失敗が怖くてリスクが取れない人へ
失敗したらどうしようという気持ちが強く、思い切ってリスクを取ることができません。転職を考えたときも「うまくいかなかったらどうしよう」となってしまいます。リスクを冷静に判断できるようになるには?
箕輪は「これ何回も同じこと言ってますよ」と苦笑しつつ、明快な答えを示します。ポイントは最悪のケースと最高のケースを両方シミュレーションしておくこと。転職でいえば、年収が上がりモテて有名になる最高のケースと、モンスター上司に当たって収入が半分になる最低のケース。この両端を先に描いておくのです。
そのうえで、最悪になった場合の撤退手順を用意しておく。半年やって無理なら次の転職先を考えておく、といった具合です。
チャレンジしてる人って、本当の最悪のケースでも死なないって確信をしてるから飛び込めるわけで。
けんすうは、キングコングの西野西野亮廣。お笑いコンビ「キングコング」のメンバーで、絵本作家・実業家としても知られる。さんも失敗しないようにあらゆる手を打っている、と補足します。事前に想定しておけば、いざ失敗しても「想定していたくらいの辛さだ」と受け止められる。パニックにならずに済むのです。
リスクを取らないリスクの方が大きい
けんすうが指摘するのは、そもそも「リスクを取らないこと」自体が大きなリスクだということ。時代の流れが早い中で何もしない一年、数年は本当にもったいない。
けんすうの前々職の先輩は「起業しようと思っている」と言い続けて十年以上動かなかったそうです。三十歳ならまだしも、四十歳になるとより動けなくなる。それなら起業して一年で失敗しても、三十一歳の方がよほど良かった、と。
リスクを取るって、つまり変化するってこと。変化し続けないと、本当に停滞するし、成長しないし、なかなかきついよ。
もう一つのけんすうの指摘が面白い。人間は目の前のことを強く自分事化し、一年後のことは他人事のように感じる性質があるといいます。今日の食欲は生々しいのに、一年後に痩せていたい自分は他人。だから「失敗して恥ずかしい思いをするリスク」ばかり肥大化し、「五年後に転職しなかったリスク」は他人事になる。
対策として、けんすうは「五年後の自分の顔写真」を作って視覚化する方法を紹介します。太って老けた自分と、健康的な自分を並べて見ると、脳が「今の自分」と勘違いして自分事化しやすくなるのだとか。
失敗して恥をかく、収入が減る、上司と合わない。生々しく怖い。
五年何もしなかった自分、動けなくなった四十歳の自分。実は最大のリスク。
コーヒーもごま油も、結局は自分で調べる時代
コーヒーが健康にいいという記事の翌日に、健康に悪いという動画を見ました。私たちは何を信じたらいいのでしょうか?
ここから話は健康情報の話題へ。コーヒーは実は健康にいいらしい、ごま油もハーバードの博士に確認したところ「いい」と言われた、とけんすう。箕輪は「あんな美味しい油が健康にいいわけがない」と信じきれない様子です。
美味しいもん絶対健康に悪い。
結論としてけんすうが提案するのは、ネットに出ている健康情報はAIに聞き、論文をまとめてもらって確認するという方法。インフルエンサーの「冷凍うどんは太らない」といった主張も、調べてみると一般化しすぎと分かることがあるといいます。
その流れで話題は「冷えたご飯と血糖値」へ。ガーシー元参議院議員のガーシー(東谷義和)。海外からのYouTube配信で著名人の暴露などを行い注目された。さんが糖尿病気味でドバイ逃亡中に冷えたご飯を好んで食べていた話、そして拘置所での麦飯生活で状態が改善した話、さらに井川井川意高。実業家。カジノでの巨額使い込みで有罪判決を受けた元大王製紙会長。さんが服役期間中に食生活が改善し、医師から「寿命が四年延びた」と言われた話まで飛び出します。
ドーパミンとオキシトシンの黄金比
幸せをドーパミン型とオキシトシン型に分けたとき、オキシトシン重視が正解とされがちな空気があります。ただ、ドーパミン型の幸せを捨てられません。二つの割合や、いいドーパミン・悪いドーパミンの違いは?
ドーパミン型を捨てる必要はなく、七三でドーパミンを主軸に据えて構いません。良いドーパミンと悪いドーパミンの違いは、快感の強さではなく「翌朝に何が残るか」です。
箕輪は自称「ドパガキ(ドーパミン中毒のガキ)」。自分が幸せを感じるのは、ドーパミン的な仕事をこなしながらオキシトシン的な要素もある状態だと語ります。最近、奥さんがパリにアロマ留学中で、子供の朝ごはんを作りシャンプーもする生活。それがオキシトシンをもたらす一方で、その合間にTwitterで喧嘩する時間が「マジでいい」のだと。
やるべきこと、人間としてやるべきことをやった上でそれ(喧嘩)があると、すごいバランスがいいの。
オキシトシン的な生活基盤なくSNSで喧嘩や炎上ばかりだと心が荒れる。逆に土台があると、刺激も健全に機能するというわけです。
(刺激・達成・興奮)
(家族・愛着・安心)
けんすうも「無駄にドーパミンを出すゲームに手を出すとやばい」と補足。意味のないドーパミンはやめた方がいい。一方、箕輪の喧嘩は結果的に数字や仕事につながっている──ここから「いい炎上・悪い炎上」の議論へと発展していきます。
ネットニュースになる人の共通点
「箕輪さんってめっちゃネットニュースになりますよね。あれなんでなんすか?」というけんすうの問いに、箕輪は舞台裏を明かします。
スポーツ新聞系のネットニュース記者は仕事をサボり気味で、「自分の担当は誰々」とターゲットを絞ってツイートを常時監視しているのだそう。箕輪、ホリエモン堀江貴文。実業家。ライブドア元社長として知られ、YouTubeやサロン運営でも著名。、溝口浩之音声認識の可能性あり。文字起こしのままで記載。のような発信力の強い人物のツイートをリスト化し、バズりそうな発言をひたすら待つ構造なのだといいます。
ちゃんと俺らは、そのネットニュースをまた自分で拡散してくれる。ちゃんと数字が取れる。
本人が拡散に協力してくれる。ゆえに数字が取れる。だから記者は張り続ける。ちなみにご神託ラジオのような長尺のポッドキャストは、時間がかかりすぎるので彼らは聴かないとのこと。生配信は「失言待ち」で全部見ているそうです。
「いい炎上」と「悪い炎上」の違い
ここから話は炎上論に。箕輪はサッカー日本代表の批判で叩かれているそうですが、これは自分の中で明確な戦略があると語ります。
サッカーが「推し活化」し、関係者も選手も協会もつながりが強くなった今、業界内の人間は批判しづらい。だからこそ本業がサッカーではない一メディア人としての立場から言えるポジションに価値がある。取材のためにも「箕輪はサッカーに厳しい」という位置は保っておきたい、というわけです。
ある意味いい炎上なんですよ。箕輪って何なの?こいついつもサッカーに厳しいこと言ってっていうポジションは必要だし、僕だからこそできる。
逆にNintendo Switch 2をめぐる一件は「萎えた」といいます。冗談で譲ったと言ったら「譲ってないです」と否定され、「嘘つき」呼ばわりされた件。箕輪もけんすうも「あれは嘘じゃなくて冗談じゃん」と口を揃えます。
箕輪の言い分では、粗品お笑いコンビ「霜降り明星」のメンバー。YouTubeでの賛否や大喜利で人気を博す。やさらば青春の光お笑いコンビ。マネジメント会社「ザ・森東」を自ら運営していることで知られる。のマネージャーといった「面白いを知っている人たち」が評価してくれているのだから、それでいいはずなのに、と。
皮肉と冗談が通じない世界で
Switch 2の一件を含め、二人が繰り返し嘆くのは「冗談や皮肉が通じない時代」になってしまったこと。けんすうも自分のツイートで「こういうレスをするのは法律違反です」と冗談で書いたら、コミュニティノートで「法律違反ではないです」「どこの法律ですか?」と真面目に反論されて驚いたといいます。
ふざけてるっていうのが通じないですね。皮肉が通じない。
もう一つの話題が三宅香帆書評家・文芸評論家。『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』などの著書で知られる。さんの一件。編集者からの校正指示(「ねるねるねーるねって一般的でしょうか」という書き込み)をSNSに投稿したところ、「編集者の仕事を軽視している」と炎上した件です。
箕輪はこれに対し、「自分が編集者役として『すいません、余計な指示をしました』とSwitch 2の時と同じノリで乗っかろうと思ったが、通じないと判断してやめた」と明かします。中川翔子タレント・声優。愛称「しょこたん」。かつて広末涼子逮捕時に「弟です」とネタツイートするなど、ネット文化のノリを共有する著名人が多い。のような目に遭わせたくない配慮もあったといいます。
三宅さんを叩くタイプの人たちは、箕輪いわく「出版界隈に携わりたいが日の目を浴びていない、独特のプライドを持った人たち」。かつては箕輪自身が同じ対象になっていたが、三宅さんは「出版界の良心のような位置」であり、そこを批判し始めたら業界の未来がなくなる、と語ります。
三宅さん擁護の投稿を続けている箕輪は、「絶対に勝てる勝負を楽しんでやっている」自分の側面もわかった上で発信していると自己分析。けんすうは「インターネットにいる嫌な奴だ」と笑いつつも、三宅さんへの同情を共有します。けんすう自身も同じノリで便乗しようとしたそうですが、「クソ滑りました」とのこと。
まとめ
リスクを冷静に取るには最悪と最高の両端を先に描き、撤退手順を用意しておく。何もしないという選択こそが、実は最大のリスク。健康情報はAIで論文レベルまで自分で確認し、幸福はドーパミンとオキシトシンの絶妙なバランスの上に成り立つ──。
そして後半で語られたのは、冗談や皮肉が通じなくなり、「ふざけただけ」が「嘘」や「業界への冒涜」に読み替えられてしまう現代のネット社会の息苦しさ。いい炎上と悪い炎上を見極め、勝てる勝負を選び、それでも冗談の余白を残す。二人の会話は、そんな時代の生き方のヒントに満ちていました。
- リスクを取れるのは無謀だからではなく、最悪ケースでも「死なない」と確信できているから
- 目の前のリスクは自分事化されるが、五年後の停滞リスクは他人事になりがち。視覚化で対処する
- 幸福の黄金比はドーパミン7:オキシトシン3。刺激の土台に安定した生活があることが重要
- いい炎上は自分にしかできないポジションから生まれ、悪い炎上は冗談が通じずレッテル化する
- 冗談や皮肉が通じない時代でも、面白さを共有できる人との関係を大切にする
