今日の牧場と、この回のテーマ
番組は島根県出雲市にある小さな牧場からの配信です。普段何気なく飲んでいる牛乳や酪農の魅力を、酪農家自身が話す放送になっています。
この日は4月3日の木曜日。曇りのち雨で最高気温13度という、春らしい天気からのスタートでした。週末の花見が天気的にちょっと微妙、という話も出ています。
この日のお仕事は、北海道の農業団体の方が川上牧場に視察に来られるとのこと。確定申告が終わって農繁期に入る前のこの時期は、農家が旅行に行きがちなんだそうです。
この確定申告が終わって、農繁期が始まる前に旅行に行きがち農家っていうのを、(農協の)組合で旅行に行きがちなんですけど。
午後は堆肥を近所の希望者に届ける予定とのこと。前日も堆肥を4台運んだそうで、どんどん運んでいこうとのことでした。
そして今回のメインテーマが、3月30日に行われた「令和の百姓一揆」です。配信アプリに寄せられた質問に答える形で話が進みます。
リスナーからの質問「令和の百姓一揆、どう思う?」
質問はスプーンから届いたもので、「令和の百姓一揆盛り上がっておりますが、川上さんはどう思っていますか?」という内容でした。
川上さんはX(旧Twitter)を長く使っていて、フォローしている農家の方が多いため、タイムラインには令和の百姓一揆の話題がよく流れてくるそうです。
個人的には、こういう活動をするのはまあいいかなというか、消費者の皆さんに訴えるっていうのは大事なことだなとは思ってるんですけど。
ただ、いきなり評価する前に、過去の歴史を振り返ってみようというのが川上さんの提案です。過去に農家が政府へ大きく訴えた事例の成功例・失敗例を踏まえて、今回の一揆を見てみようという流れになります。
そこで、AIを使って歴史をまとめてもらったものを紹介していきます。
そもそも「令和の百姓一揆」って何?
AIのまとめによると、令和の百姓一揆とは、2025年3月に全国の農家が都心に集まり、トラクターを走らせるという形で起きたアクションのことです。
この運動では、いくつかの切実な声が上がっていたとされます。
- お米農家の時給が10円に満たない
- 肥料・飼料・燃料などのコストの急騰
- 農家の高齢化と後継者不足
- 食料自給率の危機
川上さんは、これらは怒りというより「助けて」というSOSに近いものではないか、とまとめています。
過去の百姓一揆に学ぶ、成功と失敗
百姓一揆は江戸時代に数百件以上起きているそうです。では、そうした運動は成功したのか。まず失敗事例から見ていきます。
失敗事例として挙げられたのが、1780年代の天明の一揆です。東北を中心に、飢饉と年貢の過酷な取り立てに農民が一斉に立ち上がりましたが、武力弾圧と処罰で首謀者は厳罰。体制は揺らがず、上に逆らうことが死を覚悟するほどの行動だった時代です。
一方、成功事例として紹介されたのが、1837年の大塩平八郎の乱です。直接的な一揆ではないものの、社会不安と官僚腐敗への抗議として、全国で農民の声が政治改革につながっていったとされています。
さらに近代の成功例が、1947年前後の農地改革です。戦前までの小作制度に不満を持った農民たちの運動とGHQの政策が合流し、農地解放が実現しました。これで自作農が増え、戦後日本農業の基礎が築かれていきます。
成功の鍵は、政治の転換点に農民の声が重なったこと。農民の声が国の未来にどう関わるかが問われる局面だった、という点でした。
武力で立ち上がったが弾圧・処罰され、その場限りで終わった。体制は揺らがなかった。
政治の転換点に農民の声が重なり、社会の流れと結びついた。制度そのものが変わった。
江戸の一揆と令和の一揆、決定的な違い
AIのまとめによると、今回の令和の百姓一揆は、暴力を使わず、静かなデモとSNSでの拡散、クラウドファンディングという形をとっています。
江戸の一揆と決定的に違うのは、民主主義の中で行われていることだと指摘されています。言い換えれば、政府も国民も聞く耳はあるはず、というわけです。
今回の運動が要求しているものとして、次のような項目が挙げられました。
- 欧米並みの所得保障
- 食料安全保障としての農業支援
- 新規就農や継承への本気の支援
- 災害時の迅速な補償制度
過去の一揆は命をつなぐための行動でしたが、今の運動も本質は同じ。違うのは、私たちがもっとその声に参加できる、支援できる手段があることだ、とまとめられています。
そしてこれは農業だけの問題ではなく、消費者の問題でもあるとされます。農家が離農すれば食料供給が不安定になり、国際情勢や円安で輸入品に依存する構造のリスクも増しているからです。
AIのまとめの締めと、記事化前のリサーチ
AIのまとめは、声を上げる意味とこれからの戦い方で締めくくられます。過去には武力で訴えても届かなかった時代がありましたが、今はSNS、メディア、クラファンなど共感を集める方法がたくさんあります。
失敗した一揆はその場限りで終わった運動が多く、成功した一揆は社会の流れと結びついていた。だからこそ、今回の動きも続けること、つなげることが鍵になる、というまとめでした。
川上さんによると、このまとめはnoteで記事にする前のリサーチとのこと。AIに112本ほどの記事を洗ってもらい、そこから抽出したものだそうです。
詳細な記事を集めるよう指示したので信頼性は高いと考えつつも、個人のブログからも意見を取っているため、これが全てではない、と川上さんは念を押しています。
川上さんの本音「その前にやれることがある」
ここからは、酪農家である川上さん自身の意見です。声を上げること自体はとても大事でいいことだと前置きしつつ、気になる点を挙げていきます。
一つは「農家の代表」という言い方について。川上さんによると、農家の声や代表はすでに存在していて、各地の組合を通じて政治に訴えかけています。酪農家団体も、乳価交渉という形で牛乳の値段の引き上げを交渉してきました。
問題は、その組織が各地でちゃんと機能しているか、若手の声が届く形になっているか、という点だと川上さんは言います。
若手の意見が通らないってなってるんだったら、その組織が若手が入るようにちゃんとやらないといけない。
実際に若手が会議に出ていないところも多いそうで、まずはそこからではないか、というのが川上さんの考えです。
もう一つは補償の話。農家への補償は少ないと言われがちですが、直接補償ではなくても間接的な補償はかなりある、と川上さんは指摘します。それを知らない、届いていないのは、情報を自分から取りに行けていないのではないか、という見方です。
「食べてください」の前に、あなたは助けてる?
川上さんが繰り返し強調したのが、まず自分たちの組織体制を整えることと、昔からの流れで惰性になっていないかという点です。
昔からの流れでハイハイしてる、今年もこれでみたいな感じになってるとこが多くないですか。
聞いている農家に向けて、まず自分が会議の場で意見を言える立場になること、居座っている人がいるなら改革することが大事だと語りかけます。
そして、支援を求める姿勢そのものにも一言。「食べてください」「助けてください」と言うけれど、では自分たちは何かを助けているのか、という問いかけです。
食べてください、助けてくださいって言ってますけど、あなたたち何か助けてますか。
例に挙がったのが、小麦の高騰で次々と潰れていったラーメン屋です。ほかの飲食店や、コロナ禍の借り入れの返済に苦しむ民間企業も大変なはず。そういうところを助けているか、という視点でした。
最後に川上さんは、この動きが未来から見てどう評価されるかはこれから次第だとしつつ、一部農家の代表として声を上げ続けてほしい、と締めくくっています。
コメントで深掘り、海外の農業と補償の実際
配信の後半では、リスナーのコメントに答えていきます。まず「具体的に何の実現を求めているのか、項目ごとに知りたい」という質問には、noteのまとめを見てほしいと案内しました。
「本気の欧米並みの補償と言われても、お金のことしかイメージできなかった」というコメントには、海外の農業の実態を説明しています。
川上さんによると、ヨーロッパの一部では国の政策として農家に所得補償をしていますが、そのぶん他の支援がほとんどないケースもあるそうです。販売も自分でやる必要があり、日本のように作ったものを全量買い取る農協のような仕組みはないと言います。
(海外では)全部責任が自分のところに返ってきたりっていうのが海外の農業だったりする。
災害時についても、日本には共済制度や保険制度があり、国が一部を負担しています。海外にはそうした仕組みがないところもあるため、日本の農業がそんなに恵まれていないことはない、というのが川上さんの見方です。
さらに「農業に災害補償をするなら、車の製造工場にも補償していい、という考えなのか」というコメントも紹介されました。川上さんは、自分たちがやってもらうということは、他のところを支援しても文句は言えないはずだと応じています。
最後に、あるリスナーが川上さんの主張を「助けてではなく、他を助けてますか?」とまとめたことに対して、川上さんはこう返しています。
助けてっていう前に、自分が助けてからじゃないですかね。
自分が助けていれば、いざ自分が大変なときにその相手が助けてくれる。だからまず自分から、というのが川上さんの一貫した考えでした。
まとめ
この回は、令和の百姓一揆を過去の百姓一揆と比べながら、酪農家の川上さんが自分の言葉で評価した回でした。声を上げること自体は大事としつつ、その前にやれることがあるのでは、という現場からの問いかけが印象的です。
- 令和の百姓一揆は、暴力ではなくデモ・SNS・クラファンという民主主義の中の運動で、江戸時代の一揆と決定的に違う
- 過去の一揆は、社会の流れと結びついたものが成功し、その場限りのものは失敗した
- 川上さんは、農家の代表はすでに組合として存在しており、まず組織を機能させ若手が声を出せる形にすることが先ではと指摘する
- 農家への補償は間接的なものも含めればかなりあり、海外と比べて日本がそんなに恵まれていないわけではないという見方
- 「助けてください」の前に、自分が他を助けているか——まず自分からという姿勢を川上さんは強調している





