売れたのに謝罪したマクドナルドの騒動
今回のテーマは、マクドナルドの転売対策から学ぶ失敗の資産化です。
昨年、ポケモンとコラボしたハッピーセットが大盛況となり、大きな騒動になりました。
松田さん自身もポケモンカードが欲しくてマクドナルドに寄ったそうですが、大行列ですでに売り切れていたと話しています。
その後、SNSなどで転売されている様子が話題になり、大きく取り上げられました。
その後、普通に見ていたら転売されていたという話がすごくあって、いろいろ大きな話題になっていました。
ただし今回は、転売がいいか悪いかを論じるのではなく、この失敗から仕組み化の視点で何が学べるかを考えていきます。
成功か失敗かは売上だけでは決まらない
昨年のハッピーセットは飛ぶように売れ、行列ができ、売り切れが続出しました。売上という視点だけで見れば大成功です。
にもかかわらず、マクドナルドは謝罪をしました。売れたのに謝ったという状況になったのです。
松田さんは、成功か失敗かは売上だけでは決まらず、本来の目的が実現されたかどうかが重要だと指摘します。
ハッピーセットの目的は、子供と家族に楽しい食体験を届けることだと考えられます。
その視点で見れば、家族で一緒に楽しむ時間を十分に提供できたとは言えず、失敗だったと言えます。だからこそ謝罪につながったのだと話されています。
昨年に何が起きたのか
改めて昨年の事実を整理します。2025年8月にハッピーセットとポケモンのコラボ販売が始まりました。
限定販売に加えて、週末プレゼントとしてポケモンカードが配布されました。この期間に大行列が発生します。
転売目的の大量購入や早朝からの行列で、店内は混乱しました。
さらに深刻だったのは、大量に注文しておまけのカードだけを抜き取り、食事を放置したり廃棄したりする人が出たことです。
食べ物を粗末にする行為に対し、マクドナルドは公式に謝罪し、転売目的の購入や食品の放置・廃棄は容認しないと宣言しました。
転売目的での購入や食品の放置、廃棄は容認しない、という宣言がありました。
ルールを作ることと機能することは別問題
誤解されがちですが、昨年もマクドナルドはルールを作っていました。お一人様セットまでという協力のお願いをしていたのです。
それでも混乱は起き、お願いは機能しませんでした。
ここから学べるのは、ルールを作ることと、そのルールが機能することは別問題だという点です。
お願いのままでは機能しない。では今年はどう変えてきたのでしょうか。
今年の対策はどう変わったか
今年は全体の設計図が大きく変わっています。
まず、発売日から3日間はグループ1会計につき6個までとなりました。
次に、期間中はマックデリバリー以外の各社デリバリーでの販売を休止。マックデリバリーはOKですが、予約注文はできない状態になっているそうです。
そして大きな変更として、カードなどの週末プレゼントの配布はなしになりました。
さらに、おもちゃは過去の販売実績を踏まえた数量を用意し、多くの人に届くようにしています。
お一人様セットまで。同じ人が並び直したり家族連れの場合、現場で数えるのが難しい
グループ1会計につき6個まで。現場で見え方がわかりやすくなった
昨年の「お一人様まで」は、レジで同じ人が並び直したらどうするのか、家族で来たらどうなるのかと、現場での確認が容易ではありませんでした。
今年のグループ1会計6個までは、数字の見え方がわかりやすくなったと考えられます。
多層防御と「人に読ませない」仕組み
今年の対策は何層にも重なっている点が、前回との違いです。
まず前回同様に転売はご遠慮くださいというお願いがあり、その上に1会計6個までの制限が乗ります。
さらに一部デリバリーの休止、カードの配布停止、公式アプリやフリマアプリ事業者への要請表明が加わっています。
お願い
転売はご遠慮くださいという注意喚起
個数制限
1会計6個まで
経路の制限
一部デリバリー休止・カード配布なし
外部への要請
フリマアプリ事業者などへの要請表明
前回は注意喚起やお願いが中心でしたが、今年は多層防御として設計を書き換えています。
もう一つのポイントは、人の心を読ませない仕組みです。
レジのクルーが、この人はファンなのか転売目的なのかを見極めるのは難しく、松田さん自身も転売目的と思われる可能性があると話しています。
大人が買うこと自体は悪くありません。だからこそ、購入個数や回数、経路をわかるようにして、判断を人の勘に頼らず仕組みで動かしている点が面白いところだと言います。
またこの6個制限は、一部のお客様にこれ以上は売れませんと伝える仕組みでもあります。お客様第一とは、目の前のすべての要求を受け入れることではないと松田さんは指摘します。
再発防止で終わらせず、資産化する
今日一番伝えたかったことは、再発防止で終わらせてはいけないという点です。
今回の学びをポケモンカードの対策としてだけ残すと、個別対応で終わってしまいます。
今後もちいかわなど人気キャラクターとのコラボで同じ問題が起きる可能性があります。共通パターンを取り出せれば、別の限定商品でも同じ失敗を防げます。
似た失敗まで防げるようになると、仕組み化のさらに上、資産化になると松田さんは説明します。
資産化の流れは、まず事実の言語化から始まります。犯人探しではなく、起きた問題を事実として言葉にします。
次にマニュアル化やチェックリスト化、販売ルールの変更など、対策を仕組みに変えます。
さらに一店舗だけでなく全店舗へ横展開し、うまくいったやり方の原理原則を取り出して資産へ昇華していきます。
結果はこれから、注目したい理由
ここまでの対策は発表されたばかりで、結果はまだわかりません。収録は8月6日で、ハッピーセットは翌日からの発売だと松田さんは話しています。
発表したことと、それが実際に機能することはまた別です。今回の対策の結果がどうなるかを、一経営者として、仕組み化の専門家として注目したいと述べています。
うまくいけば人気キャラクターの転売対策やオペレーションが仕組み化されて解決に向かい、課題が出れば次にどう生かすかも見どころになります。
昨年の騒動を店舗レベルの努力だけでなく、本社が仕組みにして解決に動く姿勢を、松田さんは「さすがマクドナルド」だと評価しています。
問題が起きたことを仕組みにして解決していくのは、さすがマクドナルドさんだなと思っております。
松田さん自身もハッピーセットもポケモンも好きで、実際に買って応援したいと話しつつ、結果は終わってから答え合わせをしたいとしています。
まとめ
売れたのに謝罪したマクドナルドの事例から、成功は売上だけでなく目的の実現で測ること、ルールは作るだけでなく機能させること、そして失敗を再発防止で終わらせず資産化することの大切さが語られました。
- 成功か失敗かは売上だけでなく、本来の目的が実現できたかで判断する。
- ルールを作ることと、そのルールが機能することは別問題である。
- お願いだけでなく、個数制限・経路制限など多層で防御し、判断を人の勘に頼らせない。
- 学びを個別対応で終わらせず、言語化・仕組み化・横展開・資産化の流れで残す。
- 対策は発表段階であり、実際に機能したかは結果を見て答え合わせする姿勢が重要。
