徹夜明けの公開収録、出川さんとの奇跡のロケ
冒頭、西野さんは日曜の朝5時過ぎに、徹夜明けで公開収録に臨んでいると明かします。前日は朝6時に家を出て、出川さんとのバイクロケに一日を費やしたそうです。
静岡スタートで山梨方面へ向かうスケジュールが、たまたま河口湖の音楽と森の美術館の近くを通ることに気づきます。
ちょっと待ってください、出川さん。俺、今河口湖で美術館やってますよ
こうして2人で美術館に立ち寄ることになったと振り返ります。もともと出川さんと仕事をしたかったという思いも語られました。
テレビ出る時、出川さんもいじられるし、西野もいじられるから、二人いらないわけですよ
ロケ後は山中湖周辺で宿を確保しつつ、翌朝の東京でのイベントのため夜のうちに帰京。都内に戻ったのは12時頃で、そこから仕事をしていたら朝5時になっていたと話します。
リーダーに必要なことは何ですか
最初の質問は「リーダーに必要なことは何ですか」。西野さんの答えはシンプルで、採用に困らないぐらいモテること、そしてスタッフが自律的に動くぐらい尊敬されること、この2つに尽きると言います。
なぜモテることが重要なのか。西野さんは、プロジェクトの明暗を分けるのは仲間の力であり、その仲間の力のほとんどは教育ではなく採用で決まると断言します。
リーダーがモテなければ採用の時点でつまずき、採用コストがかさむと指摘します。いい人を呼び込めなければ、効果の不確かな教育にリソースを割くことになり、プロダクトに回すお金が足りなくなる。ベンチャーや中小にとってそれは致命的だと言います。
リーダーがそもそもクソモテたら採用コストなんかゼロ円なんだから。あの人のところで働きたいってなったら勝ちなんだから
ここでいうモテるとは、イケメンや美女になれという意味ではないと補足します。採用コストがゼロになれば、その分をスタッフの給料や商品開発に回せる、だからリーダーはモテることを仕事だと考えるべきだという主張です。
もう1つの「尊敬されろ」については、複数の現場を同時に動かす自身の経験から語られます。絵本、映画、ミュージカル、美術館と多くのプロジェクトを抱える中で、現場のリーダーを立てる必要があるといいます。
ところが、西野さんとは働きたいが、その現場リーダーの下では働きたくない、という声が実際に出ることがあると明かします。
西野さんと働くのは求めてます。だが、あの人の言うことは聞きたくないって、やっぱ人だから全然あるんだよね
そう言わせないぐらい、リーダー自身が尊敬され、モテていることが大事だとまとめます。チームをまとめるのもモチベーションを上げるのもコストがかかるが、モテて尊敬されていればそのコストはかからないという考えです。
今、何者でもない若手起業家なら何をするか
続く質問は「西野さんが今何者でもない若手の起業家なら何をしますか」。西野さんの答えは、まず引っ越しでした。
何をやるかよりも、どこでやるかが重要だという持論を繰り返します。まず活動の拠点を決めるところから始めると言い、引っ越しできない人は今かなり厳しいと指摘します。
国内なら、西野さん自身が力を入れている河口湖か、石川遼さんが力を入れている和歌山、そのどちらかに引っ越すと語ります。
そこで便利屋のようなことを始めてネットワークをつくり、コミュニティを形成して基盤を固めながら、ハマること、つまり何をやるかを探すという順番です。
一方で、絶対にダメなスタンスとして「何でもやりますんで、何でも言ってください」という待ちの姿勢を挙げます。
そんな待ちの姿勢のお前になんでわざわざ、介護ですか?って話じゃないですか。育児ですか?って話なんで
そうではなく、会食に全部参加し、あらゆる案件に手を挙げ、要求される前からモックを作って提案する。ボランティアをしまくって、自分がいなくなったら痛手だという空気をつくると語ります。
俺、ちなみにもうそろそろ抜けようと思いますけど、いいですか?って。いやいや、ちょっと待って待って待ってっていう状態を作る
そう言わせたうえで、初めてやりたいポジションをもらいにいく。まず圧倒的に助けまくることが先だと、この順番を強調しました。
一緒に仕事をしない人の5つの条件
3つ目の質問は「一緒に仕事をしない人の条件を教えてください」。西野さんは5つを挙げました。
なかでも「声が小さい人」については、病気の方は別としたうえで、絶対に仕事したくないと語ります。子どもの頃に注意されずに大人になると、基本的に直らないという実感も述べます。
声が小さい人は、音楽が鳴る空間でも自分の声が相手の耳にどう届くかを想像できていないと指摘し、直すならボイストレーニングで徹底的にやり直したほうがいいと勧めます。
さらに、島ごと買った西野さんのもとに「一緒にリゾート開発しましょう」という話が来たときのエピソードを紹介します。オンラインミーティングで、先方のトップが30分ほど遅れてきたそうです。
遅れること自体は人間だからあると西野さんは言います。問題は、そのリーダーから謝罪が何もなかったことでした。
その時点でもうそのチームとは縁を切った。オンラインミーティング終わった瞬間にもうあれなし
ここで西野さんは、自分のモチベーションはお金儲けではないと語ります。好きな友達とずっと一緒にいたい、それが最上位にあると言います。
だからこそ、好きになれない人とはどんな条件でも仕事をしない。声が小さい人、暗い人、性格が悪い人、感謝を伝えられない人、謝れない人、この5つを改めて挙げました。
小3息子の質問「川になぜ堰があるのか」
最後の質問は、小学3年生の息子さんから。「川ってなんでところどころに行き止まりの壁を作って滝にしているのか」という問いです。川にある小さなダムのような段差についての疑問でした。
西野さんはまず、この質問そのものを大きく評価します。日常の景色に疑問を持てるのは才能であり、大人になると多くの人がスルーして忘れてしまうと言います。
そのうえで、あの段差は「堰」と呼ばれるものだと説明します。西野さん自身、川西という町の猪名川沿いで育ち、同じ疑問を持ったことがあると振り返ります。
西野さんは、堰の前後で川の状態がどう変わるかをクイズ形式で解説していきます。堰の手前は水位が高く、その先は水位が低くなる、という点が出発点です。
水位が高く、水の流れがゆっくり
水位が低く、水の流れが速い
まず水位を上げる効果について。川沿いに田んぼがある場合、川の水位が田んぼより低いと水を引くのが大変になります。堰で水位を上げておけば、水が必要な人が取水しやすくなると説明します。
次に西野さんは、素朴な矛盾を投げかけます。堰の手前は水量が多く、先は少ない。それなのに、山から水が流れ続けるのに、なぜ手前の水があふれないのか、という問いです。
その答えが流れるスピードです。堰の手前はゆっくり流れ、堰を越えた先は一気に速く流れる。速く流れるから水が溜まらないのだと解説します。
身近な例として、シャワーが挙げられます。水道管の中の水はそれほど速くないのに、シャワーの小さな穴から勢いよく水が出る。出る瞬間に負荷をかけてスピードを上げているのだと説明します。
この速さのコントロールは、洪水にも関係すると言います。水の流れが遅いと川に水が溜まって氾濫しやすいが、勢いよく流れれば水位はそこまで上がらない、という理屈です。
堰止める前のところは水位を上げてるし、堰止めた後っていうのは水位を下げてんだよ。あれ天才でしょ?あれドンって置くだけで
堰は開閉式の扉があるわけでもなく、ただ段差を作るだけで、水位と流れの速さの両方をコントロールし、多くの人を助けている。西野さんはその仕組みを「天才」と繰り返します。
高校時代のいかだレースが原体験
西野さんがこの仕組みに気づいたきっかけは、高校時代の一度きりの学校サボりでした。緑台高校の友達を誘って、平日に猪名川の上流でいかだレースをしたそうです。
3時間で各自が資材を集め、いかだを作り、誰が一番すごいいかだを作れるかを競う、第1回猪名川いかだレース。負けず嫌いの西野さんはペットボトルを集めていかだを作ったといいます。
そのレース中、堰のような段差に自作のいかだで挑んだとき、越えた後にスピードが急激に上がったのを体感します。
速っ!ここ速っ!って言ったの覚えてる
この原体験から、速いから水はあふれず、遅いからあふれる、堰はそこをコントロールしているのだと理解したと語ります。詳しくはベルヌーイの定理で検索してほしいと締めくくりました。
まとめ
リーダー論から起業の順番、一緒に仕事をしない人の条件、そして小学3年生の「堰」への疑問まで、徹夜明けの公開収録で西野さんが本音で答えた相談回でした。共通していたのは、コストをかけずに人や仕組みが動く状態をどうつくるか、という視点です。
- リーダーに必要なのは、採用に困らないほどモテることと、自律的に動かれるほど尊敬されること
- 何者でもない若手なら、まず拠点を決めて引っ越し、圧倒的に助けてから自分のやりたいことを取りにいく
- 一緒に仕事をしない人の条件は、声が小さい・暗い・性格が悪い・感謝を伝えられない・謝れないの5つ
- 日常への疑問を持つこと自体が最も価値ある才能だと西野さんは強調
- 堰は水位を上げつつ流れの速さを変えることで、取水や洪水対策など多くの役割を果たしている
