アメリカ帰りに待っていた「青切符」の日本
この回は、家本さんがアメリカ出張から帰ってきた話から始まります。ニューヨーク、テキサスのオースティン、シカゴを回ってきたそうです。
現地では自転車の走る環境が整っていて、どこを走ればいいか明確にわかり、車としっかり分離されていたと話します。
自転車の走る環境が本当に整ってて、なんと走りやすいんだ、それぞれと。
気持ちよく帰国したところで待っていたのが、日本の青切符制度でした。岡田さんは、むしろ締め付けが始まったと受け止めます。
むしろギュッとね、こう締め付けが始まってしまったと。
前回に続いて青切符を取り上げつつ、今回はより深く掘り下げていくことになりました。
「反則金」と「罰金」はまったく別物
家本さんが気にしていたのは、報道でお金の話ばかりが取り上げられたことです。本来はルールの話だろうと感じていたと言います。
その上で、SNSなどでは反則金と罰金が混同されているケースがあると指摘します。岡田さん自身も、その違いは怪しいかもしれないと正直に打ち明けます。
家本さんの説明によれば、罰金は刑事の手続きです。起訴され、裁判を経て、法にのっとって支払うものだと言います。
一方で今回の反則金は、自動車と同じく行政上の手続きで、これを払えば裁判にはせず終わりにするという仕組みだと整理します。
これまでも自転車で悪質な違反があれば裁判になり、有罪が確定すれば罰金となって前科がつくケースは実際にありました。
もう犯罪ってことに。
家本さんは、その前科の話と、今回の反則金はまったく別物だと強調します。自動車で速度違反や一時不停止を取られても前科にはならないのと同じ理屈だと説明します。
行政手続き。支払えば裁判にならず、前科もつかない。自動車の速度違反などと同じ扱い
刑事手続き。起訴・裁判を経て有罪が確定すると科され、前科がつく
車道に出てきたママチャリ、増えたヘルメット
家本さんは、この1か月で東京の街を見て、車道を走る自転車が増えたと感じています。岡田さんも同じ実感を持っています。
岡田さんは、制度が変わってから道路環境がどう変わったかを試そうと、ヘルメットにカメラを付けて秋葉原周辺を走ってみたそうです。
今までは歩道を走っていたであろう電チャリだったりとか、ママチャリっていうのがもうバンバン出てきてるから、すごい環境が変わったなって印象がめちゃめちゃあります。
家本さんは、この変化にはっとさせられたと言います。全員ではないものの、行動が変わった人が確かにいると受け止めます。
やっぱり人はこうやって行動変わるんだなと。
さらにヘルメットをかぶる人も増えたと感じています。中高生もかぶるようになったと岡田さんは補足します。
家本さんによれば、収録前日にヘルメットメーカーから、この時期にかなりの数が売れているという情報があったそうです。ヘルメットの努力義務化と青切符は時期が1年半ほどずれているにもかかわらず、この青切符のタイミングで売れているといいます。
お巡りさんも手探り、5月の自転車月間に注目
家本さんは、警察官の走り方も気になると言います。この4月より少し前から、警察官はかなり気をつけて走っている印象があると話します。
警視庁のロゴが入った白いヘルメットをかぶり、きちんと走っているものの、走っていい場所かどうか判断に迷う場面も見かけるといいます。
一時不停止や無灯火のように明らかなものは笛を吹けても、青切符の対象すべてを思い切って取り締まれるかは、まだ手探りだろうと見ています。
お巡りさんも自信を持って、不定詞とか無灯火とか明らかに笛を吹けるものは多分自信を持って笛吹かれると思うんだけれど、
本当に今回どこで青切符の対象になるものを全部思い切って笛を吹けるのかっていうのが、お巡りさん頑張れと。
家本さんは、収録後に控える5月の自転車月間あたりで何らかの動きがあるのではないかと予想します。
一方で懸念もあります。家本さんの妻が指摘したのは、狭い道で自転車を走らせていると後ろから車に抜かれることへの不安です。
車が自転車を追い抜く際のルールはある程度確立されたものの、一般の自動車の運転がそれほど変わった実感はまだないと話します。だからこそ、取り締まりの流れがどうなるかに注目したいと言います。
自転車ルール講習はビジネスになるか
話は取り締まりから、青切符をめぐる詐欺事件へと移ります。家本さんは、そんな詐欺まで考えるのかと驚いたと言います。
お金の話でみんながビクビクしてしまう部分はあるものの、今こそルールを見直す機会にしたいと家本さんは語ります。
ここで、前日に届いたという知らせが紹介されます。北海道に住む知り合いの子どもが、クララグループの子ども用自転車ウーモキッズに乗って小学校へ通えるようになったという話です。
その学校では、自転車通学をするには安全講習を受けなければならないそうです。東京では小学校の自転車通学自体があまりないため、北海道らしいと家本さんは受け止めます。
こうした講習を一度経験することで、子どもが最低限の交通ルールに気づけるのではないかと考え、家本さんは全国で安全講習を受託できないかと発想を広げます。
さすがさすがやっぱ実業家は目の付け所が。
岡田さんは、乗れない子が乗れるようになるための講習の例を挙げつつ、もっとカジュアルに楽しく学べる場があれば、今のタイミングで重宝されるのではないかと応じます。
家本さんも、難しい話をされて自転車に乗るのが嫌になってしまってはマイナスだと同意します。
ルールを厳しくしすぎると起きること
家本さんは、ルールを厳しくしすぎることで逆にマイナスが生じる場面があると指摘します。
例として挙げるのが、シェアサイクルでヘルメットを義務化した国です。人が外に出なくなり、かえって健康にとってマイナスだったという調査もあると紹介します。
これはヘルメットをつけなくていいという話ではなく、政策のプラスとマイナスをきちんと考えることが重要だという主張です。だからこそ、半年後や1年後に人の行動がどう変わるかに注目したいと語ります。
岡田さんは、SNS上で見られる声を紹介します。趣味で乗っていた人が億劫になってやめたり、乗る機会が減ったりしているといいます。
日常の足としてママチャリに乗っていた人が、スーパーに行くのも車になってしまったという声もあると付け加えます。
ヘルメットは売れてもライトは売れていない
家本さんは、リスナーの業界関係者にも聞いてみたいこととして、自社の数字を挙げます。バイチャリやウィモは4月に入っても数字が変わらず、例年通り伸びているそうです。
一方で、ガシの自転車用ライトは季節性である程度売れやすい時期ではあるものの、ヘルメットのように爆売れはしていないと言います。
青切符のタイミングでかなりの数が売れた。努力義務化とは時期がずれているにもかかわらず動いた
3〜4月は季節性で売れやすいが、爆売れとまではいかず。無灯火の自転車も相変わらず見かける
家本さんは、前夜も無灯火で走る自転車を見かけたと話し、ライトの普及がまだ進んでいないことをうかがわせます。
無灯火・逆走・不停止から重点的に
家本さんは、取り締まりのあり方についても考えを述べます。事故を減らすという目的に立てば、人がハマりそうな場所で待ち構えるのではなく、無灯火対策こそ頑張ってほしいと言います。
暗闇での衝突は最も避けたい事故だからこそ、優先すべきだという考えです。
岡田さんは、取り締まりが安全のためではなく点数のために行われるメンタリティもあり得るのではないかと問いかけます。家本さんは、本当にあるかはわからないとしつつ、目的がずれる可能性は否定しません。
だからこそ、警察の方針がきちんと伝わることが大切だと家本さんは語ります。車の取り締まりでは重点箇所があらかじめ公開されるケースがある一方、自転車では検証も進んでいないと指摘します。
すべてを一度に取り締まるのは難しく、行動変容も簡単ではないため、不停止・逆走・無灯火といった重点キーワードから頑張ってほしいと言います。
家本さんは、乗る人を守って警察を非難する意図はないと明言します。むしろ現場の警察官も、急な変化についていくのは簡単ではないと理解を示します。
もし現場のお巡りさんが聞いてらっしゃるようだったら、そのお巡りさんにもエールを送りたいですね。
大きな目的は事故を減らし、安全を確保することだという点で、二人の認識は一致します。
シェアサイクルが道路整備費を生み出す街
最後の話題は、アメリカで見た自転車環境の違いです。家本さんは、ニューヨークやシカゴの走りやすさは完璧だったと振り返ります。
特に印象的だったのがシカゴのシェアサイクルの仕組みです。日本では公的な補助金が出るイメージですが、シカゴでは逆でした。
シェアサイクルの会社がシカゴ市にライセンス料を払っているというのです。台数あたりと利用回数あたりの料金を市に納める仕組みだと説明します。
しかもシカゴ市は、この財源を道路整備に充てると明確に位置づけているといいます。自転車の利用が道路整備の財源になる循環モデルに、家本さんは強く共感したと語ります。
行政が事業者に補助金を出す公設民営型。財源確保の発想にはつながりにくい
事業者が市にライセンス料を払い、市がそれを道路整備の財源に充てる
家本さんによれば、道路をつくる予算はつきやすくても、自転車のためとなると簡単には予算がつかないのが実情です。自治体も頑張っているが予算が限られると言います。
その財源を、自転車税のような目的税ではなく、うまく循環する形でつくれないかと家本さんは考えます。シェアサイクルがもっと関与すべきだと感じたと語ります。
岡田さんは、環境を変えるのは大きなプロジェクトでコストも仕組みも必要だとしつつ、自転車を楽しめる環境が少しずつ整うといいと締めくくります。
まとめ
青切符制度の開始から1か月、家本さんと岡田さんは反則金の話題に偏りがちな受け止めを整理しつつ、街と人の行動の変化、そして事故を減らす仕組みと道路整備の財源までを語りました。焦点はお金ではなく、ルールと安全にあります。
- 反則金は行政手続きで前科はつかず、刑事罰である罰金とはまったく別の制度
- 制度開始後、車道を走る自転車やヘルメット着用が増える一方、ライトの普及や車側の変化はまだ限定的
- ルールを厳しくしすぎると健康や利用にマイナスが出る場面もあり、政策のプラスマイナスを見極めることが重要
- 取り締まりは無灯火・逆走・不停止など事故に直結する違反から重点的に進めてほしいという提案
- シカゴではシェアサイクル事業者が市に払うライセンス料が道路整備の財源になっており、そうした循環モデルへの期待が語られた

