ビデオポッドキャスト第一回、編集権は全部いなけんの手に
本質ラジオの第31回は、ビデオポッドキャストとしての第一回として始まりました。ただし、実際にビデオとして配信するかはこの時点では未定だと語られています。
本当にビデオとしてお届けするかまだこの時点でわかんないからね。
おいおいおいおい。出してくれよ。その気満々で言ってたのに。
編集の権限はいなけんがすべて握っているという設定で、しもちゃんは冗談まじりに「操り人形」だと嘆きます。
編集権限全部俺に握られたからね。
操り人形。もう操られてるって感じ。しんどいしさ、ほんま。
今日の話題は「数字」と「エフェクチュエーション」
しもちゃんは、今日話したいテーマを2つ挙げます。1つは仕事で感じた数字への違和感、もう1つは飲み会で教わった考え方です。
あ、エフェクチュエーションっていう考え方について話したいですね、今日は。それか、数字について。
数字の話は、仕事中に数に対しての感覚に困ることがきっかけだったと説明されます。理解度が足りなかったのではと考え、「数とは何か」「抽象化とは何か」まで遡って考えたと言います。
一方のエフェクチュエーションは、経営や人生を見る視点として使うと生きやすくなる考え方だと感じた、という話だと予告されます。
なんか後者は小難しそうだから、一旦数字からいくか。
こうして、まずは数字の話から始めることになりました。しもちゃん自身も「数字の方がワクワクする」と応じます。
開封率14%は、どういう状態なのかがわからない
しもちゃんは、仕事中に数字の論理構造を読むのが難しいと感じる瞬間があると切り出します。たとえばメルマガの開封率やクリック率から次の打ち手を導くところです。
数字に対して、「あれ、これがこれやからこれで」っていうような、その論理構造を読むのが難しいなって思う瞬間があって。
具体例として挙がったのが、メルマガの開封率14%という数字です。しもちゃんは、数字だけを見ても「どういう状態か」が納得感を持ってわからないと言います。
開封率14パーセントって、じゃあどういう状態かっていうのが、数字だけだとなんか納得感がないですよね。
これに対していなけんは、パーセントである以上、分子と分母は決まっているはずだと返します。送った数と開いた数で割ればそれ以上でも以下でもない、という反応です。
メールを送った数の全数と、開いた人で割り算してパーセンテージが14パーって出るわけでしょ。なんかそれ以上でも以下でもない気がしたんだけど。
ここで2人は、話がどこに向かっているのかがかみ合わず、いったん立ち止まります。いなけんは「この話がどこに向かってるのか、俺あんまりわかってない」と率直に伝えます。
千人に140人か、百人に14人か。同じ14%をどう比べるか
いなけんは、しもちゃんの言いたいことを推し量って、同じ14%でも状況が違うのではという解釈を差し出します。
千人に送って140人が開いてくれましたっていう状態と、百人に送って14人ですってなった時に、単純に比較して、でも数が多いって言ったら140人取れてる方がいいよね、なのか。
いや、質の濃い14人取れてるよね、なのか。無理やりちょっと説明下手すぎる話を今解釈しようとしてるんだけど。
ただ、この解釈でもかみ合いきりません。いなけんは、そもそも開封率14%という具体例を出したこと自体がイマイチなのではと感じながら付き合っていると言います。
何が言いたいのかマジでわかんない。
やり取りを重ねるうちに、しもちゃんの関心は「四人開いたなら次は五人開かせる」ためにどうするか、という次の打ち手のつなぎ方にあることが見えてきます。
四人開いたなら、次五人に開かせる方がいいっていうのであれば、その一人をどう作ればいいっていう話でしかない気がするんだけど。
しもちゃんは、マーケティングは基本的にファネル型なので増やすことは正義だと認めつつ、そのブレイクダウンのところがわからないと打ち明けます。
数字の評価は「目標を決めること」から始まる
話が整理されてきたところで、しもちゃんはいなけんに問いを立て直します。マーケティングのマネージャーだとして、百人に送って四人開封、開封率4%という数字をどう評価するか、という問いです。
数値が百人なくて四人でした。まず、うわ4パーやったわ。これの評価、まずどうやってやりますか?
いなけんの答えは、まず基準値、つまり目標を置くことから始まる、というものでした。
どれぐらいがミートする基準値なのかって置くだろうね。
たとえば目標を10%と置けば4%は6ポイント足りず、3%と置けば1ポイントプラスになる。そもそもパーセントで置くのがいけていないなら絶対数で見る、という話です。
評価の対象を決めてないと評価しようがないから、その対象というか、目標を決めますが、回答かな。
目標を決めた上で差分が出たら、その理由を一緒に考えるだけという整理に、しもちゃんも納得します。目標そのものが間違っていたなら、そこを修正すればいいという話です。
目標決めた上で差分があったら、別にそこに対して、「あ、なぜだったんかな」っていうのを一緒に考えるだけですもんね。
支援の線引き。「ぬるっと」広がる干渉領域の難しさ
数字の話から、しもちゃんは最近感じている別の悩みへ移ります。お金をもらって支援する仕事で、どこまでを価値として提供すべきか、その境目が難しいという話です。
お金をもらって支援させていただくことって、結局何を価値に置いたらいいんだろうって思うことがあるんですよ。
具体例として挙がったのがLP制作です。作っているうちにツールに詳しくなり、「じゃあここもお願いしたい」と別の依頼がぬるっと発生する場面があると言います。
そこって支援の対象外な部分やなって思いながらも、なんかそこの切り分けがめっちゃ難しいなって。
いなけんは、この悩みを利害関係の線引きとして言い換えます。相手のためを思えば一線を越えるべきだが、契約の枠を踏み越えることが必ずしも双方のためにならない場合もある、という整理です。
相手のためを思うとこの一線を越えるべきだけど、その今回の契約の縛りにおいては、そこを踏み越えるが相手のためにならないかもしれない。
話しながら気づいた「本当の相談」は何だったか
やり取りを続けるうちに、しもちゃんは自分の相談の中身が変わっていたことに気づきます。契約の線引きの話ではなく、そもそも自分が担える領域をどう増やすか、という相談だったと言い直します。
話してて気づいちゃった。そういう問題ではなくて、結局は、自分で(担える)領域を増やしていくにはどうしたらいいかっていう相談でした。
いなけんは、この論点を野球のポジションにたとえます。ファースト以外はやるなと監督に言われた選手が、実はどこでも守れるとしたら、という設定です。
いや、なんかファーストだけじゃなくて、自分内野どこでも守れんのにな、ってなった時に、監督から「お前ファースト以外やんな」って言われた時に。
そのうえでいなけんは、一塁にいながら「ここだけに置いておくのはもったいない」という空気を出すこと、いろいろこなせるユーティリティ性を認めさせて幅を広げることが答えだと示します。
がっしり系で、投げられたボールを確実にアウトにする役割。求められる資質が特定されている
内野を機敏に守り、器用になんでもこなせる。守備範囲が広く、いろいろなポジションで使える
しもちゃん、自分にはユーティリティ性があると思って、それを認めさせたいというか、広げたいっていうことでしょ?
しもちゃんは「確かに」と腑に落ちます。決められたことだけをこなすなら悩む必要はないが、そうではない自分に気づいた形です。
めっちゃなる。確かにそうっすわ。だって別に決めたことだけ何も思わんくて、ズシズシやっときゃいいっすもんね。
新庄剛志のデビュー。本職じゃないポジションで掴んだチャンス
いなけんは、幅を広げる具体例として日本ハムの監督・新庄剛志のデビュー当時のエピソードを持ち出します。彼が好きな話だと言います。
彼、外野が本職なんよ。でも確かサードだったかな。本来のポジションじゃないところでデビューして、そっからスターに駆け上がってったんだけど。
いなけんによれば、怪我人続出でスタメンが欠けたとき、新庄はとにかく試合に出たくて、どこでもいいから出る準備をしていたと言います。うろ覚えだと断りつつの語りです。
新庄はとにかく試合出たいから、虎視眈々と、もうどこでもいいから試合出る準備してましたと。
そしてチャンスが回ってきた一打席目で満塁ホームランを打ち、そこから引退までスタメンで出続けた、という筋書きが語られます。いなけんは、このエピソードに本質が詰まっていると感じています。
いざ「じゃあお前がここで出ろ」って言われた時に、一打席目で満塁ホームラン打って、そっからずーっと引退するまでスタメンで出続けたみたいな。
話を戻すと、しもちゃんは今「ある一定のところでしか使えないやつ」としか思われていないのだから、幅を広げて素振りするしかない、という結論にたどり着きます。
しもちゃん、そのある一定のところでしか使えないやつとしか思われてないわけだから、だから幅を広げるしかないんじゃないっていう。
「試合に出ること」は目的ではなく手段だった
しもちゃんは、いなけんの強引な話の運びにツッコミを入れつつも、自分なりの学びを言葉にします。
物持ち方が強引すぎる。だいぶ力ずくやった。
しもちゃんが新庄の話から受け取ったのは、得意なものに固執する自分を捨てたのではないか、という点でした。
自分がもっと達成したいその何かのために、別にそんな俺の得意なんかどうでもいいやって、その得意だったものに固執してる自分を捨てたんじゃないですか。
試合に出ることは目的ではなく手段だったという受け止め方に、しもちゃん自身が一番の学びを見出します。いなけんも「それはそう」と応じます。
だから別に試合出ることとか目的ではなかった気がして。それは手段だから。
最後にいなけんは、今回は深みがあまりなかったと率直に評価します。しもちゃんは「僕的にはあった」と反論し、次回へのテンションを促されて回は締めくくられます。
ちょっとこれ、あんまりなんか深みがなかったな。俺的にはね。
僕的にはあった。心情の凹みがすっごいやった、ぐわんぐわんやった、もう。
まとめ
「数字の意味がわからない」という漠然とした悩みから始まった雑談は、問い返しを重ねるうちに、フリーランスとして担える領域をどう広げるかという相談へと形を変えていきました。話しながら自分の本当の問いに気づいていく過程そのものが、この回の面白さです。
- 開封率14%のような数字は、目標(基準値)を置いて初めて評価できる。差分が出たら理由を一緒に考えるだけ、というのがいなけんの整理
- マーケティングはファネル型で、上流を増やしつつ次の段階へのつなぎ方を設計するのが基本
- 支援の仕事では、契約の枠を越える「ぬるっとした干渉領域」の線引きが難しいという悩みが語られた
- 本当の相談は「自分が担える領域をどう増やすか」であり、野球のユーティリティ選手のように幅を認めさせる話に着地した
- 新庄剛志のデビュー話を通じて、試合に出ることは目的ではなく手段であり、得意への固執を手放す視点が学びとして残った




