今回は雑談回、おすすめの1冊を紹介
今回は番外編の雑談回です。
紹介するのは『先生!なぜその生きものに惚れたんですか?』という本です。
生物学者10人に、それぞれの研究内容をインタビュー形式で聞いた1冊だと話されています。ほとんど0円大学の編集長、鼻岡雅貴さん{要確認: 鼻岡雅貴}がまとめられているそうです。
あきさんはたまたま本屋で立ち読みして、面白いと思って買ってしまったといいます。絵や写真も多めで、軽く読めるのに内容も面白く編集されているそうです。
10人の研究者が10種類の動物をそれぞれ研究している話のインタビュー集みたいな感じですよね。
登場する生き物は、ウォンバット、ナマケモノ、キイロシリアゲアリ、シャチ、ナマコ、カモノハシ、オオグソクムシ、ナメクジ、カラス、ダイオウイカです。
哺乳類、昆虫、鳥類と幅広く分かれていて、こんなにいろいろな動物を研究している人がいるのかと、あきさんはまず驚いたと話します。
分子生物学とは違う、古典的な観察スタイルの研究
あきさんはバイオ系の研究者と会うことが多いといいます。
ただ、そこで扱うのはマウスやヒトの検体、培養した細胞などが中心で、分子生物学の世界が多かったそうです。
一方でこの本の研究者たちは、実際の生物を観察して論文を書くスタイルです。基礎的で古典的なやり方だけれど、まだ知らない分野がいっぱいあると感じたといいます。
子供の頃になりたかった人たちだなというので、すごく子供の頃を思い出しましたね。
話の流れで、ベストセラー『僕は鳥の言葉がわかる』の話題にも触れます。
とみーさんは20万部を突破していると驚き、あきさんはこの本にハマりすぎてYouTubeの映像まで見たと話します。
著者の鈴木俊貴先生{要確認: 鈴木俊貴}はシジュウカラを研究し、動物に言語があることを初めて解明した先生だと紹介されています。
こちらは本屋で平積みになっていて目立つので、今日紹介する本の方がややマイナーかもしれないと2人は話します。
大人も子どもも楽しめる読みやすさ
とみーさんは、紹介中の本が大人だけでなく小学生でも読めそうだと話します。
難しい漢字も専門用語もなく、昆虫観察や動物園、水族館が好きな子どもとなら一緒に楽しめそうだといいます。
大人も楽しめるけど、小学生ぐらいの方でも読めそうですよね。難しい漢字も専門用語もないし。
1つ1つの動物に最初に扉絵があり、そこからインタビューが入っていく構成です。写真もついていて読みやすいと話されています。
ウォンバットとキイロシリアゲアリの驚きの生態
最初に登場するのは、オーストラリアの有袋類ウォンバットです。研究者はサンシャインコースト大学の高野幸太郎さん{要確認: 高野幸太郎}だといいます。
ウォンバットは可愛いだけではありません。お尻がとても硬く、穴に潜り込んでお尻で蓋をして身を守るそうです。
さらにしつこく攻撃してくる敵がいると、お尻を下げて穴の奥に空間を作ります。そこに頭を突っ込んだ相手をお尻でかち上げ、頭を叩き割るのだと紹介されています。
頭隠して尻隠さずが必殺技になる。
次はアリの話です。あきさんは子どもの頃からアリが好きで、キイロシリアゲアリの研究の話がとても面白かったといいます。研究者は甲南大学の後藤彩子先生{要確認: 後藤彩子}です。
女王アリは一度交尾すると、そのオスの精子を体の中に持ち続け、その精子で延々と卵を産み続けます。
この種類の女王アリの寿命は10年以上あるそうです。たった一度の交尾で得た精子を、10年以上も体内で生かし続けるシステムがあると話されています。
人間の精子は一日で死にますもんね。
しかもアリの体内は凍結ではなく常温です。むしろあたたかそうだと2人は話します。
あきさんは、こうした小さな生き物を解剖して精子の溜まる部分を顕微鏡で撮影する研究者のすごさに感心し、どうやっているのだろうと語ります。
あきさんが再会した「ダンゴムシの心」の研究者
とみーさんが、10種類の中でどれが一番面白かったかと尋ねます。
あきさんは「面白かった」というより「嬉しかった出会いがあった」と答えます。オオグソクムシを研究する信州大学の森山徹先生{要確認: 森山徹}です。
この先生は昔『ダンゴムシに心はあるのか 新しい心の科学』(PHPサイエンス・ワールド新書)を書いていて、あきさんは10年以上前に読んでいたそうです。
その本ではダンゴムシの実験が紹介されています。ダンゴムシは広い場所ではまず壁を探し、片側の触角を壁につけて歩くと落ち着く性質があるといいます。
森山先生は「意志」とは遺伝子に書き込まれていない行動、つまり決まった反応を無視した行動ではないかと仮定したそうです。
そうした意外な行動をする個体はどんな局面でそれを起こすのか、その性質は遺伝するのかなどを、面白おかしく調べた本だと紹介されています。
結論そのものはないものの、変な行動を起こす個体には個性があり、そういう個体ばかり集めて子どもを作らせると、やはりプログラムにない行動を起こす子が生まれたという話もあったといいます。
壁沿いに歩くなど、遺伝子に書き込まれた反応。「つねったら泣く」ように予測できる行動
決まった反応を無視した意外な行動。個性があり、集めて繁殖させると同じ傾向の子が生まれた
動いてくれないオオグソクムシと寒天の工夫
その森山先生と、この本の中でオオグソクムシの研究者として再会できたのが嬉しかったとあきさんは話します。
オオグソクムシは、見た目がナウシカのオウムのようだと2人は表現します。海の中にいるダンゴムシやフナムシのような姿だといいます。
深海でじっとしている生き物なので、なかなか動いてくれません。近縁のダイオウグソクムシは、水族館で何年も餌を食べなかった記録があるほど行動しないそうです。
この先生は行動を見たいのに行動してくれないから、動いてくれないから困ったというようなエピソードが載ってました。
一方で、地形を作ってやると土の中に潜る性質があることを見つけたといいます。
どんなふうに巣穴や身を隠す場所を作るのかを見るため、寒天で床を作ったそうです。掘った穴が透明な寒天越しに外から見える工夫だと紹介されています。
好きだから選ぶとは限らない、研究に至る道のり
とみーさんは、読んで意外だったこととして、必ずしもその生き物が専門ではない先生がいた点を挙げます。
ダイオウイカかシャチの先生が、自分はこの生き物が専門ではない、と話していたのが印象的だったといいます。
ダイオウイカを紹介したのは島根大学の廣橋典孝先生{要確認: 廣橋典孝}です。専門は精子の研究で、生殖戦略に興味があり、ダイオウイカの精子はどうなっているのかという話で声がかかったそうです。
この生き物は競合が少ないから研究しやすいよみたいな感じで研究対象を選ばれる先生もいたりとか。
とみーさんは、ずっと観察を続けてきた団体が続けられなくなり、研究者に引き継がれたケースもあったと話します。シャチがそうだったかもしれないといいます。
好きだから選ぶ人もいれば、流れ流れてなぜかその研究にたどり着く人もいる。研究に至る道のりが人によって違うのが面白かったと2人は語ります。
別に好きじゃないんですけどねって言いながら、すごく熱を持って話してらっしゃったりとか。
ナメクジの話も出ます。ナメクジとカタツムリはほぼ似ているのに、カタツムリの研究者は多く、ナメクジの研究者は少ないそうです。理由はちょっと気持ち悪いからだといいます。
ナメクジの研究者は岡山理科大学の宇高寛子先生{要確認: 宇高寛子}で、もともと獣医になりたかったのに、なぜかナメクジの研究者になったと紹介されています。
ナメクジを研究していると、なんかカタツムリの方が気持ち悪くない?みたいなことも書いてらっしゃったりして。当事者ならではの視点で話をしてくれる。
ナメクジの交尾の絵はなかなか激しく、種類によって交尾の形も違うそうです。当事者ならではの視点が面白いと2人は話します。
ナメクジは外来種も入ってきているものの、見ても気持ち悪いだけで見分けようとする人は少ないといいます。だからこそ外来種の侵入もわからないため、宇高先生はナメクジの調査網のようなものを作ろうとしている、という話も面白かったと語られています。
まとめ
『先生!なぜその生きものに惚れたんですか?』は、10人の研究者へのインタビューを通して、身近なようで知らない生き物たちの生態と、研究に至る人それぞれの道のりを楽しめる1冊として紹介されました。
- ウォンバットのお尻での防御や、女王アリが10年以上精子を体内で生かすなど、常識を超える生態が数多く紹介されている
- 分子生物学とは異なる、実際の生物を観察する古典的な研究スタイルの面白さが語られた
- 好きで選ぶ人も、流れで研究対象にたどり着く人もいて、研究に至る道のりは人によって違う
- 絵や写真が多く専門用語も少ないため、大人も子どもも一緒に楽しめる読みやすさが魅力
