記事ができると、章ごとの要約と、聴きどころへ飛べる目次がここに並びます。いまは音声で聴けます。
【本日紹介の一冊】
『パチプロを哲学する――依存と偏見とケアをめぐる対話』(青弓社、小西真理子・編著)
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【エピソード概要】
「結局、仕事なんですよ」。—19年間パチンコで生計を立てた男性は、自分の暮らしをそう言い表しました。朝は開店前の行列に並び、週五日打ち、土日祝と盆暮れは休む。勤め人より勤勉なその生活を、彼は最後に手放します。理由は「勝てなくなったから」ではありませんでした。
今回取り上げるのは、哲学研究者・小西真理子さん編著の『パチプロを哲学する』。始まりは、依存問題を考えるイベントで起きた"事件"です。家族のパチンコによる借金に苦しんできた人たちの前で、ある元パチプロが語った経歴——パチンコで稼いだ金で、自分の借金を返した。会場は凍りつきました。すでにある説明では収まらない人が、現実に目の前にいる。じゃあ話を聞こう。この本はそこから始まっています。
番組では、勝てるようになった途端に打っていない時間が「損失」に見えてくる期待値の世界、その隣の席で「興味ないふりして打てば勝てる」と台に恋愛の駆け引きを挑むオカルト打法の世界、そして履歴書のいらない「打ち子」が誰かの最後の受け皿になっている現実までを行き来します。一方で、ギャンブル障害の父を持つ研究者の「理解はできても、認めることはできない」という言葉も、同じ場所に置くことを忘れません。
期待値を積む人、台と駆け引きする人、打ち子として働く人、家族を苦しめた人——全員が、同じパチンコ店に座っています。
「パチプロって何者だ」と読み始めたはずが、いつのまにか「じゃあ自分は、何と引き換えにお金をもらっているんだろう」と自問自答してしまう。パチプロに「ちゃんと働け」と言う前に、開いてほしい一冊です。
【チャプター】
(00:00) 今日は屋上から
(02:51) パチプロとはどんな人か
(04:28) 会場が凍りついた瞬間
(06:58) 勝てるようになると、つまらなくなる
(10:09) 台との恋の駆け引き
(12:40) 救いも苦しみも、消さない
(16:38) 同じ店に、全員いる
(18:21) ゆれるのは、こちらの「まとも」
(21:27) 結局、仕事なんですか?
【関連書籍】
『まともがゆれる―常識をやめる「スウィング」の実験』(朝日出版社、木ノ戸昌幸・著)
【出演】
プレゼンター:栗下 直也
ナビゲーター:首藤 淳哉
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【収録場所】
Hama House
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