定期的に届く「A2牛乳」の質問
この回で取り上げるのは、リスナーの「スプーンおばさん」さんからのお便りです。
乳糖不耐症です。最近A2牛乳が気になってます。ご存知であれば乳糖不耐症体質でも試してみるものか教えてください。
川上さんによると、こうした質問は定期的に届くそうです。「お腹がゴロゴロしにくい牛乳」というキャッチフレーズで販売されているので、気になる人が多いんですね。
ただ、乳糖不耐症とA2牛乳の関係は「あるといえばあるし、ないといえばない」という、少しややこしいところがあると話されています。
この乳糖不耐症っていうのとA2ミルクっていうのは、関係性があるといえばある、ないといえばない、そういうところがあったりします。
まず結論:A2牛乳は乳糖不耐症を解決しない
川上さんはまず結論からお話しします。A2牛乳は乳糖不耐症を「解決するもの」ではないそうです。
ただし、人によっては飲みやすく感じる可能性はある。ここがポイントだと話されています。
なぜそう言えるのか。それは、乳糖不耐症とA2牛乳が、そもそも別々の話だからなんです。
乳糖不耐症とA2牛乳、それぞれ何が違う?
まず乳糖不耐症とは、乳糖(ラクトース)を分解する酵素が少ない状態のこと。牛乳に含まれる乳糖をうまく消化できず、お腹がゴロゴロしたり下痢になったりします。
一方のA2牛乳は、タンパク質「ベータカゼイン」の種類の違いを指します。牛乳のタンパク質にはA1タイプとA2タイプがあり、A2牛乳はA2タイプの牛から搾った牛乳だけを集めたものです。
つまり、乳糖は「糖」の話、A2は「タンパク質」の話。ここが混乱しやすいポイントなんですね。
川上さんは、この2つがまったく別の要素であることを整理して伝えています。
乳糖(糖)を分解する酵素が少ない状態。お腹のゴロゴロや下痢の原因になります。
タンパク質ベータカゼインの種類の違い。A2タイプの牛から搾った牛乳です。
「A2の方が楽」と感じる人がいるのはなぜ?
一部の研究や体験談では、A2牛乳の方がお腹の不快感が少ないと感じる人がいると報告されているそうです。
ただし、その原因ははっきり統一されていません。タンパク質の違いや消化の感じ方、個人差などが関係している可能性があると、川上さんは慎重に話されています。
大事なのは、乳糖不耐症そのものはA2牛乳では改善しないということ。乳糖が原因の人は、A2牛乳でも症状が出る可能性があります。
その一方で、少量なら大丈夫な人や、A2牛乳の方が楽に感じる人がいるのも事実だそうです。
乳糖不耐症の人におすすめの現実的な選び方
では、乳糖不耐症の人はどうすればいいのか。川上さんは具体的な対策をいくつか挙げています。
まずは、乳糖を分解したり取り除いたりした牛乳。低乳糖・無乳糖といった成分調整牛乳や加工牛乳が販売されているので、それを選ぶのがおすすめだそうです。
次にヨーグルト。発酵の過程で乳酸菌が乳糖を食べて分解してくれるので、乳糖が減っていて、お腹がゴロゴロしにくいはずだと話されています。
そしてチーズも乳糖が少なくなっているとのこと。乳製品をとりたいときは、ヨーグルトやチーズから試してみるといいそうです。
さらに川上さんは、同じ牛乳やヨーグルトでも「これは飲めるけど、これはお腹がゴロゴロする」という相性があると話します。全部やめるのではなく、飲み比べ・食べ比べをして自分に合うものを探すのがよさそうです。
少しずつ少量から取っていくと、体が乳糖に過敏にならなくなっていくとも話されています。ただし、下痢をしてしまうと栄養も無駄になるので、無理は禁物です。
科学的根拠と、自分の体に合うものを選ぶこと
A2牛乳は世界中で「お腹がゴロゴロしにくい」として販売され、日本でも売られていますが、科学的根拠はまだ薄いと川上さんは指摘します。
半年ほど前に、A2ミルク協議会と大学がタッグを組んだ研究で「飲みやすい」といった感想が報告されたそうですが、アジア系の日本人にA2牛乳が科学的に証明されているわけではない、と話されています。
だからこそ、なんとなく良さそうで選ぶのではなく、自分の体に合うかどうかで選ぶことが大事だと締めくくっています。
川上さん自身も、整体の先生に腸内細菌の検査をしてもらい「ビフィズス菌が足りない」と分かってからビフィズス菌入りのヨーグルトを食べ続けているそうです。すると体調がすこぶるいいのだとか。
こんなに変わるもんかと思うぐらい。すごい体調いいので、ぜひ皆さんもそういう風に自分に合ったものを選んでいただけたらいいかなと思います。
自分に合った乳製品を見つけることで、無理なく牛乳や乳製品を楽しめる。それが川上さんからのメッセージです。
まとめ
乳糖不耐症とA2牛乳は別々の話で、A2牛乳が乳糖不耐症を解決するわけではありません。ただ、人によって飲みやすさの差はあります。大事なのは流行や雰囲気ではなく、自分の体に合うものを少量から試して見つけることですね。
- 乳糖不耐症は「乳糖(糖)」の問題、A2牛乳は「タンパク質」の違いで、直接の関係はない
- A2牛乳は乳糖不耐症を解決しないが、飲みやすいと感じる人がいるのは事実
- 乳糖不耐症の人には低乳糖・無乳糖の牛乳、ヨーグルト、チーズがおすすめ
- A2牛乳の効果は日本人向けの科学的根拠がまだ薄い段階
- 乳製品は飲み比べ・食べ比べをして、少量から自分に合うものを選ぶのが安心
