国内初のA2ミルク臨床研究のニュース
この日紹介されたのは、産経新聞のウェブ版に掲載されたPR TIMES配信の記事です。10月31日付で「国内初のA2ミルクを用いた臨床実験論文発表」というニュースが取り上げられました。
川上牧場では以前からA2ミルクの話題を扱ってきましたが、今回あらためて新しい研究が動き出したということで、まだA2ミルクを知らない人にも届けたいという思いで深掘りしています。
今までですね、海外の事例があって、日本ではね、日本人の体質に合ってるのかみたいなのが研究されてなかったんですよね。
なので、科学的根拠がないと言われていたものが、今回この研究でですね、一歩前進したというところになりますね。
そもそもA2ミルクとは何か
話はまず「A2ミルクとは何か」というところから始まります。牛乳のタンパク質にはA1型とA2型という2種類があるそうです。
普通の牛乳には両方入っていますが、A2ミルクはA2の型だけを持つ牛から搾ったミルクのことなんですね。
ポイントは消化の過程にあります。A1型のタンパク質を消化するときにBCM7という物質が出る場合があり、これが一部の人にお腹のゴロゴロや腹痛、緩い便などの不快な症状を引き起こす可能性が指摘されています。
つまりA2ミルクは、お腹が弱い人でも飲みやすい「普通の牛乳」だと川上さんは説明します。添加物で加工したものではなく、牛の遺伝子の違いだけという点も、自然志向の人に支持されているそうです。
消化の過程でBCM7が出る場合があり、一部の人にお腹の不快症状を起こす可能性がある
遺伝子の違いでA2型だけを持つ牛から搾る。お腹が弱い人でも飲みやすいとされる
クロスオーバー法でわかった症状の改善
今回の研究は、東京農業大学と日本A2ミルク協会によるものです。研究方法にはクロスオーバー法が使われました。
具体的には「普通の牛乳を1週間飲む → 1週間休む → A2ミルクを1週間飲む」という流れで試されたそうです。
その結果、普段の牛乳でお腹の不調が出る人たち全員で、A2ミルクに変えたときに症状が改善されたと言われています。腹痛やゴロゴロ感、便の状態などが明らかに良くなったということです。
日本人を対象にした研究としては初めてで、これで日本でもA2ミルクの科学的根拠が一歩前進したことになります。
世界ではすでに広がっているA2ミルク
このA2ミルク、実は海外ではかなり進んでいるそうです。
オーストラリアではスーパーに普通に並んでいて、シェアは約10%ほど。アメリカでは1万店舗以上で販売され、中国では乳幼児のミルク市場で人気になっています。イギリスでは2012年から市場に投入されているとのことです。
海外の臨床研究でも、A2の方が消化にやさしいという結果が繰り返し示されているそうです。
特にオーストラリアでは、A2ミルクがプレミアムミルクとして定着しています。植物性ミルクに流れていた層が、再び牛乳に戻る現象も出てきているといいます。
なぜ今、日本でも注目されるのか
では、なぜ今、日本でも注目されているのでしょうか。背景には健康志向の高まりや、腸の健康への関心、乳製品を避ける人が増えているという流れがあると川上さんは話します。
さらに、日本は成人の多くが乳糖不耐症を持つと言われています。ですが、実際には乳糖だけが原因ではない人も多いと見られているそうです。
つまり、これまで「牛乳は体に合わない」と思っていた人の中に、実は「A2ミルクなら大丈夫」という人が相当いる可能性がある、というわけですね。
牛乳の「第二のスタンダード」になるか
今回の国内研究はまだスタート地点で、これからより大規模な研究が進む予定だそうです。
もしA2ミルクが日本でも普及すれば、牛乳を諦めていた人が飲めるようになり、酪農業界の新しい価値づくりや、健康志向に合った商品開発につながるかもしれません。
川上さん自身は、普通の牛乳を飲んでもあまりお腹がゴロゴロしないそうです。自分の牧場の牛乳を毎日1リットルほど飲んでいて、その牛乳の8割ほどがA2ミルクだといいます。
牛乳は体に合わないかも、そう思ったことがある方、ぜひA2ミルクを試してみてください。
A2ミルクは、こだわりのある高級スーパーなどに行くと普通に販売されているとのこと。お腹がゴロゴロして牛乳が苦手だった人は、これをきっかけに試してみてほしいと呼びかけています。
まとめ
国内初のA2ミルク臨床研究をきっかけに、A2ミルクの仕組みと世界の広がりを酪農家がやさしく解説した回でした。牛乳が苦手だと思っていた人にとっても、選択肢が増えていく話ですよね。
- 牛乳のタンパク質にはA1型とA2型があり、A2ミルクはA2型だけを持つ牛から搾ったもの
- A1型の消化過程で出るBCM7が、一部の人のお腹の不調と関連する可能性が指摘されている
- 東京農大などの国内初の研究で、普段お腹の不調が出る人全員がA2ミルクで症状改善したとされる
- オーストラリアやアメリカなど海外ではすでに普及が進んでいる
- 体質に合わせて牛乳を選べる「第二のスタンダード」になる可能性がある
