品川さんとのドライブトークで出たAIの話
この回は、西野さんが河口湖の音楽と森の美術館へ向かう道中の出来事から始まります。
品川庄司の品川さんが、なんと自宅まで車で迎えに来て、道を間違えながら2時間ほど送ってくれたそうです。
現地に着いてからはほうとうを食べながら、脚本やネタ作りなど、さまざまなアドバイスを受けたと話されています。
久しぶりに芸人の先輩と後輩が水入らずで過ごす時間でございました。とても贅沢なひとときでした。
その車内で当然のようにAIの話になり、品川さんがどうAIを活用しているかを聞く流れになったといいます。
AIが普及しても監督の仕事はなくならない
品川さんの話は、西野さん自身がAIで実写映画を手がけた中で感じたことと重なっていたそうです。
結論としては、少なくとも現時点では、AIがどれだけ普及しても監督の仕事そのものはなくならない、という点でした。
映画でそれが顕著に表れるのがカット割りだと言います。品川さんは例として、北野武さんの映画に出てくる長いロングショットを挙げました。
遠くから人物が歩いてくるカットを、ひたすら長回しで撮る。効率だけを考えればもっと短くできるかもしれない、という話です。
その無駄こそが個性であって、それこそが監督・北野武を成立させている。
さらに、北野武さんの過去作をAILに大量に飲み込ませても、次の作品のどの場面でその演出を差し込むかまではわからない、と続きます。
今の北野武さんが次回作で本当にその手法を使うのかまでは予測できない、という点も指摘されました。
AIでは生成できない「アンカー」としての癒着
西野さん自身はかなりのAI賛成派・推奨派だと語ります。それでも「ここは人間の力が必要」という話には強い納得感があったそうです。
AIは過去に存在した成果を高速で処理できます。一方で人間の仕事には、正解を出すのではなく「その人だからその選択をする」領域があると話されています。
西野さんは以前から、AIでは生成できないものを「アンカー」と呼び、その一つに「癒着」を挙げています。
例として挙げられたのが、ブロードウェイにいる口利き役です。「この劇場に話を通しておく」「このプロデューサーに相談してみる」といった仕事です。
一見AIが得意そうに見えますが、最後の一手はAIにはできない、と西野さんは言います。
紹介できる人の名前を知っているということと、その人に話を通せるということは、全く別の能力だからですね。
この口利き役は、長い時間をかけて築いた人間関係の上に成立している仕事だと説明されます。
「あの人に頼まれたならやってみよう」「昔一緒に仕事をしたから今回だけは力を貸そう」。そうした合理性だけでは説明できない判断の積み重ねだといいます。
「お前の仕事すらAIでいい」に向かう危うさ
最近は、すべてAIで自動化してスタッフを減らした、という話も耳にするようになったと西野さんは触れます。
その感覚には強く共感できると言います。「ここもAIでいいじゃん」という場面だらけだからです。
ただし、と話は転換します。何でもかんでもAIを導入して効率化を目指すと、その先に待っているものがあると指摘します。
だからこそ改めて重要になるのが、AIで代替できない人を雇うことだと語られます。
人を雇うのを恐れすぎてはいけない
チムニータウンもこの夏から新しい仲間を迎えたそうです。そのメンバーはAIでは代替できない才能を持ち、今その力に救われていると話します。
人に救われてるんですよ。
一方で、昔のようにどんどん人を雇うのは今は危ない、とも西野さんは断りを入れます。会社で一度雇うと辞めさせられないからです。
だから無闇に雇うことは勧めない。けれど、人を雇うことを怖がりすぎるのも考えものだと続けます。
人と人との関係こそ、AIでは再現できない力の一つだからです。
「人雇うの怖いんだよね」とか言ってるけど、いい人は雇った方がいい。AIで代替できない人は絶対に雇った方がいいですね。
特に営業力のある人は、絶対に雇った方がいいと締めくくられました。
過去に存在した成果を高速で処理し、正解に近い答えを出すのが得意
その人だからこそ選ぶ判断や、関係性の上に成り立つ「最後の一手」を担う
まとめ
AIがどれだけ普及しても、監督の仕事や人間関係に根ざした役割はなくならない、というのがこの回の軸です。効率化に振り切ると「自分の仕事すらAIでいい」に向かうからこそ、AIで代替できない人を雇う意味があると語られました。
- AIが普及しても、監督の仕事そのものはなくならない
- AIでは生成できない「アンカー」の一つが、人間関係に根ざした癒着や口利き
- 効率化だけを目指すと「お前の仕事すらAIでいい」に行き着く
- 無闇な採用は勧めないが、人を雇うのを恐れすぎるのも考えもの
- AIで代替できない人、特に営業力のある人は雇った方がいい
