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【福田先生からの補足】
25:40頃からの「色を見ること・区別すること・分類すること」は異なるタスクであるという話と、26:55頃からの「言語は意識と無意識の境界線をずらす」という話について、少し補足します。
私たちが色を見るとき、脳ではさまざまな情報処理が行われています。例えば、色の違いを知覚することと、その情報をもとに「これは何色か」を判断することは、異なる段階の処理です。前者は比較的自動的・無意識的に行われる低次処理で、後者にはそれを統合する高次処理であり、より意識的な判断が関わります。
ここで面白いのは、言語がこうした処理のどの段階に影響するのかを調べることで、人間の認知の仕組みについて理解を深められるということです。例えば、言語によって色の区別のしやすさが変わるという現象があったとき、それが色を知覚する段階で生じているのか、それとも知覚した情報をもとに判断する段階で生じているのかによって、認知の仕組みについて異なることがわかります。動画中の「意識と無意識の境界線」という表現は、このように、言語の影響を手がかりにして、意識的・無意識的な認知処理の働きを探ることができる、という趣旨です。なお、言語相対性がいつでも意識的な認知処理にのみ現れるということはありません。
また、動画中では「言語が意識的」という表現も使われていますが、これはヒトが文法などの仕組みを意識して言語を使用しているという意味ではありません。むしろ、私たちは普段、言語の複雑な仕組みを意識することなく言葉を使っていますが、言語が認知一般に影響する際に意識的な部分への影響がよく見られるという意味です。この点については少し誤解を招く表現だったと思います。
【その他補足】
01:20 マンセルカラーシステムは本来色相、明度、彩度の3属性に基づくシステム図なので、この二次元図では彩度が表現されていません。イメージ図としてご覧ください
福田純也先生の『外国語学習に潜む意識と無意識 新装改訂版』を紹介しましたが、今回に近い話は来年出版予定のこちらのがより詳しく書いてあるとのことです!
https://osf.io/preprints/psyarxiv/pb5wv_v3
【概要】
白と黒しか色の語彙を持たない言語の話者には、世界はどう見える?サピア=ウォーフ仮説を検証した実験から、言語が思考に与える影響がどの程度のものかを見ていきます。
【目次】
00:00 言語はどのくらい思考に影響するか
00:44 サピア=ウォーフ仮説の検証実験
04:54 赤と朱色、名前の憶えやすさが違う?
13:43 言語ラベルを剥がす追試実験
17:55「黄信号」は何色?
20:33 色の範囲も色々
23:22 色を事前に聞かせると
32:58 言語で小さい影響は出る
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