蓼科高原の映画祭からのお誘い
映画『えんとつ町のプペル 約束の時計台』は、DVD・ブルーレイの予約が始まりました。
ただ、チームとしてはそれに関係なく、イベント上映を続けていく方針だと西野さんは話します。
目標は、この映画を向こう10年間上映し続けること。定例会議も宣言通り進んでいるといいます。
そんな中、第19回小津安二郎記念蓼科高原映画祭からお誘いがあり、9月27日の日曜日に茅野市民会館で上映することが決まりました。
茅野市は長野県にあり、人口はおよそ5万5000人ほど。登山やハイキング、スキーなどアウトドアが盛んな街です。
実は上映候補地を決める会議でも長野県は候補に挙がっていましたが、映画祭の話をもらい、長野はこの映画祭に集中しようという流れになったそうです。
映画祭に出ない理由がない、その仕組み
映画の上映イベントは、会場の確保と上映機材を揃えるのが大変だと西野さんは説明します。
特に週末の会場は人気で押さえにくく、うまくやらないとチケットを完売させても収支はトントンという世界だといいます。
一方で映画祭は、その一番面倒な部分を運営側が背負ってくれます。
映画祭っていうのは、一番面倒な部分を映画祭の運営側が背負ってくださっている。
大変なところを全部映画祭側が背負ってくれるわけですから、この上ない話なんですね。映画祭に出ない理由ってあんまりないんですよ。
今回はロビーでグッズを自由に売ってよいという条件もあり、イベント上映を続けたいチームには好条件だと話します。
この視点も、10年間上映すると決めてその運用を考えていたからこそ気づけたもの。前作の時は見落としていたといいます。
映画公開から3ヶ月後にサブスク配信みたいなことをやっていたら、ここには目がいかなかった。少なくとも前作の時は、僕らここ見落としてたんで。
グッズ売り場が「エンタメ」に変わった転機
映画祭に前向きになれるもう一つの理由が、グッズ開発だと西野さんは語ります。
5年ほど前のCHIMNEYTOWNは、グッズのラインナップが弱かったといいます。開発も吉本興業に任せきりで、西野さん自身もグッズにあまり興味がなかったそうです。
そのため、当時はグッズを自由に販売してよいと声をかけられても、会社としてのうまみを感じられなかったといいます。
転機は3年ほど前。ムーミンバレーパークのグッズ売り場のエンタメ性に「恋した」ことでした。
ちゃんと作られたグッズ売り場ってエンタメじゃんと。お買い物ってエンタメじゃんっていうことに気づきまして。
それ以降、CHIMNEYTOWNはグッズ開発に本腰を入れるようになったといいます。
1日700万円、賑わうグッズ売り場
以降、イベントのたびにCHIMNEYTOWNのグッズ売り場は大変な賑わいになっているといいます。
たとえば東京国際フォーラムでは、1日で700万円ほどの売り上げが出たそうです。
盛り上がりの理由は、グッズの作り込みにあると西野さんは話します。
コピペを禁止し、一つひとつのアイテムを書き下ろしでデザインしているそうです。
一個一個ちゃんとデザインしていて、書き下ろしでやる。そうすると、こんなデザインあるんだとか、こんな絵、西野さん書かはったんやみたいな感じで、グッズ売り場がもうエンタメになってるんです。
結果として、グッズ売り場はまるで個展会場のような空間になっているといいます。
場所代ゼロ円のポップアップショップという棚ぼた
映画祭側が上映の負担を背負ったうえで、グッズは自由に販売してよいと言ってくれる。これを西野さんはこう表現します。
言葉選ばずに言うと、場所代ゼロ円でポップアップショップ出せるっていう状況なんですよ。
つまり、グッズ開発に本腰を入れたからこそ、映画祭に参加する意味が強くなったという話です。
映画祭がポップアップショップになる未来は、当初は見越していなかったと西野さんは振り返ります。
改めて、あの日にムーミンバレーパーク行った日に、俺たちもグッズ本気でやるんだって決めてよかったなと。これ大変な棚ぼただな。
今後は国内の映画祭にもどんどん出ていく考えだといいます。
まとめ
一つの決断が、思わぬ形で別の好機につながることがある、という回でした。数年前のグッズ開発への本気の切り替えが、今の映画祭参加という判断を後押ししています。
- 『えんとつ町のプペル 約束の時計台』は10年間のイベント上映を目標に進行中で、蓼科高原映画祭にも参加が決定した
- 映画祭は上映の負担を運営側が背負ってくれるため、イベント上映を続けるチームには出ない理由が少ない
- 3年前のムーミンバレーパークでの気づきをきっかけに、CHIMNEYTOWNはグッズ開発へ本腰を入れた
- 書き下ろしで作り込んだグッズ売り場は好調で、東京国際フォーラムでは1日700万円ほどを売り上げた
- グッズ開発への注力により、映画祭が「場所代ゼロ円のポップアップショップ」として機能する好機が生まれた
