つらいところは、正直いっぱいある
つらいところはいっぱいありますよね、と言ってしまうと、この番組の存在意義を否定しそうなんですけど。でも本当に、ディレクターとしてつらいことは多いんです。
だってみんな言うことが違うじゃないですか。顧客もそうだし、クリエイターも違うし、営業も違う。
クライアントの社長さんがいきなりちゃぶ台返しのような変なことを言ってくることもある。
それ自体がしんどいというより、僕らはその矢面に立つ立場なんですよね。一番最初にそれを聞いてしまう。
で、それを次の人にどう伝えればいいんだ、というところで悩む訳です。
絶対にトラブルは起こる、という覚悟
ディレクターとして絶対に避けて通れないのは、最初から腹に覚悟を持っておかなきゃいけないことがあるということです。それは、必ずトラブルが起こる、ということ。
僕は28年この仕事をしていますけど、トラブルが何もなかった案件って、まあまあないと思いますよ。
それなりにキャリアを積んだ方だとは思っているんですけど、それでもトラブルを全部予見することはできないんです。
一つの案件だけに腰を据えていれば回避できるのかもしれないけど、それでも難しいんじゃないかな。
僕はどうしても複数の案件を同時に見たり、自分の『サービシンク』という会社で動かなきゃいけないこともあるので、ついおざなりになって「しまった」となることもなくはないんです。
それでもトラブルは絶対起こるものとして考えておかなきゃいけない。やっぱり結構ストレスフルな感じはしますよね。
それでも続けているのは、楽しいから
じゃあなぜ28年も続けているのか、と言われたら、やっぱり楽しいからじゃないですか。
トラブルが楽しいわけじゃないですよ。全然そんなものになりたいわけじゃないんだけど。
でも完成に向かっていく時とか、規模の大小に関係なく、だんだんものが形になっていく瞬間があるんです。
それをお客さんに見せる時は結構ドキドキします。「思ってたのと違う」と言われたら嫌だなとか、「いいですね」って言ってくれたらすごく嬉しいとか。
僕らの仕事って相手が人なんですよね。同じ相手でも案件が違えば返ってくる反応も変わるし、時代が違っても変わる。生ものを相手にしている感覚はやっぱりあります。
だからこそ、自分がいろんな工夫をして少しでもいい感じにプロジェクトが回ればいいなと思う、そのきっかけにもなる訳です。
つらいところは、楽しいところの裏返しでもあると思うんですよね。
ディレクターの力量以上に、プロジェクトは良くならない
どんなに時間があっても足りない、というところもあります。考え出したら本当にきりがないんです。
もちろん仕事なので、ディレクターが動けるのは見積もりの中のディレクション費用の範囲です。明確にディレクションフィーとして取っていなくても、どこかにそのコストは入っていなきゃいけない。
その限られた時間の中で、自分がいいアイデアを生み出せなかった、思いを巡らせられなかった、というのはやっぱり悔しいんですよね。
形になってきた頃に「ああしとけばよかった、これも入れられたんじゃないかな」と考えるのは、結構つらいところで。
僕はずっと、ディレクターの力量以上にプロジェクトが良くなることはないと思っているんです。
クリエイティブのメンバーが手伝ってくれたりフォローしてくれることはあります。でも、ディレクターがプロジェクトを回していく時、その資質以上に良くなることはないと思っている。
つまり自分の能力とプロジェクトの成功がもろに直結するので、うまく回せなかった時は「どう動けばよかったんだろう」と、日々反省することがあります。
それでもなんとか最後まで走り切って、納品して、みんなでありがとうと言い合って、打ち上げをして、また次頑張ろうと話せる。それが僕の一番の楽しさの源泉なんです。
もしつらいところの方が大きかったら、この仕事はもう辞めてるんじゃないですかね。でもなんだかんだ長いことやってますから。
皆さんにとってはどんなところがつらいでしょうか。今の僕の話に共感いただけるかどうかわからないんですけど、「これを解消する方法はないですか」という話があれば、ぜひまた聞かせてくださいね。
まとめ
Webディレクターのつらさは矢面に立つことと必ず起こるトラブルにあるけれど、それは形になっていく楽しさの裏返しでもある、というのが28年やってきた僕の実感です。
- ディレクターは一番最初に矢面に立ち、それを次に伝える立場だからつらい
- どんな案件でもトラブルは必ず起こると覚悟しておく必要がある
- ディレクターの力量以上にプロジェクトが良くなることはないと考えている
- つらさは楽しさの裏返しで、走り切って納品できる喜びが続けられる源泉になっている






