質問「家でチーズやヨーグルトは作れる?」
今回の質問は、TikTokのロボットさんから届いたものです。
家でモッツァレラチーズを作ってみたいのですが、チーズやヨーグルトなどを作ったことがありますか?
酪農家なら牛乳がたくさんあるんだから、家で作った方がお得なんじゃないか。そう思う人は多いですよね。
でも川上さんの答えは、ちょっと意外なものでした。
市販の牛乳、チーズやヨーグルトを食べた方が美味しいし安いです。
その理由を、牛乳選びのポイントと一緒に、丁寧に解説していきます。
結論はどっちも作れる。ただしチーズは要注意
まず結論から。ヨーグルトもモッツァレラチーズも、お家で作れます。安心してくださいね。
ただし、一般的な市販牛乳だと、特にチーズはかなり難しくなるそうです。ここが今日いちばん大事なポイントです。
ヨーグルトは気軽に作れる
ヨーグルトは比較的作りやすい食品です。ホモ牛乳でもノンホモ牛乳でも、基本的には作れます。
理由はシンプルで、ヨーグルトは牛乳を固める凝乳ではなく、乳酸菌で酸性にして発酵させる食品だからです。
市販の牛乳と市販のヨーグルトを買ってきて保温するだけ。ヨーグルトメーカーを使うのがいちばん簡単だそうです。
モッツァレラが難しい理由「ホモとノンホモ」
一方、モッツァレラはちょっと難しくなります。
モッツァレラはレンネットという凝乳酵素で固めて、pHを下げて、さらに温めて伸ばすという工程を通ります。このとき重要なのが、脂肪とタンパク質の構造です。
ここで出てくるのが「ホモジェナイズ」、日本語で言うと均質化です。
市販の牛乳の多くは、脂肪球を機械で細かく砕いて、牛乳の中に均一に分散させています。これがホモジェナイズです。
今日飲んだ牛乳、明日飲んだ牛乳、昨日の牛乳、味が同じじゃないですか。これはですね、牛乳に含まれる脂肪とタンパク質を細かく砕いて均一化させることで、味を均一化させてるんですね。
飲みやすくて分離しにくく、品質が安定する。普段飲むにはとてもいい処理方法なんですね。
でも、チーズ作りでは話が変わります。ホモジェナイズされると脂肪球が細かくなりすぎて、タンパク質の網目構造が作りにくくなるんです。
結果として塊が弱くなり、水分が抜けすぎて、伸びない、ボロボロになるという失敗が起きやすくなります。
これ、作り方が下手なわけではなく、牛乳の性質の問題です。
脂肪球が細かく砕かれ味は安定。でもチーズだと塊が弱くボロボロになりやすい
脂肪球が自然な大きさでタンパク質の構造が保たれ、綺麗に固まって伸びやすい
なので、家でモッツァレラやフレッシュチーズを作るなら、ノンホモ牛乳を強くおすすめするそうです。もし選べるなら、低温殺菌でノンホモ牛乳。この条件が揃うと成功率が一気に上がります。
酪農家は家でチーズを作るの?
では、酪農家自身は家でチーズを作るのでしょうか。
川上さんいわく、酪農家イコールチーズ職人というわけではないそうです。
多くの酪農家は、牛を健康に飼う、安全な生乳を安定して出すというところまでが仕事です。
加工はまた別の専門分野。だから実際には、酪農家ほど家でチーズ作りをしない人も多いのだとか。牧場では、お父さんが酪農をして息子さんが加工を担う、といった分業になっていることもあるそうです。
それでも、一度作ってみる価値は大きいと川上さんは話します。
失敗してもOK。むしろその失敗が、いちばんの学びになるそうです。
挫折しにくい、おすすめの挑戦順
最後に、川上さんが挫折しにくいおすすめの順番をまとめてくれました。
ちなみに川上牧場では、職場体験に来た中高生と、搾りたての生乳にお酢を入れてカッテージチーズを作ることもあるそうです。
チーズはもう脂肪分とタンパク質の塊ですから、もう10パーセントぐらいしかないですからね。残りの90パーセントは水分ですので。
チーズを作ると、残る水分「ホエー」の処理が実は大変。そう知ると、市販のチーズってよくできているなと感じられるはずです。
家で作ったヨーグルトに飽きたら、冷凍フルーツと一緒にして凍らせ、フローズンヨーグルト風にする食べ方もおすすめだそうですよ。
まとめ
今回は「家でチーズやヨーグルトは作れる?」という質問に、牛乳選びの視点から答える回でした。ヨーグルトは気軽に、チーズはノンホモ牛乳で、が合言葉です。
- ヨーグルトもモッツァレラも家で作れるが、市販品の方が美味しくて安いことも多い
- ヨーグルトは発酵食品なので、市販牛乳とヨーグルトと保温だけで作れる
- チーズはホモジェナイズ(均質化)された市販牛乳だと固まりにくく失敗しやすい
- モッツァレラやフレッシュチーズには、低温殺菌のノンホモ牛乳が圧倒的におすすめ
- おすすめの挑戦順はヨーグルト→フレッシュチーズ→モッツァレラ
