番組で何度も名前が出た「お隣の卜部さん」
今回のゲストは、天野さんの隣に住む卜部良太郎さんです。年間およそ160件の住宅を測る気密測定の専門家で、自宅の新築を天野さんに任せました。
皆さんこんにちは。天野保建築の天野洋平と。
住宅ライターの高橋かずえです。
今日はですね、東京と山梨の2拠点での収録になってるんですけれども、天野さんのお隣にウラベ株式会社の卜部良太郎さんがいらっしゃってます。
卜部さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
ようやく。話題の隣の卜部さんって誰だろうっていう。
ちょいちょい話は出してますけど、隣の卜部さんに、はい、出ていただけました。
卜部さんは気密測定の専門会社として、各地のお家の気密測定をしていらっしゃる方です。卜部さん、自己紹介をお願いします。
主に住宅の気密測定を、専門業者としてさせていただいております。
地域は北の方だと群馬県から、隣の県だと長野県までとか、一応広範囲ではあるんですけども、主に気密測定と、風量の測定もしております。
気密測定のプロの家を作るという、プレッシャーを感じる仕事だったのかな、天野さんと思うんですけど。
まず、天野さんと卜部さんはどういうご関係なんですか?
元々は、卜部さんが前職の時ですね、木材市場、材木屋さんにお勤めしていた時に、お付き合いが始まったっていうところですね。簡単に言うと。
そういうお付き合いの始まり方だったんですね。
そうです、そうです。
今日はそんな卜部さんに、いろんなお話を聞いていきたいと思います。天野さん、いい家って何ですか?
ここで番組のタイトルコールと、天野さんによる番組紹介が入ります。
この番組は山梨で家を作り続ける大工、天野保建築の天野洋平が、図面や性能だけでは語りきれない家づくりと暮らしの本音を語るポッドキャストです。
「年間160件」気密測定とはどんな仕事か
高橋さんはまず、卜部さんの本業である気密測定について尋ねます。
気密測定ってどんなお仕事になるんですか?
住宅には必ず性能というものがありまして、耐震性、あとは断熱と気密っていう、主に私は3つだと思ってはいるんですけども。
そのうちの気密っていう性能、要は建物の空気の漏気を性能値で測るっていうのが、私の仕事です。
建物の1つ1つの評価を、C値という単位で表示するっていうのが、気密測定という内容になりますね。
お家にどれだけ隙間がないかっていうことを調べるのが、卜部さんのお仕事。
そうですね、はい。
C値が少なければ少ないほど、隙間が少ないんだよっていうお家で合ってますよね。
合ってます。合ってます。
ここはもう、天野さんからいっぱい教えてもらいました。
では、これまで何軒ぐらいのお家を気密測定で測られてるんですか?
実績でいうと、年間大体、今160件ぐらい測定をさせていただいております。
え、すごい。
3日に1回以上、2日に1回か3日に1回。
そのくらいになるかなと思います。私の業務は山梨県内だけではないので、大体半分、半分以上は県外の物件を測定させていただいているのが、最近の状況ですね。
鉄骨アパートから新築へ、「冬が楽しくなった」
話題は、卜部さんが天野さんの建てた家に住んでからの暮らしに移ります。
実際に天野さんのお家に住んでみて、住み心地とか快適さとか、前に住んでたお家とどう違いますかね。
新築する前は、鉄骨建てのアパートに住んでたんですけども、新築して住み始めたのが12月なので。
その冬は、これほど冬が楽しくなるんだなっていう感じですね。
富士吉田は寒いっていうのは、もう皆さんご存知のところで、氷点下15度ぐらいまでいきますかねっていうところなので。
まさか冬が楽しい。しかも夜になったりすると、窓越しに外を見る景色がですね。
天野さんに計画していただいた時に、(私の家は)窓越しに富士山が見えるようになってるんですけど。
いいですね。
冬の雲がない、快晴の夜、富士山がうっすら影に見える景色を、結露しない窓で家の中から覗くっていうのは。
これはもう、これほどかと思いましたね、やっぱり。
カーテンはないんですか?
ハニカムのブラインドがあって、一応下げることはできるんですけども、たまたま隣地に家がなくて。
ちょうどその隣地がないところをそのまま覗いていくと、もう富士山の姿がそのまま見えるんですけど。
鹿が出ます、鹿が。
鹿。
先日も、鹿の大群が出たっつって、うちの奥さんが騒いでました。
うちの娘も騒いでましたけど。
「前の家だったら死にますよね」冬の電気代5万円の頃
いやもう、前の家に戻れないって感じですか?
いや、前の家だったら死にますよね、やっぱり。戻るっていうとこじゃないです。
そのアパートには、子供が生まれた時ぐらいから住んでたんですけども、小さい子は喘息になりやすかったりとかあるんで、冬場は1部屋だけ温度上げとくんですけど。
ただ、やっぱり石油ファンヒーター焚けないんですよ。狭すぎて、6畳でですね。
ああ、空気がね、悪くなっちゃう。
だからオイルヒーターを常に1部屋だけ焚くんですけど、焚いても天井が熱くなるぐらいで。
しかも高いんですよね、オイルヒーター。電気代高いですよね。
いや、高いんですよ。電気代、今だったらどうしようと思いますね。
もう新築して5年経つので、6年とか7年前に、冬場の電気代だけで5万円ぐらいいってたんですよ。
うーん、高っ。高いですね。
1部屋暖めるが故に。
肌着一枚でゴロゴロ、「嘘みたい」な冬
それを考えると、(新築の)1年目なんていうのは、窓から覗くだけじゃなくて、どこの部屋にいても肌着1枚でゴロゴロできるっていうのは。
嘘みたいな感じでしたけど。はい、とても快適です。
嘘みたいっていうのが、本音かもしれないですね。
すいません、表現がちょっと拙い言い方かもしれないですけど。そうしかないんですよね、やっぱ。
いや、わかります。うちも実家に今、二重窓つけたからまだマシですけど。
ユニクロのウルトラライトダウンを、いつも家の中で着てます。
でもそういう人多くないですか?富士吉田のおばちゃんたち。
多いですよ。
多いですよね。ウルトラライトダウンが薄手ですごい動きやすいじゃないですか。あれを着て。
そういう暮らしだから、「肌着で過ごせるなんて嘘みたい」って本当に思いますね。
いや、今までほんとなんだったんだろうって、やっぱ思います。価値観がまるっきり変わるっていうのは、本当にわかりますね。
毛布も花粉症の薬も、いらなくなった
そうですね、肌着だけじゃないし、布団も変わりましたし。
ああ、確かに。布団は何から何になったんですか?
今だと毛布もいらないので、その当時の布団はもう全部捨てました。
ホームセンターでも売ってるような、3点セットぐらいの薄いやつでも、十分快適に過ごせるなっていう。
うちはベッドは置いてないので、そういうもので、本当に気軽にゴロゴロできるようになりました。
健康面では、何か安心が増えたとか、何かが改善したとか、変化ってありましたか?
まず温度で言ったら、寒くはないので、家の中で風邪を引くとか、そういったことはもう想定しなくても問題なく、快適に。
もちろん寒いとかはないので、家の中にいた方が健康的だなというのは、温度だと1つですかね。
で、あと花粉症はまるっきりならなくなりましたね。花粉はひどかったんですけど、妻も子供もひどかったんですけど、今はないですね。
外出すると、多い日はくしゃみぐらいはあれですけど、家の中では全然快適ですね。花粉症の薬も全然飲まなくなりましたし。
えー、じゃあそれだけ、隙間から花粉が入ってきてたってことですね。
そうです、そうです。
寒い家は家族がギスギスする
奥様のご機嫌とかはどうですか?
常にご機嫌を取ってるから、あれかもしれませんけど。これ(妻が)聞いてたらやばいよなとか思っちゃいますけど。
いや、なんか寒いとギスギスしません?寒いと。
しますします。妻だけでなくて子供もそうだし、みんなそうですよね、やっぱり。
前のようなこたつだったら、「誰が出て行くんだよ」みたいな、「あれ持ってこい、これ持ってこい」みたいな、そういうのありますよね。
そうそうそう。こたつに入ってれば入ってたで、足がぶつかったりとかね、しますからね。
しますね。そういうストレスは、やっぱりまるっきりないですよ。
なんかあったかいって、当たり前のことなんですけど、いいですよね。本当に。
そうですね。当たり前にしなきゃいけないことでしたね。
真冬にレンジフードが24時間回る家
ここで天野さんが、真冬の卜部さんの家で見られる意外な光景を紹介します。卜部さんの家は24坪の平屋で、断熱等級は6です。
卜部さんちはですね、真冬に行くと、熱すぎるので、キッチンの換気扇、レンジフードですね、が、24時間ずっと回ってます。
それはどういうことですか。
卜部さんちは24坪の平屋の住宅ですけど、割とコンパクトにまとまってるので、熱がこもりやすいっていう、いろいろ複合的な要因はあるんですけど。
住宅の性能ということで言うと、うちは断熱等級は7なんですよ。卜部さんちは断熱等級の6なんですよ。
で、家族はうちの方が1人多いんですよ。卜部さんちは家族は3人なので。家はうちより小さいんですけど。
生活の仕方も違うからあれなんですけど、家の温度帯でいうと、卜部さんち、多分27、8度あるでしょ。
あ、なりますね。昼、日中ですけど。
日中、多分30度ぐらいいくんじゃないですかね。暑い暑い言ってるんで。
うちは、同じ天気の日でも、晴れの日だったら28度もいくんですけど。
用事があって卜部さんち行くと、卜部さんちは開けた瞬間、本当にモワッとするんですよ。
そんなに?
同じ高断熱に住んでて、もちろん家の体積とか、その辺も違うからあれなんですけど、卜部さんちは、一番わかるぐらいモワッと。
「卜部さん、暑すぎない?」っていうぐらい暑いんですよ。
補足で言うと、暖房焚いてないですからね。そう、それ言わなきゃいけないですね。暖房なく、日射が入るだけ。
卜部さんちに我々家族が行くと、「暑すぎない?」っていう感じなんですよ。
卜部さんちがうちに来ると、多分「天野さん、寒くないのかな」っていう。(暖かさに)慣れちゃってるんで。
布団から出るのがつらくない朝、寒くないお風呂掃除
うちは、朝になるとみんな布団にちゃんと入ってるんですよ。体がもう慣れてきてるんで。
朝布団に入って、「布団あったかくて気持ちいい」っていうのが、なんとも言えないんですよ、やっぱり。
ぬくぬくね。
普通の富士吉田の冬だと、布団の外が寒すぎるから、ずっと布団の中にくるまっていたいっていうのが、昔の感覚じゃないですか。
うん、本当に。
でもそれはないんですよ。布団の外も、普通に暖かいっていうよりも何も感じないので、感覚的に熱くも寒くもなく。
ただ外に出ると「寒っ」みたいな。外に出て初めてわかるっていう感覚。
なので、冬、布団から出るのがつらいとか、そういったのは新しい家になってからは全く。
ないですね。ないですね。
で、お風呂掃除とかも、みんな嫌がるじゃないですか。
寒いからね。
だからお風呂掃除も別に寒いとかないんで。
なんだったら、前日にお風呂入るの忘れても、朝に普通に「じゃあちょっとシャワー浴びてよ」っていうのは全然普通にできるんですよ。
等級7の大工が「最低限は6でいい」と言う理由
同じ建物性能を作っていても、やっぱり住む人の体感で、その辺の感じが違うんですよね。
だから常々言っている、モデルハウスや見学会があったら、特に一番いいのはモデルハウスがある工務店さんに行って、建物を体感してもらうのが。
うちのお客さんで、等級7がいいっていう方が多いんですけど、僕が等級7で造っていて、家の面積とかちょっと違いますけど。
6と7の違いで、最低限造った方がいいっていうのは、6でいいんじゃないのかなって。
何が違うっていうと、お金の面が。
お家に関わるランニングコスト、燃費、特に暖房費が、うちと卜部さんちだと、電気の使い方も違うから一概には比べらんないけど、ちょっと違います。電気代が。
でも、数千円程度だよね。
住んでよかったこと3つ。健康、家族のゆとり、ランニングコスト
卜部さんにお聞きしたいんですけど、あったかいお家に住んで良かったこと3つ、リスナーの方にお届けするとなると、何が良かったですか?天野さんの家に住んで。
やはり、健康面は一番大きいですよね。そんなことは考えたことなかったので、寒い中アパートみたいなところに住んで。
病気にでもなれば対処療法でしかなかったっていうことしか策がなかったからあれですし。
健康に住むことができるっていうのは、これが一番優先順位かなとは思いますね。
で、その次はもう、お話あったように、家族がギスギスしないですね。
あったかいってね。
やっぱりそれはもう、お金ではなかなか表すことができないですよね。
豊かさっていうのはお金だけじゃなくて、その人が幸せをどこに感じるかっていうのは、生きていく上で人とコミュニケーションを取っていかなきゃいけないんですけども。
それって、なかなかお金で評価できるものではないと思うので、そこに気持ちのゆとりであったりだとか、幸せ感とかが作れるっていうのは非常に重要。
これはお金ではなかなか難しいことで、住まいだからできることだと思っているので。
一番中心に考えたいのが健康と、関わった人たちの気持ちが一番かなというのが、2つ目も含めてってところですね。
で、3つ目っていうことであれば、私も稼ぎ頭なので、お金の負担がやはり少ない家ですね。
建てる時は確かに金額が大きい建物にはなりますけど、その後住むということを考えた時に、今度はランニングっていうところの負担が大きくなる場合が出てくると思うんですよ。
それが性能に一番直結してるんだろうなと思ってて。寒ければ暖房もつけなきゃいけない、エアコンで足りなければ石油ストーブも焚くとか。
こたつも必要だとか、下手するとカイロまで貼るかとかじゃないですけど。
そうそう、本当にそう。
いや、本当にそうで。しかもカイロだけで足りないから、今度は着るものまで、厚手のものに変えなきゃいけないですよね。
(光熱費が)余計高くなってる最中、お金かけられない方は、もうそこは寒くなきゃいけないとか。
で、夏場はここ最近、異常気象もあって、非常に暑い夏だったりするわけです。
お金をかけなければエアコンがないとか、涼しいところにいられないというのは、その生活がどうかっていうと、うーん、やはりお金も非常に重要だと思うんで。
お客さんにお話するんだったら、その点ですね。高いですけど、快適な住まいのために取得したわけです。
「一生家は買わない」はずだった卜部さんが、天野さんに頼んだ理由
いろんな大工さんがいる中で、卜部さんが天野さんにお願いしたわけですけど、何が決め手で天野さんにお願いしたんですか?
最初、自分は一生家は買わないっていうつもりでいたんですよ。
え、なんで?
やっぱり家っていうものが、非常に大きい買い物であることもあって。
それに対して性能であったり、そこのところに不信感というか、自分も(住宅業界に)携わってたにも関わらず、そういうふうに思ってたんですね。
そうは言っても、どうせ住むんだったらどういう家に住もうかなっていう話が、たまたまその職場に勤めてた時にあって。
やっぱり先入観なんでしょうか。小さくても平屋ですね。なんか平屋って、すごく金持ちのイメージあるんですけど。
それで快適な住まいだったら、夫婦と小さい家族で住むんだったら住んでみたいなっていうのも、後押しでもありますね。
ですから、形の設定とか、そういうことは私、一切何もやってないんですよ。実を言うとですけど。
本当に、先ほどお話しした豊かさというか、そこに向けた住まいづくりに、ちょうどかなったかなっていうような感じですね。
同業から見た天野さんの仕事と、奥さんの本音
住宅業界の同業から見て、やっぱ天野さんの仕事ぶりってどうですか?
天野さんの仕事ぶり。
前の職場にいた時からですかね。天野さんが「木の窓、木の家」っていうコンセプトを立ち上げて、それしか作らないよっていう、それは性能に関わることだったんですよ。
そのお話を聞いた時も、快適な住まいづくりとはっていうのをやり始めたっていうのは、もうその時からすごいなと思ってまして。
サイディングで囲ってしまったりですとか、塗装をしてしまうとか、ありきたりな住宅っていうべきなのか、そういうような住まいづくりではなかったっていうのが。
それが一番、天野さんじゃなきゃできなかった、一番近くでやっていただける方だったっていうのが、非常に重要だったかなと思いますね。
そっか、木の家づくりを徹底してるっていうところですね。わかりました。
ここで天野さんが、卜部さんの奥さんの本音について切り込みます。
ぶっちゃけ奥さんは、(家を建てる大工が)俺でよかったのか。大事、大事でしょ。ね。
大事、大事、大事、大事。
あなたの仕事のお付き合いの、しょうがないけどっていうのはあったのかもしれないけど。ね。
それはなかったですね。よくよく考えてみると、私の方が足りなかったっていうのは言われますよね。
ん?どういうことですか?
結構私、天野さんにお任せして住まいづくりをしていただいたんですよ。ですが逆を言うと、あんまり家族で話し合ったっていうことがほぼなくて。
そういうことがないので、「話聞いてないよ」って嫁とかには言われますよね。
ここにも、ここにも妻の意見を一切聞かない(人が)。
俺と一緒です。家族の意見を聞かずに、もう作っちゃったっていう。
天野さんのお隣さんの卜部さんに、ゲストで出演していただきました。卜部さん、どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
「天野さん、いい家ってなんですか?」はSpotify、Apple Podcasts、YouTubeで配信しております。
冬場の寒い時期の、天野さんの自宅兼モデルハウスの見学も本当におすすめです。(モデルハウスに行く途中で)卜部さんのお家も前を通っていくので見れるかと思います。
皆さんぜひ、ホームページのお問い合わせフォームから、モデルハウス見学のお申し込みをしてみてください。それでは今日もありがとうございました。
ありがとうございました。
まとめ
気密測定のプロである卜部さんは、鉄骨アパートから断熱等級6の平屋に移り、氷点下15度の富士吉田で「冬が楽しい」と感じるようになったと語りました。肌着一枚で過ごせ、毛布も花粉症の薬もいらなくなったそうです。住んでよかったこととして、健康、家族がギスギスしない気持ちのゆとり、ランニングコストの3つが挙げられました。等級7で建てた天野さんは、最低限なら等級6でよいと話し、モデルハウスでの体感をすすめています。
- 鉄骨アパート時代は冬の電気代が約5万円。新築後は肌着一枚で過ごせる冬になった
- 寒い家は家族がギスギスする。暖かさは「当たり前にしなきゃいけないこと」
- 住んでよかったことは健康、家族の気持ちのゆとり、ランニングコストの3つ
- 等級7の天野さんは、最低限なら等級6でいいと考え、体感での確認をすすめる


