15分の準備で、全部英語の授業をすることに
先日、英語で授業をする機会がありました。普段僕が TOEIC を教えるときは日本語を使っているので、英語だけで授業をすることはほとんどないんです。
ご縁があって、英語で授業をやってみてくれないかと頼まれました。
その場に行くと教材が渡されて、15分でその教材を見て準備してほしいと言われます。そして15分後に授業を開始、全部英語で、という条件でした。
聞くだけで胃がキリキリする人もいると思います。僕も正直「うわぁ」と思いました。
TOEIC なら、普段から教えているので内容に頭のリソースを持っていかれないんです。専門の領域について話すときは、日本語でも流暢になりますよね。
内容をちゃんと理解しているから、伝えることへのストレスがない。あとは言葉選びや伝える順番、声のメリハリに気を配れるわけです。
ところが、今回の素材は、その場で読んで「あ、そういうことあるんだ」と僕自身が勉強になったような内容でした。それを仮想の生徒に、しかも英語で伝えるんです。
TOEIC なら十何年指導してきて、「こう教えるとこういう反応がある」という経験が溜まっています。しかし、今回はそういったものが通用しない素材でした。
咄嗟に出てきたのは「やり込んだ英語だけ」
授業は結局10分ぐらいだったと思います。生徒を当てたり、やりとりをしたりしながら進めました。
30秒沈黙してしまうようなことはなく、スピードは遅かったかもしれませんが、授業としては成立していたんです。
ただ、振り返ってみて気づいたことがあります。準備ができない状態で使えた英語は、『ラジオ英会話』や『Distinction』、『毎日の英単語』など、今まで相当やり込んだものだけだったと思うんです。
『総合英語FACTBOOK』や『一億人の英文法』もそうですね。そこで覚えた単語や表現、文法しか出てこない。
本当は、内容を理解しつつ伝え方を考えているときに、英語そのものにストレスがかかってはいけないんです。いま僕が日本語で話すとき、日本語にストレスはほぼありませんから。
でも英語の授業中は、同じ言葉を繰り返し使ってしまって、すごく嫌だなと思っていました。伝えたいことにぴったり合う表現がすぐ見つからず、別の言い回しで回避することもありました。
夢に出てくるぐらい、くり返す必要がある
そう考えると、覚えたい表現は、夢に出てくるぐらい、いつでも思い出せるぐらいまで繰り返す必要があるなと思いました。
例えば、「ラジオ英会話」なら、その日のレッスンのダイアログや Grammar and Vocabulary、Essential Expressions、Practical Usage などがあります。
全部覚えたいのなら、「今日の Practical Usageはどんな内容?」と聞かれてすぐ出てくる状態を目指す必要があるんです。
僕は1週間前、2週間前のレッスンに遡って何回か触れる仕組みを作ってやっています。でも、その日のものをその日中に全部覚える、というところまではできていませんでした。
仕組みを作って、続けやすさや持続可能性を作るのはとても重要だと思います。ただ、そこにやっぱり必死さというか、がむしゃらさ、泥臭さが要るんじゃないかと感じたんです。
才能がないなら、好きと反復でカバーする
語学の才能、というとちょっと言い方が良くないかもしれませんが、得意な人はいると思います。
僕は TOEIC の問題をいっぱい解いて、参考書や問題集を使って満点までたどり着きました。
一方で、TOEIC をほぼ知らない知り合いに参考書を教えたら、1回目で800点台後半、2回目で900点を取って卒業した人もいます。僕は「そこまで行くのに相当苦労したんですけど……」という感じです。
僕の場合は、好きでなんとかカバーしている部分が大きいかなと思っています。あとは、もうくり返すことですね。
僕は本当に忘れっぽくて、小学5年生の娘に「病気じゃない?」といじられるぐらいです。年々忘れっぽくなっている自覚もあります。
それに抗うには、地道にくり返すしかない。「もういいでしょ」っていうぐらいやっても忘れるんですから。
周りからは「ラジオ英会話、ラジオ英会話うるさい」と思われているかもしれません。それでいいんです。
僕はまだ「ラジオ英会話」レベルの内容を全部スムーズに言えるわけではありません。だから使い尽くして、まずはこのレベルをスムーズにできる状態まで持っていきたいと思っています。
TOEIC 満点や英検1級を持っていて、このレベルをとっくに超えている人はたくさんいるはずです。でも僕は、まだまだだなと今回の授業で正直に思いました。結局は自分が納得しているかどうかだと思うので。
外に出て、自分の英語を見てもらう
模擬授業の評価がどうなるかは、まだわかりません。その場では「英語で授業する経験がすでにあるのかと思っていました」と言われました。
実際は、やったことはあっても、ずっと授業しているわけではありません。久々に10分間、いろいろ伝えながら話したんです。
前日はしんどくて嫌だったのですが、行ってみると TOEIC を受けた後のように、モチベーションがすごく上がっています。
授業中も「あ、これ『ラジオ英会話』でやった表現だな」と思いながら話している自分がいました。もう少し強度を上げて染み込ませていけば、咄嗟に話すことにもっと自信を持てるはずです。
大学のアカデミックな授業はまた別だと思います。でも、教材を使って、これから英語力を伸ばしたい人たちに英語でレッスンをすることはできるんじゃないかと思えました。
「ラジオ英会話」をやっている人は、自信を持って続けていいんだと思います。僕自身、そう思えたので共有しておきたかったんです。
それから、普段テキストだけをやっているなら、別の場所に行ってみたり、オンライン英会話の体験レッスンを受けてみたりするのもいいと思います。毎日同じことを続けて「伸びないなぁ」となるより、自分の英語力を見てもらう機会を持つことが大事だなと感じました。
英語を実際に使う場面と普段の学習とのギャップや、「このままでいいんでしょうか」という不安があれば、ぜひ教えてもらえると嬉しいです。僕も頑張っていくので、一緒に頑張っていきましょう。
YouTube の動画を Spotify のポッドキャストにして、それを記事やショート動画にもしています。いろんな形で僕のメッセージを楽しんでもらえればと思います。今日もお付き合いいただいてありがとうございました。それではまたお会いしましょう。バイバイ。
まとめ
準備なしで英語の授業をしてみて、咄嗟に出てくるのは何度も口に出して染み込ませた英語だけだと痛感しました。だから僕は、「ラジオ英会話」をもっと泥臭くくり返していこうと思っています。
- 15分準備・全部英語の授業で、使えたのは相当やり込んだ教材の表現だけだった
- 覚えたい表現は、いつでも思い出せるぐらいまで繰り返す必要がある
- 忘れっぽさには、好きであることと地道な反復で立ち向かうしかない
- 普段の学習から少し外に出て、自分の英語を見てもらう機会も大事





