねりんさんは最近、時代に逆行するようにStable Diffusion ── 2022年に公開されたオープンな画像生成AIモデル。自分のPCで動かせ、追加学習したモデルを差し替えて使えるため、一時期の画像生成ブームの中心になりましたの環境を自分で構築したそうです。封印していたRTX 3090搭載のWindowsマシンを引っ張り出し、ノードをつないで処理を組む新しい方式を勉強しました。
かねりんさんがStable Diffusionを選んだ理由は、いろいろなキャラクターのいろいろなシーンを大量に作り、その中から選びたかったからです。ChatGPTでは1枚ずつポチポチ操作しなければならず、途中で止まることもあります。
API経由でガンガンさせるっていうのもいいけど、まあそのお金かかるからね、その分だけ。
GPUがあるんだったら、それで回すに越したことはないかなって感じだね。
ただ、かねりんさんのStable Diffusionは今は一旦止まっています。ChatGPTでポンと出てくるような画像を作れるモデルが見つからず、評判もChatGPTの画像のほうが良かったりするそうです。
しぶちょーさんは、昔のStable Diffusionは自分でモデルを作ればキャラクターを固定できたのが強みだったと振り返ります。今は、キャラクターの設定図を最初に読ませれば、他のAIでも同じキャラクターを出せるようになっています。今回の話をきっかけに、しぶちょーさんも「AIあの人は今」として最近のStable Diffusionの立ち位置を調べてみたいと話しました。
スマホからClaude Codeを操る「Remote Control」とは
2つ目のニュースは、Claude Code ── Anthropicが提供するAIエージェント。パソコンのターミナル上で動き、指示に応じてコードの作成やファイル操作を行いますをスマホから操作できる遠隔操作機能「Remote Control」の公開です。かねりんさんは、X(旧Twitter)を開くのは週1回の収録日だけで、この話題も知りませんでした。
かねりんさんはSNSからもニュースからも離れていて、Facebookの知人の投稿で戦争が起きていることを知ったほどだそうです。本人は自分の暮らしを「令和の仙人」と表現しました。
しぶちょーさんの説明では、Claude Codeはもともと自分のパソコンに入れて、黒い画面で操作するものでした。Remote Controlを使うと、パソコンの中のClaude Codeに遠くから指示を出せます。Claude Codeを通じてパソコン内のファイルにもアクセスできるため、実質的には安全な遠隔パソコン操作になるといいます。
パソコンで起動
手元のパソコンでClaude Codeを一度立ち上げる
接続
発行されるURLやQRコードをスマホで読み取る
スマホから操作
Claudeのアプリから指示を出し、Claude Codeが求める承認もアプリ側で行う
しぶちょーさんは、Remote Controlが、流行していたOpenClaudeのように、スマホからエージェントに指示を出せる仕組みを、Claudeが公式に提供したものだと位置づけました。リモートデスクトップでも同じことはできますが、手間がかかるといいます。
Remote ControlはProプランとMaxプランで使えるとされています。ただ、しぶちょーさんのProプランではまだ使えず、SNSを見てもProプランでは使える人と使えない人に分かれているようです。
AIを休ませないために人間が休めない?
かねりんさんが「そんなに外から触りたいの?」と尋ねると、しぶちょーさんは、みんなAIエージェントをいかに休ませないかに注力していると答えました。しぶちょーさん自身も、土日に子どもと遊びながらReplit ── ブラウザ上でプログラムの作成から実行までできる開発サービス。AIエージェントに指示を出してアプリを作らせる機能がありますに指示を出したり、30分ほどかかるディープリサーチをかけたりしているそうです。
何をそんなみんな生き急いでんの?なんかそんな調べることある?ボケッとしたら?ちょっと。
アウトプットは増えてるけど、結局やれるっていう可能性を手に入れてしまったからやらなきゃいけないみたいな強迫観念みたいなやつあるんだよ。
しぶちょーさんは以前、毎日15分から20分ほど瞑想していました。瞑想では雑念を抑えることを繰り返して無心に近づきますが、最近は「あのエージェントに指示を出さなきゃ」「あいつ止まってるかもしれない」という雑念が増えてしまったといいます。
一方で、しぶちょーさんは、AIを使っていない人がやばいわけではないと強調します。AIをうまく使う人は10人力に近いアウトプットを出せるので格差は生まれうるものの、クリティカルな付加価値を出せるかは、その人の視点やセンスによるといいます。
結局AIが使えたところでAIが使えたってだけだから、何を作らせるか大事だからね。
ただし、今のAIは「数打ちゃ当たる」の戦法に向いているため、AIでいろいろ試して当てていく人は増えるだろう、とも話しています。しぶちょーさんにとって、Remote Controlの提供は、指示を出すエージェントがもう1つ増えることを意味し、プラスかマイナスかは微妙だそうです。
しぶちょーさんがClaudeを推す理由
しぶちょーさんは、ChatGPTやGeminiと比べても「やっぱClaudeなのよ」と言い切ります。コーディングだけでなく全般的に一枚も二枚も上手だと感じていて、ブログなどの文章もClaudeを信用しているそうです。
しぶちょーさんの使い分けでは、アイデア出しはどのAIに聞いても当たり障りがなく、大差ないといいます。一方、アウトプットする文章やクリエイティブなものはClaudeが上手で、画像生成ができない点を除けば、Claude Codeを含めて満足しているそうです。
かねりんさんはこの日、AIエージェントのManus ── 汎用型のAIエージェントサービス。調べものやプログラム作成などを自律的に進め、クレジットを消費して使う仕組みですを月額から年額契約に切り替えたと明かしました。2か月使ううちに、欲しいプログラムを頼めばすぐできる感覚が手放せなくなったそうです。しぶちょーさんは、Manusの中でもClaudeが動いていると補足しました。
しぶちょーさんは、エージェントを動かし続けたくなる感覚はサービスの料金体系とも関係すると話します。Manusは1日に数百のクレジットがもらえて貯められるのに対し、Claude Codeは時間ごとの利用上限まで使わないと損な気がするといいます。
いや、でもね、結局使わされているがいいんだわ。アウトプットがすごい。
Claude CoworkでExcelやPowerPointも操作できるように
3つ目のニュースは、Claude Coworkのエンタープライズ向け大型アップデートで、ExcelやPowerPointにも対応したというものです。しぶちょーさんは、意図して集めたわけではなく、たまたま今週はClaude関連のニュースが重なった「Claude祭り」だと話しました。
Claude Coworkは、ローカルのファイルを操作してくれるツールです。かねりんさんは、以前番組で、Coworkに権限を与えたらファイルを全部消してしまったという「人柱」の話をしたことを思い出しました。
しぶちょーさんによると、Claude CoworkはもともとMaxプランかつmacOSでしか使えませんでした。今はProプランやWindowsでも使えるようになり、さらに2月24日ごろには各種プラグインが導入されました。
これまでのClaude Coworkでできたのは、ローカルのファイル整理や名前の付け替え程度でした。今回のアップデートで、GoogleカレンダーやGoogleドライブなどのツールと連携し、ExcelやPowerPointを直接触れるようになったといいます。かねりんさんは、Adobeに対応すれば単純なカット作業などの動画編集も自動化できそうだと期待を寄せます。
黒いターミナル画面で使うAIエージェント。プログラム作成が得意で、エンジニアがバリバリ使う
チャットのような画面でローカルのファイルやアプリを操作する。プログラミング知識なしで、日本語の指示でパソコン上のタスクを遂行させる
しぶちょーさんは、Claude CoworkをClaude Codeと大差ないツールだとしつつ、「より一般的に使いやすいClaude Code」と説明しました。Claude Codeを使いこなせる人は無理にCoworkを使う必要はないものの、MCP ── AIモデルが外部のツールやデータにつながるための共通の接続規格。Anthropicが提唱し、さまざまなサービスが対応を進めていますとは別にCowork用のアダプターが用意されているため、Coworkでしかできないこともありそうだといいます。しぶちょーさん自身は中身まで詳しくわかっていないと断っています。
便利なツールが出ると、なぜ仕事は増えるのか
Claude Coworkのアップデートは海外で「AI失業論」や「SaaSはいらない論」を呼んでいるといいます。かねりんさんが「失業者が出る?」と尋ねると、しぶちょーさんは先ほどのエージェントの話につなげて答えました。
まあ出るとは思いたいけど、さっきの話にもあるけど、便利なツールが出るとね、仕事増えるのよ。
しぶちょーさんは名前を思い出せなかったものの、与えられた時間だけ仕事が増えるという理論を紹介しました。同じタスクでも、1時間で、と言われれば1時間で、10時間与えられれば10時間を使い切ってしまうという人間の習性です。
ツールが便利になる
AIで、やれることの幅が一気に広がる
時間や余力が生まれる
同じ作業が短く終わり、手が空く
空いた分を埋める
90点を95点、96点にしようと時間を使い、仕事が増えていく
しぶちょーさんは、人間が90点の仕事を95点や96点にしようとして時間を使うように、AIも与えられた分だけ仕事を増やしていくのだろうと考えています。
中国AI企業3社による「蒸留攻撃」とは何か
4つ目のニュースは、Anthropicが、中国のAI企業3社による大規模な「蒸留攻撃」を報告したというものです。勢いのあるClaudeが攻撃を受けていた、という流れで紹介されました。かねりんさんは、以前番組で扱ったDeepSeekのChatGPT蒸留疑惑で初めて「蒸留」という言葉を聞いたことを覚えていました。
Anthropicの報告によると、関わったのはDeepSeek、Moonshot、MiniMax ── 中国のAIスタートアップ。大規模言語モデルや動画生成AIなどを開発していますの3社です。3社はClaudeを使って大規模な蒸留攻撃を行い、自社のAIモデルを学習させたとされています。
しぶちょーさんの説明では、蒸留攻撃とは、Claudeのような高度なAIの出力や推論のプロセスを大量に取得し、自社モデルの訓練に使う行為です。基本的には規約違反の使い方にあたります。
しぶちょーさんによると、DeepSeekから直接アクセスすればブロックされるため、3社はさまざまな業者を使い、転売のような形で身元を偽装したアカウントを大量に作ったとされています。やり取りはチャット画面ではなく、APIキーを使ってプログラムから質問を投げる形だろうとしぶちょーさんは推測していますが、具体的な手口まではわからないと断っています。
大量に質問する
API経由で高性能モデルにプログラムから質問を投げる
入出力を集める
どういう質問にどういう回答が返ったかを大量に取得する
自社モデルを学習
集めたデータで、大きなモデルの知識のエッセンスを効率よく学ぶ
小型で高性能に
小さいモデルなのに同等の性能を持つモデルができる
かねりんさんは「いいとこ取りだね」と応じ、規約違反でも、やってしまえば取り戻せない「やったもん勝ち」だと指摘しました。しぶちょーさんによると、DeepSeekは論文で、収集したウェブデータの中にたまたま他社の強力なモデルが生成したテキストが大量に含まれていた、と説明しているそうです。
安く使える恩恵と「必要悪」をどう考えるか
かねりんさんは、蒸留攻撃のような大量利用はブレーカーのように自動では止まらないのかと疑問を投げかけました。しぶちょーさんは、顧客企業が大量に使うのはむしろ歓迎される利用なので、使用量だけでは判別できないと答えます。
でも明らかにこいつ知識蒸留のために使ってるなっていうのは、多分なんかアラーム、アラートがあるんだと思う。
しぶちょーさんは、Anthropicがアラートで気づいてアカウントを止めたものの、国絡みともいえる規模で、だいぶ持っていかれてしまっただろうと見ています。「ずるいよね」と言いつつも、自身もDeepSeekのAPIが安いので使っていて、責められないとも話しました。
必要悪ですね。
結局そうね、必要悪。まあ悪だとは思うけど。
しぶちょーさんは、DeepSeekがGPUの輸入を止められ、小さなモデルで戦うために生み出したのが蒸留という工程だったと振り返ります。彼らなりに工夫しているものの、倫理については自分たちとは違う角度のものを持っているように感じる、と話しました。
ギガファイル便の「永久保存スクリプト」はなぜ炎上した?
最後のニュースも倫理の話で、Google Antigravityで作られた「ギガファイル便の永久保存スクリプト」がXで炎上した件です。元の投稿はすでに消えていて、しぶちょーさんは投稿者のアカウント名を伏せたうえで、「こうなるよね」という示唆に富む炎上として取り上げました。
しぶちょーさんの説明では、Google Antigravityは、GoogleがVS Code ── Microsoftが開発する無料のテキストエディタ。プログラマーがコードを書き、実行・修正する開発環境として広く使われていますをフォークして作ったテキストエディタです。無料でさまざまなAIモデルを使え、その場でプログラムを書いて動かせることで話題になっていました。
しぶちょーさんは、Claude Codeとの違いとして、Antigravityのような開発環境ではプログラムを実行でき、自分で1行だけ書き直すような修正もできる点を挙げました。
炎上したのは、エンジニアではない人がAntigravityでAIに作らせたプログラムです。ギガファイル便には大容量のデータを置けますが、数か月で期限が切れて消えます。期限前にダウンロードして再アップロードすれば、また同じ期間使えるという点を利用しました。
アップロード
大量のデータをギガファイル便に預ける
期限前に回収
保存期限が切れる前に自動でダウンロードする
再アップロード
もう一度アップロードして保存期間を延ばす
自動で繰り返す
PythonとSeleniumでスケジュール実行し、事実上の無料クラウドストレージにする
投稿者は「Google Antigravityが便利すぎる、もうGoogleドライブはいらない」という文脈で、ちょっとしたプロンプトで10分や20分で作れたと発信しました。かねりんさんは、コンテナハウスを無限に使うようなものだと例えています。
なんかね、AI便利だからみんな使おうぜ的な、こんなことができるんだよみたいな文脈で発信してしまったが故にですね。
しぶちょーさんによると、ギガファイル便の利用規約には、自動でファイルを転送したりアクセスしたりすることを禁じる内容が書かれています。ウェブサービスに対してスクレイピングのようなことをすべきではないというリテラシーもありますが、投稿者はそこを理解しないままプログラムを作って実行し、大炎上しました。
エンジニアと非エンジニアを分けるものは何か
かねりんさんが「アホがとんでもないことをやる」とまとめかけると、しぶちょーさんは、自分がそこに乗ると止まらなくなるので止める側に回る、と前置きしました。そのうえで、倫理を学んでいない人間が技術を使うとこういうことになる、と整理しています。背景には、作れたことが嬉しい、という気持ちもあるといいます。
しぶちょーさんは、SNSで最近よく見る「非エンジニアでもこんなことができました」という投稿に触れ、エンジニアと非エンジニアの一番の違いを次のように表現しました。
作れるということは、作っていいことだと思ってしまう
技術者倫理を学んでいるので、技術を使ってやっていいことがわかる。作れるけど作らないものがたくさんある
しぶちょーさんは、技術は力であり、悪いことに転用しようと思えばいくらでも使えると説明します。単なる倫理観や道徳観だけでは判断できない場面もあるため、技術者ゆえの倫理として技術者倫理があるのだといいます。
かねりんさんも、自動化するときに「これはやっていいのかな」と迷う場面はあると共感しました。しぶちょーさんは、大多数はギガファイル便の件をとんでもないことだと言う一方、少数派は「個人利用ならいい」「仕組み的にできるからハックだ」と語ると指摘しています。
スクレイピングで逮捕された人もいる?
しぶちょーさんは、ギガファイル便の件を怖いことだと感じる理由として、過去にスクレイピングで逮捕された人がいることを挙げました。ウェブスクレイピングとは、ウェブサイトに何度もアクセスして情報を自動で取ってくることです。
しぶちょーさんによると、スクレイピングはやり方によって相手のサーバーに大きな負担をかけます。そのため、サイトによっては「何秒に1回まで」「うちではスクレイピング禁止」といった規定があり、それを知らずにコードを作って逮捕された人が昔はたくさんいたといいます。
スクレイピングのプログラムも手書きで打っていたため、作る人は多くの場合ダメだとわかったうえでやっていた
AIがある程度配慮してくれるものの、やってはいけないツールも誰でも簡単に作れてしまう。責任はAIではなく作った人にある
それはやっぱ作った人の責任になるからさ。AIが作ったとはいえ。
しぶちょーさんは、ギガファイル便の件のような出来事は今後どんどん起こると予想していました。かねりんさんから、エンジニアと非エンジニアはそこまで明確に分かれるのかと問われると、しぶちょーさんは、海外ではエンジニアを名乗るのに専門分野の学位が必要な一方、日本では言ったもん勝ちになっていると説明しました。
しぶちょーさんは、未経験からエンジニアになったと名乗る人が海外に行くと恥をかくこともあると話しました。「非エンジニア」は最近のトレンドワードで、それ自体は構わないものの、何をやらかすかわからない怖さがあるといいます。
正しい使い方わからずに、こう、あ、何でも切れるや、パパパパパつってやってるみたいなのが、やっぱ技術って力だから、危なさあるよねっていうのは思ってる
しぶちょーさんは、ギガファイル便の件はそれほど大ごとにはなっていないものの、氷山の一角だと見ています。かねりんさんも、非エンジニアがClaude Codeを下手に触って被害が出た、という注意喚起を見かけると話しました。
技術者倫理はどう学べばいい?
しぶちょーさんによると、みんな具体的な技術は学ぶものの、倫理は意外と学ばないそうです。かねりんさんから「難しいんでしょ?」と聞かれると、しぶちょーさんは入門書が出ていて、それほど難しくはないと答えました。
あのまあ倫理って基本的にさ、失敗の事例からこういう事故があって、こういう変な判断して。
しぶちょーさんが紹介したのは、講談社サイエンティフィクの『はじめての技術者倫理(改訂2版)』です。オールカラーで読みやすく、昨年12月に出た改訂2版では、初版にはなかったAI倫理が加わっているといいます。ほかにも『はじめての工学倫理』など、手元に倫理の本が3、4冊あるそうです。
しぶちょーさんは技術士 ── 技術分野の高度な知識と応用能力を認定する日本の国家資格。機械、電気電子、情報工学など21の部門があり、技術士法で倫理面の義務も定められていますの資格を持っていて、試験の中でも倫理が問われると話しました。倫理が大事な理由を聞かれると、答えは一貫して「技術が力だから」でした。
テクノロジーが力だから。使い方を誤れば、あの、いろんなそのことを起こしてしまうし、人の命を奪うことも容易にできてしまうような力なのね。
しぶちょーさんによると、本来は技術を身につけるには相当な勉強が必要なので、倫理も失敗事例から一緒に学べます。しかし民主化された技術では、倫理を学ばずに技術の使用だけができてしまう怖い状態があるといいます。
3Dプリンターで食器を作って売ってはいけない理由
しぶちょーさんは、技術の民主化の例として3Dプリンターを挙げました。拳銃のようなものはわかりやすいNGですが、食器も作って売ってはいけないそうです。
しぶちょーさんの説明では、スプーンや皿、クッキー型などを自分で作って楽しむ分にはかまいません。しかし、それを売ると食品衛生法 ── 飲食による衛生上の危害を防ぐための日本の法律。食品だけでなく、食器や容器包装などの器具についても規格や基準を定めています違反になる可能性が高いといいます。
形は作れてしまう
3Dプリンターと3Dモデリングさえ学べば、コップや皿の形は誰でも作れる
基準を知らない
食器に使える材料は法律でリストが決まっていて、いつ誰がどう作り管理したかというトレーサビリティも求められる
個人が販売する
基準を知らないまま、メルカリなどで売り出してしまう人がいる
衛生上の危険
不衛生な部分が出て、使った人の食中毒などにつながりかねない
かねりんさんから、どうすればいいのかと問われたしぶちょーさんは、学んでもらうしかないと答えました。しぶちょーさんの発信を見て3Dプリンターを買った人もいるので、自分の発信の中で、こうした事例を常々伝えているそうです。
かねりんさんが本を出すよう勧めると、しぶちょーさんは、3Dプリンターを初めて使う人が知っておくべき知識をまとめた本を考えていると明かしました。倫理だけの本は手に取られにくいので、テクニックと、押さえるべき法令やNG事項を一緒に書いた入門書にしたいといいます。
使う用途の、ちゃんとテクニックも書いてあり、倫理も書いてある本だったら合わせて読むじゃん。
イーロン・マスクに倫理はある?型破りを支えるチーム
かねりんさんは、情報発信の倫理についても問いかけました。言ってはいけないことを言うのが発信の戦略になることもある、ほぼノールールの世界だと指摘します。
しぶちょーさんは、そもそもXを運営するイーロン・マスクに倫理があるかは微妙だと応じました。かねりんさんがさらに、倫理と言っているうちは革命を起こせないのではないかと踏み込むと、しぶちょーさんは次のように答えます。
ああいう人たち、ああいうクレイジーな奴らを、倫理を持ってる人たちが周りにいるから成り立ってるだけで。
イーロン・マスクみたいなカリスマ的なやべえやつが一人いて、その周りに多分まともな、比較的バランスを取れるやつがすげえ右往左往しながらバランスを取ってるのよ。
かねりんさんは「倫理観は制服と一緒に脱いできた」と元刑事らしい冗談を言い、2人はいいコンビではないかと笑います。しぶちょーさんも、自分には下ネタの倫理が欠けていて、そこはかねりんさんが止めてくれるはずだと話し、互いに足りない倫理観を補い合う関係だと認めました。
番組の後半では、動画収録に少し慣れてきたことや、今後、AIでどこまで動画編集ができるかを扱う回も撮りたいという話も出ました。かねりんさんは最後に「型なしと型破りは違う」とこの回をまとめています。
まとめ
今回の速報回では、Nano Banana 2やClaude Code、Claude Coworkのように、AIツールが無料化や遠隔操作、アプリ連携によって一気に身近になる流れが紹介されました。その一方で、蒸留攻撃やギガファイル便の永久保存スクリプトの炎上を通じて、技術が民主化されるほど、使う側に倫理が求められることが浮かび上がりました。
- Nano Banana 2は、Proに近い精度の画像生成を無料ユーザーやGoogle検索のAIモードにまで広げた
- Claude CodeのRemote ControlやClaude Coworkの拡張で、AIエージェントを動かせる場面が広がる一方、人間がかえって忙しくなるという実感も語られた
- 中国AI企業3社による蒸留攻撃では、2万4000の不正アカウントと1600万回のやりとりが報告されたという
- ギガファイル便の炎上は、作れるものと作っていいものの区別がつかないまま技術を使う危うさを示している
- しぶちょーさんは、3Dプリンター製の食器販売のような例も挙げ、技術者倫理を失敗事例から学ぶよう勧めている





