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【本日紹介の一冊】
『アドルフ・ヒトラーのプロファイリング アメリカはどのように独裁者を描いたのか』
(北大路書房、アメリカ軍戦略情報局(OSS)監修・ウォルター・C・ランガー著、越智啓太、新岡陽光編訳・解説)
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今回ピックアップしたのは、1943年にアメリカのOSSが作成した機密文書を全訳した『アドルフ・ヒトラーのプロファイリング』です。後から振り返りたいところに付箋を貼りながら読むうち、本はすっかり付箋だらけになりました。生い立ちから徹底的に調べた報告書ですが、読みながら、ヒトラーを一言で表すなら「演説」だと思いました。なぜ彼の演説はあれほどの熱狂を生んだのでしょうか。
文章にすると長くて繰り返しも多い演説ですが、本書の分析では、聴衆の好意的な反応を受けた彼が自信を得て、演説を加速させていきます。聴衆もその姿に自分を重ねていく。首藤さんと話す中で、それはまるでライブのようだと感じました。編集の仕事でも、相手がすでに持っている欲望を後押しする本はベストセラーになりやすいと感じます。「言ってほしいこと」を言う力は身近なところにもあるのです。
この報告書の面白いところは、ヒトラー個人の特異さだけでなく、彼を生んだ社会にも目を向けている点です。私が心理学にはまったきっかけのエーリッヒ・フロム『悪について』を思い出しました。受け身で何も考えないことも悪だというフロムの考えは、ヒトラーが利用した心理と共通していると思います。独裁者だけを見ていては分からない、大衆の側の心理を考えました。
【チャプター】
(00:00) 「演説」から見えるヒトラーの精神病理
(01:22) ヒトラーの「演説」から分かる悪について
(06:30) ヒトラーの演説は、推しのライブのよう
(13:13) 大衆は「支配されたい」
(19:33) 「覚醒するヒトラー」エンディング・次回予告・出演
【関連書籍】
『悪について』(エーリッヒ・フロム、ちくま学芸文庫)https://link.amazon/B02Bcay89
【出演】
プレゼンター :中野 亜海
ナビゲーター :首藤 淳哉
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