社労士って結局、何をしてくれる人なのか
番組では毎回、現場で実際に発生している質問を1つ取り上げて解説します。今回のテーマは、知り合いの経営者から吉田さんが受けた質問です。
起業時に税理士とは顧問契約をしましたが、社労士とはまだ契約していません。社労士が何をしてくれる人なのかもわからず、考えるのをつい後回しにしています。社労士との顧問契約はどのフェーズで考えるべきですか?
吉田さんによると、社労士といっても得意分野や取扱業務はさまざまです。ONE HEARTの場合は、労務相談、社会保険手続きの代行、給与計算、就業規則を扱っています。
さらに、SmartHR人事・労務手続きをクラウド上で完結できる労務管理システム。入社手続きや年末調整などをオンラインで処理できる。やKing of Time、マネーフォワードクラウド給与マネーフォワードが提供する給与計算のクラウドサービス。給与計算や明細発行などを自動化できる。といったITツールの導入支援まで扱うのが、ONE HEARTの特色だといいます。
これらを社労士に依頼することで、社長は面倒な業務から解放され、本業に集中できると吉田さんは話します。
たとえば社会保険手続き1つでも、慣れない人がやると年金事務所への手続き方法を調べる必要があり、場合によっては間違った手続きをしてしまうリスクがあると指摘します。
社労士の最大の価値は「信頼できる相談相手」
吉田さんが一番伝えたいのは、業務代行そのものではなく、社長にとって信頼できる相談相手ができることだといいます。
会社経営者の悩みって2つあるんですね。一つがお金の悩みです。もう一つが人の悩みです。
この人に対する悩みはとても深く、経営者はいろいろな場面で人に悩むと吉田さんは言います。困ったときに、社長のことをよく理解している社労士が相談相手になることが、最大の価値だと話します。
なんか今、目からウロコがポロッと落ちたのが、そっか、社長さんも悩むんだと思って。
吉田さんは、社長は外から見ると元気で仕事に邁進しているイメージがあるが、決してそうではないと語ります。
気分が乗ってる時もあれば、そうじゃない時もあったり、傷つくこともありますし、悲しくなることもあるんです。
そういうときに相談相手が欲しいと経営者は思っているはずで、人の悩みの相談に乗れることが社労士の価値だとまとめます。
法律的に問題のない職場が会社を発展させる
安田さんは、法律的に問題のない働く環境の整備は、専門知識がある人でないとできないことだと受け止めます。
吉田さんは、残業代を払っていないような誰もが違反とわかるケースもあれば、表面的には残業代を払っていても計算が間違っているといったわかりにくいケースもあると説明します。
もしそうした状況で労働基準監督署労働条件や労働環境に関する法律が守られているかを監督する厚生労働省の出先機関。調査や是正指導を行う。の調査が入れば、法律違反だと指摘されます。それがスタッフに知れ渡ると、会社への信頼が失われ、退職につながる可能性があると話します。
今まで会社は何やってたのかという話になってしまいます。
安田さんは、今はネットも普及していて情報が流れるスピードも速いと指摘します。吉田さんも同意し、会社の労働環境の口コミサイトもあるほどだと補足します。
だからこそ、今の会社は労働環境に一層気を配らないと発展しにくい状況になっていると吉田さんは考えます。
顧問契約は「まず相談」から始めてよい
質問にあったように税理士とは契約済みですが、社労士との契約は必須なのでしょうか。
吉田さんは、社労士と顧問契約をしなくても法違反はないと明言します。ただし会社を発展させたいなら、どこかのタイミングで契約した方がいいと話します。
スタッフが増えると、トラブルや、前向きに活躍してもらうための評価制度など、悩みが出てきます。その相談相手が社労士になるためです。
安田さんは、まず相談してみて、相性が合うと感じたら顧問契約を結ぶという段階の踏み方もあると整理します。
最初は無料相談とか、スポットの仕事のご依頼で関係性ができて、そこから顧問契約を検討してくださるお客様もいらっしゃいます。
従業員5名が検討、10名で強く推奨の分岐点
では、どの段階で契約を考えるのがベストなのでしょうか。吉田さんは、5人以上になったら顧問契約を検討すべきだと考えています。
私は5人以上になったら社労士との顧問契約を検討するべきだと思ってます。
理由は、一般的に1人の上司に対する部下の最適人数が5人から10人程度と言われているためです。5人以上になると、誰が何をしているのか見切れなくなってくると話します。
さらに10人になると強く推奨するといいます。1つの事業所に10人のスタッフがいると、就業規則を作らなければならないためです。
番組タイトルの「従業員何人まで社労士なしで粘れるか」という問いには、吉田さんは答えるのが難しいと前置きします。1人でも完璧に法律を守りたい経営者は1人で顧問契約する場合もあるからです。
そのうえで無理やり答えを出すなら、5人以上の逆で4人未満であれば、トラブル時にも社長とスタッフの話し合いと信頼関係でなんとかなるかもしれないとしています。
後回しにすると社長が後で苦労する
安田さんは、契約をつい後回しにすると発生するリスクは何かを尋ねます。
吉田さんは、後回しにすると専門家の知識がない中でスタッフの労働条件が決まってしまうと指摘します。社長1人で決めた条件が法律に完璧に適合するとは限りません。
もし労働条件に法律違反があり、それが明るみに出れば、その事実だけでスタッフは会社に不信感を抱くといいます。
法律違反がなくても、よくあるのは起業時の初期メンバーだけを優遇してしまうケースです。人数が増えると特別扱いを続けられず、その人に労働条件を下げてもらう話になることがあります。
その際は原則としてスタッフの同意が必要で、同意を取るだけでなくきちんと説明しなければ、後で法律的なトラブルになると吉田さんは説明します。
早い段階で契約すればこうしたことを未然に防げますが、後回しにするほどスタッフが増え、説明の量も増えていきます。だからこそ5人雇用した段階で一度相談し、今の体制に問題がないか確認した方がいいと話します。
そういう風にしたいトップの気持ちもわかるけれども、感情だけで考えてしまうと、なかなか判断が難しいことがたくさんあって。専門家の相談なしに答えてしまうと、どこがセーフでどこがアウトなのかわからないですよね。
安田さんは、曖昧にしてはいけないことが自分がわかっている以外にもたくさんあるはずで、一度相談して頼ってみると安心する経営者は多いのではないかと締めくくります。
まとめ
第2回は、社労士が何をする人なのかという疑問から、契約を検討すべき従業員数の分岐点までを解説しました。業務代行だけでなく、社長にとって信頼できる相談相手になることが社労士の価値だと語られています。
- 社労士は労務相談、社会保険手続き、給与計算、就業規則などを扱い、ONE HEARTはITツール導入支援も行う
- 社労士の最大の価値は、お金と人の悩みを抱える社長にとって信頼できる相談相手になること
- 契約は無料相談やスポット依頼から始め、相性を見て顧問契約を検討する進め方もある
- 従業員5人以上で顧問契約を検討、10人以上は就業規則の作成義務もあり強く推奨
- 後回しにするほどスタッフの労働条件や説明の問題が積み重なり、社長が後で苦労する
