大学受験全落ちからの浪人相談
この回はお互いテンションが低かったため、外部に頼ろうとお便りを取り上げるところから始まります。Yahoo知恵袋から抜粋された、大学受験に全落ちしたというリスナーの相談です。
相談者は後期受験まで含めてすべて不合格だったと振り返ります。全然勉強せずゲームばかりしていた、みんなが勉強している時に遊んでいたのだから落ちて当然だと自分を分析しています。
最初は「やっぱりか」という乾いた気持ちだったものの、資料請求の際に連絡をくれた先生に慰められた時、涙が止まらなくなったといいます。自分が思っていた以上に後悔していると実感したそうです。
相談者は「あと1年浪人して勉強に向き合いたい」と決め、浪人経験者に向けてメンタルの保ち方や人との交友関係についてアドバイスを求めています。
いなけんとしもちゃん自身の回り道
いなけんは、自分には浪人やギャップイヤーが人生でないと話します。強いて言えば転職で今の会社に移るまでの1ヶ月ほどのブランクだけだといいます。
何もない。強いて言うなら、転職を辞めて今の会社に移るまでのまあ1ヶ月ぐらいのブランクがあったけど。
空白のなさをしもちゃんは「怪談人間すぎる」といじりますが、いなけん自身も、このまま引退まで仕事人間でいくのかとたまに思う時期があると明かします。
一方のしもちゃんは大学時代に1年休学した経験があります。就活が嫌で、インターンのようなことをしながら過ごしていたといいます。
休学の一番大きな理由は、実家を出たかったことだったとしもちゃんは振り返ります。就職や会社勤めよりも、実家と距離を取りたい気持ちが先行していたそうです。
自分ってものがわかんなくなってました。(こんな状態で)決められへんと思って。何もわからんと思って。
親の価値観と「自分の軸」への気づき
しもちゃんは先週実家に帰り、久々の家族の食事の場で母親に思っていたことを一気に伝えたら、すっきりしたと話します。
その主張をまとめると「価値観を押し付けるな」というものでした。特に父親からの価値観の押し付けを感じていたといいます。
自分の軸で意思決定したことない状態で仕事なんか決められへんわと思って。
いなけんは、親の価値観で自分が形成されている感覚があり、そのまま意思決定して残りの40年が決まるのは無理だと本能的に感じてストップをかけたのかと確認します。しもちゃんも、今振り返るとそうだと同意しました。
覚悟がないから惰性でゲームをしてしまう
相談内容に戻り、しもちゃんは「勉強もゲームもできるはず」と話します。両立できる前提で勉強のプログラムを組めばよかったのではないかと見立てます。
しもちゃんは、相談者が自分の弱みを受け入れられず、誰かになろうとしていたのではないかと指摘します。
いなけんも受験期に惰性でゲームをしてしまう経験があると共感します。ドーパミンが出てしまうため、そちらに時間を取られると勉強する気がなくなるといいます。
その上でいなけんは、それだけゲームが好きならうんこちゃん ── ゲーム実況者・加藤純一の愛称。ゲーム配信で人気を集める。ここではゲームで突き抜けて生きる象徴として挙げられている。のようにゲーマーとして突き抜ける道もあると話します。
そこまでの覚悟がないってことは、何らか後ろめたさがあってさ、本当はやんなきゃいけないけどっていうのに、欲に負けて、時間をドーパミンに負けたっていう話だ。
いなけんの高校受験失敗という原体験
いなけんは、自身が高校受験に失敗した経験を語り始めます。行きたかった高校ではなく、滑り止めの高校に進んだといいます。
状況は相談者とよく似ていました。中3の冬前までサッカーを続け、そこから1、2ヶ月集中して勉強したら一瞬で偏差値70に達したといいます。志望校は偏差値65ほどで、模試では余裕で受かる結果でした。
余裕から流れで勉強するようになり、受験直前の冬休みやお正月は死ぬほど漫画を読んでいたそうです。そして受験当日を迎えます。
あんだけ余裕ぶっこいてたのに、「やべえ、何もわかんねえ」ってなって。筆ペン止まって。
手応えのないまま案の定不合格となり、いなけんは滑り止めの高校へ進みました。そこでの体験も、結果的には良くなかったと振り返ります。
「一瞬の弱さで人生が決まる」危機感が大学受験を変えた
この失敗から、いなけんは自分の怠惰や一瞬の弱さによって人生が決まるという感覚を強く得たといいます。
大学受験で同じことを繰り返せば、社会人になるまでの人生も怠惰な自分が作った土台の中に生まれてしまう。その危機感が高校生の時に芽生えたそうです。
というわけで大学受験は俺死ぬほど勉強してた。「ゲーム何それ」みたいな。
高校受験。余裕から惰性で漫画を読み、直前まで気を抜いて不合格。
大学受験。怠惰で人生が決まる危機感から、ゲームを断って猛勉強。
いなけんは、どこで失敗しておくかの違いでしかないと話します。失敗はもう取り返せないからこそ、後から「この伏線だったね」とハッピーエンドに向かわせられるかが大事だと考えています。
失敗は本当に失敗なのか、大局的に見る
いなけんは、何事もその瞬間は失敗と捉えることもできるが、次のアクションのための学びと捉えることもできると話します。人生にゼロか百かのシーンはあまりないという見方です。
例として、就職に失敗してもしもちゃんのように休学する選択肢を取ることもできるし、1社目が違うと感じて辞め、今の道に進むこともできると挙げます。
てか失敗と思ったことって本当に失敗なんですか?っていうのを大局的に見ると。
しもちゃんも、どうやってこの経験を生かせるかを考えた方が楽しいと応じます。いなけんは、封建社会なら失敗が切腹につながる時代もあったが、今はリカバリー可能だと補足します。
自分を漫画の主人公だと思い込む発想
いなけんは、人生を変えたと感じる思考として、自分を漫画の主人公だと思い込みながら生きる発想を紹介します。
小学校編、中学校編、高校編のように人生を章立てで捉えると、相談者の状況は「大学受験失敗編」になります。その章で1つドラマが起きていると考える見方です。
ゼロのさ、マイナスにもプラスにも振れ幅がさ、面白さというか、伏線な気がしてて。
いなけんは、波風の立たない物語はつまらないと例えます。ルフィが誰とも戦わず、どの島にも行かずぐるぐるしていたら面白くないのと同じだといいます。
この発想を使うと、社会人になって辛いことがあっても「社会人編の面白いストーリーが来た」「ここを乗り越えたらクライマックスが来るのでは」と、自分をメタに見られるようになると話します。
違いがあるから物語は面白くなる
しもちゃんは、人との違いこそが物語の細かさになると応じます。浪人先で人生最大の友を得れば、それが後々効いてくる伏線になるという話にもつながります。
いなけんは、ルフィとゾロが全く同じ価値観だったら気持ち悪くて面白くないと例えます。しもちゃんは、いろんな人が同じ船に乗るから、いろんなルートに進めるのだと応じます。
いろんなやつが同じ船に乗るから、いろんなルートが行くねんな。だから面白い。修行の2年間ってみんな一人やったからカットされてんねん、おもしろくないから。
「怠惰になる条件」というデータが取れた
いなけんは、失敗を通じてゲームにハマってしまう自分の特性を見つめ直せたと話します。どういう時に自分が怠惰になるのかというデータがたまったといいます。
怠惰な自分がどんな環境で怠惰に流れるのかを高校受験の時に把握できたため、破滅の道に向かおうとするとブレーキがかかるようになったそうです。
「あ、俺ここ怠惰なその時の破滅の道に向かおうとしてるな」っていう、なんかブレーキがかかるわけよ。
いなけんは、事故れるところで事故っておいてよかったのではないかと話します。今の過程で気づかず、次でゲームにのめり込んでより大きな失敗をする可能性もあったからです。
大学受験の時は浪人などありえないと思っていたものの、入学してみると浪人や二浪の同級生は珍しくなかったとも振り返ります。
パンピーであることを認めるという話
しもちゃんは、失敗を悪いものと捉える見方はやめた方がいいと話します。失敗を悪だと決めつけると、選択肢として適切に考えられなくなるからです。
いなけんは、核爆弾のボタンを押して世界を終わらせるような後戻りできない失敗は、一般人にはほぼ起こりえないと話します。
後戻りできない失敗をできるまでのステータスの人間になってたら、それはそれで最高だと思う。
この話を受けてしもちゃんは、自分がパンピーだと思っていなかったかもしれない、何でもできると思っていたかもしれないと打ち明けます。そう思うのは自由だが、パンピーであることも認めようと結びます。
今しかできないゲームの背徳感も、かけがえのない一瞬
いなけんは、大人になると仕事がメインになり、ゲームに時間を投下するのがもったいないと感じて勝手にブレーキがかかると話します。大学くらいまではそのリミッターがなかったといいます。
トイレにも行かずずっとFIFAをやっていたような時間は、もう戻れないし今はできないと振り返ります。いなけん自身はゲームが下手で、超うまい友達に勝てず「リベンジ」と繰り返していたそうです。
いなけんは、自分もこの相談者も「手を抜いてもいけるだろう」と思ってサボっていたのではないかと見立てます。ワンチャンいけるかもしれないという背徳感は、その瞬間にしか味わえないといいます。
ワンチャンあるかも。いや、でもないかも。いや、でもゲーム止められないみたいな。あの感情ってもうその瞬間にしかないから。
これからちゃんと頑張る人生になると、あの時にしか出なかったドーパミンは二度と出ない。だからそれもかけがえのない一瞬だったと捉えていいのではないか、というのがいなけんの結論です。
「失敗の流儀」ではなく「あり方の流儀」
しもちゃんは今回の話を「失敗の流儀でいくか、あり方の流儀でいくか」と整理し、あり方の話だとまとめます。
ポジティブでいたいのかネガティブでいたいのか、どうありたいかを決めるだけで、失敗すらポジティブに捉えられるようになるというのがしもちゃんの結論です。
自分を物語の主人公とすると、失敗も、「わ、伏線来た」っていう感じになるのでおすすめです。
まとめ
大学受験全落ちからの浪人相談に対し、二人は失敗そのものよりも「失敗をどう活用するか」「自分がどうありたいか」という視点を返しました。失敗は取り返せないからこそ、後から伏線に変えられるかどうかが問われます。
- 相談者は全落ちを機に1年の浪人を決め、メンタルと交友関係のアドバイスを求めていた
- いなけんは高校受験の失敗で「怠惰になる条件」を学び、大学受験を猛勉強に変えた
- 失敗は取り返せない以上、次のアクションの学びや物語の伏線と捉える方が前に進める
- 自分を漫画の主人公と見なすと、辛い場面も「クライマックスが来た」と受け止められる
- 結局は自分の「あり方」を決めることが先で、それが失敗の意味づけを変える




