今日の予定は町内会の書類作り? 朝の牧場から
番組は島根県出雲市の小さな牧場からの配信で、普段飲んでいる牛乳や酪農の魅力を酪農家が伝える放送です。この日は3月28日の金曜日、雨の朝からスタートしました。
川上さんはこの日の予定として、毎週通っている整体で体を治すこと、ホームセンターでの修繕用の資材の買い物、JAでの入出金の確認などを挙げています。
ただ、JAでの用事は牧場の営農ではなく町内会のものだそうです。3月いっぱいで自治委員の任期が終わるため、その書類作りに追われていると話されています。
これ全部町内会のやつなんですよね。僕の営農講座とかじゃなくて、町内会のやつです。
そのうえで、この日の配信テーマとして「農学部の立ち位置の変化」を紹介すると予告しています。子どもの高校受験や、教育の無償化の話題が身近になってきたことがきっかけだと語っています。
牛乳で乾杯の前に、ラジオCMと未来の牛乳のお知らせ
本題に入る前に、川上さんはいくつかお知らせを紹介しています。まず、3月25日16時のTBSラジオで、番組オープニングでも流れる「牛乳で乾杯」のCMが放送されたことを伝えています。
このCMはradikoで1週間アーカイブとして聴けるそうです。春休みで学校給食が止まり、牛乳の需要が落ちる時期でもあるため、ラジオを聴きながらもう1杯飲んでほしいと呼びかけています。
もう一つのお知らせが、Instagramの「#未来の牛乳」という取り組みです。「こんな牛乳・乳製品があったらいいな」という声をAIアートでNFTにして販売しているそうです。
このNFTの売上は、子ども食堂への牛乳支援や、小中高での食育活動の活動費に充てられると説明されています。みんなの支援が子どもたちの未来の牛乳を作っていく体験ができる、というのが川上さんの説明です。
お知らせのあと、川上さんは冷たい牛乳を飲んで一言。夏日のような陽気のなかでの牛乳がよほどおいしかったようです。
もう一気に夏日でも冷たい牛乳うめえ。
農学部の学部が全国で新設・再編、その中身は?
ここからが今回の本題です。川上さんは、AIがまとめたニュースとして、AERAdot.のYahoo!ニュース記事を紹介しています。テーマは、幅広い就職先を持つようになった農学部の今です。
記事によると、農学系の学部の新設や再編が全国で相次いでいるそうです。経済成長が停滞するなかで、農業が堅調な産業として注目されている、という背景が語られています。
各大学が打ち出すテーマも、生命科学・環境・食・情報・地域など多岐にわたります。記事では具体的な大学の例も挙げられています。
地域や食品産業と連携し、特産品のワイン研究をしているのが特徴
福島第一原発事故からの農業の再生・復興への貢献を目指している
記事では、農業ジャーナリストの山田さん(記事内の説明)が、こうした変化の背景を「他分野との融合により農学の領域が拡大している」と語っています。
かつては、バイオテクノロジーといえば優良な種子を作り、品種改良が中心だった。だが、今は最先端の他の学問と結びつくことで成果を出している。
たとえば農学×医学の分野では、農学部が研究してきた微生物から医薬品が生まれているそうです。話題の腸内環境も、農学部が研究してきた腸内細菌や乳酸菌が鍵になっていると紹介されています。
さらに、過疎化する地域をどう再生するかという「農学×地域課題」も重要な研究テーマになっていると記事は伝えています。こうした実学的な学びが、幅広い就職先につながっているというのが記事の趣旨です。
なぜ今、農学部が再注目されているの?
記事を紹介したあと、川上さんは自分なりの解釈を語っています。農学部はこれまで「縁の下の力持ち」のような地味な産業と見られ、就職先としてはあまり人気がなかった、という見方です。
その人気が変わってきた理由として、川上さんは工業製品の成熟を挙げています。テレビも車もスマホも、どれを選んでもそれなりに使えるようになり、大量生産が限度を超えてきた、という見立てです。
工業系がちょっと伸び悩んでいるっていうのは、まあ実際あるんじゃないかなと思って。
そのぶん、食と環境に注目が集まり、農学部が再評価されている、と川上さんは話しています。J-クレジットや地球温暖化への対応で、リサイクルや環境に優しい素材に取り組む企業が増えていることも背景に挙げています。
そうした企業でも農学部の学生が再評価されている、というのが川上さんの見立てです。記事の具体的な数字として、龍谷大学農学部の話も紹介されています。
記事によると、就職先は種苗会社やJA、食品メーカーはもちろん、IT・金融・通信など農業に直接関わらない業種にも学生たちが活躍の場を広げているそうです。
新卒でいきなり就農? 変わる農業への入り口
記事では、新卒でいきなり新規就農を選ぶ学生もいると紹介されています。数としては少数派ですが、志は高く、行政の支援や研修プログラムも整ってきたと書かれています。
記事によれば、20代から農業を始める選択肢も現実的になり、「地域の農業を変えたい」「地元でブランド作物を育てたい」という若者が確実に増えているそうです。
これについて川上さんは、農家にとってはありがたい一方で、受け入れる農業環境が整っているかには疑問もある、と正直な見方も添えています。
ただ、団塊の世代が農業を辞めていく時期が近づいていることを踏まえ、そこで若い人材が活躍できる土壌になるのではないか、と前向きにとらえています。
いい大学に行けば安泰、の時代じゃなくなってきた?
川上さんは話を、これからの学び方や働き方そのものへと広げていきます。良い大学に行って就職しても、定年までずっと同じ会社で働き続けるのは難しい時代になってきた、という見方です。
その理由の一つとして、AIの進化を挙げています。ホワイトカラーの仕事が奪われる、ロボットにできる仕事は取られる、といった変化のなかで、専門性のある研究分野に再び光が当たると考えているそうです。
いい大学行けばっていうのが、すべて解決するっていう問題じゃなくなってきちゃってる。
そのうえで川上さんは、今求められているのは農学系や工業系のような分野だと話しています。中卒でもすぐ現場に入り、即戦力として働きながらスペシャリストになる、という働き方もあると語っています。
春休みで子どもが家にいる家庭に向けて、川上さんは軽い提案もしています。ゲームやスマホばかりで勉強しない、と悩むより、別の経験をさせてみては、という発想です。
ちょっと暇だったらちょっと野菜作れとか、ちょっと牛飼ってみようみたいな、そういう進め方もいいんじゃないかな。
農業をやる「体力」って、体だけじゃない?
後半は、リスナーのコメントに答えるコーナーになっています。まず「川上さん、就職くだらねって鼻で笑った感じが出ちゃってます」という指摘には、そうではないと否定しています。
川上さんは自身がサラリーマン経験がほとんどないと前置きしつつ、伝えたかったのは価値観が大きく変わっているという点だと補足しています。良い大学に進んでも将来安泰とは限らない時代だから、農学部はどうか、という提案だったと説明しています。
次に「農業をやれる体力が家庭にあるかだよね」というコメントに、川上さんは「体力か、考えたことなかった」と素直に反応しています。そこから、自分の体力に見合った農業をすればいい、という考えに行き着きます。
別にプランターでね、作るみたいなのも全然いいです。
さらにリスナーから「体力って体の体力もそうだけど、資産的なところ」という指摘が入ります。これに川上さんも同意し、家庭菜園は意外とお金がかかると認めています。
キャベツが200円や300円、お米が1キロ1000円を超えるなか、自分で作ろうとするとそれ以上かかることもある、と具体的に語っています。それでも、農作物を手に入れる過程を経験として見てもらえたら安いのでは、と問いかけています。
なお、川上牧場ではタイミーやデイワークを使った隙間バイトで、酪農体験もできると案内されています。若い人が農業に触れることは本当に大事だ、という川上さんの思いも語られています。
Xでの感想紹介と、金曜の締めのあいさつ
最後に川上さんは、前日のstand.fm配信への感想を紹介しています。ヨーグルトの菌について分かりやすく話していた、とXでリポストしてくれたリスナーへのお礼です。
川上さんは「自分はヨーグルトの専門家ではない」と謙遜しつつ、話の「さわりのさわり」くらいにはなるかもしれない、と話しています。買い物中に配信を聴きながら乳製品を選ぶ参考にしてほしい、という呼びかけです。
そして、天気がコロコロ変わる週末に向けて体調に気をつけてほしいと伝え、金曜の朝の配信を締めくくっています。
お仕事の方、学校の方、いってらっしゃい。みんな牛乳飲んでね。
まとめ
今回は、農学部の就職率97.5%というニュースを入り口に、これからの学びと農業への関わり方を酪農家の川上さんがゆるやかに語る回でした。専門性や現場経験の価値が見直されつつあるという視点が、朝の配信らしいやわらかさで届けられています。
- 農学系の学部が全国で新設・再編され、食・環境・地域・情報など幅広いテーマを打ち出している
- 農学は医学や地域課題などと融合し、就職先もIT・金融・通信まで広がっている(龍谷大学農学部の実質就職率は97.5%)
- いい大学に行けば安泰という時代ではなくなり、専門性や現場での即戦力が見直されてきている
- 農業をやる「体力」には、体力だけでなく資産面も含まれる。プランター栽培など体力に見合った関わり方もある
- 川上牧場ではタイミーなどの隙間バイトで酪農体験もでき、若い人が農業に触れるきっかけになる





