連日の晴れと、能力の高い子牛の誕生
配信は3月27日木曜日、連日の晴れが続くなか、昼から大雨の予報が出ている日でした。桜が咲く前の時期なので、この雨で花が落ちる心配はまだなさそうです。
この日のお仕事は、午前中に堆肥を2台運び、午後は雨が降る前に圃場へ広げる予定とのこと。天気を見ながら段取りを組むのが酪農の日常です。
前日の夕方には子牛が生まれたことも報告されました。川上さんによると、この子の母牛はとても成績がいい牛なのだそうです。
最近生まれる子牛、ほんと全部能力が高い牛さんばっかりになってきてるので、ほんとハラハラヒリヒリしながらやっております。
寒くも暑くもない3月ごろに生まれるよう調整し、母牛にも事故がないようにしたうえでの無事の出産。能力の高い牛が続くからこそ、緊張感も大きくなるという酪農家ならではの一言です。
春休みに牛乳を届けるためのお知らせ
本題の前に、川上さんからいくつかお知らせがありました。まずは、川上牧場のオープニングにも使われている曲「牛乳で乾杯」が、TBSラジオのCMで流れたという話です。
放送は3月25日火曜の16時のTBSラジオ。Radiko ── パソコンやスマホでラジオを聴けるアプリ。放送後、一定期間はアーカイブで聴き直せる機能もあるで1週間アーカイブとして聴けるので、ぜひチェックしてほしいと呼びかけています。
この時期に告知するのには理由があります。学校給食が止まる春休みは、牛乳の消費が落ちてしまうからです。
春休みのこの牛乳、学校給食が止まる時期に、たくさんの方に牛乳を飲んでもらえるために、TBSラジオを聴きながら牛乳をもう1杯飲んでいただけたら嬉しいなと思います。
もう1つのお知らせは、Instagramで進めている「未来の牛乳」という企画です。「こんな牛乳・乳製品があったらいいな」というアイデアをAIアートにしてNFT ── デジタルデータに「これは本物」という証明を付けて売買できるしくみ。ここでは牧場のアート作品を販売する形で使われているとして販売しているとのこと。
この売上は、子ども食堂への牛乳支援や、小中高での食育活動の費用に充てられるそうです。支援がそのまま子どもたちの牛乳につながる、という仕組みになっています。
ヨーグルトの菌が多すぎて選べない、というお便り
ここからが今回のメインテーマです。YouTubeネームのレインさんから届いた質問を、川上さんが読み上げます。
ヨーグルトのラベルにいろいろな菌が書いてありますが、どうも伝わりません。消費者の努力不足でしょうか。BB12とか言われても商品選定の際に参考にできずにいます。
川上さんもこの悩みには深く共感します。今のヨーグルトは種類が本当に多く、選択肢が増えたのはいいことでも、どれを選べばいいか迷ってしまうよね、という受け止めです。
ほんとね、最近のヨーグルト、数多すぎ問題、確かにありますね。
ヨーグルトには、ハードタイプ、500ミリリットルの大きいもの、小さいカップ、ドリンクタイプなどさまざまな形があります。さらに菌の種類まで加わると、選ぶ基準が見えにくくなります。
ちなみに酪農家の川上さん自身は、機能性で選ぶことはあまりないそうです。子どもが食べる3個セットのカップや、出荷先である乳酪牛乳のヨーグルト、ビヒダスやダノンのフルーツ入りなどを選んでいるとのこと。
そもそもヨーグルトの菌は何をしている?
選び方の前に、川上さんはヨーグルトの菌がそもそも何をしているのかを説明します。ヨーグルトには必ず乳酸菌やビフィズス菌が含まれています。
この菌が牛乳の中の糖を分解して酸を出すことで、ミルクが固まってヨーグルトになります。菌の種類によって、体への働きがそれぞれ違うというのがポイントです。
働きの例として、川上さんはお腹の調子を整えるもの、免疫力を高めるもの、花粉症などアレルギー症状を和らげるもの、ピロリ菌を抑えるものなどを挙げました。
牛乳の糖を分解
含まれる菌が牛乳の中の糖を分解する
酸を出す
分解の過程で酸が生まれる
ミルクが固まる
酸によってミルクが固まり、ヨーグルトになる
BB12やLG21って結局なに?主な菌を整理
ここで川上さんは、大手メーカーのヨーグルトに使われている代表的な菌を1つずつ紹介していきます。まずは質問にもあったBB12から。
BB12は「ビフィドバクテリウム ラクティス」の頭文字を取ったもので、森永ビヒダスに使われています。腸内環境の改善に定評があり、乳児にも使われるほど安全性が高く、便秘の予防にいいとされています。
次にLG21。これは「ラクトバチルス ガセリ」という乳酸菌で、明治プロビオヨーグルトに含まれています。胃のピロリ菌の抑制が期待でき、働く大人向けに人気なのだそうです。
コロナやインフルエンザが流行した時期に爆発的に売れたR1ヨーグルトも登場します。正式名称は「1073R1乳酸菌」で、明治乳業の商品。インフルエンザ予防や免疫力の活性化の研究で有名です。
最後に、雪印メグミルクのガセリ菌SP株(ラクトバチルス ガセリ SBT2055)。こちらは内臓脂肪の低減効果が期待される乳酸菌として紹介されました。
| 菌の名前 | 代表的な商品 | 期待される働き |
|---|---|---|
| BB12 | 森永ビヒダス | 腸内環境の改善・便秘予防 |
| LG21 | 明治プロビオヨーグルト | 胃のピロリ菌の抑制 |
| 1073R1乳酸菌 | R1ヨーグルト | インフルエンザ予防・免疫力の活性化 |
| ガセリ菌SP株 | 雪印メグミルク | 内臓脂肪の低減 |
川上さんは、この菌の名前をわかりやすくたとえます。ラベルの英数字に身構えなくて大丈夫、というメッセージです。
乳酸菌の名前はもうIDみたいなもんで。それが入ってますよって大々的に言うために、パッケージに書かれているっていう感じですかね。
自分の悩みから選んで、1〜2週間続けてみる
では実際にどう選べばいいのか。川上さんの答えはシンプルで、今の自分の悩みから選ぶというものです。
たとえば花粉症の人はアレルギーの抑制になるヨーグルト、風邪やコロナが気になる人はR1のようなヨーグルト、お腹の脂肪が気になる人はガセリ菌SP株が入ったもの、といった具合です。
そして大事なのが続ける期間です。1日食べただけでは腸内の細菌は変わらないので、まずは同じヨーグルトを一定期間食べ続けてみることをすすめています。
大体1つのヨーグルトを1週間から2週間ずっと食べ続けていただいて、それで体調の変化で自分の体に合ったものを選んでもらえたらいいんじゃないかなと思います。
体質は人によって違い、食生活や生活習慣、年齢によっても腸内細菌のバランスは変わります。だからこそ、食べ比べて自分に合う1本を見つけるのがいい、というわけです。
子牛の「成績」とピロリ菌、そして海外との違い
後半は、リスナーからのコメントに答える流れになりました。まず、冒頭で触れた「成績がいい牛」とはどういう意味か、という点です。
川上さんによると、成績がいいとは、乳を生産する能力が高く、たくさん牛乳を作れる牛のこと。同じ餌代や管理費でたくさん搾れるので、手間あたりの生産が高いという意味になります。
最近は飼料効率も重視され、体が小さくて餌の量が少ないのにお乳がよく出て、乳成分もいい牛がトレンドなのだそうです。今回生まれた子牛は、長命連産(長生きしながら出産を続ける)といったNTP=総合指数の数値が高い牛だといいます。
コメントでは、ピロリ菌についての補足も紹介されました。ピロリ菌は十二指腸潰瘍などの原因になり、胃がんの発生リスクを5倍程度に引き上げるとの内容です。
川上さんは、自分より少し上の年代は井戸水からピロリ菌に感染していることがあり、人間ドックでも検査があると話します。それがヨーグルトを食べ続けることで抑えられる商品が増えてきている、という流れにつながります。
最後に話題は海外との違いへ。日本はヨーグルトの種類がとても多く、海外から来た人が「多すぎて訳がわからない」となることもあるそうです。
海外の方はグラスフェッドとか、有機農法で作られたみたいな種類だとか、地域のブランドみたいなので販売されたりしますけど、日本はまた特殊ですね。
川上さんは自分をヨーグルトの専門家ではないと前置きしつつ、もっと詳しく知りたい人へのヒントも添えました。Xにはヨーグルト研究会もあるので、そちらの投稿や記事を見てみるといい、とのことです。
まとめ
ヨーグルトのラベルに並ぶ菌の名前は、いわば商品のIDのようなもの。難しく考えず、今の自分の悩みに合わせて選び、1〜2週間続けて体調の変化を見ながら、自分に合う1本を見つけていくのがよさそうです。
- ヨーグルトの菌は牛乳の糖を分解して酸を出し、ミルクを固めてヨーグルトにする
- BB12は腸内環境、LG21はピロリ菌、R1は免疫、ガセリ菌SP株は内臓脂肪と、菌ごとに働きが違う
- 選び方のコツは「今の悩みで選ぶ」こと。菌名はIDのようなものと考えれば身構えなくてよい
- 腸内細菌は1日では変わらないので、同じヨーグルトを1〜2週間続けて体調の変化を見る
- 体質は食生活・生活習慣・年齢で変わるため、食べ比べて自分に合う1本を探すのがおすすめ




