番組名が「本質ラジオ」になった、拍子抜けするほど素朴な理由
この回から、番組名が「本質ラジオ」にリニューアルされました。名前を変えるのは2回目になります。
しもちゃんが挙げた改名の一番の理由は、意外なほど素朴なものでした。話している内容を、自分でも覚えていられないというのです。
そう、思いつかんたんすよ。一番はそこ。もうそこっすわ。もう思い出せない僕が。
そこで、わかりやすく「本質」という言葉をつけることにしたと話します。何かと言えばラジオ。それなら「本質ラジオ」でいい、という決め方でした。
わかりやすく、本質つけた方がわかりやすい。だからもう「本質ラジオ」でいいやと思って。
本当はもっとかっこいい理由を語ろうとしていた、とも明かしています。テンションが高いのも、その素朴さがおかしかったからだと言います。
「フリーランスってどうなん?」いなけんが抱いた2つの疑問
本質ラジオ第1回のテーマは、いなけんさんからしもちゃんへの質問です。大雑把に言うと「フリーランスになってどうなん?」という問いでした。
いなけんさんには前提となる考えがありました。職業人として生きていく上で、背骨をビシッと鍛えられる期間が大事だという感覚です。
なんかその背骨ビシッと鍛えられる期間って、俺は個人的に大事だなと思ってて。
その上で、フリーランスという働き方はこの「鍛えられる機会」を得にくいのではないか、と2つの疑問を挙げます。
1つ目は、良くないアウトプットをしたときに、フィードバックを得られるかという点です。会社員なら「これはいまいちだ」と正してもらえる環境があります。
一方でフリーランスの場合、いなけんさんの見立てでは、丁寧なフィードバックよりも「次の仕事が来ない」という形で結果が返ってくるのではないか、というものでした。
フリーランスの人はクソみたいなアウトプットしても、「クソみたいな仕事でした」ってフィードバックを丁寧に得られるってよりは、次の仕事が来ないっていう形になるわけじゃん。
2つ目は、他者を見て学ぶ機会です。同僚が指摘されている様子を見て「人の振り見て我が振り直せ」と自分を正す、その機会も組織の外だと少ないのではないか、という疑問でした。
良くない仕事をしたとき、正してもらうより「次の仕事が来ない」形で返ってくるのでは
同僚が指摘される様子を見て自分を正す、その機会が組織の外だと少ないのでは
果たしてフリーランスという生き方は、若者にとって健全なんだろうかっていう問いがぼんやり俺の中にあり。
「めちゃくちゃ楽しい」しもちゃんが語る、会社を辞めた後の実感
問いを受けたしもちゃんは、まず個人の感情として答えます。フリーランスになって、めちゃくちゃ楽しいというのが率直な実感でした。
しもちゃん個人の感情として、まずめちゃくちゃ楽しい。楽しくない時もありますけど、それ含めてやっぱり楽しいなって何回でも思える。
会社を辞めてみて感じるのは「楽」だといいます。ただしそれは怠けられるという意味ではなく、自分のパフォーマンスをより出せる、そこに集中できるという意味でした。
一方で、しもちゃんは「フリーランス」という言葉の定義を合わせにいこうとします。会社員とフリーランスの境界線は、正直あまりないと考えているためです。
その違いは、抱えている返済の金額や売り上げの規模の話だ、というのがしもちゃんの見方です。フェーズが進むにつれて呼び名が移り変わっていくだけだと捉えています。
だから多分その返済の大きさで言葉がどんどんフェーズ移行していくと思うんですけど、ちっちゃい経営者じゃないですか、フリーランスだって。
いなけんさんは、それを「自分一人法人」「自分株式会社」と言い換えます。しもちゃんは、そういう小さな経営者の状態を今見ている、と自分の立ち位置を説明しました。
評価はいらない?「これでいい」と自分で思える力
話は、いなけんさんが挙げた2つ目の疑問、フィードバックの得にくさに戻ります。しもちゃんは、ここに正面から反論しました。
そもそも、しもちゃんは誰を見て学びたいのかがはっきりしています。マネジメント層ではなく、経営者にしか興味がないというのです。
僕、経営者しか興味ないですよ。
ありがたいことに、しもちゃんが今メインで一緒に働いているのは、まさにそうした経営者だといいます。お金をもらいながら勉強させてもらっている、貴重な時間だと語ります。
その上で、いなけんさんが前提にしていた「評価」そのものへの考えを述べます。他者の評価に頼ることを、しもちゃんは外部依存だと捉えていました。
別に評価なんていらないです。それって外部依存かなって僕は思ったので、自分が「これでいい、これでいい」って思える力が前よりももっとついたかなって思ってたりします。
いなけんさんは、これを「自己評価がミートしていればそれでOK」という考え方だと整理しました。しもちゃんもおおむね同意しつつ、そこまで割り切れるわけではなく、自分の中に他者評価も混在していると補足しています。
スキルは伸ばすべき。ここで見つかった2人の一致点
いなけんさんは、コンフォートゾーンの話を持ち出します。筋トレに例えれば、限界を少しストレッチしないと筋肉に刺激が入らないのと同じだ、という論点です。
コンフォートゾーンを出て、ちょっとギリギリでも限界をストレッチしないと、筋肉がつかないというか、刺激が入らないわけじゃん。
ここでいなけんさんは、フリーランスの語源にも触れます。「ランス」は槍を意味し、中世にお金で雇われた傭兵をフリーランスと呼んでいた、という話でした。
傭兵にとっては、敵を倒す強さや、殺されないための守備力が武器でした。それを現代に置き換えれば、自分の知能やスキルにあたる、といなけんさんは言います。
より大きな報酬を得たいなら、その分スキルも歴然と求められる。だからスキルを伸ばすことは大事だ、という点で2人の考えは一致しました。
(スキルを高めるのは)もちろん。あ、スキルの言葉がすいません。
当初しもちゃんが反発しそうな表情を見せたのは、スキルという言葉の受け取り方の違いによるものでした。傭兵の武器のような意味だと確認できると、伸ばす必要性そのものには異論がなかったのです。
自分視点しかないと伸びづらい? 環境に恵まれているという答え
いなけんさんは、さらに踏み込みます。スキルを伸ばすのは大事だとしても、自分視点しかないと伸びづらいのではないか、という問いです。
とはいえ、その自分視点しかないのって伸びづらくない?っていう問いでもあるんだけど。
一緒に仕事している経営者から「ここはこうした方がいい」「こうしちゃダメ」といったやり取りが、契約関係の中では発生しづらいのではないか、というのが具体的な懸念でした。
これに対してしもちゃんは、聞けば言ってくれる人たちだと答えます。ただし、それが一般的に多いとは思わないとも認めています。
その、聞けば言ってくれる人たちかなと思います。多分、確かに一般的には多くないと思うそれは。
いなけんさんは、これを「いい環境、いい周りの人に恵まれている」という話だと受け止めます。会社員時代のように人間関係が固定化された関係とは違う、という整理です。
しもちゃん自身も、教えを乞うことが苦ではなく、その人のスキルを盗みたいと考えていました。だからこそ、契約関係の中でも学びを得に行けるのです。
(教えを乞い、スキルを盗みたい気持ちは)ありますありますありますあります。
「本業って何?」 いなけんが会社を踏み台と呼ぶ理由
ここで話は、いなけんさん自身の働き方に移ります。いなけんさんは、そもそも一個に縛られたくない人間だと語ります。
だから「本業」という言葉にも違和感があるといいます。会社に所属していることが本業っぽく見えるだけで、便宜上や行政手続き上の区分にすぎない、という捉え方です。
「本業」っていうから、本業って何なの?みたいな。あくまでも便宜上というか、行政の手続き上というか。
いなけんさんにとっては、このポッドキャストの時間も、同期とやっているプロジェクトも、それぞれ別の柱でした。どれかを本業と呼ぶこと自体があいまいなのです。
そのいなけんさんが、今あえて会社に所属している理由も明かします。安定的にキャッシュインが生まれる装置を、意図的に使っているという説明でした。
キャッシュインが安定的に生まれる装置を、安心材料兼、自分のキャリアにおいての踏み台として使わせてもらってるところはあり。
ここまで話して、いなけんさんは1つの結論に至ります。フリーランスか会社員かは対立ではなく、置かれたフェーズと目的の違いにすぎない、というものでした。
いなけんさん自身、フリーランス的な働き方の方が目的に合うなら変わるだろう、と付け加えています。海外に住みたいといった将来像も語られ、当初の「異議」は生き方の違いへと収束していきました。
「一分一秒に全集中したい」しもちゃんが抱える悩み
話題は、目的の立て方そのものへと移っていきます。しもちゃんが最近考えているのは、目的は未来すぎてもダメだし、今すぎてもいけない、その難しさでした。
しもちゃんは、極限まで「今」を見ないと、楽しいという気持ちや本当の目的は出てこないと感じています。
今自分の、一分一秒に全集中すること。でしか、こういう気持ちにあんまなりづらいなと思ってて。
その上で、しもちゃんが欲しいのは、毎回100パーセントの自分になれる仕組みでした。いなけんさんから「浮気性」と評されるほど、興味が複数に散る自覚があるためです。
ただし、それは浮気ではなく全力投球だ、としもちゃんは言い直します。複数のことに取り組むこと自体を否定しているわけではありません。
それを全部100パーセントでやる力が欲しいんですよ。
目的はバラバラに立てない。1本の芯に統合するという考え
いなけんさんは、しもちゃんの「目的は今すぎないと」という考えに、別の見方を示します。短期目標に絞ること自体が違うのではないか、という指摘です。
いなけんさんの例え話は具体的でした。「年収を100万円上げる」「彼女を作る」「体重を落とす」という3つの目標を、別々に立てた場合を考えます。
目標をバラバラに立てると、どれかを優先するための天秤やバランスが必要になります。互いに相反する場面が出てくるためです。
バラバラに立てる
年収・恋愛・体重を別々の目標にすると、どれを優先するかの天秤が必要になる
芯に束ねる
3つを束ねる抽象的な指針を上に置くと、別々ではなく1本につながる
結果
時間軸が中長期に伸び、行動が自然と一貫する
そこでいなけんさんが提案するのが、3つを束ねる、より抽象的な自分の指針を上に置くやり方です。そうすれば別々の行動が、人生の芯に1本通ったものになるといいます。
このABCは別々の関係ないことをしてるわけじゃなくて。自分の人生の芯に一本通ってるよっていう置き方ができるかなと思ってて。
この置き方をすると、目標は短期ではなく中長期のものになる、というのがいなけんさんの反論めいた持論でした。
大谷翔平ならどうする? いなけんの「理想の自分」オートパイロット
いなけんさんは、この「芯を1本通す」感覚を、より具体的な自分のやり方として明かします。それは、理想の自分を上位に置いて行動を自動的にチェックする方法でした。
たとえば「イケてる男である」を大上段の目標に置けば、24時間365日かっこ悪いことはできない、と仮定できます。すると個々の行動が、その目標に自然とつながっていくのです。
自分ってどういう人物であるんだっけみたいな。極論、大谷翔平みたいになるみたいな置き方して。
いなけんさんは、真似したい人を複数リストアップし、その人ならどう行動するかを基準にしていると語ります。ロールモデルから抽出したエッセンスを、最上位の「理想の自分」として置いているのです。
その人からなんか抽出したエッセンスの自分っていう、さらに最上位概念の自分を置いてるわけよ。
この理想の自分が置かれていると、行動のたびに「乖離していないか」という指令が、オートパイロットのように脳から送られてくるといいます。
筋トレで、うわ、ちょっとこれサボろうかなってなった時に、大谷翔平だったらこの一回サボるかな、っていう指令がもう勝手に自動で自分の脳みそに来るようになってるというか。
この感覚は、2〜3年前に真似したい人の行動を洗い出し、言語化するトレーニングをやったからこそ自然にできるようになった、といなけんさんは説明します。朝顔を洗う、ポイ捨てをしない、売られた喧嘩は買わないといった具体的な行動レベルまで落とし込んだそうです。
今日の本質は「目的を統合する」。しもちゃんが得た気づき
対話の終盤、しもちゃんは今日学んだ本質を言葉にしようとします。最初は「フリーランスってどうなん」という話から始まったことを思い出しながら、まとめに入ります。
しもちゃんがたどり着いた本質は「目的は統合させる」でした。バラバラに考えるのではなく、1個にまとめるという気づきです。
目的は統合させる。はい、これが今日の本質です。
しもちゃんは、今の仕事も含めて、これまで目的を別々に考えてしまっていたと振り返ります。全部そういうことだったのだ、と受け止めていました。
いなけんさんも、いろいろ考えるのではなく、エッセンスを1個に統合する方がシンプルで、結果的に行きやすいと同意します。
しもちゃんは、3つや2つを負って進む方がかっこいいと思っていた、とも明かします。しかし、自分にはそんなかっこよさはないと気づき、これからは1個でいいと考えるようになったと語りました。
三頭とか二頭をやっている方がかっこいいなって思ってたんですけど、いや、俺そんなかっこよさないからって今思って。
まとめ
「フリーランスってどうなん?」という異議から始まった対話は、働き方の優劣ではなく、置かれたフェーズと目的の違いという地点に着地しました。そして最後は、目的をバラバラに立てず1本の芯に統合するという、この回の本質へとつながっていきます。
- 番組名を「本質ラジオ」に改名。理由は「話す内容を覚えていられないから、わかりやすく本質とつけた」という素朴なものだった
- いなけんはフリーランスに「フィードバックを得にくい」「他者を見て学ぶ機会が少ない」という2つの疑問を投げかけた
- しもちゃんは経営者と働ける環境に恵まれ、他者評価に頼らず「これでいい」と自分で思える力を重視すると答えた
- スキルを伸ばす必要性では2人が一致し、フリーランスか会社員かは対立ではなくフェーズと目的の違いだと収束した
- この回の本質は「目的を統合する」。バラバラに立てず、理想の自分という1本の芯に束ねる方がシンプルで一貫すると結論づけた




