自信がつくまで動けない薬剤師が多いのはなぜ?
薬剤師のたいぞーさんは、この回で自身の「アクセルとブレーキ」、つまり患者さんへの関わりに踏み出すか、踏みとどまるかの判断について話しています。
たいぞーさんによると、専門的な知識や能力をきちんと身につけてからでないと、患者さんに一歩踏み込んで関わるのは難しいと感じている薬剤師は少なくないといいます。
たいぞーさんは多くの薬剤師と会う中で、自分の能力に自信が持てず、学んだことを生かして患者さんに関わることに尻込みしてしまう、という声にたびたび出会ってきたそうです。
そういった方に出会うたびに、僕自身はそうやって、ちょっとだいぶやっぱりもったいないよなということを思います。
身につけた能力を眠らせるのは「宝の持ち腐れ」
多くの薬剤師は研修会などで研鑽を積みながら日々の業務にあたっている、とたいぞーさんは見ています。ただ、身につけた能力も、自信を持てる状態になるまで使えないのなら、患者さんにとっても薬剤師にとってももったいないと話します。
たいぞーさんは、能力は使う中で磨かれていくものだと考えています。自信を持てるまで能力を眠らせておくのは、ある種の宝の持ち腐れだという見方です。
何より、身につけた知識や能力で目の前の患者さんに少しでもプラスを届けられるなら、それを使わないことは患者さんにとって大きな損失だ、とたいぞーさんは強調します。
たいぞーさんにとって、実践は学びの循環の入り口でもあります。実践の中で得た気づきが、次に学ぶ内容の定着や深い理解につながり、能力がさらに高まっていくことを、臨床経験から強く感じているそうです。
一歩踏み出す
完璧でなくても、患者さんにプラスになる関わりを実践する
気づきを得る
実践の中で新たな気づきや学びが生まれる
学びが深まる
次の学習内容が定着し、より深く理解できるようになる
能力が高まる
薬剤師としての能力がさらに磨かれていく
そのため、患者さんに価値を届けられる場面では、尻込みせずに迷わずアクセルを踏むことが多いとたいぞーさんは話しています。
ブレーキを踏むのはどんなとき?
一方で、たいぞーさんも自信を持てる状態にないことを理由に、ブレーキを踏むことがもちろんあるといいます。
たいぞーさんのブレーキの基準は、仮にアクセルを踏んで進んだとき、自分の能力の未熟さによって患者さんに大きなデメリットを与えてしまうかどうかです。命に関わること、取り返しがつかないことを引き起こしうる場合は、確実にブレーキを踏むべきだとしています。
患者さんに価値を届けられるなら、完璧でなくても踏み出す
未熟さが命に関わる、取り返しがつかないなど大きなデメリットを招くリスクがあるなら、無理をしない
たいぞーさんは、この見極めが非常に大事だと話します。踏むべきところを分かっていれば、未熟でも前に進めるうえに、患者さんに不幸を届けることにもならずに済む、という考え方です。
僕の中での基準は、そういった基準ですね。患者さんに価値を届けられるのであればGO。
この基準で臨床現場に立つことで、学んだことが患者さんへの価値として届いたという成功体験を積めるとたいぞーさんは言います。その経験の積み重ねが、能力の向上や自己効力感 ── 自分ならある行動をうまくやり遂げられる、という見込みや自信のこと。心理学者バンデューラが提唱した概念で、成功体験によって高まるとされますの高まりにつながると考えられています。
たいぞーさんは、完璧を求めすぎず、価値を着実に届けていくことの中から、薬剤師の仕事の面白さややりがいを見出すきっかけが生まれる、と締めくくっています。
12月のWEBセミナーと2月の姫路講演会の告知
番組の最後に、たいぞーさんは2つの告知をしています。1つ目は12月8日のWEBセミナーで、講師として登壇する依頼を受けたというものです。
このWEBセミナーは90分で、薬学的な視点で患者さんを見ることで実践できた関わり方や、そこで届けられた価値、そして薬学的アセスメント ── 薬の作用や副作用、体の仕組みなど薬学の知識をもとに、患者さんの状態や症状の原因を評価・分析することを行うためのたいぞーさんなりのコツを伝える内容だといいます。申し込みリンクは番組の概要欄に掲載されています。
2つ目は、2月14日に兵庫県姫路市でたいぞーさんが主催する講演会です。薬学で患者を語る実践と、患者さんに届けてきた価値を話す予定とのことです。
姫路の講演会では、専門性を鍛えることがやりがいという内的な報酬だけでなく、組織や社会で認められ賃金にも結びつく外的な報酬につながる仕組みづくりについても話したいと考えているそうです。会社に利益を生み、その利益が報酬に返ってくる仕組みを、社会制度も踏まえて考える構想です。
姫路の講演会の申し込みはまだ始まっておらず、詳細は今後の放送で伝えるとのことです。たいぞーさんは、まずは2月14日の予定を空けておいてほしいと呼びかけています。
まとめ
たいぞーさんの判断基準はシンプルで、患者さんに価値を届けられるなら完璧でなくても踏み出し、命に関わる・取り返しがつかないリスクがあるときだけブレーキを踏むというものです。実践が学びを深め、自信とやりがいにつながると語られています。
- 自信がつくまで能力を眠らせるのは、患者さんにとっても薬剤師にとってももったいない
- 能力は使う中で磨かれ、実践で得た気づきが次の学びを深める
- 未熟さが命に関わる、取り返しのつかないデメリットを招くならブレーキを踏む
- アクセルとブレーキの見極めがあれば、未熟でも安全に前に進める


