初耳学の反響と、今の話ができる場所
この日の放送は、寝起きのままの公開収録として始まりました。西野さんは「面白そうだから公開収録だと思って、寝起きのまま生配信でお届けしています」と話します。
話題はまず、日曜日の初耳学の反響に及びます。出演のたびに評判が大きいといい、その理由をこう語りました。
初耳学のスタッフさんが、もうとにかく喋りたいこと喋らせてくれるんで。それがもうなんかすげー、思う存分やれていいなと思うんですけど。
テレビでは七、八年前の話をすることが多かったといいますが、初耳学では今まさにホットな話題を扱えると続けます。
エコーチェンバーの話してたよ、この間、初耳学で。情報がこのように分断して、偏っておりましてみたいな話とか、ブロードウェイのお金の仕組みについて喋るとか、テレビでなくない?そんなこと喋ること。
エコーチェンバー似た意見の人ばかりが集まる場で同じ主張が繰り返され、特定の考えが増幅・固定化される現象。SNS時代の情報の偏りを指す言葉としてよく使われます。こうした今の自分の話に地上波でスポットが当たること自体が珍しく、だから毎回すごく話題になるのだと振り返っています。
初耳学効果で再び売れる『北極星』
初耳学出演の効果で、著書『北極星』がここに来て再び売れているといいます。Amazonのランキングで一位になっていると紹介しました。
公開収録のコメントを見ながら、まだ読んでいない人に向けて、西野さんは強い言葉で読書をすすめます。
もう今読んでも、「あ、俺なんでこれ春に読まなかったんだろう」って後悔するレベルで。もうとっとと早く読んだ方がいい。
対象として挙げたのは、クリエイター、経営者、個人事業主、そして子育て中の父母です。藤原先生が「学校の義務教育の教科書にした方がいい」と言っていたと紹介し、自分もそう思うと語りました。
本の中身は三章立てだと説明します。一章はお金、二章は心、三章は集客だといいます。
二章は心。心っていうのは、要するにどうやってチームを作るにしても、スタッフさんの心をつかまなきゃいけない。心という変数だらけのものとどうやって向き合っていくんだ。これがわかってないと強いチームなんか作りっこないからね。
難しい言葉を一切入れていないため、小学五年生でも読めるといいます。実際に「小五の娘が読んでいる」というコメントも届いていました。
次回作は自叙伝寄りのビジネス書へ
話は自然と、次にどんな本を書くかへ移ります。今年春に出した『北極星』を受けて、幻冬舎の袖山さんからは「もっとビジネス書を書くペースを上げなきゃダメ」と言われているそうです。
次に書くとしたら、少し自叙伝っぽいビジネス書になると語ります。半分が自叙伝、半分がビジネス書くらいの割合をイメージしているといいます。
なんかそのただのノウハウとか情報とかに意味ないと思ってんですよね、もう、もはや。西野がなんでここでこんな判断をしたのかとか、そういうのって紐解いていくと、必ず幼少期の思い出とかがあるんですよね。
その背景として、長い挑戦の中でスタッフを事故で亡くした経験にも触れました。仕事中の事故ではなく、旅先での不慮の事故だったといいます。
そうした経験があったから今の考えが生まれた、という実感が自分の中にあると語り、だからこそ自叙伝寄りの構成が良いのではないかと考えたそうです。
『興行師』の前書き、川西の駐車場で見た光景
そのうえで、西野さんは書きかけの前書きを朗読します。あくまでたたき台であり、どうせ書き直すと前置きしたうえで読み上げました。
舞台は兵庫県川西市。近所のスーパーの駐車場は、いつもはただの駐車場でしかなく、誰も立ち止まらず、何も起こらない場所として描かれます。
転機は小学二年生のある朝でした。見慣れないトラックが何台も止まり、大きな鉄骨や照明、束になったパイプ椅子が降ろされていきます。
大人たちが汗まみれで道具を運び、組み立てていく。それがプロレスの興行だと知りますが、何のイベントかはどうでもよかったといいます。心を奪われたのは、別のことでした。
チケットを買うお金を持っていなかった幼い西野さんは、それでも帰れず、会場を囲うブルーシートに耳を押し当てます。
やがて中から歓声が響き、リングを踏み鳴らす音や体が叩きつけられる衝撃が聞こえてきます。何一つ見えないのに、音を頼りに頭の中でリングが立ち上がったと綴られます。
見えない。何一つ見えない。なのに全部見えた。音を頼りに頭の中でリングが立ち上がる。ロープが揺れ、レスラーが宙を舞い、観客が総立ちになる。
家に帰ってもその興奮は消えず、布団の中でもまだブルーシートの前に立っていたといいます。そしてある願いが芽生えます。
前書きは、生まれて初めてエンターテインメントの音を聴いた日として締めくくられ、その音は今も鳴り止まないと結ばれます。本のタイトルは『興行師』だと明かしました。
川西という原風景と、地元での上映イベント
この前書きの光景こそ、西野さんの原風景だといいます。八月八日・九日には、兵庫県川西市のキセラホールで映画『煙突町のプペル約束の時計台』の上映イベントと舞台挨拶が行われます。
昨日のXでの告知時点で、すでにチケットは二千枚以上売れているそうです。映画の上映で二千名以上が集まることを、素直にありがたいと語りました。
普段は川西を「文明も何もない」などとボロカスに言っていると笑いつつ、その理由も口にします。
いや、川西のことを普段ボロカス言ってますけどね。でも愛してるんですよ。地元のこと。やっぱり僕は川西で夢を見たから。
舞台挨拶では、この街でどんな夢を見たのかを、家族も来る中で話す予定だといいます。西野さんがどんな山や川を見て育ち、将来エンターテインメントを作りたいと思ったのかに思いを馳せてほしいと語りました。
放送の終盤では、八、九年前に作ったという川西の歌も披露されました。ささ舟を走らせた水路や、宝物を並べた秘密基地、ため池に沈む夕陽といった、地元の景色が歌詞に描かれています。
多田東小学校の裏山にあるシャラリン山や木材置き場に秘密基地を作ったという具体的な思い出も語られ、前書きの世界とつながっていきました。
まとめ
寝起きのままの公開収録から始まり、初耳学の反響と『北極星』の話題を経て、西野亮廣さんは次回作『興行師』の前書きを朗読しました。原点にあるのは、川西のただの駐車場が興行によって熱狂の場へ変わっていく光景であり、そこで「作る側になりたい」と願った幼い日の記憶です。
- 初耳学では今まさにホットな話題を扱えるため、毎回大きな反響があると語られた
- 著書『北極星』は初耳学効果で再びベストセラーになり、お金・心・集客の三章立てで構成されている
- 次回作はノウハウ本ではなく、幼少期の記憶や経験に判断の背景を重ねた自叙伝寄りのビジネス書を構想している
- 『興行師』の原点は、川西の駐車場が興行で熱狂の場に変わる光景と「作る側になりたい」という願いにある
- 八月八・九日には川西市キセラホールで映画の上映イベントと舞台挨拶があり、西野さんの原風景が語られる予定
