自己資金でやることのリスク
本題は「投資村やります」というテーマです。西野さんは、この構想を3週間ほど前にも話したものの、改めて説明したいと切り出します。
まず前提として挙げるのが、事業投資型クラウドファンディングという選択肢です。西野さんは映画や書籍の制作でこれを使ってきたと話します。
これがなければ、多くの人は自己資金で挑戦することになります。しかし資金がたまるまで勝負に出られないため、動き出しが遅くなると指摘します。
西野さんは、自己資金でやることを固定化してしまうと、人生でやれることが減ってしまうと考えています。
その最大の理由が「若さ」です。資金を貯めている間に、最大の資源である若さを失ってしまうというのです。
日本に足りない「他人のお金で挑戦する」選択肢
西野さんは、自己資金でやる選択肢も、いろんな人からお金を出してもらってやる選択肢も、どちらもあっていいと話します。
ただ、日本では後者の選択肢があまりに少ないというのが問題意識です。
銀行融資も、若手には現実的ではありません。例えば21、22歳の若者が大きな挑戦のために融資を頼んでも、まず貸してもらえないだろうと語ります。
ガッツもあって、才能もあって、アイデアも面白いっていう人が、大きな勝負できないっていうのはちょっとなと思います
だからこそ、事業投資型クラウドファンディングを選択肢として持っておくことに意味があると考えています。使うかどうかは別として、いい選択肢だというわけです。
なぜ「YouTube×説教」ではだめなのか
この選択肢を広める方法を考えた結果、西野さんが行き着いたのがYouTubeとの掛け合わせでした。
ただし、YouTubeで再生回数を狙いに行くと問題が起きると指摘します。プレゼンする人と聞き手がいて、再生回数を取りに行こうとすると、たいてい喧嘩になってしまうというのです。
プレゼンする人がポンコツであるほど説教され、その「説教コンテンツ」が再生回数を稼ぎやすくなります。動画単体では成立しても、事業として見るとよろしくないと話します。
理路整然と答えられる人の方がいいし、喧嘩ならない方がいいし、喧嘩なっちゃうような人はあんまり信用できないじゃないですか
聞く側も、再生回数を狙うとプロデューサーや演出家の入れ知恵で「ちょっと喧嘩してもらえませんか」となってしまう、と危うさを語ります。
喧嘩ではなく建設的な会話にする理由
西野さんが投資村でやりたいのは、真逆の形です。プレゼンターと聞き役が普通に会話をして、「面白いね」で終わる建設的なやり取りです。
その理由は、出口が事業投資型クラウドファンディングだからです。番組の最後に「この方が今クラウドファンディングをやっています。興味がある方はページに飛んでください」とつなげる作りにします。
この構造にした時点で、喧嘩をして得することは一つもないと西野さんは言います。狙うのは再生回数ではなく、案件に人とお金がどれだけ動いたか、という点です。
だからこそ、面白い事業を持つ人をちゃんと選び、みんなで見守る場にしたいと語ります。喧嘩や過激さを追う番組は、最後にBANや炎上、逮捕者が出て終わると危惧します。
それよりも、出演者の事業が10億円、100億円、1000億円の会社へと大きくなっていくほうが面白い、という考え方です。
喧嘩や説教が過激化し、最後はBANや炎上で終わりやすい
建設的な会話で終わり、動いた人とお金が成果になる
投資村の仕組みと「優しい番組」の設計
投資村は、審査で合否を決める企画ではありません。西野さんは、自分の立ち位置を審査員でも司会でもないと説明します。
すでにセキュリテの審査を通り、事業投資型クラウドファンディングのページを立ち上げた人が対象だからです。その事業を改めて詳しく聞かせてもらう、という役割です。
もう要するにセキュリテさんがすでに合格を出してる人の事業を、もう改めて詳しく聞かせてくださいという方なんで
西野さんは聞く側にまわり、MC側には話し手をフォローできる人を置きたいと話します。名前が挙がったのは、BROADCASTの坊野さんです。
話し手が言葉に詰まったときに詰めるのではなく、笑いを交えてフォローする、いわば「めっちゃ優しい番組」を目指します。
番組自体を面白くするのではなく、事業に全集中する。そして面白いと思ってもらえたら支援してもらう、というのが基本の流れです。
公開収録とビアガーデンで作る出会い
この企画を、西野さんは公開収録という形でやると決めました。その場にいる観客も、面白いと思えばその場で支援に動ける状態を作りたいからです。
開催は9月19日の土曜日、16時半開演で、場所は音楽と森の美術館です。出演者は3、4組ほどを予定しています。
西野さんがこだわるのが、収録後のビアガーデンです。オフラインの交流をつくることが大事だと考えています。
収録中は一人あたり20分ほどしか時間がありません。だからこそ、収録後に観客と出演者が同じ場に残ることで、続きの会話が生まれると見込みます。
そこでまた熱く語って、「わかった、俺もそれ行くわ」みたいな。絶対あるなと思ったんで、ここはオフラインでやるのが重要だなと
収録は18時ごろまで、その後18時からビアガーデンというスケジュールが想定されています。
今すぐ挑戦できなくても道は続く
リスナーからは「今からプロジェクトを立ち上げて出演者側になるのは間に合うか」という質問が寄せられました。
今からプロジェクトを立ち上げて、出演者側になるのは間に合いますかね?
今回に間に合わなくても先々の機会があるかもしれない、と西野さんは答えます。セキュリテの審査には会社のチェックなど時間がかかるため、無理に今回にこだわらなくてよいという趣旨です。
西野さんが伝えたいのは、9月19日に限らず、やりたいことがあってお金が足りない人はセキュリテに申請を出しておいてほしい、ということです。
これまでページだけで完結していたセキュリテに、YouTubeとオフラインイベントを掛け合わせられそうだと語ります。挑戦したいけれどお金がない人に向けて、挑戦を後押ししたいという姿勢です。
まとめ
「投資村」は、自己資金だけに頼らず挑戦するための事業投資型クラウドファンディングを、公開収録という形で広げる西野さんの新しい取り組みです。喧嘩や再生回数ではなく、事業と人の動きに焦点を当てる設計が特徴として語られました。
- 自己資金にこだわると、資金がたまるまで動けず「若さ」という資源を失うリスクがある
- 投資村は審査企画ではなく、すでにセキュリテのページを立ち上げた人の事業を詳しく聞く場
- 再生回数狙いの説教や喧嘩ではなく、建設的な会話で支援につなげる設計を目指す
- 公開収録は9月19日、音楽と森の美術館で開催。収録後のビアガーデンでオフライン交流も想定
- 今回に間に合わなくても、挑戦したい人はセキュリテへの申請を進めておくことが呼びかけられた
