リスナーの質問から始まる「種苗法」の話
この日の配信は、前日の放送中に届いた1つの質問から始まりました。
種苗法って皆さんご存知でしょうか?ちょっとテレビとかニュースであったり流れてたりする、その話題を解説しようかなと思っております。
川上さんは「10分15分ぐらいの配信」で、農業に携わる人にとって大事なこの法律を、できるだけわかりやすく短くまとめる、という方針で話を進めます。
話題として真っ先に挙がったのが、韓国や中国でシャインマスカットが作られているというニュースです。種苗法は、農家にとって本当に大事な法律なのだと川上さんは切り出します。
そもそも種苗法ってどんな法律?
まず、そもそも「種苗」とは何かというところから。作物の種や苗のことで、字の通りだと川上さんは説明します。
そのうえで、種苗法とは優良な品種を育てた人の権利を守る法律だと整理します。
たとえば品質の高いブドウやイチゴ。日本の農産物はとても品質が高く、その新品種を何年もかけて開発した人がいます。
ところが、その品種が勝手に他人や海外に持ち出されてしまうと、これまで培って作り上げてきた品種が盗まれてしまうことになります。
だからこそ、品種を育てた人に権利を与える仕組みが必要になる、という流れです。
品種を守る「育成者権」ってどういう権利?
種苗法の中でいちばん大事だと言われているのが「育成者権」という考え方だと川上さんは話します。
これは新しい品種を育てた人が、その品種を使って苗を販売したり、他人に育てさせたりすることをコントロールできる権利です。
登録された品種を育てたり販売したりするには、この権利を持つ人から許可をもらう必要があるというルールが、この育成者権ということですね。
だから農家としても、この品種は登録されているのか、自由に使っていいのかを確認する必要がある時代になってきた、というのが川上さんの見方です。
2020年の改正でどう変わった?自家増殖のルール
この法律が昨年(配信時点)あたりに改定され、厳しくなったポイントがあります。それが「自家増殖」まわりのルールです。
これまではサツマイモやイチゴの苗を、自分で切って苗やイモとして使い、植えるとまた同じものが出てくる、という使い方ができていました。それがちょっと難しくなってきた、と川上さんは言います。
農家が一度買った種や苗から自分で種を取り、来年も使うやり方を自家増殖と呼びます。この自家増殖に育成者の許諾が必要になったのが2020年の改正でした。
ただし、農家が完全に自由を失ったわけではありません。ここが川上さんが強調するポイントです。
- 登録されていない品種は今まで通り自家増殖が可能
- 家庭菜園レベルの利用は対象外
- 自分の家で食べる分なら大丈夫
なぜ改正された?海外流出を防ぐという背景
では、なぜ改正されたのか。川上さんは大きな理由の1つとして、日本の優良品種の海外流出を防ぐためだと説明します。
日本で開発された高級イチゴやブドウが、海外で無断で栽培・販売されるという問題がありました。
これでは開発に投資した意味がなくなってしまいます。だからこそ、品種の知的財産としての価値を守るために改正が行われたということですね。
農家と消費者は何に気をつければいい?
これからの農家と消費者が気をつけたいポイントも整理されました。まず農家側です。
加えて、契約栽培や販売のルールにも注意が必要だと川上さんは付け加えます。
一方で消費者側は、守られている品種なのかを意識してみてほしい、という話です。
勝手に自家増殖して認可されていないものが販売されているかもしれない、というのがその理由。とくにメルカリなどのフリマサイトでサツマイモやイチゴの苗を転売するケースは、規制の対象になったと説明されています。
改正への現場の声と、川上さんの受け止め
まとめとして、川上さんは種苗法のポイントを改めて整理します。種や苗を守る法律であること、新品種を作った人の権利を守る育成者権があること、自家増殖のルールが変わったこと、そして海外流出の防止が背景にあったことです。
そのうえで、この法律をめぐっては現場の声や勘違いもあると触れます。「こんなケースはどうするんだ」という極端な例がSNSでバズってしまう、という現象も指摘しました。
たとえば各地の伝統野菜。その地域で自家育種で育ててきたところもあり、規模が小さいぶん損害も大きく、やりにくくなっている面があると話します。
ちゃんとルール作り、もうちょっと改正した方がいいんじゃないかなとは思ったりしますね。
一方で、改正の目的はあくまで海外流出をいち早く防ぐことにある、というのが川上さんの受け止めです。法改正は意見を聞きながら適宜行われるはずだとも話します。
だからこそ、昔はできていたのに今回できなくなった点は、農水省や政治家につないで意見を訴えていくとよい、と川上さんは呼びかけます。
リスナーからの質問に答えるコメント返し
後半は、寄せられたコメントへの回答コーナーです。ただし、川上さん自身も「まだ調べていない」と正直に答える場面が続きます。
育成者の許諾が必要なのは開発後何年間とかありますか?製薬とかだとそういうのがあるので、種苗法だとどうなのかなと思いました。
農研機構や農水省に届け出を出すのだと思う、と川上さん。著作権のように「何年」という期間もおそらくあるはずですが、詳しくはまだ調べていないので、わかったら伝えたいと話しています。
育成者の方が亡くなったらどうなるんですかね?
権利だけは残るんじゃないかな、というのが川上さんの推測です。ここもはっきりわからないので、また調べてみようと思う、と答えていました。
最後は日曜の朝からガチガチの話をしてしまった、と笑いつつ、選挙にも行きましょうと呼びかけて配信を締めくくりました。
まとめ
種苗法は、優良な品種を育てた人の権利を守る法律です。2020年の改正で自家増殖のルールが変わりましたが、その背景には日本の品種が海外へ流出するのを防ぐという狙いがありました。ふだんスーパーやJAで買うぶんには問題なく、気をつけたいのはフリマサイトなどでの苗の取り扱いです。
- 種苗法は種や苗を守り、新品種を育てた人の権利を守る法律
- 育成者権があり、登録品種の販売や増殖には許可が必要
- 2020年の改正で、登録品種の自家増殖に育成者の許諾が必要に
- 登録されていない品種や家庭菜園レベルの利用は対象外
- 改正の背景は、日本の優良品種の海外流出を防ぐこと





