従業員が増えてきたら勤怠管理ソフトは必要か
今回届いたのは、従業員が増えてきたので勤怠管理ソフトの導入を考え始めた、というリスナーからの相談です。おすすめのソフトを知りたいという内容でした。
勤怠管理といえば、昔ながらのタイムカードをイメージする人が多いかもしれません。吉田さん自身も、アルバイト時代はタイムカードで出退勤を記録していたと話します。
一方で、最近はさまざまな打刻方法が登場しています。通勤で使うSuicaを端末にかざす方式や、スマホアプリで出勤ボタンを押す方式などです。
最近だといろんなものが出てきてて、通勤で使ってるSuicaを端末にかざせば出勤ってなるとか、スマホの中にアプリを入れて出勤って押せば出勤時間が記録されるものも出てきてるんですよ。
さらに、会社への出入り記録をそのまま出退勤時刻に使ったり、ゲートを通ると打刻される仕組みなど、本人が特別な操作をしなくても記録できるタイプもあると紹介されました。
なぜソフトでの勤怠管理が必要になるのか
そもそも給与計算は毎月行うもので、正しく計算するには「何時間働いたのか」を計測する必要があります。
そうですよね。まずそこからスタートですよね。
タイムカードでガチャンと記録するタイプは、一日一日、一人一人を手作業で集計しなければならないことが多いといいます。毎月同じ作業を繰り返すのは大変です。
そこで増えてきたのが、デジタルツールで労働時間を集計するクラウド勤怠管理ツールです。クラウド勤怠管理ツールインターネット経由で打刻・集計を行う勤怠管理サービス。手作業での集計を減らし、労働時間を自動でまとめられるのが特徴です。
ただし、その種類はとても多く、だからこそ「どれを選べばいいのか」で悩む人が多いと吉田さんは話します。
社労士おすすめの勤怠管理ソフトは
有名どころの例として、KingofTime、JobKan、ハーモス勤怠などの名前が挙げられました。多くの企業に導入されているソフトです。
そのうえで、吉田さんのおすすめははっきり一択だといいます。
ただし、これは「KingofTimeにしかない機能がある」という意味ではないと補足します。むしろ、そういう観点でソフトを選ぶべきではない、という立場です。
KingofTimeにしかないっていうのは探せばあると思うんですけど、私はそういう観点で勤怠ソフトを選ぶべきじゃないと思ってます。
機能比較にあまり意味がない理由
多くのリスナーは「KingofTimeはここが良い」「JobKanはここがダメ」といった機能比較を期待するかもしれません。しかし吉田さんは、その話にはあまり意味がないと考えています。
正直はっきり言います。賛否両論あるかもしれないですけど、その話してもあんまり意味ないと思います。
理由として挙げたのが、人には完璧な人がいないのと同じで、勤怠管理ソフトもすべてが完璧ではない、という点です。どのソフトにも良い部分と物足りない部分があります。
だからこそ、名前が挙がるようなKingofTimeやJobKanを選んでおけば、大失敗はしないだろうと話します。吉田さんの事務所ではKingofTimeの導入支援を多く手がけており、思い通りに設定できなかったことはほとんどないそうです。
ソフトに会社を合わせるという考え方
導入時に絶対に覚えてほしいこととして、吉田さんは中小企業に多い「ローカルルール」を挙げます。
例えば、特定の従業員は遅刻をカウントしない、社長に気に入られている人は遅刻しても許される、といった上場企業では考えられないような運用です。
こうした極端なローカルルールにまで合わせてソフトを選ぶと、導入は失敗すると指摘します。
勤怠管理ソフトは法律に適合するよう設計されているため、それに合わせていけば、会社の労務管理も自然と適正化されていくという考え方です。
自社のローカルルールにソフトを寄せる。極端な運用まで再現しようとして失敗しやすい。
法律に適合したソフトに運用を寄せる。労務管理が自然と適正化されていく。
その結果、気に入られた人だけ遅刻がノーカウント、といったルールがなくなっていけば、従業員から見ても「この会社はまともになってきた」と感じられます。適切な労働時間管理は、働き続けたいと思える環境づくりにもつながります。
思ってたけど言えなかったことを、機械側から言ってくれたりするわけですよね。従業員側から申告しなくても会社がクリーンになっていく、すごくいい面があるなと思います。
打刻方法の工夫で不正も防げる
打刻には自動で記録されるタイプもあり、そうすると打刻を操作するズルがしにくくなります。
例えば、上司に残業を知られたくないという理由で、打刻した後に働き続ける人もいるといいます。やる気は認められても、これは不正であり、会社側には未払い賃金が生まれるリスクにもなります。
クラウド勤怠ツールなら必ず解消できるわけではないものの、打刻方法を工夫することで不正を防ぎやすくなると説明します。その一例が、打刻地点のGPS記録です。
従来なら仕事終わりに会社へ電話を一本入れて業務終了、あるいは業務日報に「お客さん先から連絡した」と書いて済んでいたかもしれません。
GPS打刻だったら、実はそれがパチンコ屋だったとか。そういうのがバレますから。
本来は業務時間中に仕事をすべき場面での行動を防げるということです。従業員を悪く見ているように聞こえるかもしれませんが、不正ができない仕組みをつくることは、従業員自身のためでもあると吉田さんは話します。
まとめ
勤怠管理ソフト選びは、機能を細かく比較するより「会社の運用をソフトに合わせる」という考え方が大切だと語られた回でした。ローカルルールを再現しようとせず、法律に適合したソフトに寄せていくことで、労務管理は自然と整っていきます。
- 従業員が増えたら、正しい給与計算のためにも勤怠管理ソフトの導入が有効
- 吉田さんのおすすめはKingofTime。ただし「唯一の機能」ではなく導入しやすさが理由
- どのソフトも完璧ではないため、機能比較そのものにはあまり意味がない
- ローカルルールにソフトを合わせず、ソフトに会社を合わせると労務管理が適正化される
- GPS打刻など打刻方法の工夫で、未払い賃金や不正のリスクを減らせる
