川西で見た「祭りのような」2日間
西野亮廣が地元・兵庫県川西市で開いた映画『えんとつ町のプペル~約束の時計台~』の上映イベントは、8月8日と9日の2日間で行われました。
2日間の観客動員数は2420名。会場のロビーは縁日のような盛り上がりを見せたと話されています。
映画を見に来たっていうよりも、お祭りに遊びに来たみたいな空気がありましてね。
そこには熱狂があって。それこそが、僕らエンタメ屋が最も見たい景色だったなぁと思いましたね。
チケットやグッズの売上、経費といった細かい数字は、当日のオンラインサロン記事で共有すると案内されています。
この景色は「プランB」だった
ただし、この景色は最初から目指していたものではないと西野亮廣は明かします。上映イベントは、あくまでプランBだったと繰り返し語られました。
そもそものきっかけは、映画公開時の初動が苦戦したことでした。4年半かけて作った作品が思うようなスタートを切れず、悔しさや申し訳なさを感じたと話されています。
映画業界には、公開から3日間の結果でほぼ興行が決まるという定説があります。初動が悪ければ上映館数や上映回数が減り、そのまま終わっていくというものです。
映画『えんとつ町のプペル~約束の時計台~』に関しては、評価と数字が全く合ってない。
泣き続ける観客や、号泣する高齢の男性も多かったといいます。西野亮廣は、この反応でこの数字で終わるはずがない、終わらせてはいけないと感じたと語りました。
数字を盛らず、正直に現状を出す
初動が振るわなかったとき、西野亮廣がまず決めたのは「数字を盛らない」ことでした。
ヒットしていないのに大ヒット上映中みたいな看板を出さない。そんなもの絶対作るな。
お客さんは全部わかっているので、嘘は通用しないと考えたためです。強がってごまかすのではなく、現状を正直に共有し、そこから応援を集めることをスタート地点にしました。
さらに、雲隠れもしないと決めました。むしろNewsPicksやラジオに出て、うまくいっていないと正直に話したといいます。
知られたくない結果ほど、みんなは知りたいわけじゃないですか。
答えは「10年続ける超長期決戦」
正直に現在地を話したうえで、西野亮廣が出した答えは長期決戦でした。映画を10年間上映し続けるには何をし、何をしてはいけないかを考えたといいます。
してはいけないこととして挙げたのが配信です。NetflixやAmazon Primeなどには出さないと決めました。
代わりに選んだのが、映画そのものをイベントにして、人が集まる理由を作ることでした。
この発想のベースにあるのが、吉本興業時代の経験です。土日に地方のホールを回る「週末吉本」の営業が、長く続いていることに注目しました。週末吉本とは、吉本興業の芸人が週末に地方のホールを回る営業公演で、漫才やコントに新喜劇を組み合わせたパッケージ形式で各地を巡回する興行を指しています。
これはプランBなんですね。Bなんですよ。二つ目の手なんですよ、これは。
週末吉本は6割ほど客席が埋まれば興行として成り立ち、数年後に同じ会場でやると客層が入れ替わっているといいます。西野亮廣は、この状態を映画で作ろうと考えました。
初動の苦戦が連れて行ってくれた場所
もし映画の初動が順調にヒットしていたら、この2日間の景色は見られなかったと西野亮廣は振り返ります。
そのうえで、もう一つ思ったことがあると続けます。それは、この景色を経営判断として最優先するということでした。
経営者として収支やキャッシュフロー、投資の回収は無視できません。しかし西野亮廣は、その前に自分は一人のエンタメ屋だと語ります。
目の前で人が笑って、子供らが走り回って、街全体が少しだけ浮き足立ってるような景色があって、これは数字では測れない価値があると。
この景色を後回しにする会社であってはいけない。この景色を最優先している会社だから、いろんな方に応援していただけてるんだよな。
毎週末どこかで上映を、10年間
ここから上映イベントを各地へ展開していきます。明日は千葉県柏市、来年3月19日には再び川西キセラホールでの開催が語られました。
3月19日は夕方からキングコングのイベントがあり、その昼間に映画上映を組み合わせる構想です。設営や撤収に時間がかからないパッケージを作り、会場を1日押さえている利点を生かす狙いです。
岡山県津山市でも11月3日に開催予定で、西野亮廣はこの上映イベントを毎週末、10年間続けたいと話します。
毎週末ずっと『えんとつ町のプペル~約束の時計台~』の上映イベントがどっかでやってますっていう状態を作る。それを10年間、一回やってみたらどうなるんだろう。
自分たちでチケット販売サイトを持っているため、好きなタイミングでチケットを出せることも強みだと語られました。チムチケは西野亮廣らが運営するチケット販売サービスで、自社でチケット発券の仕組みを持つことで、外部に頼らず任意のタイミングでチケットを販売できる点が強みとされています。
うまくいかないことを、すぐ失敗と決めない
最後に西野亮廣は、あの時は失敗だと思ったものが、時間が経つと別の場所へ連れて行ってくれるギフトになることがあると語りました。
だから、うまくいかないことをすぐに失敗って決めつけないようにしたい。
4年半かけた作品の初動が伸びなかったときは苦しかったと認めつつ、その苦戦があったから別の一手を考えられたと話します。その結果、地元で2400人以上と宝物のような景色を見られたと締めくくりました。
挑戦が今うまくいっていない人にも、下がらず前に出て、正直に共有して応援を集めてひっくり返そうと呼びかけました。
まとめ
映画の初動の苦戦を、西野亮廣は隠さず正直に共有し、10年続く上映イベントという長期戦へ転換しました。数字では測れない「熱狂の景色」を最優先する姿勢が、応援を集める土台になっていると語られた回でした。
- 映画『えんとつ町のプペル~約束の時計台~』の川西上映イベントは2日間で2420名を動員した
- 上映イベントは映画公開時の初動が苦戦したことから生まれた「プランB」だった
- 初動が振るわないとき、数字を盛らず雲隠れせず、正直に現状を共有して応援を集めた
- 配信には出さず、映画をイベント化して毎週末・10年続ける超長期決戦を構想している
- うまくいかないことをすぐ失敗と決めず、その先の展開を見てほしいと呼びかけた
