東京にわさびがあると知られていない現実
番組はわさびブラザーズの兄・角井仁志、モモ、そしてわさびのたっちゃんの3人でお届けする回です。
角井さんが最初に切り出したのは、東京にわさびがあること自体がほとんど知られていないという話でした。
俺もキッチンカーとかやってるけど、あんまり知られてないよね。
これわさびどこのですか、静岡ですかとか言われるもんね。
わさびのツアーでは1日1組でわさび田を案内し、奥多摩の歴史から全身でわさび田を感じてもらう体験を提供しているといいます。
こう200年以上前って俺は言ってる、今のところ。いつ作られたかわかんないからね。
前日にはサンフランシスコから訪れた客が早口で次々と質問を投げかけ、大いに喜んでいたそうです。海外からの関心もうかがえる場面でした。
そもそもわさびって何?基礎の基礎
角井さん自身もモモさんも、わさびに関わる前はわさびを食べたことすらなかったといいます。モモさんは今もわさびは少し苦手だと打ち明けます。
なんならわさび苦手。今もちょっと苦手かも。
生わさびはね、辛さコントロールできるからね。ちょっと辛すぎたら置いとけばいいから。
一方で角井さんやたっちゃんはわさびを大量に食べてしまうため、辛さの基準にはならないと笑い合います。
ここで基礎の基礎を語ってもらうため、専門家のわさびのたっちゃんが登場します。
奥多摩は水わさび生産量全国3位
たっちゃんによれば、奥多摩のわさびは殿様への献上や江戸の食文化を支えてきた歴史があるといいます。
ここで角井さんが「水わさび」とは何かをたずねます。
僕らが育ててる水のわさびは、水がないと、みんなが知ってるチューブのパッケージにもなってる芋の部分ができないんです。
農家はわさびのすりおろす部分を「芋」と呼ぶそうで、角井さんも最初は違和感があったと振り返ります。
わさびに水が必要な理由について、たっちゃんは自らを傷つける成分と関係があると説明します。
自分を傷つけてて大きくなれないよって。育つことが水がないとできない。
角井さんはこれを「自家中毒っぽい」と表現し、周囲の雑草の成長を抑える成分との関連にも話が及びました。
雑草も生えにくくさせてくれたりとか、ただ個性豊かな人は共存してしまったりもします。
わさびの生態と種類
わさびの科目はアブラナ科で、クレソンや大根、キャベツなどが仲間にあたるといいます。
同じアブラナ科の野菜
アブラナ科の代表的な野菜
これもアブラナ科の仲間
わさびは日本原産がベースですが、海外にも育っている国があるといいます。ニュージーランドにも昔わさびを持って行った記録が文献に残っているとモモさんが補足します。
世界各国で育てているような情報はあるけど、日本のわさびが一番美味しくてほしいよね。
種類については、角井さんがテレビで見た長野のわさび農家の話をもとに600種類と切り出し、たっちゃんが正解だと応じます。
今も品種改良してるんで、おそらく600の上あるかもしれないし、ちゃんと数えていったらどのぐらいか多分わからないっていうのが現状かなと思います。
味の違いについて、たっちゃんは同じ品種でも条件次第で大きく変わると語ります。
同じ品種でも右と左でも味変わりますし、上と下でも味が違う。さらに沢が違ったら味が違う。
台風や温暖化が農家に突きつける現実
奥多摩のわさびの生産量は、2019年の台風19号の影響もあり減っているといいます。
温暖化の影響も無視できず、静岡や長野といった有名産地でもわさびがダメになったという声を聞くと角井さんは話します。奥多摩も年々暑くなっているようです。
わさび田は水を引くために沢の近くにあるため、局地的な大雨による鉄砲水にも見舞われます。
何年かに一回、鉄砲水、今だと局地的な雨、予期せぬ大雨がやってきてしまうんですよ。
栽培期間と2つの育て方
わさびは植えてから出荷まで、品種によって1年半から3年ほどかかるといいます。気の遠くなるような栽培期間です。
育て方には大きく2つの方法があると、たっちゃんが説明します。番組が撮影されているツアーで使う場所は湧水を利用しているそうです。
湧き出る水を利用する方法。環境は抜群に良いが、水量が多く取れる場所は数少ない
上流から水を引き、ダムのように位置エネルギーを利用する方法。9割以上を占め、大きな畑に向く
湧水で、しかも景色が良い場所は本当に少なく、ツアーで訪れる人も感動すると2人は口をそろえます。
上流から水を引っ張っていって、かけ水、イメージはダムと一緒で、位置エネルギーを利用した栽培方法が9割以上。
角井さんは、わさびは農薬や肥料をほとんど使わずに育てているため、本来の味がしそうだと語ります。
わさびって本当に奥深くて深くて広くて、僕らもまだまだわさび農家としてはこれからなもんで、ちょっとずつ寄り添えていけたらいいかなって。情熱あります。
まとめ
東京・奥多摩には江戸の食文化を支えた歴史あるわさびがあり、水わさびの生産量は全国3位。しかし台風や温暖化という厳しい自然環境の中、農家がわさびに情熱を注いでいる姿が伝わる回でした。
- 奥多摩は殿様への献上や江戸の食文化を支えた歴史を持ち、水わさび生産量は全国3位
- わさびは水がないと芋の部分が育たず、アブラナ科でクレソンや大根が仲間
- 品種は600種類ともいわれ、育つ場所や季節によって味が無限に変わる
- 2019年の台風19号や温暖化で奥多摩の生産量は減少している
- 栽培期間は1年半から3年、育て方は湧水とかけ水の2つが中心
