2〜3時間の理念共有を、10分で語り直す理由
たいぞーさんは前職で中途採用の担当をしていた頃、会社理念に2〜3時間かけて共有していたと、先日の放送で話していました。
理念に共感して「ここで働けたら自分は輝ける」「めっちゃ面白そう」と感じてもらえる人を採用し、まあまあうまくいっていた、というのがその内容です。
ただし、ダラダラ2〜3時間話せばいいわけではなかったと振り返ります。話し終えたあとは真っ白に燃え尽きるくらい、全力で話していたそうです。
二時間、三時間喋った後も、真っ白に燃え尽きるぐらい全力で話をしていました。
今回はその2〜3時間の内容を全部話す時間はないため、冒頭のさわりの部分だけを10分で語ってみる、という趣旨の回です。
薬局が掲げる理念「薬に責任を持つ」
舞台は、たいぞーさんが勤めていた中川調剤薬局・らら薬局での採用の場面です。来てもらった人にスライドを見せながら話していました。
この薬局が大切にしている理念が「薬に責任を持つ」です。薬を扱う仕事は薬局に求められる役割であり、その薬に責任を持つことは誰もが大切だと思える、と説明します。
ただし、理念を掲げるだけでは問題が起きるといいます。「薬に責任を持つ」の中身が人によってずれてしまうからです。
Aさんの考える「責任」とBさんの考える「責任」は似ていても違う部分が出てきます。すると、自分は必死なのにあの人は全然違うことをしている、と見えてしまい、現場の空気がぎくしゃくしかねません。
だからこそ、理念を具体的な行動に落とし込む必要があると考え、この薬局では「薬に責任を持つ」を3つの行動として示しています。
専門性で患者の意思決定を支援する
1つ目の行動は、薬剤師が専門性を活かして患者の意思決定を支援することです。
患者は治療をする・しないから、この薬を飲んでどうなりたいかまで、大なり小なり何かを決めながら人生を送っています。その意思決定がより良いものになるよう、薬剤師の専門性を活かすという考え方です。
間違った方向に進むような選択をしてしまわないようサポートする。こうした対人業務ができると、薬に責任を持つ役割を果たせるといいます。
対物業務は質高く・安全に・効率よく
2つ目の行動は、薬という物に関わる仕事、対物業務です。
いくらいい関わりをしていても、間違った薬を渡して間違った治療をさせてしまえば、すべて本末転倒だとたいぞーさんは話します。
一方で、対物業務に時間を奪われて対人業務ができなくなるのも本末転倒です。だからこそ、対物業務は質高く、安全に、そして効率よく行うことが「薬に責任を持つ」につながる、と整理します。
いい仕事を「続ける」ことも責任のうち
3つ目の行動は、いい仕事を仕事としてきちんと継続していくことです。
「この薬局ええな」と利用してくれる患者を生み出す以上、そのサービスを続ける視点がないと、ある種無責任だといいます。
医療は一度使って終わりではなく、多くの人が継続的に利用しながら自分の健康と向き合っていくサービスです。途中で事業が続けられなくなれば、患者は次にどこへ行けばいいか悩むことになります。
別の薬局に移っても、同じ質のサービスを受けられるとは限りません。だからこそ続けることが患者のためになる、という考え方です。
続けるためには、きちんと対価をもらって仕事をする視点も欠かせないと話します。薬剤師の仕事はボランティアではないからです。
この先に続く2時間分の話と、採用への効果
たいぞーさんは、ここまでの理念の話だけで冒頭の10分が経ってしまったと振り返ります。
この先には、薬剤師の専門性とは何か、それで何ができるのか、薬剤師と調剤事務スタッフがどう連携しているのか、といった話が続き、全体で2時間ほどになるといいます。
「薬に責任を持つ」という話だけでも、詳しく話せば20〜30分になることもあるそうです。
それでも、この冒頭の部分だけで「この会社ちょっといいかもしれない」と目を輝かせ、入社を決める人も多かったと話します。
こうした採用をすると、会社にマッチする人材と出会える機会が増え、逆に合わない人は自ら離れていくため、ミスマッチも防げると考えられています。
まとめ
たいぞーさんが採用面接で語っていた理念「薬に責任を持つ」を、3つの具体的な行動として整理して語り直した回でした。理念は掲げるだけでなく、行動に落とし込むことで初めて現場で共有できる、という視点が語られています。
- 理念は掲げるだけでは人によって解釈がずれ、現場がぎくしゃくしかねない
- 「薬に責任を持つ」を、専門性による意思決定支援・対物業務・継続の3行動に具体化していた
- いい仕事を続けるには、対価を得て事業として継続する視点も責任のうちだと語られた
- 冒頭の理念共有だけで入社を決める人も多く、ミスマッチ防止にもつながっていた
