今年いちばん、断トツでした
『我々は宇宙人』は、門脇監督が手がけたアニメーション映画です。2回観てきたのですが、2026年に観た映画の中で、私にとっては断トツのナンバーワンでした。
映画を死ぬほどたくさん観ているわけではないんです。それでも、個人的に観た中では抜群に良かったです。
誰と観に行くのがオススメかでいうと、一人で観に行くのがいちばんいいかなと思います。もしくは、数年来の気の合う友達と行くのもいいんじゃないかなと思います。
小学生にはちょっと難しいかもしれません。逆に、中学3年生や高校生がそれぞれ観てどう感じるのかは、すごく気になります。
もし私が先生、特に道徳の先生だったら、みんなにこの映画を観てもらって、感想文を書いてほしいなと思います。一度自分の言葉でアウトプットしてみるのが、すごくいいんじゃないかと思うんです。
アニメでしか表現できないことが詰まっている
この作品は、アニメでしか表現できないことが詰まった映画です。どのシーンを切り取ってもそうで、無駄なシーンが一つもないと思いました。
2回目も、やっぱり同じところでグッときて、同じ感情になりました。そして2回目のほうが、より一層無駄なシーンがないなと感じたんです。
アニメーションなので、全シーンを人が絵で描いて作っているわけですよね。だからこそ、その凄みが伝わってきて「うわぁ」「すげえ」となりました。
語彙力がなくなってしまいますが、、劇場が難しい方も、サブスクで公開されたらいち早く観てほしい作品です。
(ネタバレあり)雨の後に流れる、いくつもの風景
ここからはネタバレありです。正直、具体的にどこがどうと言うのも野暮だなと思うくらい、全シーン・全カットに意味があります。照明も演出も音も、表情の描き方も、全部素晴らしいんです。
その中で私が特に好きなのが、最後のほうの場面です。尭太朗と、ケムリさんが声を当てているバタ原が、深夜に「もう一軒行こうぜ」と飲み歩いていて、公園で遊具の恐竜を見かけます。
昔は恐竜が好きで、学者になりたいと夢を語っていた尭太朗は、もう恐竜の名前すら忘れてしまっている。人っていろんなことを経て、いろんなことを忘れたり、つらかったことから立ち直ったりして、今を生きているんだと思います。
そして次の飲み屋に向かう途中で雨が降ってきて、そのあとのシークエンスで、いろんな風景がランダムに流れるんです。抱かれている熊、川に落ちているボール、土手に引っかかった紙飛行機。
「エモい」なんて安い言葉しか出てこない自分にがっかりしますが、あそこがいちばんたまらなかったんです。
人の気持ちは、見る角度や人によってこうも違う。主観と客観はまるで違って、同じ地球人なのに宇宙人ぐらい違うよね、と。
それを二人の主人公の子ども時代から青年期まで、あれだけの解像度で描ききったうえで、風景だけを見せてくる。あなたはこの風景から何を想像しますか、想像力はありますか、と問われているかのようでした。
しかもそれがクライマックスの直前なんです。そのうえで、最後の高速道路の分かれ道に持っていく。こんなことを描ける人がいるんだと、1回目も2回目も感動しました。
痛いくらい刺さった、二人の気持ち
観た人によって、見方や角度はまったく変わるかもしれません。ただ描き方が上手いから、翼くんにも尭太朗くんにも感情移入できるんです。
尭太朗くんの「そもそも自分にも原因があったんだ」という気づきは、痛いくらいわかります。でも、そこに至るまでにくさくさしたり、人のせいにしてしまったりもする。
「仕方ない」の一言でまとめるのも良くないとは思うんですが、10代20代の未熟さゆえに、いろんなことが重なっていく。偶然を必然のように、必然を偶然のように描いて人間が交差していくのは、映画だからこそだなと思いました。
ノーランの『オデュッセイア』もすごかったと言っていたのですが、比べるのは野暮だと承知のうえで、個人的には『我々は宇宙人』のほうがぶっ刺さりました。刺さりすぎて痛いくらいです。
人の気持ちを慮ることの大事さと、それぐらい人の気持ちはわからないという難しさ。我々は宇宙人なんだというくらい、会話や対話、想像力が大事なんだと、まざまざと見せつけられました。
カメラワークもすごくて、アニメーションなのにあえて魚眼レンズ風に描いたところや、怒りの表現も素晴らしいんです。2回目は、そういう表現や背景のすごさに注目しながら、おかわりしてもいいんじゃないかなと思います。
観た方は、ぜひ感想を、メールやマシュマロなどで送ってもらえたら嬉しいです。Xだとネタバレになってしまうので、みんなにネタバレしないようにお願いします。
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まとめ
『我々は宇宙人』は、私にとって2026年の断トツのナンバーワン映画です。2回観て、無駄なシーンが一つもないことと、人の気持ちを想像することの難しさと大切さを、改めて突きつけられました。
- アニメでしか表現できないことが全シーンに詰まっていて、2回目のほうが凄みを感じた
- いちばん好きなのは、雨のあとに風景が並び「何を想像しますか」と問われるようなシークエンス
- 主観と客観の違い、想像力やコミュニケーションの大切さが、痛いくらい刺さった
- 一人か気の合う友達と、できれば劇場で集中して観てほしい




