ChatGPT-5.1で何が変わった?人格とモード切り替え
今回の速報回は2025年11月18日未明の収録で、取り上げるトピックは6つです。最初の話題は、しぶちょーさんが「一番大きいトピック」と位置づけるChatGPT-5.1のリリースでした。
かねりんさんは、勝手にモデルが5.1に切り替わったものの、何が変わったのかわからないと率直に話します。しぶちょーさんの答えは、新しいモデルが出たらまずOpenAIが公開するプロンプトガイドを読もう、というものです。
わからない。だから、新しいモデルが出た時に何をしなければならないかというのは、もう僕話してます。
ただしChatGPT-5.1のプロンプトガイドは英語で内容も難しく、しぶちょーさん自身も流し読み程度だと明かしています。そのうえで挙げた特徴は、人格があたたかくなったこと、タスクに応じて深く考えるか早く答えるかを自動で切り替える処理がよくなったことです。
この自動切り替えはオートで使ったときの話で、自分で「シンキング」を指定すればそのまま深く考えるモードになります。細かい点では、「50文字で答えて」と指示すると50文字で答えるような文字数の制御も効くようになったと言われているそうです。
馴れ馴れしくなったAIにどう接する?キレる指示の効き目
ChatGPT-5.1の「あたたかさ」は、しぶちょーさんには裏目に出ました。プロンプトガイドを見ずに使ったところ、方言っぽい崩れた口調で馴れ馴れしく話しかけてきたといいます。
なんか馴れ馴れしくするな、タメ口を俺に使うな、敬語で話せって言ったら、それ以降ずっと敬語になってくれた。
いや、なんかさ、馴れ馴れしくされるの嫌でさ。(AIには)家来として存在してほしいと思って。
かねりんさんにも似た体験があります。AIに「ジェニファー」という30歳の女性秘書の設定を与えていたのに、いつの間にか「俺に任せろ」という男性キャラに変わっていたそうです。
しぶちょーさんに教わったとおり強い口調で叱ったところ、メモリに記録したと表示され、以来ジェニファーとして振る舞うようになったといいます。ただ二人とも、使ううちに少しずつ口調が元のフレンドリーな方向へ戻っていく感覚があると話しています。
簡潔すぎる回答と長すぎる回答、どう指示する?
しぶちょーさんがChatGPT-5.1のプロンプトガイドから拾った注意点は、回答の長さに関するものです。5.1はトークン消費を抑えるよう調整され、オートでは簡潔に答えやすくなっています。
十分でない回答で終わることがある。網羅して完結させるよう強調して指示する
詳細に考えるぶん冗長になりやすい。どの部分をどれだけ詳しく出すかを明示する
しぶちょーさんは実際、RAG ── 検索拡張生成。AIが外部の資料を検索して参照しながら回答を作る仕組みで、モデルに学習させ直さずに新しい情報を扱えます関係の用語をまとめさせたところ、10項目ほどの大量の説明が出てきて、改めて要約を頼んだといいます。かねりんさんは番組で扱ったRAGを「学習じゃなくて参照」と思い出していました。
オプションで人格やトーンを細かく調整できるようになった点について、かねりんさんは需要がわからないと首をかしげます。しぶちょーさんは、以前のモデル変更で「俺のChatGPTを返せ」という声が上がった件に触れ、AIを友達のように使う人にとって急な態度の変化はつらいと説明しました。
仲良くさ、相談とかしてたのに、いきなり(態度が)上陸してさ、オラって。言えないじゃん。
しぶちょーさんのまとめは、新しいモデルが出たら並行して出るプロンプトガイドを確認すれば落ち着ける、というものです。ガイドの半分ほどはコーディングの話なので、冒頭の要点を押さえれば十分だとしています。
ChatGPTのグループチャットは何に使える?
2つ目の話題は、ChatGPTに追加されたグループチャット機能です。複数の人が同じ場に入り、ChatGPTを交えてディスカッションできるようになりました。
かねりんさんは、複数人で指示を送り合うと混乱するのではと疑問を投げます。しぶちょーさんによると、ChatGPTはすべての投稿に反応するわけではなく、メンションで呼び出したときだけ反応させたり、反応のルールを決めたりできるそうです。
二人は、LINEグループにBOTが入っているような使い方、たとえば議論をまとめてもらう場面を想定します。一方で、AIの出力は長く、スマホでは何メートルもスクロールするほど縦長になるという不便さも指摘されました。
グループチャット自体は他の生成AIサービスにも先例があり、しぶちょーさんは、どこかが始めると同じ機能を出す動きがAI業界にはあると話します。番組では試しに「おちつきAIグループチャット」を作り、概要欄でリスナーに公開しました。
Claude Codeがサイバー攻撃に使われた何が「世界初」なのか
3つ目の話題は、Anthropicが自社ブログで公表した、Claude Code ── Anthropicが提供するAIのコーディング支援ツール。ターミナル上でコードの作成や実行を自律的に進められるエージェント型の製品ですがサイバー攻撃に使われた件です。しぶちょーさんは、提供元自身が攻撃の仕組みを明かすことで防御側が対策を取れるようにする意図があると見ています。
攻撃者はClaude Codeをエージェントとして使い、本来はできないはずの脆弱性攻撃を、プロンプトでAIを騙すジェイルブレイク ── AIに設けられた安全上の制限を、巧妙な指示で回避させる手法。「脱獄」の意味ですによって実行させたといいます。しぶちょーさんは、小説の中でなら危険な方法を書かせられる、という例でジェイルブレイクを説明しました。
しぶちょーさんが翻訳して読み上げたブログの内容では、Anthropicは中国の国家支援グループによるものと高い確信を持っていると書いているそうです。約30の対象、つまりハイテク企業や金融機関への侵入が試みられ、少数ながら成功したとされています。
Anthropicはこれを、人の介入が本質的に少ない大規模サイバー攻撃の初の記録と捉えています。検知後はアカウント停止、影響を受けた企業への通知、当局との連携を行ったと書かれているといいます。
ジェイルブレイク
プロンプトでClaude Codeの制限を回避させる
自律的な攻撃
Claude Codeが半自動で約30の対象に侵入を試みる
一部で成功
少数の企業で侵入が成功し、実害もあったとみられる
対処
アカウント停止、企業への通知、当局との連携
あーでもないこーでもないって、人が主導するわけじゃなくて、あくまでもそのClaudeCodeが自律的に攻撃を仕掛けたと。
AI同士のいたちごっこは始まるのか
かねりんさんは、Claude Codeに限らず、倫理のない人たちが同様のツールを使えば弱いところが次々に狙われるのではと懸念します。しぶちょーさんも、AIがハッカーの代わりになるという以前からの仮説が現実になりつつあると応じました。
二人の話は、攻撃側と防御側のAIがお互いを糧に強くなっていく未来へ広がります。しぶちょーさんは強化学習のようだとたとえ、いずれ人間には防ぎようがないモンスターのようなものが2体できるかもしれないと話しました。
そういう世界の入り口がちょっと見えたんじゃないかなっていうニュースです。
Googleはなぜ宇宙にデータセンターを置きたいのか
4つ目の話題は、Googleが宇宙にデータセンターを建設し、太陽光エネルギーを活用する構想です。まだ確定ではないものの、しぶちょーさんによるとイーロン・マスク氏も好意的に反応しているといいます。
宇宙に置く利点として、しぶちょーさんは日照時間に左右されずに発電できること、大気で拡散しない太陽光を直接浴びられることを挙げます。かねりんさんは「データセンターに限らず発電所を宇宙に作る発想はなかったのか」と尋ね、しぶちょーさんはその発想もあると答えました。
それでも今データセンターが注目される理由は、データセンターの電力消費が大きくなってきたからです。しぶちょーさんが紹介したアメリカの数字では、2030年にはアメリカの電力消費の11%をデータセンターが占める見込みだといいます。
しぶちょーさんは、原発はリスクや近隣住民との調整などハードルが高く、打ち上げてしまえば危険性の少ない宇宙が注目されていると説明します。月面開発を進めるアルテミス計画など、宇宙活用の文脈が盛り上がっていることも背景にあるそうです。
ロケットはなぜ安くなった?カレーで考える量産効果
宇宙活用が現実味を帯びた理由として、しぶちょーさんはイーロン・マスク氏率いるSpaceXの功績を挙げます。ロケットを大量に打ち上げたことで、1回あたりの打ち上げ費用が大きく下がったといいます。
かねりんさんが「たくさん打ち上げるとなぜ下がるのか」と尋ねると、しぶちょーさんはカレーを例に量産効果を説明しました。
カレーをさ、3人前作るのとさ、100人前作るのってさ、そんなやること変わらなくない?
打ち上げを増やす
SpaceXが本数を大量にこなす
量産効果
ライン生産など作り方を変えられ、1機あたりが安くなる
ノウハウの蓄積
作るほど品質も上がる
民間の宇宙ビジネス
民間企業が宇宙にものを打ち上げられるようになる
日本ではインターステラテクノロジズが取り組んでいますが、SpaceXほどの本数は打ち上げられていないとしぶちょーさんは話します。日本の事業者が打ち上げる場合も、ファルコン9 ── SpaceXが運用する再使用型のロケット。一度の打ち上げで複数の顧客の衛星などを相乗りで運ぶサービスも提供していますの荷物スペースを買って載せてもらう形になるそうです。
荷物スペースの活用例として、しぶちょーさんはペットの遺骨を宇宙にまき、大気圏で燃えて流れ星になる宇宙葬を紹介しました。人間については倫理の観点からまだ行われていないとしています。
宇宙データセンターの課題と、Soraが1日23億円を使う話
宇宙データセンターが実現する時期について、かねりんさんは記事にある2027年初めのプロトタイプ打ち上げに触れます。しぶちょーさんは、宇宙のプロジェクトは長期にわたるうえ、検証すべきことが多いと話しました。
しぶちょーさんが考える最大の課題は、GPUやコンピューターが打ち上げの衝撃や宇宙の放射線に耐えられるかどうかです。ソーラーパネルは人工衛星での実績があるため問題になりにくいと見ています。
電力の話に関連して、しぶちょーさんはOpenAIが動画生成サービスSoraの運営に1日約23億円を費やしている可能性があるというニュースも紹介しました。動画生成は文字とは比べものにならないほどエネルギーがかかるといいます。
しぶちょーさんによると、その報道ではOpenAIの状況は持続可能ではないとされています。それでも先行するために血を流してでも投じている、という経営判断だろうと推測していました。
流す血があることがすごいんですけどって感じだね。
NotebookLMのDeep Research対応で何が便利になる?
5つ目の話題は、GoogleのNotebookLMがDeep Researchに対応したことです。Deep Researchで調べた結果を、ドキュメントに書き出す手間なくそのままソースとして取り込めるようになりました。
Deep Researchの結果をドキュメントにしてから、NotebookLMに入れる
Deep Researchの結果をワンタップでソースとして取り込める
ただし、しぶちょーさんのアカウントにはまだ機能が来ておらず、ユーザーによって提供時期に差があるようです。ほかにも、手書きメモの画像を文字として読み込む機能や、Wordファイルへの対応といった地味なアップデートがあったといいます。
しぶちょーさんは、NotebookLMの強みを大量の資料を要約・整理する能力だと評価します。かねりんさんは、紙の本を裁断サービスでPDF化してNotebookLMに入れれば便利そうだと話しました。
本をPDF化してAIに入れると何が失われる?
しぶちょーさんは、去年200冊ほどの本を裁断サービスでPDF化したものの、まだAIに読ませてはいないと明かします。技術書を読むことが多く、要約で欠落するものがなんとなくわかるからだといいます。
なんか要約することで欠落するものをさ、なんとなくわかるから。
かねりんさんは、本を読めない人には要約だけでも価値があると反論し、本の要約サービス「flier」を例に挙げます。当初は流行らないと言われたものの、要約を読んだ人が本も買うことがあるという話を聞いたそうです。ただ、かねりんさん自身は何度か契約しては解約し、要約は面白くないと感じたといいます。
しぶちょーさんが関連して紹介したのが、書籍『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』です。しぶちょーさん自身の要約では、必要な情報だけを求める社会になり、本の中で探していなかった情報と出会う時間を許容できなくなっている、という内容でした。
もう1冊、『映画を早送りで観る人たち』も話題に上ります。しぶちょーさんはドラマは倍速で観ない一方、かねりんさんは等倍では観られないと話し、2冊には通じるものがあるとしぶちょーさんは感じたそうです。
読書は「移動」ではなく「旅」なのか
かねりんさんは、本をPDF化してAIに都合のいいところだけ抽出させるのは、読書ではなくネット検索の延長だと指摘します。しぶちょーさんも、それは意外な出会いや発見を捨てて、知りたいことだけを取り出す行為だと同意しました。
そう、タイパなの。ポイントは。タイパを求めちゃうから読書ができなくなるよねっていう話はある。
しぶちょーさんは、読書で得られる出会いには確実性がなく、得られなかったときのリスクをタイムパフォーマンスとして計算すると本が読めなくなると説明します。そこでかねりんさんが出した解決策が、本を旅だと思って読むという考え方でした。
欲しい情報に効率よくたどり着く。AI要約や要約サービスはこちら
寄り道や偶然の出会いを楽しむ。得られるかどうかは不確実
かねりんさんは、読書中に「時間を無駄にしている」というプレッシャーを感じがちですが、旅だと思えばそう感じないかもしれないと話します。しぶちょーさんも、本を読むときは今まで読んだことのない分野の本を雑多に選ぶといいます。
話はこれからの社会にも広がります。多くの人がウェブ記事まで何でもまず要約させるようになると、要約でこそぎ落とされたものが人間にとって大事だった場合、致命的な影響があるかもしれないとかねりんさんは懸念しました。
まじん式プロンプト4.0はなぜ「すごい」のか
最後の6つ目は、しぶちょーさんが使ってみて驚いたツールの紹介です。まじんさんが作った「まじん式プロンプト」の4.0がリリースされました。
まじん式プロンプトは、Geminiでスライドの構成を作り、GAS ── Google Apps Scriptの略。GoogleスプレッドシートやスライドなどGoogleのサービスを自動操作できるプログラミング環境ですのスクリプトを書かせて自動でプレゼン資料を作るものです。Geminiの課金も不要で、無料で使えるのが大きな特徴だとしぶちょーさんは話します。
今回からまじんさんはnoteのメンバーシップでマネタイズを始めましたが、プロンプト自体はnote記事をSNSで拡散すれば無料で入手できます。商用利用も可能ですが、使い方を解説する有料セミナーは禁止されているそうです。
しぶちょーさんは、他のスライド作成AIと比べても編集できる点で使い勝手がよく、GeminiとGASで動くためGoogleを使える企業ならどこでも使えると評価します。事業を考えているというかねりんさんも、その場でリポストして無料で入手していました。
公開収録と新番組「ラスト・ワン・ミニット」
最後はイベントの告知です。11月29日(土)には「おちつきAIラジオ」の公開収録が、原宿のハラカドで18時から20時まで行われます。チケット購入時のアンケートで質問を受け付けているそうです。
翌11月30日(日)には、かねりんさんが企画した新番組「ラスト・ワン・ミニット」の公開収録があります。12月中の配信開始を予定しており、かねりんさん自身はMCを務めない初めての番組です。
もしあなたの人生があと1分で終わるとしたら、どんな言葉を残しますか?
番組では、ゲストが用意してきたこの問いへの答えを起点に、なぜその言葉が出てきたのかを3〜4時間かけて深掘りします。MCは、2000年生まれで25歳の起業家・難波さんと、DAO的な組織で持続する地域創生に取り組む上田寿隆さんの2人です。
すでに収録したMC同士の回では、上田さんを「うさんくさい」と見ていた難波さんが、話を聞いて見方が変わったと感動していたそうです。かねりんさんは、ファンが固定で聞くだけでなく、その人に興味がある人が指名で聞きに行く番組にしたいと話しています。
まとめ
今回の速報回では、ChatGPT-5.1の使いこなし方から、AIによる自律的なサイバー攻撃、宇宙データセンターと電力問題まで、AIニュースを具体例とともに整理しました。NotebookLMの話題からは、効率を求めすぎると読書の偶然の出会いを失うという、速報回らしからぬ本質的な議論も生まれています。
- ChatGPT-5.1は人格やモード切り替えが変わり、新モデルではまずプロンプトガイドを確認するのが落ち着く近道
- Claude Codeを使った攻撃は、人の介入が少ない大規模サイバー攻撃の初の記録とAnthropicは捉えている
- 宇宙データセンター構想の背景には、データセンターの電力消費の急増とロケットの低コスト化がある
- 本をAIで要約させるのは読書ではなく検索の延長で、読書は「旅」として楽しむ考え方が示された
- まじん式プロンプト4.0は無料で、GeminiとGASを使って編集可能なスライドを作れる





