リスナーから届いた「黒毛の方が高い?」という質問
今回の配信は、リスナーから寄せられた質問に答える内容です。
生まれた雄牛は食用で出荷すると思いますが、黒毛の方が高く売れたりしますか?
川上さんは、これは酪農家にとって経営に直結する話だと切り出します。
牧場は牛乳を搾るだけでなく、生まれた子牛を販売することでも経営を回しているからです。
一般にはあまり知られないテーマだけに、良い質問だと話されています。
結論は「黒いから高い」ではない
結論から言うと、黒いから高いというわけではないそうです。
ただし、黒毛和牛の血が入っている牛は高く売れることが多いと言います。
市場価値としては、ホルスタインよりも交雑牛、交雑牛よりも黒毛和牛の方が高めとされています。
酪農で生まれる子牛の種類
酪農で生まれる子牛は、大きく分けて6種類ほどになると説明されています。
さらにジャージー牛やブラウンスイスなど、他の品種でも雄雌が生まれます。
今は雌雄判別の技術も進み、受精のときに性別をある程度選べるようになってきているそうです。
ホルスタインの雄子牛と、株価のように動く値段
一般的に酪農家が一番困るのが、ホルスタインの雄だと話されています。
一般的には酪農家が一番困るのがホルスタインのオスです。困るって言い方、消費者の皆さんにはどう映るか分かんないですけども。
ホルスタインの雄は牛乳を搾れず、繁殖用の種雄牛になるのもごく一部です。
そのため、多くは肉用として育てられていきます。
ここで面白いのが価格だと言います。子牛の値段は固定ではなく、株価のように毎週ほど変わっているそうです。
たとえばホルスタインの雄子牛だと、高いときで10万円くらいのことも、安いときは100円ほどになったこともあると言います。
さらに、買い取り手がおらず、お金を出して引き取ってもらう時代もあったそうです。
何が価格を決めているのか
一方で交雑種、いわゆるF1は肉質が比較的良く人気があります。
赤身肉や脂の少ない肉が求められる中で、交雑牛の値段が上がってきているそうです。その結果、ホルスタインの雄より高値で取引されることが多いと言います。
では何で価格が決まるのか。ここが今日一番伝えたいポイントだと話されています。
牛肉の消費が伸びる、ブームが起きる、焼き肉店が繁盛する、黒毛和牛の輸出が好調になる。こうしたときは子牛の価格が上がっていきます。
逆に、景気が悪い、餌代が高い、肥育農家が牛を増やせない、牛肉の消費が落ちる。こうなると価格は下がっていきます。
飼料価格の上昇
トウモロコシや大豆粕が値上がり
円安が重なる
育てるコストがさらに上がる
肥育農家の負担増
子牛を高値で買えなくなる
市場価格の下落
結果として子牛の価格が下がる
子牛の値段は世界情勢とつながっている
近年は世界情勢の影響も非常に大きくなっていると言います。ウクライナ情勢以降、飼料価格が大幅に上昇し、円安も重なりました。
つまり、牧場で生まれた一頭の子牛の値段が、遠く離れた海外の戦争や為替の影響を受けているということです。
これってちょっと考えてみるとすごいことなんじゃないかなと思いますけども、実際そうなっております。
酪農家からすると、今日生まれた雄子牛が来月いくら、来年いくらになるのか、正直誰にもわからないそうです。
コロナ禍で飲食店が止まり、ロシアとウクライナの問題が重なったときは大暴落し、生まれた時点で赤字ということもあったと言います。
今はむしろ子牛が足りないほどの高値
今は円安が大きく進み、海外の牛肉を輸入しても採算が合いにくく、国内の牛肉の方が安く感じられる状況だそうです。
そのため子牛が足りないほどに価格が上がっており、一ヶ月の子牛が30万〜40万円で売れることもあると言います。
これはもうバブルと言ってもいいんじゃないかぐらいすごい高値になってきてます。
ただし、その裏で餌代や飼料代、管理費も物価高で上がっていると話されています。
採算が合わずに酪農家や肥育農家が辞めてしまうこともつながっているため、買い支えて応援してほしいと呼びかけられています。
まとめ
生まれた雄子牛の値段は毛の色で決まるのではなく、市場の価格で動きます。黒毛和牛の血が入った牛は肉質が評価されて高値になりやすい一方、価格そのものは景気や餌代、牛肉の需要、そして世界情勢に大きく左右されています。
- 「黒いから高い」わけではなく、価格を決めるのは市場の状況
- 黒毛和牛の血が入った交雑種や黒毛和牛は肉質が評価され高値になりやすい
- 子牛の価格は株価のように動き、数十万円から数百円まで差が出ることもある
- 飼料価格や円安など世界情勢が、一頭の子牛の値段にまで影響している
- 今は円安で子牛が高値だが、経費増で辞める農家もいるため買い支えが力になる
