映画の感想、語る派?語らない派?
今回は2本撮りの2本目。夫婦で見てきた『プラダを着た悪魔2』の感想をつまみに、晩酌トークがスタートします。
まず面白かったのは、映画を見たあとの2人のタイプの違いです。妻は「面白かったよ」とだけ言って、なかなか詳しく語ろうとしません。
いつもさ、映画見に行った後に人に感想もベラベラ喋れない派なんだわ。
俺めっちゃ喋る。それが楽しいんじゃないの?
妻いわく、映画の帰りに知り合いに会って「どうでした?」と聞かれても、深くは語らないそう。良かったと伝えつつ、好みは分かれるかも、くらいで流してしまうタイプだといいます。
人が語るのは別に全然聞けるんだけど。好きなんだけど。
理由は「余韻」でした。言語化せずに、感じ取ったままを心の中に留めておきたいというのが妻のスタイルです。
私は余韻だけでいいっていうか、別にそこを言語化しなくていいかな。
(映画を)言語化しちゃうと、なんかすごい陳腐なものになっちゃう気がするし。逆に狭まっちゃう気がして。
一方のレンは、言語化しないとふわっとした余韻のままで終わってしまうのでは、と釈然としない様子。映画は語りたい派と、余韻を残したい派という、夫婦の対照的な楽しみ方がよく出ています。
見たあとにめっちゃ喋る。言語化して感想を語り合うのが楽しい
あえて言語化せず、感じたままの雰囲気を心の中に留めておきたい
レンが語る『プラダを着た悪魔2』3つの見どころ
語りたい派のレンは、『プラダを着た悪魔2』の見どころを3つ挙げていきます。まず1つ目は、前作へのオマージュや伏線回収の楽しさです。
映画そのものというよりか、1の何年後をこんな風に、いろんなオマージュ、伏線回収じゃないけど、こんな風にまた同じセリフを言ってるみたいな。
前作『プラダを着た悪魔』からおよそ20年後の生活が描かれていて、二番煎じ感は否めないものの、その後の姿が見られること自体が面白かったといいます。
2つ目は、働き方の変化がコミカルに描かれている点です。前作で圧倒的な迫力を放っていた「悪魔」的な上司の存在感が、時代の変化とともに変わっている、とレンは指摘します。
1の時の女帝というか、圧倒的な迫力を放っていたものが、ハラスメントとかポリコレ的な感じも含めて、悪魔感がグッと減りつつも、ところどころに残り香があるのが面白かった。
3つ目は、仕事と人生というテーマです。産業医でもあるレンにとって、前作から一貫してある「働くこと」への焦点は印象的だったようです。
俺の仕事柄でもそうなんだけど、働くこと、仕事人生みたいなことにフォーカスされているんだよね、あの映画って。
仕事に没頭し、一度は離れてもまた戻ってくる。そして最後には「本当に仕事が好きなんだ」と語られる。この流れが1作目も2作目も共通していると振り返ります。
ただ、働くことを美化しすぎている面もある、とレンは付け加えます。今はもうそんな時代じゃないよね、という空気が2作目にはあり、それが時代の変化をいい意味で反映していると話します。
前作へのオマージュ
約20年後を描く伏線回収。同じセリフや「その後」が見られる楽しさ
働き方の変化
圧倒的だった悪魔感が、ハラスメントやポリコレの時代の中で薄れている
仕事と人生
一貫した「働くこと」への焦点。ただし美化しすぎな面も時代とともに変化
反応が薄い妻に、レンが「議論して!」
3つの見どころを語り終えたレンでしたが、妻の反応はあっさりしたものでした。
でもまあ、もうみんなそう思うよねって感じ。全然異論はございませんって感じ。
いやなんか来てよ。私はこう思ったみたいな。ここに議論が起きてほしいのよ。
語り合いたいレンと、余韻で満足している妻。ここでも2人のスタンスの違いがそのまま出ていて、思わずクスッとくるやり取りになっています。
帰ってから前作を復習。「時代の変化」に気づいた
2人は帰宅後に前作『プラダを着た悪魔』を見返しました。先に復習しておけばよかった、と言いつつ、妻は久しぶりの鑑賞だったといいます。
私の中ではもうワンとか昔すぎて、正直話ほとんど覚えてなかったのね。でもめちゃくちゃ面白い映画だったってことだけは覚えてるのね。
アン・ハサウェイが芋臭い格好から変化していく大枠は覚えていたものの、細かい部分は忘れていたそう。それでも「面白かった」という記憶だけで2作目を見に行ったといいます。
改めて前作を見返して妻が感じたのは、時代の変化でした。今のZ世代が前作を見たら、働き方に違和感を覚えるのでは、と話します。
今のZ世代が今ワンを見たら、何この働き方とか、こんなんパワハラじゃんみたいな、純粋に楽しめないっていうか。
公開当時、妻はまだ学生で働いた経験もなく、違和感なく楽しめたと振り返ります。時代背景もあって、当時はそこまで問題視されなかったのだろう、と話します。
働くっていうことをそもそも知らない時期に見てるしっていうのももちろんあるし、その時代的にもそういうことが別に問題にもならないような時代だったから。
続編が出たことで、前作の意味が塗り替えられた
妻がこの回でいちばん語ったのが、続編の役回りについてです。2作目が出たことで、前作に新たな意味が加わったと感じたといいます。
ツーが出たことによって、昔の映画にすごく意味がより増した。今の時代の人や次の世代の人たちがワンを見て二を見た時に、すごく意味がある風に塗り替えられた。
もし1作目だけで終わっていたら、時代の流れの中で「いい映画だった」だけで済んでいたかもしれない。続編が出たことで前作がまた新たな意味を持ち出した、というのが妻の見立てです。
ツーはいい役回りをしたというか。
同じ役者が年を重ねる映画が好き。でも少し惜しかった
もう一つ妻が語ったのは、同じ登場人物が実際に年を重ねていく映画への愛着です。特殊メイクではなく、役者本人が年を取り、映画の中の時代の変化と現実の時代の変化が重なる作品が好きだといいます。
同じ登場人物たちが時代を経て、特殊メイクとかじゃなくて、同じように年を取って、映画の中の時代の変化と実際のリアルワールドの時代の変化が重なってる感じがある映画ってめちゃ好きなのね。
妻が例に挙げたのが「ビフォー」3部作でした。友達に教えてもらって大好きになったといいます。
最初は(登場人物が)20代だったのに、最終的には30後半か40ぐらいになっていくんだけど、まるでその人の人生を追っかけてるかのような映画。
そんな妻から見ると、『プラダを着た悪魔2』は少し惜しかったといいます。役者が実際に年を重ねている点は同じでも、映像が綺麗すぎ、洗練されすぎていて、リアルさが物足りなかったそうです。
映像がめちゃくちゃ綺麗になってたのももちろんそうだし。すごいできすぎてたっていうか。
妻はドキュメンタリー感のある作品のほうが好みだといいます。ただ、そこはファッション業界を描いた作品ならではの華やかさなのかも、と自分でも折り合いをつけていました。
人間味というかリアルさみたいなのが、もうちょいある方が私は映画としては好きだけど。まあまあしょうがないか、あれは。ああいう作品だから。
一方で2人が口をそろえたのが、役者の年の取り方の美しさです。約20年経ってもみんな綺麗で、思わず驚いたといいます。
あんなに経ったのに20年だっけ。なんでこんなにみんな綺麗なの?ってびっくりするわ。
トイストーリー、そして「不気味の谷」の話
話は横道にそれて、時代を反映し続けるシリーズとしてトイストーリーの話題に。レンによると、最新作にはスマホのAIが搭載されたデジタルデバイスが登場するそうです。
デジタルデバイスに、おもちゃの子供に奪われた、おもちゃたちが戦うっていう。
ここでレンが打ち明けたのが、ピクサー系のCG映画がちょっと苦手だということ。中途半端にリアルなCGの表情が得意ではないといいます。
ちょっと中途半端なリアル感が、俺はあんまり得意じゃないよね。
レンはこの感覚を「不気味の谷」という言葉で説明します。CGを人間に近づけすぎると、逆に違和感や嫌悪感が出てくる現象だといいます。
CGでも人間に精度を高めていけばいくほど、逆に違和感とか恐怖感、嫌悪感みたいなものが出てくる、みたいなものを不気味の谷っていう。
むしろアニメっぽいほうが安心する、というのがレンの感覚。ピクサー映画はその「不気味の谷」に入ってしまっているのだと話し、この脱線トークは締めくくられます。
おすすめ映画、募集しています
最後は、リスナーへのお願いで締めくくられます。2人におすすめの映画があれば、ぜひ教えてほしいとのこと。
我々にぜひおすすめの映画とかもしある方は、概要欄にGoogleフォームを貼ってますので。
質問や感想も含めて、コメントを寄せてほしいと呼びかけます。斜に構えた2人だけど、勧められたものはちゃんと見ます、とのことです。
こんなちょっと斜に構えた人たちですけど、勧められたものは見ますので。ぜひ紹介してください。
まとめ
『プラダを着た悪魔2』をきっかけに、語りたい派のレンと余韻派の妻が、それぞれの視点で映画を語り合った回でした。同じ作品でも受け止め方が違うからこそ、話が広がっていく夫婦トークになっています。
- レンは、前作へのオマージュ・働き方の変化・仕事と人生という3つの見どころを挙げた
- 妻は続編が出たことで、前作が新たな意味を持ち直したと感じた
- 妻は役者が実際に年を重ねる「ビフォー」3部作のような作品を好み、2作目は綺麗すぎて少し惜しかったと話した
- 脱線トークでは、レンがCGの「不気味の谷」への苦手意識を語った
- 番組ではおすすめ映画や感想を、概要欄のGoogleフォームから募集している





