河口湖に拠点を移した結果、人と会社が動き始めた
CHIMNEYTOWNは拠点を河口湖に移しました。渋谷のオフィスは残っているものの、荷物や機能の多くを河口湖へ移し、スタッフがこちらで働くことも増えているといいます。
西野さんが特に良いと話すのは、お客さんのすぐ隣にバックオフィスがある環境です。会議室の隣に売り場があるような状態で、売れ行きの情報が逐一届き、その場でテストの相談ができるといいます。
お客さんの動きを見ながら作戦練れるっていうのは、本当にこれはでかいなと思いますね。
河口湖の空気の良さも、職場としての魅力として挙げられています。雨の日でも湖や森を見ながらの収録が気持ちいいと話します。
移転の影響はスタッフだけにとどまりません。「CHIMNEYTOWNが行くなら」と便乗して引っ越してくる人が増えているといいます。青森から美術館のレストランのために引っ越してきた若手や、兵庫県川西市から河口湖へ移った後輩もいるそうです。
個人だけでなく会社単位の動きも出ており、河口湖音楽と森の美術館の近くに支部を作る会社が、西野さんが知る限りすでに3社あるとのことです。
これはもう皆さんの生活を預かってるから、気合い入れてやらなきゃいけないなっていう、そういった気持ちになってます。
劇場を持つ最大のメリットはデータが取れること
2つ目のテーマは、劇場を持つことの強みです。会議室の隣に、毎日動いている売り場があることが最大の財産だと西野さんは語ります。
前日も約1000人が来場し、商品の並べ方によってどれがどれくらい売れるかのデータが取れまくるといいます。
西野さんは、聞いた話として商品の陳列の例を挙げます。ディズニーストアでは1階と3階に同じ商品を置いており、何度も接触させることが購入につながるという話です。
何回か接触させることがめっちゃ大事みたいな。だから売り場に同じ商品がいろんな場所に点在していていいっていう。
この仮説を実際に試したところ、本当に商品が動いたといいます。美術館という大きな売り場で、テストマーケティングを365日続けられるのが強みだと話します。
来場者の8割は観光客で、CHIMNEYTOWNのファンではないといいます。それでも来場者の動きをすべて取れることが価値だと語ります。入口のマグネットで来場地を確認したり、どこで写真を撮るかを観察したりできるそうです。
西野さんは、かつてデザインフェスタというフリマに出ていた頃、1時間おきに陳列方法を変えてデータを取っていた経験を語ります。今はその規模の大きな版を美術館でやっているといいます。
この春から美術館の運営を預かってから、1ヶ月ごとに違うものになるほど動かし続けているといいます。うまくいっているものも動かした方がいいというのがポイントです。
うまくいってるものであっても動かした方がいいなと。もっとうまくいく方法があるかもしれないから。常にベストとは限らない。
やっぱり宿を取らないと話にならない
3つ目のテーマは宿です。西野さんの結論は明快で、宿を取らなければ話にならないというものです。
音楽と森の美術館には年間16万人が来場しているといいます。これまで休館日が100日あったものの、人を増やせば開けられると考え、コンスタントに年間20万人ほどは呼べる見込みだと話します。
問題は、その20万人を閉館とともに帰してしまっている点です。中には河口湖に泊まっていく人もいるのに、その需要を取れていないのはもったいないと考え始めたといいます。
きっかけは前年のミュージカル『えんとつ町のプペル』の経験です。KAAT神奈川芸術劇場で約3万人が来場し、西野さんは劇場の隣の宿を取っていました。
朝食会場に行くと、えんとつ町のプペルのTシャツを着た人が大勢いたといいます。つまり隣のホテルの集客を、実質的にえんとつ町のプペルが担っていた形です。
これもったいなくない?ホテルの人にはめちゃくちゃ感謝されましたけど。西野さんあざす、みたいな言われたけど。
近隣ホテルを応援したい気持ちはありつつ、その前に自分たちのことも考えたいと語ります。移動と宿を取らずにエンタメをやるのは、バックエンド商品を作っていないのと同じだと話します。
マクドナルドがハンバーガーだけで飯食ってます、コーラ売ってませんみたいな。吉牛が牛丼売りますけど味噌汁売りませんみたいな話なんで。
そこで、美術館に近い場所に富士山が望めるチムニーホテルをやりたいと語ります。土地はご縁次第で見つかるかわからないものの、諦めたくないとのことです。
ホテル事業を一緒にやりたい人がいれば、西野さんのインスタグラムまでDMをと呼びかけています。
まとめ
河口湖の美術館運営を通じて、西野さんは劇場を持つことでデータが取れる強みと、宿という需要を取りこぼさないことの重要性を語りました。エンタメを事業として成り立たせるための視点が示された回でした。
- CHIMNEYTOWNの河口湖移転に、個人や会社が便乗して動き始めている
- 毎日動く売り場から継続的にデータが取れることが、劇場を持つ最大のメリット
- うまくいっているものも動かし続け、常にベストを探る姿勢が語られた
- 移動や宿を取らないエンタメは、バックエンド商品のないビジネスに例えられた
- 富士山が望めるチムニーホテル構想が語られ、協業相手を募集している
