そもそもエフェクチュエーションとは何なのか
この回でしもちゃんが持ち込んだテーマは「エフェクチュエーション」です。まず断っていたのは、自分もこの言葉に出会って日が浅く、まだよくわかっていないということでした。
だから、まあざっくばらんに話したいなっていうテーマになってます。
なぜ話したくなったのか。しもちゃんは、この考え方を使うと今の世の中の問題を考えやすくなることが多いと感じたからだと説明します。
なんかこの考え方を使うと、今の世の中の問題とかを考えやすくなることが多いなと思って。
いなけんはまず、エフェクチュエーションとは何かの説明を求めます。しもちゃんは本を引きながら、これは問題解決の「手法」ではなく「考え方」の話だと整理しました。
問題解決の手法ではなくて、問題解決の考え方の話です。
しもちゃんは、いろいろな本を読んで「問題解決とは何か」を考えてきたものの、どの手法もピンとこなかったと振り返ります。そんな中でこの考え方に出会い、しっくりきたと話しました。
「飲み部」でわかる、言葉を知ると世界が変わる話
いなけんは本題に入る前に、卑近な例として「飲み部」という言葉を持ち出します。言葉を知ることで、それまで名前のなかった状態が急に輪郭を持つ、という話でした。
飲み部っていう言葉を知ってしまったら、なんか飲み部でしかないというか。
いなけんが言いたかったのは、体験として何となく感じていたことが、言葉や概念を知ることで「あ、これのことか」とつながる瞬間があるということです。エフェクチュエーションもその一例だという文脈でした。
ただ、話は飲み部の脱線に寄っていきます。しもちゃんは何度もツッコミを入れ、本題へ引き戻そうとしました。
なんの話やねん。エフェクチュエーションの話ちゃうんかい。
予測ではなくコントロールで進むという発想
いなけんから「エフェクチュエーション側をもっと掘ってほしい」と求められ、しもちゃんは正直にまだよくわかっていないと認めつつ、本の定義を読み上げます。
熟達した起業家に対する意思決定実験から発見された、高い不確実性に対して予測ではなくコントロールによって対処する思考様式です。
いなけんが着目したのは「予測ではなくコントロール」という部分です。正解がわからないものを進める時、優れた人はどういうマインドで対処しているのか、という要素なのだと理解を進めます。
しもちゃんは仕事の例で対比します。目標から逆算して売上を引いてくるやり方ではなく、自分に関わるものすべてをリソースとみなす発想だと説明しました。
自分の関連しているものを全てリソースとみなすんですよ。
いなけんは、より不確実性の高い時代になっている今、予測精度を上げようとすること自体に限界があると応じます。だからこそこの考え方が大事だと納得していきました。
4つの原則のはじまり「手中の鳥」
ここから、エフェクチュエーションの4つの原則の話に入ります。しもちゃんはまず「手中の鳥」「許容可能な損失の原則」「レモネードの原則」「クレイジーキルトの原則」の4つを挙げました。
1つ目の「手中の鳥」は、何をすればいいかわからない状況に効く考え方です。ゴールが明確でなくても、手持ちの手段に基づいてまず一歩を踏み出せると考えるものだと説明されました。
ゴールが明確でなくとも、手持ちの手段に基づいてまず一歩を踏み出すことはできると考えることができる。
いなけんは、これを漫画『アイシールド21』のヒルマに重ねます。配られたカードでやるしかない、という発想と同じだという例えでした。
『アイシールド21』のヒルマ、エフェクチュエーション力高いな。
2人はヒルマが手持ちの手段で仲間をかき集め、弱小校が強豪校に勝つという不確実性の高い目標に挑む姿を、まさに「手中の鳥」だと盛り上がりました。
失敗を恐れない「許容可能な損失」
2つ目は「許容可能な損失の原則」です。うまくいくかどうかを考える前に、失敗しても問題ないくらいのリスクで始める、という考え方だと説明されました。
うまくいくかどうかを考える前に、失敗しても問題ないくらいのリスクで始めるっていう。
いなけんはこれに強く共感します。学生の頃は失敗や人の目を気にするシャイボーイだったが、今は細部まで考えて何も生まないことのほうがもったいないと感じるようになったと話しました。
それ考えてるふりしてるだけで、あなた何も生んでないですよ。
さらにいなけんは、失敗はそもそも存在しないという捉え方を示します。うまくいかなかったのは「データが溜まった」だけであり、失敗の面積を広げるほど残りに成功が見えてくるという発想でした。
この捉え方は、チャレンジ回数を増やすこととも言い換えられるといなけんはまとめました。
トラブルを活かす「レモネードの原則」
3つ目は「レモネードの原則」です。しもちゃんは、みかんの出荷ができなくなった時に、間に合うレモンを植えてレモネードを作って売る、というイメージで由来を説明しました。
障害自体を活用することで、偶然を組み込んだ創造的なアイデアを生み出すことができないか。
いなけんは、この原則の肝は発想の転換だけではないと指摘します。大半の人は同じ状況で「もうダメだ」と塞ぎ込み、それ以上動かないのではないか、というのです。
大半の人は、その状況に置かれたら塞ぎ込んで、もうそれ以上のアクションはしないんじゃない?
だからこそ、追い込まれても発想を切り替えられるマインドセットを持つ人が、不確実な状況でなんとかできる人なのだという整理になりました。いなけんは、ある種の必死さもこの考え方を構成する要素ではないかと付け加えます。
手法か態度か、攻略本のたとえで考える
ここでしもちゃんは、4つはあくまで手法であって、それを知れば自分がそうなれる保証書ではない、と気づきます。攻略本と同じだと言い換えました。
これモンスター倒したいんやったらっていう一つの解ではあるけど、それが正解ではないじゃないですか。
いなけんはこれを、配信者うんこちゃんのポケモンのポケセン封鎖縛りに重ねます。縛りという負荷を課すと、同じゴールでも登り方がまるで変わる、という話でした。
ポケモンをクリアするお題目は一緒だけどさ、なんか登り方変わる感はすごいするよね。
つまり解決手段が耐えられる負荷を上げて物事を考えよう、という発想です。手法そのものより、どんな条件で挑むかが動き方を決めるという理解に落ち着きました。
自分のカードの強さは出すまでわからない
4つ目は「クレイジーキルトの原則」です。自分の能力やアイデアに自信が持てない状況に効く考え方だと紹介されました。
自分の手持ちの手段の価値は自分だけでは決められないからこそ、そのアイデアが優れたものかどうかは、パートナーを獲得する行動を起こすまでわからないと考えることができる。
いなけんはこれを再び手札の話に引き寄せます。限られたカードで戦うにしても、どの絵札が強いかは出してみないとわからない、という理解でした。
しもちゃんは、だからこそ怖くなった時は「価値を決めるのは相手だ」と考え直せると話します。自分の問題ではなく相手の問題として引き受けられる考え方だという受け止めでした。
これは相手が決めるから、それは相手の問題やから。
自信のなさは、まだカードを切っていないだけ
いなけんは今の話を全部聞いて、自分は意外とエフェクチュエーション力が高いのかもしれないと感じ始めます。すべての原則に芯から納得感があるからだと言います。
一方でしもちゃんが引っかかっていたのは「自分の能力に自信が持てない」という点でした。いなけんはここでシンプルな仮説を立てます。
手札の価値がまだ評価されてないから、自分がどれが得意不得意か、世の中的に評価されるか分からないから、自信がある、ないと思ってるのでは?
つまり、自信のなさは能力の問題ではなく、まだ十分にカードを切って評価を受けていないだけかもしれない、という捉え方です。失敗許容度を下げてアクションを増やし、意外と評価されるカードを見つけていくことが自信につながる、といなけんは説きました。
しもちゃんは、それでも効果のわからないカードを出すのは怖いと返します。負けるかもしれないのに切れるのか、というわけです。
出すカードの効果さえわからへんカードを出すって怖くないですか。負けるかもしれへんのに。
いなけんは、それはゲームのルールがわかっていないから怖いのだと応じます。不確実性が高い状況では、ルールそのものも出してみるまでわからない、という指摘でした。
負けるが勝ちっていうゲームがセットされてたら、これって逆転するわけじゃん。
いなけんはさらに、足が速いという価値も車が出てくれば相対的に減るように、ゲームのルールや時代が変われば手札の価値も変わると説明します。今までネガティブに思っていたことも、出してみれば価値に変換できるかもしれない、という話でした。
たどり着いたアクションプラン「やらないことを決める」
話を通してしもちゃんは、自分のアクションプランを決めます。山口周さんの『人生の経営戦略』を読もうと思う、というものでした。
なぜその本なのか。しもちゃんは、自分は人生のゲームルールを設定していないから、何を軸にすればいいかわかっていないのだと気づいたと言います。
人生のゲームルールをちょっと自分で設定してないから、何を軸にしたらいいかわかってないんかなと思ったんすよ。
いなけんも、世の中的な資本主義の勝ち負けに乗っかるのが幸せとは限らないと応じ、自分のゲームルールを定めることが生きやすさのコツだと同意します。
しもちゃんが最後に置いたのは、やりたいことを絞るのではなく「やらないことだけ決める」という方針でした。目的が多すぎるからこそ、絶対にやらない一線をルールにするという結論です。
やらないことだけ決めとこうと思って。それがルールかなと思いました。
まとめ
エフェクチュエーションは、正解が見えない状況で予測に頼らず、いま手元にあるもので進むための考え方です。この回では2人が4つの原則を手札やゲームのたとえで噛み砕き、自信のなさは「まだカードを切っていないだけ」という捉え方にたどり着きました。
- エフェクチュエーションは問題解決の手法ではなく、不確実性に向き合う思考様式として語られた
- 4つの原則は「手中の鳥」「許容可能な損失」「レモネード」「クレイジーキルト」
- 失敗は「データが溜まった」と捉え、失敗数やチャレンジ回数を増やす発想が共有された
- 自分の手札の価値は出して評価を受けるまでわからない、という点が回の核心になった
- しもちゃんの結論は、やることではなく「やらないことだけ決める」というルール設定だった


