増えている「EQアナリストになりたい」という相談
番組冒頭、河原さんから最近寄せられている相談の話が持ち出されます。Potageのフィードバックを受けた方や、すでにEQPIPotageが取り扱っているEQ(感情知能)検査。個人の感情傾向を複数の因子で可視化するアセスメントツールを扱っている方から、アナリストとしての学び方や上達方法の問い合わせが増えているといいます。
「EQのアナリストになりたいんですけど、どうしたらいいですか?」っていう相談が増えてるんですよ。
廣橋さんのもとにも、EQに興味を持つ人やPotageのやり方に関心を寄せる人からの声が届いているそうです。そこから話題は、Potageの分析が他とどう違うのかという問いへと自然に移っていきます。
Potage流EQ分析の特徴はどこにあるのか
河原さんはまず、Potageのアナリストの分析視点は「マニアックに深い」と表現します。EQPIのシートに書かれた数字をそのまま読むのではなく、統計的に解析を重ね、複数のアナリストがレビューをしながらレポートを組み立てていく流れがあるからです。
うちの場合、そのシートの数字をもとに、さらに統計的に解析をして、それを元にこの人はこういう人なんじゃないかみたいなところの分析をかけ、それを何人もがレビューをして、時々この人はどうなんだろうみたいなディスカッションをしながらレポートに起こしていく。
この一見手間のかかるプロセスこそが、レポートやフィードバックの解像度を高め、チームでの活用や個人のEQ開発への応用にもつながっていると河原さんは語ります。
廣橋さんは、一人分の分析レポートに最低でも二人のアナリストの目が入り、場合によっては朝の定例会議で四人目の視点が加わることもあると補足します。がっつり分析することがPotageのEQの特色になっているといいます。
EQPIシート受領
株式会社EQから届く検査結果のシートを受け取る
統計的な解析
数字をもとにさらに解析をかけて仮説を立てる
複数アナリストのレビュー
二人以上、時に朝の定例で三〜四人の目が入る
レポート化
ディスカッションを経て文章として編集する
EQが「日常の思考」になっているチーム
河原さんが指摘するのは、PotageのメンバーがふだんからEQの話を自然にしているという点です。社内の出来事に対しても「あの人のEQはこうだから」と語り合い、お互いのギャップを理解する素材としてEQを使っているといいます。
日常的にEQの話するじゃないですか。うちのメンバー。(中略)そのお互いのギャップの手がかりを知るために、バイアスというよりは、なんかそこを考える素材として使うみたいなところを当たり前にやっている。
その中でも河原さんが「EQを最も体現している人」として挙げたのが廣橋さんでした。社内で誰かに尋ねると、みんな自分ではなく廣橋さんの名前を挙げるといいます。
なんかよく社内で、「ポタージュのEQを体現する人は誰か」みたいなことをみんなに聞いた時に、みんな「僕」って答えずに「ヒカルさん」って答えるんですよ。
廣橋さんは、コーチングやキャリアカウンセリング個人の職業選択や働き方の悩みに寄り添い、相談者自身が納得できる進路を見出すのを支援する対話的な支援手法など複数の専門性を持つアナリストが多い中で、自分はEQが占める割合が大きく、「EQでお客さんと向き合える」タイプだと自己分析しました。
なぜヒカルさんは「EQと生活が地続き」になれるのか
河原さんは、廣橋さんのEQが仕事とプライベートで分かれておらず、生活や生き方に地続きになっている点に興味を寄せます。自分自身は仕事とプライベートでEQの発揮のされ方が違うと感じているそうです。
僕は結構分かれてるんですよね。仕事の面とプライベートの面見たところ、多分EQの発揮のされ方も全然違うぐらいの感じなんですよね。
廣橋さんは、EQはビジネススキルとして紹介されることが多い一方で、自分は家族や友人との関係、自分の感情のコントロールも含めた広い日常のコミュニケーションのなかにEQを置いていると話します。
そのルーツにあるのは、幼い頃からの「自問自答」の習慣でした。なぜ落ち込むのか、なぜイライラするのか、なぜうまく意見を言えないのか。ずっと考え続けてきたプロセスが、EQでいうところの自己理解と切り替えを、自然に行うベースになっていたのかもしれないと振り返ります。
昔からこう、自分ってなんでこう考えるんだろうみたいな。なんで落ち込んじゃうんだろう、こんなことでみたいな。のをずっと考えてたので。
そこにEQという物差しが加わったことで、これまで「なんでだろう」で終わっていた問いに、客観的な言葉で説明がつくようになったといいます。
「あ、なんでだろう、なんで落ち込むんだろう。あ、この誠実っていう因子が高いから、こういう場面で怒っちゃったんだね、私って」みたいな。
自分を説明できるようになると、周囲の人の言動にも興味が向き、「この人はなぜこう反応するのか」を知りたくなっていった、と廣橋さんは語ります。
いいEQアナリストの条件とは
話題は「いいアナリストになるための秘訣」に移ります。廣橋さんはまず、自分だけでEQを活かせるのではなく、相手のためにEQを一緒に活用できる状態をつくれる人が大事だと答えます。
なんか相手が求めていることでしっかり課題を見極めて、で、この人にとって本当に必要なEQって何だろうとか、本当に必要な変化って何だろうみたいなのを見極めて、そこに一緒に変化を促してあげれるみたいな。
そのために欠かせないのが「決めつけでも、俯瞰で眺めているだけでもない」観察の姿勢で、寄り添いと客観のバランスが必要になると廣橋さんは表現しました。
河原さんもそこに強く同意しつつ、「観察して仮説立てできるかどうか」がアナリストの上達のカギだと続けます。難しさを感じる人ほど、データから「答え」を出しにいってしまう傾向があるといいます。
なんか同じデータを見てるんだけど、「あ、この人はこうだからこうだね、そうでしょ?」みたいな。なんかクイズの答えを出しちゃうみたいな、そういう感覚で分析すると、フィードバックが答え合わせになっちゃうんですよね。
答え合わせ型のフィードバックは、当てる側は気持ちよくても、受け取る側にとっては「あなたが思っている私を披露されただけ」で終わってしまうリスクがある、と河原さんは指摘します。
データから「あなたはこういう人でしょ?」と当てにいく。当たれば爽快だが、受け手にとっては答え合わせで終わりやすい
「こういう傾向が見えますが、心当たりは?」と差し出す。受け手が違和感やズレを口にしやすく、一緒に探索する時間になる
仮説として差し出し、一緒に探索する
河原さんが理想として語るのは、答えを当てにいくのではなく、仮説として差し出しながら相手と一緒に本人の課題を探索するスタイルです。データから読み取れる傾向をあくまで確率の話として提示し、そこに問いかけを重ねていきます。
こういうデータで出てるんですが、それを見た時に、「じゃあなんかパッと思い浮かぶ自分の課題はありますか?」とか、そういう問いかけをしながら、「あ、私にとっての本質的な課題ってここだったんだ」っていう気づきを提供できるみたいな。
廣橋さんも、断定で当てられるのと仮説として差し出されるのとでは、受け手の解釈も反応もまったく違うと同意します。仮説なら「実は少しずれていて」と言いやすく、お客さんの思考も回りやすくなるといいます。
廣橋さんは実際のフィードバックの現場でも、事前に立てた仮説どおりにいかない場面が多いと話します。話してみると別のより優先度の高い課題が見えることもあり、仮説はあくまで対話のための入口として扱っているそうです。
データと人、定量と定性の両方を見る
河原さんは、EQPIのような精度の高い検査を手にしたときに、アナリスト側が「全知全能の武器を持った」と錯覚するリスクを指摘します。だからこそ、検査を武器として振りかざすのではなく、材料として扱う姿勢が大事だと語ります。
そのうえで、生身の人間と向き合う以上、その人が今どういうあり様で存在しているのかにきちんと時間を使って向き合うという、シンプルだけれど難しい仕事がアナリストの本質だと河原さんはまとめます。
ほんとデータと人と両方見るみたいな。ね、定量と定性両方見るみたいな。ほんとでもどっちも大事だよねっていうのは本当にそうだなって、聞いてて思いました。
改めて言葉にすることで見えた信念
河原さんは、アナリストとして大事にしていることは意外と社内でも言葉にする機会が少ないと振り返り、この対話でそれがくっきり浮かび上がった、といい時間だったと感想を述べます。
廣橋さんも同じ感想を口にし、心の底にあった信念を改めて言葉にできたことで、これからのお客さん対応やEQ開発セッションをより良い形で実施していけそうだと語りました。
ゆくゆくはね、いろんなアナリスト仲間が増えてって、一緒にこういう話ができるようになるといいなって思いますね。
番組の締めくくりでは、河原さんは自分の役割はあくまでディレクターだとしつつ、居心地の良さから毎回のように出てしまうかもしれないと笑いを誘い、次回への期待をにじませて回を閉じました。
まとめ
今回のカエルバ★トークは、EQアナリストになりたいという相談の増加を入り口に、Potageが大切にしている分析姿勢を言葉にする回になりました。データの解像度と、相手を仮説で見る姿勢、そしてEQを日常の思考に落とし込む習慣が、変化の伴走者としてのアナリストを支えていることが浮かび上がりました。
- PotageのEQ分析はEQPIの数値をさらに統計的に解析し、複数のアナリストがレビューする多層プロセスになっている
- メンバーが日常的にEQで語り合う文化が、フィードバックの解像度と応用力を支えている
- 廣橋さんのように「なぜ自分はこう感じるのか」を考え続ける習慣が、EQと生活を地続きにする素地になっている
- いいアナリストの条件は、答えを当てにいかず、観察から仮説を立てて相手と一緒に課題を探索できること
- データに溺れず、定量と定性、データと人の両方に向き合う姿勢がPotage流EQアナリストの信念として確認された