顔出しなしの動画配信で、一番大事なのは何か?
DJ リッキーさんは冒頭で、顔出しなしでも簡単にビデオポッドキャストを始められるようになっていると話します。対象は、顔バレは避けたいけれど、YouTubeやSpotify for Creatorsで動画も配信しておきたいと考えている人です。
DJ リッキーさんが想定しているのは、音声だけで勝負するのではなく、YouTubeとしても見た目のクオリティをある程度仕上げておきたい人です。そのための方法を、この回で具体的に紹介しています。
ただし、DJ リッキーさんが最初に強調したのは映像の話ではありません。顔出しや動画といったビジュアルに意識が向きがちなところで、何よりも大事なのは音声をしっかり録ることだと伝えています。
まずはね、音声しっかり取ってください。これ(音声)がないと、どんなにいいコンテンツであったとしても、聞いてくれない、見てくれないっていうところにつながっちゃいます。
DJ リッキーさんにとって、動画の品質より先に確保すべきなのが音声です。この考え方は、このあと紹介する海外の分析とも重なっていきます。
人気番組の分析から見えた「土台は3つだけ」
DJ リッキーさんが紹介したのは、収録サービスのRiverside ── オンライン収録サービス。遠隔地の相手とも高音質・高画質で録れることで知られ、近年は動画ポッドキャスト向けの機能や発信にも力を入れていますがYouTubeで公開していた分析です。Riversideはアメリカの人気ビデオポッドキャスト8番組を採点・評価し、ビデオポッドキャストの土台は3つだけだとまとめていました。
1つ目は照明です。強いライトを当てる必要はなく、柔らかく、それでいて立体的に見えることがポイントとされています。
2つ目は音で、どこで録っても崩れないことが求められます。DJ リッキーさんは、マイクから外れてしまったり、映像を意識しすぎて音が割れたり、逆に小さすぎたりする失敗を例に挙げました。
3つ目は空間で、その番組らしい部屋であることです。言葉より先に、どんな会話をする番組なのかを伝える役割があるとされ、有名人のような大きなスタジオは要らないと紹介されています。
| 要素 | 目指す状態 | ポイント |
|---|---|---|
| 照明 | 柔らかく、立体的に | 強いライトを当てなくてよい |
| 音 | どこで録っても崩れない | 音割れや音量不足、マイク外れを防ぐ |
| 空間 | その番組らしい部屋 | 大きなスタジオは不要 |
この3つを受けてDJ リッキーさんは、顔出しなしの人も普通の自分の部屋にカメラを仕込めばよく、それ以上に音声をきちんと仕込んでほしいと繰り返しました。顔出しの工夫に気を取られる前に、音声が録れているかを確認してほしいという呼びかけです。
カメラは何台必要?古いiPhoneで組む3カメ
顔出しなしの場合にカメラを何台入れればよいかについて、DJ リッキーさんはRiversideの中で語られていた目安を紹介します。カメラは寄りが2台、引きが1台あれば大丈夫だという話です。
DJ リッキーさんによれば、カメラといっても業務用の高価な機材である必要はなく、普通のiPhoneで問題ありません。機種変更で使わなくなったiPhone 12や13、Androidのスマートフォンを2カメ、3カメに回し、引きの1台をメインに置く構成で十分だといいます。
iPhone、今だったら12とか13とか使ってたんだけど、もう使わないんだよねみたいなね、葬ったiPhoneとか、Androidのスマートフォンないですか?
DJ リッキーさん自身の収録では、左上に1カメ、右側にWebカメラのInsta360 Link 2 ── Insta360のWebカメラ。被写体を自動で追いかける機能などを備え、配信や会議向けに使われています、そして古いiPhone 12の3カメを置き、あとでミックスしています。ほとんどをiPhoneでまかなっている構成です。
| カメラ | 機材 | 位置 |
|---|---|---|
| 1カメ | 1カメの機材 | 左上 |
| 2カメ | Insta360 Link 2(Webカメラ) | 右側 |
| 3カメ | iPhone 12(古いiPhone) | 3カメの位置 |
顔出しなしの番組では、紹介したいWebページや動画を見せる場面も多くなります。DJ リッキーさんは、画面収録を混ぜれば問題なく、構成としては画面収録だけで話し続ける番組もありうると話しています。
今回はYouTubeらしく見せるためにカメラ2〜3台と引きの絵を入れていますが、1人で語るだけなら引きの絵は不要で、カメラ1台、多くても2台の切り替えで十分できるだろうとしています。
顔を隠すのはAI。アイコンが口パクする動画
顔出しなしでどう見せるかについて、DJ リッキーさんは着ぐるみをかぶるような古風な方法もありうるとしたうえで、今はAIが全部やってくれると話します。動画を作って編集し、見せたくない部分を隠すこともできなくはないといいます。
今だったらですね、AIで全部、全部やってくれます。うん。またAIの話か。ごめんなさい。AIの話です。
DJ リッキーさんは、前日にYouTubeへ上げた動画の改良版を番組内で再生しました。自分のスタジオでワンオペのまま3台のカメラを入れて収録したもので、AIに相談しながら何時間もかけて作り上げたといいます。
完成した動画は、DJ リッキーさんいわく、とある番組Pivot ── 日本のビジネス系動画メディア。出演者のトークに図解やテロップを重ねる編集スタイルで知られます風の仕上がりです。顔の部分にはDJ RICKYのアイコンが重なり、口だけがパクパク動く仕組みになっています。
DJ リッキーさんの説明では、左右に顔を向けるとアイコンもそれに合わせて動くはずで、顔出しなしでも問題なく使えそうだとしています。
動画にはパーソナリティ紹介の挿絵のほか、ワンオペ3カメの仕組みや収録回路の図解、Audio Hijack ── Rogue Amoebaが開発するMac向けの録音アプリ。アプリやマイクなど複数の音源を自由に組み合わせて収録できますでの収録方法を見せる画面収録も入っています。ただし、この時点では字幕はまだうまく出ていなかったと話しています。
Claude Codeに丸投げすると、編集は朝の30分
編集の方法について、DJ リッキーさんはClaude Code ── Anthropicが提供するAIのコーディングツール。ターミナル上でファイルの操作やプログラムの実行を任せられ、動画編集の自動化などにも使われていますに任せていると明かします。収録したデータを1つのフォルダにまとめて渡し、「やっといて」と頼むだけだといいます。
フォルダに入れるのは、カメラ映像3本と画面収録1本、そして普段どおりラウドネスなどを調整した音声ファイルです。DJ リッキーさんは、結構簡単にやれると話しています。
編集に2〜3時間はかかるのでは、という疑問に対しては、前日に試した実感として朝の30分あれば終わると答えています。この30分は、フォルダを渡して編集を頼み、確認してアップするまでの時間で、収録時間は含まれていません。
ただし、その30分の間はMacが熱くなるといいます。DJ リッキーさんは大黒摩季さんの曲にかけて「もっと熱くなれ」状態だと笑い、地元のオレンジカウンティ周辺が39度の猛暑だったという余談も挟みました。
メモリーとかね、めちゃめちゃ食うので、99パーセントとかなるんですよ、使用量が。だから何も、YouTube見ようと思っても見えなくて。
Macで何も作業ができないため、その間は筋トレや皿洗い、アイロンがけをして過ごすそうです。Claude Codeが「あと30分ぐらいで終わる」「10時25分から30分の間」と目安を予告してくれるので、長く待たされる感覚はないと話しています。
何から始めればいい人へ。教材と自分用プリセット
セットアップの始め方がわからない人に向けて、DJ リッキーさんは自分が使った教材を紹介します。自らを「他力本願」と称し、周平さんの教材「AIに動画を渡すだけ YouTube自動編集スキル」を取り入れたといいます。
この教材は編集ソフト不要で、Claude CodeやCodexで使えるもので、価格は2980円です。DJ リッキーさんは「Tシャツ1枚半ぐらい」と例え、高額にならずに動画編集まで任せられる点を挙げました。
教材を取り入れたことで、それまでうまく出ていなかった字幕が、話に合ったタイミングできちんと出るようになったといいます。
さらにDJ リッキーさんは、顔出しなしの設定、フレーム、効果、フォントなどを決めた自分用のプリセットをいくつか作っておくことを勧めます。そうすれば、誰でも簡単にアウトプットできるようになるという考えです。
編集っていうか編集しないんだ。誰でも簡単にアウトプットできるようになりますので、ぜひやっていただきたいなというふうに思います。
なぜYouTubeに取り組むべきなのか?
DJ リッキーさんがここまで口酸っぱく勧める理由は、アメリカでポッドキャスト広告に関する分析を行うSounds Profitable ── アメリカのポッドキャスト業界の調査・啓発団体。ポッドキャスト広告や聴取動向に関するレポートを定期的に公表していますの調査にあります。番組の見つけ方の1位はYouTubeで、Netflixが3位に入り、Apple Podcastではないという結果だったと紹介しました。
エピソード説明によると、Sounds Profitableの2026年の調査では、好きな番組をYouTubeで見つけた人が40%でした。利用はYouTubeが63%、Spotifyが33%、Netflixが21%、Appleが15%の順です。
DJ リッキーさんは、音声配信をしている人の多くは顔出しなしで音声だけでできる居心地の良さを大事にしているだろうと理解を示します。そのうえで、ポッドキャスターのお尻を叩くような活動になっていることを「上からでうざいと思ったらすみません」と詫びました。
それでも、AIのおかげで顔出しなしでもこれだけ簡単にできるようになったことを知ってほしいというのが、DJ リッキーさんの動機です。休日の朝10時過ぎに、世の中に伝わってほしいという熱を込めて収録したと話しています。
締めくくりにDJ リッキーさんは、Claude Codeが月3000円、1日100円計算で使えることに触れ、古いiPhoneを取り出して始めてみてほしいと呼びかけました。顔出しを気にするより音声をきちんと録れば仕上がりは良くなり、そこからショート動画も作れると改めて伝えています。
まとめ
顔出しなしのビデオポッドキャストは、音声を土台に、古いスマートフォンとAI編集を組み合わせれば個人でも始められます。DJ リッキーさんは、見つけてもらう入口がYouTubeに移っている今こそ、ポッドキャスターが動画に踏み出す価値があると考えています。
- 最優先は映像より音声。音声が録れていなければどんな内容も聞かれないとDJ リッキーさんは強調しています。
- Riversideの分析では、土台は柔らかく立体的な照明、崩れない音、番組らしい部屋の3つです。
- カメラは寄り2台と引き1台で十分で、使わなくなったiPhoneが活躍します。1人語りなら1〜2台でも成り立ちます。
- 顔はAIでアイコンの口パクに置き換え、編集は収録フォルダをClaude Codeに渡せば朝の30分ほどで終わります。
- Sounds Profitableの調査では、好きな番組をYouTubeで見つけた人が40%で、発見の入口は音声アプリからYouTubeへ移っています。





