北海道土産のクラフトビールと利尻昆布エキス
乾杯のあと、妻が北海道の学会土産に買ってきたクラフトビール「島の人」を開けます。利尻昆布エキスを加えたビールで、新千歳空港のフードコートで購入したものだそうです。
利尻昆布と聞いてピンとこない妻に対して、夫はすかさず反応します。料理をしない自分でも知っているくらい有名だ、という主張です。
利尻昆布は昆布の中でも最高峰に。料理をしない俺でも有名だから。
「料理をしない僕でも利尻昆布は知ってますよ」というオープニングから、この日の本題へと入っていきます。
月1回の料理で夫がたどり着いた「味付けできない」問題
夫が切り出したテーマは「料理ができない男子は多分これが原因だ」というもの。一緒に暮らして約2年、月に1〜2回料理をしてきた中で、自分が料理が苦手な理由がようやくわかったと言います。
それはですね、味付けができないと。
夫いわく、作って食卓に出すと、たびたび味を足されるのだそうです。塩味が足りない、ケチャップや醤油を入れた方がいい、といった具合です。
ここで妻が補足を入れます。味付けを足しているのは勝手にではなく、夫から頼まれてやっているという説明です。
何じゃ最後の味付けだけしてもらっていい?って言われるから味付けチェックしてたけど。
シャバシャバのシチューとレシピ通りにいかない変数
直近では、クリームシチューがシャバシャバの牛乳スープのようになったり、ハヤシライスがルー不足で薄くなったりと、うまくいかない例が続いたと夫は振り返ります。
原因として夫が挙げるのが、レシピ通りに作っているつもりでも生まれる「変数」です。2人前と言っても、ピーマン1つの大きさが違えば分量はぶれてしまう、というわけです。
二人前って言っても綺麗に二人前通りにいかないし、俺もまあいっかって言ってポイポイって放り込んじゃうわけですよ。そうするとまあ味が薄まる。
肉に下味の塩を振る、野菜の水分を取ってから入れる、といった対策は妻から教わって実践してきたそうです。それでも根本の問題は残ります。
結局詰まるところ、出来上がったものを味が完成してるかわからないということが常に問題で、最後の微調整が一切できないというのが、まあ自分の料理できない理由だってことがようやくわかりました。
他人の料理には辛口なのに、自分の味はわからない謎
妻が指摘したのは、夫が味音痴なわけではない、という点です。お店の料理には「まずい」「おいしい」「普通」と辛口にコメントするのに、自分の料理になると急に判断がぼやけるのが不思議だと言います。
自分が作ったものになった途端、なんかその辺ぼやけるよね、感覚が。なんで?
夫はこれを料理だけの話ではないととらえます。仕事のプレゼンや自分の書いた文字も、他人のものには厳しいのに自分のものは甘く見てしまう、という例を挙げます。
夫の提案「料理できない男子は味付け手前まででいい」
そこで夫が提案するのが、料理できない男子は味付けの手前までしかできないことを、みんなで認めてあげよう、という考え方です。味付けだけは最初からお互いそういうものだと役割を決めてしまう、というわけです。
夫はこの考えを、同じ悩みを持つ夫婦へのメッセージのように語ります。
味付けこそボトルネックであり、味付けこそ立足段階であり、味付けこそうまくいけば、多分世の中の料理できない夫たちはもっと料理を頑張るじゃないかと思って。
夫にとっては、味付けだけを妻に任せても、月に1回料理を作ったという満足感は十分に得られるのだそうです。妻も、味付けさえ自分で巻き取れれば不満はないと応じます。
味付けさえね、こっちで巻き取れば自分の満足のいく味になるから。
材料を切る・炒める・煮る
料理できない側が担当する
味付けの手前まで完成
鍋にある段階でバトンタッチ
最後の味付け・微調整
料理できる側が巻き取る
食卓で足されるとショック、鍋の段階なら平気
もう1つ夫が挙げるのが、味付けを足されるタイミングの問題です。食卓に盛り付けてから足されるより、鍋にある段階で足された方がショックが少ないと言います。
食卓の時はちょっとなんだよみたいな気持ちになるけど。
さらに夫は、自分の作った料理は妻のインスタに載せてもらえない、という悩みも打ち明けます。味付けからバトンタッチすれば載せてもらえるのでは、という期待です。
なんか認めてもらった感じがするじゃん。合格ラインを超えたみたいな。
これに対して妻は、インスタは味の良し悪しではなく見た目で判断しているだけだと、あっさり返しています。
料理は実力差が出やすいから家事が偏る
話は夫婦の家事分担へと広がります。夫によると、料理の分担は今もほぼ妻に偏っていて、朝ごはんを入れても大きくは変わらないそうです。
その理由として夫が挙げるのが、料理は洗濯や掃除と違って実力差が出やすい、という点です。実力差があるからこそ、結果的に妻側に家事が寄ってしまうという見立てです。
だからこそ、料理問題をうまく着地させることが夫婦円満につながる、と夫はまとめます。妻も、夫が全部作る日ではなく、味付け手前までやる日を作るのはいいかもしれないと応じます。
夫が指摘したのは、夫が作る→美味しくない→取り上げる、という悪循環です。美味しくないもの作って美味しくなさそうな反応されてやる気なくす循環に、2人とも心当たりがあるようです。
妻の原点は「電話越しのOJT」だった
話題は妻の子ども時代へと移ります。鍵っ子だった妻は、仕事中の母親に何度も電話をかけ、「やることある?」と聞くのが習慣だったそうです。
最初はジャガイモやニンジンの皮むきといったピーラーでできる作業。そこから、いちょう切りや短冊切りなど、電話越しにできるオーダーが少しずつ増えていったと言います。
最初は切るってことに徹底して、ずっと手伝いをしてたわけよ。
下ごしらえに慣れると炒める工程へ、さらに煮る工程へと段階的に進みます。ただし妻自身は、自分が何を作っているのかはわかっていなかったそうです。
自分は何を作るか分かってないのよ。言われたようにただただ切ったり、ただただ煮たり焼いたりをしてたの。
そして、最後の味付けはどれだけ大きくなっても母親が担当していたと妻は振り返ります。ここが後の話の伏線になります。
目の前で見た「味の微調整」が選択肢を育てた
妻が味付けを覚えたきっかけは、家で最後まで作った経験ではなかったようです。チンジャオロースの素などを使い、炒めるところまでを担当していたと言います。
決め手になったのは、母親が仕事の手を止めて味見し、目の前で調味料を足していく場面でした。妻はその過程を繰り返し見ることになります。
あ、それを入れてこれを入れたら、あ、この味になったんだみたいなっていうのが目の前で調整の過程を、何を選択肢として調整をされていくのかっていうのを目の前で見て、だんだんと選択肢が分かってくる。
おにぎりの塩やポテトサラダのマヨネーズも同じで、「ストップと言うまで入れて」と量を調整する場面を何度も目にしたそうです。夫はこれを、仕事でいうOJTそのものだと表現します。
もうすごいめちゃくちゃOJTだね。オン・ザ・ジョブ・トレーニング。
夫にはOJTがなかった、居酒屋バイトの苦い記憶
一方の夫は、料理をした記憶がほとんどないと振り返ります。カップ麺や袋麺、既製品のカレーくらいで、母親から料理を取り上げられた気がする、と冗談まじりに語ります。
なんか俺気づけば母親から料理を取り上げられた気がする。
そこで夫が思い出すのが、大学生時代の居酒屋バイトです。何度作っても、自分のパスタはお客さんに出してもらえなかったと言います。
どんだけやっても俺の作ったパスタはお客さんに出してもらえなかったという。
レシピ通りに作っていたはずなのに理由は「美味しくない」だけ。夫は、火の入れ方やかき混ぜ方といった、レシピに書ききれない部分が違っていたのでは、と今になって推測します。
この2年ほど一緒に暮らす中で、その頃の「人に出せない料理」の原因が見えてきて、ある種すっきりしたと夫は話します。
電話越しの下ごしらえと、目の前での味の微調整を繰り返し経験
料理の記憶がほとんどなく、バイトのパスタも「美味しくない」で終わった
きゅうりチャーハンと、次回のゴーヤチャンプルー宣言
夫は、料理ができる人はスーパーを歩くのも楽しいだろうと想像します。妻はタケノコが高いことに驚いたエピソードを、夫はズッキーニで盛り上がる気持ちが1ミリもわかないと語ります。
こないだタケノコが高いことにびっくりしたもん。そんなことも知らなかったの。え?って。
話は五十嵐家の定番だという「きゅうりチャーハン」へ。きゅうりを縦半分に切って種をくり抜き、半月切りにして炒めると、コリコリした食感が出るのだそうです。
水分がね、こう、中がやっぱり種の部分が水分多いから、取った状態で炒めると結構ね、コリコリしてチャーハンに入れると美味しいんですよね。
最後に夫が、今度はゴーヤチャンプルーを作りたいと宣言します。ただし、味付けはやっぱり妻にお願いする流れになり、次回の近況報告に持ち越しとなりました。
そんな好きなものぐらい味はわかるだろ。
まとめ
今回は、料理できない夫の苦悩の正体を「味付け」と見立てて、夫婦で掘り下げた回でした。味の微調整こそが最難関で、そこを料理できる側が巻き取れば、お互い無理なく分担できるのでは、という着地です。無理に全部やろうとせず、できるところから始めてみるのもいいかもしれませんね。
- 夫の結論は「料理できない原因は味付けの微調整ができないこと」
- 他人の料理には辛口でも、自分の味は客観視しづらいという認知の話にも広がった
- 味付けの手前までを分担し、最後の味付けは料理できる側が巻き取ると円満につながりやすい
- 妻は電話越しの下ごしらえと、目の前で見る味の微調整というOJTで料理を覚えた
- 次回はゴーヤチャンプルーの近況報告が予告された







