フロントエンドの技術についていけない、という不安
リスナーの方から、こんな相談をいただきました。
「最近フロントエンドの技術の進化が早すぎて、HTMLの基礎知識だけでは通用しなくなってきているのではないか」と。これからのフロントエンドエンジニアにはどんなスキルが求められるのか、というお悩みです。
これ、書かれてる通りだと思うんですよね。フロントエンドエンジニアという領域の仕事だけで食べていくというのは、本当にもうトップオブザトップの人ぐらいしか生き残っていけないんじゃないかなと思います。
僕も比較的フロントエンドはやってた方なんです。20代の頃は、ディレクターをしながらも、企画してワイヤー作って実装してデザインもして、みたいなことをしてましたから、よくわかるんですよ。
ChatGPTにブログのテンプレートを書かせてみた
さっきも触れましたが、僕、自分の「ウェブディレクションやってますブログ」のデザインをずっと変えたいと思ってたんです。でもなかなか腰が重くてできなかった。
それで先日、ChatGPTと話をしながらHTMLで書けるのかなと思って、書かせてみたんですよ。
ドカンといっぺんに指示するんじゃなくて、ステップバイステップで、ちょっとずつ積み上げてもらう感じで進めました。
そうしたら記事一覧のページも、ブログの詳細ページも、ほぼほぼコードを一行も書かずに近いレベルでテンプレートを作ってくれたんです。
もちろん細かい指示はしてるし、自分でもちょいちょい手を入れてるので、100%コードを書いてないわけじゃないんですけどね。それでも正直あそこまで書けるのかと思いましたね。使ったのはコーディングに強いモデルだったというのもあると思いますが、あんなに書けるならちょっとやばいなと。
フロントエンドだけでは厳しい。どこに舵を切るか
そうなってくると、フロントエンドエンジニアというのは、他の領域に踏み込まないと単体では厳しいんじゃないかなと思うんです。
たとえばサーバーサイドエンジニア、デザイナー、ディレクター。そういった隣の領域に足を伸ばしていかないと、それだけでっていうのは難しい。
もちろん、セマンティックなHTMLが本当にきれいに書けるとか、アクセシビリティに準拠したものがスラスラ書けるというのはありだと思います。ただ、日本でアクセシビリティのニーズが制作の現場でどれだけ言明されるかというと、昔に比べれば増えたものの、まだそんなに多くはないんですよね。
だから、エンジニアとして進むならサーバーサイド側、フロントのフレームワークで言えばNextやVueをふつうにいじれるところまで行かないと、と思います。
サーバーそのものも、今はAWSで建てるのがオンプレミスの頃よりずっと簡単ですから、自分でサーバーを建てて、グローバルIPを取って、ドメインを振ってみる。レンタルサーバーでできるという話じゃなくて、サーバーをちゃんと触ったことがある、というのが必要かなと思います。
もしくはディレクター側に行く道もあります。実装がわかってるからこそ、クライアントに「こういうインタラクションがいいんじゃないですか」「このUIをもとにしたユーザー体験はこうです」と雄弁に語れるようになる。僕自身は、その結果としてディレクターになった口なんですよ。
フロントエンドの進化が激しいというのは、もうサーバーサイドと連携するのが目に見えているという話だと思うんです。フロントエンドやってますと言うなら、これぐらいはできるでしょ、というレベルが昔よりずっと高くなっている。そこに早く舵を切ってしまった方がいいというのが、僕の意見です。
人前で話す機会は、どうやって得るのか
もう一つ、こんな相談もいただきました。人前で話す機会を得るには、どうすればいいですか、と。
正直に言うと、僕はお声がけをいただいて登壇する機会は、そんなに多くないんですよ。年に3回とか4回あるかないかくらいだと思います。
じゃあきっかけは何だったかというと、間違いなく本なんです。2007年に『WEBブランディングの入門教科書』という本を書かせていただいて、その本をきっかけにCSS Niteというイベントで登壇して、そこから名古屋のイベントでも話すようになって、という流れでした。
今はオンラインでやることも増えて、セミナー自体が昔よりカジュアルになりました。若い方こそどんどん登壇されるべきだと思います。
じゃあどうやって機会をつかむかというと、Xやnoteやブログでアウトプットをしていることが、いろんな会の主催者の目に留まるということじゃないですかね。そのアウトプットにその人の独自性があるかどうか、というところだと思います。
ただ、バズればいいというものでもないと思っていて。誰かを攻撃するような、誰かを不快にするようなバズり方だと、セミナーには呼ばれにくいんじゃないかな。参加した人が嫌な気分になるイベントは、主催者としても良くないと思っちゃいますからね。
それでも登壇はいいですよ。一番ありがたいのは、スライドを作ること自体が自分の棚卸しになることなんです。普段なんとなく使っているテクニックを、ちゃんと人にわかる形にして言語化する。ある意味強制的にそれをやらされるのが、僕にとってはすごくいい機会なんですよね。
転職の面接で、給料の話はしてもいいのか
転職についての相談もありました。面接のとき、転職理由として給料の話をしてもいいものか、という悩みです。
今の会社は残業はないけれど給料が低くて、3年経っても1万円も上がらない。かといって転職先で給料の話を出すと、ものづくりより給料かよと思われるのでは、と気にされていました。
結論から言うと、言っていいと思いますよ。そこが本当に重要なら言うべきです。
むしろ大事なのは、給与レンジや評価制度、賞与や手当まで含めてちゃんと聞いておくことだと思うんですよね。何をやったら給料が上がるのか。うちだとテレワーク手当やインフレ手当みたいなものもありますが、そういったものも含めて確認しておくべきです。
ただ一つ頭の片隅に置いておいてほしいのは、今もらえている給料が転職先でそのまま維持されるとは限らないということです。業界によっては利益率が高くて、能力の絶対値のわりに給料をもらえてしまっているケースが実際にあるんですよ。そこから業界を変えて転職すると、君の能力ならこれぐらいだね、と言われてしまうこともある。
もちろん、聞き方は大事です。「なんで弊社を希望したんですか」に「給料がいいからっす」と答えたら、そりゃ引かれますよ。でも、やりたい仕事があって、その上で給料もちゃんと考えたい、という話にするなら、僕は給料の話はした方がいいと思います。
それで嫌がる会社だとしたら、入ったあとにまた同じことが起きますからね。
まとめ
フロントエンドも、登壇も、転職も、根っこは同じで、自分がどこに舵を切るかという話なのかなと、いまは考えています。技術の進化を不安に思うより、隣の領域に一歩踏み出してみる。そのくらいの気持ちでいいんじゃないかと思います。
- フロントエンドエンジニアは、サーバーサイドやディレクターなど隣の領域に踏み込まないと単体では厳しくなってきている
- ChatGPTにブログのテンプレートを書かせてみたら、ほぼコードを書かずに近いレベルで作れて驚いた
- 登壇の機会は、ブログやSNSでの独自性のあるアウトプットから生まれる。スライド作りは自分の棚卸しになる
- 転職面接で給料の話はしていい。ただし聞き方は大事で、今の給料が転職先で維持されるとは限らない




